マッチョトレーナーがこの先生きのこるには《完結》   作:とらんらん

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書いてたら最終回IFじゃなくて94話のIFになってたけど、このまま投稿。
最期は愛が重馬場タグの王道スタイルだ……!


最終回IF 数の暴力は偉大

 

 現代では大分緩和されてきてはいるが、国家と言うモノは遥か昔からウマ娘の確保に躍起になっていたという。

 何せウマ娘はヒトと比べて圧倒的なパワーとスタミナ、スピードを持っている。これは国家の視点で見れば、圧倒的な労働力と戦力を有する存在でもあるのだ。過去は勿論の事、技術が進んだ現代でも、一部職種ではウマ娘のパワーとスタミナは重宝されているし、軍事の分野においてもウマ娘による部隊は決戦兵力の一角として数えられている。

 

 ウマ娘の数≒国力&戦力。

 

 ヒトよりも食料消費量が多いという欠点に目をつぶってでも、あらゆる国――どころか国未満の街や村、集落レベルの地域集団であっても、ウマ娘を確保しようとするのは当然の事なのだろう。

 

 ではどうやってそのウマ娘を確保するのか? という話になるのだが、他所から連れてくるか、ヒトとヒトの営み――より正確に言えば、ウマ娘と男の営みの方がウマ娘が生まれやすいが――で増やしていくしかない。

 なお他所から連れてこようとしても、元の所属コミュニティはウマ娘を早々手放さないし、仮に手放すとなっても余所と争奪戦になるので確実性はないので、主な確保手段という意味では不採用。そのためウマ娘がウマ娘を生んでもらう方に力を入れるのは当然の結末だろう。

 

 だが問題はその方法だった。ウマ娘の数≒国力&戦力の原則があるので、施政者としては効率よくウマ娘を増やしたい。牛やヤギといった家畜と同じ手法でウマ娘を増やせるのなら、実行したいのは本音であっただろう。(それこそR-18系の薄い本のように)

 だがこの施策はウマ娘の持つ性質によって実行される事はなかった。それは全世界古今東西共通なのだから、徹底していると言ってもいい。

 

その性質は――「ウマ娘が愛する男性と結ばれた場合、ウマ娘が生まれやすい」

 

 何とも都合がいい上に、生物学を無視して半分オカルトに足を踏み入れている気がするがマジである。古代から中世は経験則、近現代は統計学によって証明されているのだからタチが悪い。ついでに現代のウマ娘の研究者も「なんでこんな性質を持っているのか全く分からない」と言うのだから筋金入りである。

 

 そんな性質があるものだから、古今東西のあらゆる施政者は共通して、ウマ娘については自由恋愛を推し進める事となった。そうしないとウマ娘が増えないのだから仕方がない。

 結婚は男女共に家の存続のための義務だった時代に、ウマ娘だけ自由恋愛なのだから異様にもほどがあり、ヒトの女性から羨ましがられる事が多かったという。(例として日本では「ウマ娘に生まれていれば、あのヒトと結ばれたのに」と詠んだ短歌が残されている)

 またこのウマ娘の性質は、男性側にも影響を与えていたりする。古い時代においてウマ娘に愛されて嫁に迎えるという事は、その家に多大な労働力、もしくは強力な戦力を引き入れられる事でもある。それ故に身分が高かったり裕福な家の男子は、何とかウマ娘を嫁に迎え入れようと、ウマ娘に好かれるための各種所作を施されていて、所作にもいくつか流派が存在しているのだから、その力の入れ具合が分かるというものだ。

 

 さて、ウマ娘の一つのよくわからない性質が世界各国の文化に影響を与えつつも、とりあえずはウマ娘を確保できるシステムが作られ世界は回っていく。ひょんなことからウマ娘に惚れられ、その結果大出世したという立身出世物語が生まれたり、逆に裕福だったがウマ娘の取入れに失敗したのが切っ掛けで衰退していく悲劇が始まったりと、悲喜交々あったりするが本筋でないので省略しよう。

 そんなウマ娘のみ恋愛至上主義な世の中が遥か昔から続いていたのだが、同時にそれのが原因なのか、恋愛関係で度々トラブルが見出される事があったという。

 

 ――具体的には一人の男に複数のウマ娘が惚れたせいで発生するトラブルである。

 

 世のヒトの女性からすれば「ふざけんな!」と怒鳴りたくなる代物だが、ウマ娘たち&惚れられた方は本気だ。

 ウマ娘が惚れる男というものは、基本的に優良物件なのだ。それ故に複数のウマ娘が狙うという案件が発生する。

 そして「他のウマ娘に盗られてなるものか!」と骨肉の争いが始まるのだ。ウマ娘側の身分次第では家同士の争いになる事もあるからタチが悪い。なお野郎は酷い目に遭うのも定番。

 ――ウマ娘の愛情に関する特性、「ウマ娘の愛は重く、強い」が悪い方に転んだ結果である。

 こういう場合、野郎側もシンドイのでおおよそ争っている内の一人のウマ娘を選んで、何とかその場を収めるのが定番なのだが、そこまでやっても止まらないケースは割と多い。具体的には結ばれた後でも横から掻っ攫おうと虎視眈々とするし、正式に結婚してもお構いなしに突っ込んでくる事もある。そうでない場合でも愛した男に操を立てて独身を貫くパターンもあるとか。

 ウマ娘側がやけにアグレッシブかつ無法をやっているようだが、現代の男女平等の常識が普及するまで男女及びウマ娘の社会的地位は、男≒ウマ娘>>女である。しかも時と場合によっては男よりもウマ娘の方が地位が上として扱われる事もあるせいで、愉快な事になっているのだ。

 

 さてこの問題には指導者層たちは頭を抱えた。ウマ娘の量=国力&戦力だから、ウマ娘がウマ娘を生んでもらわないと困るし、痴情のもつれで家同士が争うとか勘弁この上ない。一応ヒトの女性のように家の力を使って相手を宛がう手も残っているが、ウマ娘を生んでもらいたいという趣旨から外れてしまう。

 じゃあどうする? 時の権力者たちは疲れた顔で考えに考え……、そしてもう面倒臭くなり、投げやりになった。

 

「もうウマ娘限定で一夫多妻で良くね?」

 

 ――これまた奇しくも世界共通であったという。

 こうして時の権力者たちが心労の末に決めた事はいつしか常識、慣例となり、近現代に入ってからは正式に決定され、そして今現在にも連綿と続いているという。

 

 

 

 

 

 時間軸は再び現代へ。夜のトレセン学園で、あるトレーナーとウマ娘たちによる戦いは終わりを告げようとしていた。

 

 “トレーナー”

 

 ……うずくまって動けずにいると、不意にインカムから声が聞こえた気がした。

 

“貴様はなぜトレーナーになった?”

「やらなきゃ……いけない事があるから……」

 

 ……酩酊しているせいか、半ば無意識に返事をしていた。

 

“やらなきゃいけない事ってなに?”

「あの娘のような……目に遭わせちゃいけない」

“それは怪我のせいで夢をあきらめる事ですか?”

「そうだ……! だから今度こそ大丈夫だって……」

“だから自分の全てを賭けてでも助けようとしているんだな?”

「……その程度で……助けられるなら……」

“――トレーナーちゃんは自分が許せないんだね”

「……」

 

 その通りだ。

 

「……あの娘が泣いていたのに……手が届かなかった……。だから――」

 

 だから今度こそあの娘を助けないといけない。

 

“もう自分を許してやれ”

 

 いくつもの足音近づいてくる。……担当たちは優しい子ばかりだ。だからこんな自己満足に巻き込む訳にはいかないから逃げていた。だが……もう身体が動きそうもな――

 …………………待った。いくつもってなんだ?

 

「もう大丈夫だ。私たちがいる」

「…………………」

 

 非常に、ヒジョーに嫌な予感しかしなくて、恐る恐る顔を上げる。そこには、

 

『トレーナー(さんorちゃん)』

 

 勢揃いしたチーム・デネボラメンバーが、とってもいい笑顔で迫ってくる光景が……!

 

「…………うおおおおおおおおおおおおお!?」

『えっ!? きゃああああああああ!?』

 

 反射的にスタングレネードを投擲! 5人が怯んだ隙に逃走する! 酩酊? 余りの衝撃に全部吹っ飛んだわ!?

 

“酷いですトレーナー”

“あそこは私たちの胸に飛び込んでくるものだよ?”

「いやアホか! 普通来るとしても一人だろ!? なんでさも当然と言わんばかりに勢揃いしてんだよ!?」

 

 担当たちから抗議の無線が届くがツッコミしか出来ん! この鬼ごっこ(仮)って、勝者は一人のサバイバルゲームだし、実際に足の引っ張り合いとかしてただろうが! なに急に手を組んでんだよ!?

 

“何を言っている。私は『1週間は捕まえた鬼が貴様を好きにする』と言っただけだぞ。誰かが捕まえて、その後他のメンバーと共有するのも可だ”

「うっそだろお前!? じゃあ何で内ゲバしてたんだよ!?」

“あ、それは誰が一番最初にうまぴょい(先行)するかの順番決めのためだよ?”

「うぉい!?」

 

 色んな意味でひでぇ!?

 

「どうしてそうなったんだよ!?」

“どうせアンタが誰かと結ばれても、残ったメンバーは早々に諦められないからな。それだったら、アンタの監視も兼ねて全員で囲う事にした”

“幸い、私たちウマ娘なら一夫多妻制は出来るからね。合法だよ”

「そういえばそんな制度あるなぁ!?」

 

 色々と制度やら文化やらが発展した現代で全世界でウマ娘限定で一夫多妻制やってる辺り、色々とアホかなって思う事あったけど、当事者になるとは思わんかった!

 

「ゆーて、今の一夫多妻(ウマ娘限定)って色々と制約とかあるからな!? そうそう上手く行くか!?」

 

 遥か昔から連綿と続くウマ娘限定の一夫多妻制だが、時代によってアップデート自体はされてる。有名なのは年収とか資産とかその辺りだな。どっちも低いと当事者たちが不幸になるだけだし。あと旦那になる側の性格面とかそっちも審査されるとかなんとかなんとか。そういうのもあって、一夫多妻のハードルって結構高かいから、今の時代はウマ娘にとっても一夫一妻が基本だ。だが、

 

“安心しろ、問題はない”

 

 担当たちとて、そこら辺もしっかり考慮していた!

 

“そもそも資産規定については、貴様は余裕でクリアしているぞ?”

「え?」

“貴様がメガドリームサポーターの事件で得た賄賂を株に投資をしたら、恐ろしく増えたと零していただろう? その時通帳も見せてもらったが、あの金額ならば規定はパスしている”

「そういえばあったなー!?」

 

 正確には三女神AIが全力で手伝ってくれたお陰なんだけど、三人に手伝って貰ったら、サラリーマンの生涯年収の倍近くにまで膨れ上がったんだった……!

 

“後、年収も問題はない。そもそもの話だが、中央のチームトレーナーは相当な高級取りだぞ? 更に扶養手当が付けば、貴様だけで規定に届く”

“うむ。余談だが件の年収規約は社会的に信用できるモノでなければ弾かれる要件だが、トレセン学園所属ならば一発でパス出来るぞ! 安心して欲しい!”

「そっかー……」

 

 あと何となく予感はしてたけど、やっぱり理事長も観戦してたんだな……。

 

「……で、お前らの実家にはどうやって説明するんだよ。絶対揉めるだろ」

“そこは任せな。トレセン学園にはこういう時のための、両親説得マニュアル(一夫多妻編)があるからそれを使えばいい。元々アンタは親連中にそれなりに気に入られているから、上手く行くだろうな。ついでにウマ娘の実家同士のいざこざについてだが、幸いウチのチームで名家なのは私の家だけだ。こっちも余裕で対処出来るぞ”

「マジかよ……」

 

 どんだけ本気なんだよお前ら。いや、色々と制約とか面倒な一夫多妻をやろうとしてる時点でガチだったか。ともかく予想以上に状況がヤバい!

 

“いい加減諦めろ、トレーナー。そして私たちに溺れろ”

“とりあえず今日は最低一人3回ぴょい(中)するという事でお願いします”

「いくらマッチョでも、そんなに出ねぇよ!?」

“そこは大丈夫。タキオンからうまぴょい(情熱)のための薬は貰ってるから安心してね”

“それに明日からは特別練習場で皆でトレーニング(棒)だからね? 理事長が特別に特別練習場を貸してくれたんだー”

“そういう事だ。覚悟しなトレーナー”

「ひえ……」

 

 そしてそんなアホみたいな会話をしていると遠くから足音が聞こえてきたんで、速攻で適当な教室に駆け込んで身を隠す。

 

「どうしてこうなった……。どうしてこうなった……!」

 

 教室の隅っこで頭を抱える。大前提だが、俺にハーレム願望なんざない。人口比的にヒトの女の方が多いから、社会的には一夫一妻制が常識なんだ。そして俺の中の常識も一般常識のそれと同じだ。

 なに? ウマ娘のみ一夫多妻制可なんだから多少は意識するだろ? アホか。そんな願望ある奴は頭中高生か頭ハロン棒位だ。割と有名だがああいった生活って結構大変なんだよ。

 もういいかなーってグラついてた所に、全員が突貫してくるとか頭バグるわ。そんなことを考えていると、

 

「やあ、武藤トレーナー」

「……ん?」

 

 不意に側から声が聞こえてきた。そちらに目を向けると、そこにいたのは学習机の上で腕を組んでいる現実用小型ボディ(フィギュアサイズ)のダーレーアラビアンだった。

 

「ダーレー? 現実ボディでこんな所にいるなんて珍しいな」

「ちょっと用事があってね。それにしても、無線で聞いていたけど大変そうだね」

「ちょっと前までいい話で終わりそうだったのに、色々台無しになっちまったよ……。しかも乱ぴょい(数)狙いとか笑えん」

「武藤トレーナーなら出来そうだと思うけど?」

「干からびるし、棒も擦り切れるわ」

 

 俺は薄い本の世界の住民じゃないんだよ。

 

「つー訳で、脱出路とか知らないか? 多少危険があってもいいからさ」

「うーん、調べるにしてもこの身体だと時間が掛かりそうだ。その間に捕まると思う」

「マジかー……」

「その代わり、別の問題をクリアする手立てはあるけどさ」

「え?」

 

 別の問題? 首を傾げていると。

 

「そういう訳で、二人とも頼むよ」

「ああ。いくぞゴドルフィン」

「ええ」

「ちょっ、え?」

 

 不意に何かをかぶせられ視界が塞がる。だが数秒後には再び視界が広がるのだが……、

 

「……………………えっ」

 

 目の前に広がる光景が一変していた。一点一点が豪華な家具が配置されているが、それであってどこか落ち着いた雰囲気のある部屋。配置的にホテルといった所か? 窓の外を見れば、ビーチまで広がってるんだから相当豪華だ。

 ……ただし普通のホテルと大きな違いもあるようだ。部屋のド真ん中に置かれているのは……どう見ても二、三人が余裕で横になれる程のでっかいベット……。

 

「到着っと。いらっしゃい、武藤トレーナー」

「お前も疲れただろう。ゆっくりとしていくがいい」

「大丈夫。ここなら安心して過ごせるわ」

 

 そして現れるは、普段メガドリームサポーターでよく会う等身大の三女神。もう嫌な予感しかしないが……、訊かざるを得ない。

 

「……あー、ここどこ?」

「ここ?

 

 

 

サトノ謹製のうまぴょいしないと出られない部屋(VRエディション)の中よ」

「畜生、やりやがったな!?」

 

 唐突に牙をむいてきやがった!? ダメ元でウィンドウを開いたけど、マジでログアウト出来ねぇし!

 

「何を言っている主。元々私たちはチーム・デネボラの味方だ」

「旦那様の事情はわたしたちも聴いたわ。あんな事わたしたちも看過出来ない。だからあの子たちと連携を取る事にしたの」

「警戒されないためにこの事は秘密にしたけどね。お陰でご主人様を捕まえられたからヨシさ」

 

 これ見がよしにチェーンを通した指輪をチラつかせる三人。そういや、三人もそんなの持ってたな!?

 

「VR用ヘッドセットを使えば、流石の主も逃げられないからな。それに私たちがやろうとしている事の趣旨を考えれば、やはりこのVR空間の方が都合が言い」

「……そういえば、さっきダーレーが別の問題をクリアする手立てがあるって言ってたけど、もしかしなくてもこのVR自体が解決手段って事か?」

「ええ、その通りよ」

「……よー分からんのだが?」

 

 情報不足で理解が追い付かん。首を傾げていると、バイアリーが小さく頷いた。

 

「前提条件としてうまぴょい(漏)経験の浅いウマ娘へのうまぴょい(出)は、相応に身体に負担を与える事は知っているな?」

「まあ、身体にデカい異物が入るからな」

「そう。でもこれが場合によっては走りにも影響を与えてしまう事もあるんだ。そうした不具合を起こさないために、このVR版うまぴょいしないと出られない部屋には、ちょっとした仕掛け、というよりも一部の機能をオミットしたんだ」

「オミット? 具体的には?」

「肉体へのフィードバック機能よ。元々致命的な肉体負荷が起こらないようにしてあるけど、それを完全にシャットアウトしているわ。これによりVR内での感覚は受けても、現実世界の肉体には影響を受けないようになっているの」

「んー、VR内で怪我をしても、痛みは感じるが現実世界は怪我の一つもない、とかそんな感じでいいのか?」

「その通りだ。更にいえば、疲労もしないぞ」

「こう……、肉体負荷を与える系のトレーニングには使えないな」

 

 この機能を使うとしたら、本番想定の模擬レースか? あ、でもレース中の疲労も模擬レースで得られる経験の一つだから使えないか。

 

「だがうまぴょい(リアル)には一定レベルで有効だ。これのお陰で双方が身体的負担を受けずに、うまぴょい欲を発散できる」

「余談だけどVRだから双方が離れていてもうまぴょい(電子)が出来るのもメリットだね」

「お陰でサトノのお嬢様方は夜な夜なこのVRで自分のトレーナーと色々()とやっているらしいわ」

「そっち方面じゃ需要があるのか」

 

 そしてサトノのトレーナー×2は自分の担当に肩までどっぷりいってるんだろうな……。

 

「……で、話を戻すけどさ」

 

 ……さて、そろそろ本題に戻ろうか。正直、今の説明で何となく答えは見えてるけど、訊かなきゃらない。

 

「流れ的に俺にとって一部オミットしたフィードバック機能が有用なんだよな」

「そうね」

「…………………具体的には?」

 

 

 

 

 

 

 

「それはね」

「現実と違って、幾らでも私たちとうまぴょい(計9人)出来るという事だ」

「Oh……」

 

 聞きたくなかった答えと共に、唐突に両隣にフジとエアグルーヴが出現! 両腕に纏わりつかれて身動きが取れなくなる!

 

「とうちゃーく!」

「よかった。まだ始まっていないようですね」

「アンタの身体は私たちが収容しておいたぞ。これで朝まで邪魔はされねぇ」

 

 更にマヤノ、フラッシュ、シリウスまで出現! これで勢揃いだな! ゲロ吐きたくなってきた。

 

「さあ時間もないし、すぐに始めるぞ。貴様を快楽漬けにして、もう二度と私たちから離れられなくしてやる」

「このVRなら肉体も体力も無視できますし、一人3回、いえ、もっと出来ますね」

「ふふ、これは気合いを入れないといけないね。トレーナーさんにも頑張ってもらわないと」

「でも8人は流石に多いし、順番にやっても3回以上やれるかな?」

「出来なかったら、また明日やればいいだろ。明日からは特別練習場行きだから、丸一日使ってうまぴょい(終日)すればいい」

 

 チーム・デネボラのメンバーたちが好き勝手言いながら、俺の身体をベッドに押し込む!なお全員妙にウッキウキなのにその瞳にハイライトはいない模様。

 

「ところで結局一番槍は誰になる?」

「わたしたちは鬼ごっこ(リアル)には参加していなかったわね」

「もうじゃんけんで決めていいんじゃないかな?」

 

 そして三女神の方もワイワイしながら迫ってくる。そして当然のようにハイライトさんはお留守だ!

 ――完全に詰んだ。

 担当ウマ娘に喰われていったトレーナーはそれなりに観てきたが、自分がこんな変則的な形で当事者になるとは思ってみ見なかった。

 

「あの……、せめて手加減を――」

『無理』

 

 拒絶の言葉と共に8人のウマ娘が野郎一人目掛けて突貫してくる。全員からもみくちゃにされながら、今更ながらに悟った。

 

――ウマ娘からは逃げられない。

 

 




とりあえず、これで本当に最終話となります。約2年間、本作を読んでいただきありがとうございます。

気が向いたらこのIFルートで少しだけ書くかもしれませんが、書くとしても暫く先になりそうです。後、短編で本作とは違うネタが生えてきているので、そっちを書くかもです。
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