女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

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やめてくれ

壁に埋まっていた

感覚だけでわかった

背中がスースーする、風に当たっているのだ

とは言え建物の中だ、風なんぞどこにあると言うのだ

 

とも思えば激痛が走り、壁から引きずり出される

床に転がる、下顎の無い口から黒い液体を吐瀉する

本当に真っ黒で何か食物がある訳でもない

吐き出した何かとは思いたくないほど不気味な物

 

不気味な、何か

 

ただそれも自分を構成する一つだと、感じれた

そこは先程出た部屋と似たような部屋だった

違うのは机が無く、代わりにあるのは覗き窓

 

敵が現れるのも、似ていた

ソイツが持っているSMGが連射される

UZIともMAC10と同じグリップにマガジンが刺さるタイプだ

刻印を確認…MP7A1とはっきり刻印されている

敵をストックでしばき倒して、窓を確認する

 

そこにはドアが2つあった

奥にはレバーが付いた装置があり、何か記憶を刺激した

それよりも、気になったが

 

今奥のドアから入ってきたサンフォードだ

 

「燦莉…サンフォード!」

 

こちらを一瞥することも無く彼はレバー引き倒す

おそらくそれに頭が行っていたのだろう

彼はこちらの扉から入ってきた敵兵にショットガンでぶち抜かれてしまった

 

「クソッタレ!死ねコノヤロウ!」

 

敵に発砲

死亡した後窓からドアに向かう

 

だが、ドアは開かなかった

後ろから異音がしたかと思えば、刃がまた霊覇を穿つ

そして壁に引きずり込む

 

出たのは今の部屋だ

 

ただ、何かが違う

自分が最初出てきた所も変わってないが、何かが違う

グリップを握りしめ、ドアを開ける

中の哨戒と思われる敵に発砲

空薬莢が重力に従い下に落ちていく

二名の敵を壁を駆けながら抹殺

 

先程の部屋、敵が出てきたドアから入る

おそらく敵が来る。

先程見た事が、今起こっていた

これはゲームか何かか?

 

さっきと同じように燦莉が入ってくる

こちらを見ずにやはりレバーに向かう

 

「…この…覚えとけ」

 

敵が先程と同じように入ってくる

顔面に銃口を突き刺し、引き金を引き切る

玉が無くなるまで撃つと、ショットガンを奪う

 

そして、丁度レバーを倒した燦莉に話しかける

 

「おいおい、無視は無い――!?」

 

振り返ったソレは見知ったそれでは無い

深淵の様に黒く、光がない穴

それが燦莉の顔面にぽっかりと開いていたのだ

 

酷く苦しそうな様子になる

頭を抱え、その痛みに耐えるかのように

 

かと思えば壁に移動して拳を振るう

壁は簡単にへこみ、黒い穴を作っていく

 

かと思えばぼーっと立ちすくみ、動かなくなる

先程の激情が嘘かのように動かなくなった

 

そう思えば、今度は地面に突き刺さっていた

頭を下にして黒い液体を手から垂らしながら

 

「…!しまっ――」

 

自分の周りに黒い四角形の線が見えた瞬間、呟く

それはよく見れば溝と言うのがハッキリ分かる

 

予測出来るのは、下か、上か

どちらに上昇するか下降するかである

 

結果は前者だった

 

地面がせりあがり、霊覇を天井とサンドイッチさせようとする

どうにかして逃げようとするが早すぎて無理だ

 

どうする事も出来ず、霊覇はミンチと化す痛みを味わった

 

 

「彼は私の弟ですよ、看病する義務はある」

 

「はっ、それは過去の事でしょう…今の兄妹は私よ、聖」

 

その頃永遠亭では一触即発の空気が漂っていた

なんでかと言えば聖が霊覇の重症を知って殴り込んで来たのもある

そこから色々霊夢と言い合い果てには彼と身を重ねたのは私の方が早いだの言う始末

 

まぁアイツが帰ってきたら修羅場なのは確定したな

燦莉はそう思いながら2人を宥める

 

「お前らあいつを思ってるのなら争うな、見守ってやれ」

 

「「それは私が」」

 

「大切な"家族"だろ、気持ちは同じの筈だ」

 

こうやって、なんとか2人を抑えている

永琳も献血のような作業をしているが、意味が無いと言ったのは彼女だ

彼女も何もしていないのは嫌なのだろう

 

とはいえ採血はあまりいい気持ちでは無いが

 

「…やれやれ、アイツは早く帰ってきてくれんかな」

 

また一触即発の雰囲気になる2人を見てため息をつく

視線は包帯だらけの親友に向き、それを捉える

 

「少し検査をするわ、待ってて」

 

永琳は試験管を揺らした後、どこかに行く

多分自分の検査室だと思う

好奇心がそそられたのだろう

 

彼の血は黒かった

 

それこそ深淵のように光を通さない色だった

人間の血とは思えない色だった

このサングラス越しでもわかる程の、おぞましい物

 

それが恐ろしくて、出てきた冷や汗を俺は拭った

 

それでも、冷や汗は止まらなかった

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