女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

6 / 61
遭遇

「そろそろか」

 

目の前に山が見える

それは近くで見ると更に高いことが分かる

ここまで来るのに少し時間が掛かった

予想より五分くらいか

 

「全く、疲れるね」

 

俺は近くの石に腰を下げ、煙草を咥えた

何処にも禁煙の文字は見えない

ZIPPOで火を付けた

 

「変な所に来たものだ」

 

俺はぽつりと呟く

山に入って少し進んだら俺はここに居た

そこからは信じられないような出来事ばかりだった

 

「はぁ、面倒な」

 

俺は太腿に手を移動させる

少し、音がしたのだ

 

…いや、視線だ

 

「…」

 

カチャリとM500を構える

スラリと黒刀を抜く

右手にリボルバー、左手に黒刀だ

 

この黒刀はまるで焼き焦げたかの様に黒い

 

刀の長さは大体腕くらい、結構短い

 

辺りに視線を彷徨わせる

舐めつけるような視線は一向に消えない

刀を逆手に握る

 

「…気味が悪い」

 

身体中を舐めつける視線は止まらない

むしろ、それは近づいている気がするのだ

視線の方向には空が見えるだけだ

 

「…!」

 

俺は即座に草むらに飛び込んだ

そして匍匐し、じっと動かない

 

それが幸をなした

 

「…あれ?あの男の人間はどこへ?」

 

「居なくなってますね」

 

2つの女の声がした

 

1つは楽観的な…しかしどこか油断出来ない女の声

 

1つは戦いに身を置き、油断後無い女の声だ

 

俺は息を静かに潜める

呼吸はほぼ意味をなさない程小さい

 

「…んー帰りません?」

 

「いや、気配はする」

 

それを聞くと俺はもう動くことさえ出来なくなった

少しでも、それこそ震えでもすれば殺られる

 

「…居ない…か」

 

俺は油断はしない

ここで安堵の息をすることは死を意味する

 

「帰ります」

 

「そうですかーじゃあ私もー」

 

ばさり、と聞こえて2人の気配が消える

少し遅れて風がビュンと吹いた

 

数秒待つ

 

何も起こらない

 

膝立ちになる

 

俺は念の為M500を構える

そして何の異常も無いことを確認し、茂みから出る

 

「…はぁぁぁぁぁぁ」

 

潜めていた息を全て吐き出した

 

「生きた心地がしないな、全く」

 

煙草を咥え、ZIPPOで火を付ける

 

「さて、戻るか」

 

取り敢えずここには来る必要が無い

山方面には川がある…と思う

その下流で魚を採れば生きてはいける

 

「…スキマから釣竿を貰おうか」

 

煙を口から吐き出す

煙草を地面に投げ、足で踏み潰す

マナーが悪いとは分かっているが、これが治らない

あちらでのストレス解消方法だったのがいけなかったのだろうか

まぁ、そんなことはいい

 

「見つかっていないのは不幸中の幸い、か」

 

俺は振り返ることをせず、歩いてそこを離れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、隠れてたか」

 

「あそこも天狗の領域ですからねー」

 

「言っていないで追うぞ」

 

「はいはいわかりましたー」

 

 

…追跡する2つの影に気づかずに




椛の口調テスト

優しめに戻すつもりでいる

…いや、文と言う時にこの口調にするか
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。