呪腕先生が正面戦闘をしつつ足止めの任を遂行するのが見たかったけど見つかりそうになかったので書いた作品。
3人称と戦闘シーンの練習作です。
※続きません
※Pixiv様とのマルチ投稿です
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呪腕先生の正面戦闘シーンが書きたかっただけの話

雲一つない晴れ渡った空。地平線の向こうまで続いていると錯覚してしまいそうな程に広々とした荒野。

そこをひた走る男共の集団があった。どうやら、彼らはその丘陵の一つに身を潜めており、そこから飛び出して走っているようだ。

彼らが向かう先にまずあるのは、一つのクレーター。そして、彼らの”長”から「殺せ」と命じられた集団だ。

その集団の名はカルデア。男共は、彼らがこの世界を壊そうとしていると、そう聞かされていた。

 

男共は、質素な服に最低限の鎧を身にまとい、片手に短剣を。背には矢筒と弓を背負っていた。

しかし先頭を走る男だけは、短剣ではなく長剣を。その反対の手には盾を据えていた。

彼の右後ろを走る男が彼に話しかける。

「リーダー、今回の獲物、なんなんです?」

「わからん。だが、長に殺せと命じられた以上、我々はそれに従うしかない」

 

リーダーと呼ばれた彼がどこか苦虫を噛み潰したような顔で返すと、話しかけた男とは反対方向……リーダーの左後ろを走る男が口を開く。

 

「へいへい。んで、わからないのをどうやって殺せっていうんですか?」

「クレーターの中央付近にいるだろうとは言われてたがな」

「クレーターだぁ? あれは長の攻撃でしょうに、なんでその中に獲物がいるんですかい。長なら百発百中でしょう」

「……どうなんだろうな、何か悪いほうにしか進んでない気がしている。おい、お前は何か見えたか?」

 

今一表情の浮かれぬリーダーは先んじてクレーターに向かい、今引き返してきた斥候を担っている男性に声を掛けた。

斥候は不思議そうな顔で見てきたものをリーダーへと伝える。

 

「居たのは二人、一人は年若い男で、もう一人は小さなガキだった。

年若い男は珍妙な服を着ていて、ガキの方は豪華なドレスを着て男のほうに担がれてた。きっと貴族か何かだ。

本当に殺さなきゃならんのですか?適当にとっ捕まえて売っぱらえば当分は生活にも困らんでしょう」

 

斥候の疑問にはため息を深々と吐いた後にリーダーが答えた。

 

「この国で長の息が掛かってない所なんてない。売る宛てもないだろうさ。それに、あの方に逆らったらどうなるかはお前も知ってるだろう。

で、それ以外に何か見つけたか?」

「それ以外ですか? それ以外は特に……いや、黒っぽい影がありましたが瞬きしたら消えたので気のせいだと」

「ならやりやすい相手だ。男にガキが一人。ならいつも通りやれば負けないだろうさ!」

 

応!と男達の声が木霊する。リーダーの抱いていた懸念は獲物の見た目に惑わされて露と消えた。

もはや彼らには勝利しか見えておらず、中には”長”からの報酬で何を買おうかなど考えているものまでいた。

男とは言え若い者が。それも、豪華な服を着た子供を抱えているのだから、勝利はすぐそこまで迫っているも同然だ。

何せ彼らは10人強の人数がいて、相手は枷をおぶっている彼らにとっては負ける相手ではないだろう。

上がった士気と、油断。それらはどうしようもないほどの隙を晒していた。

 

先ず気付いたのは斥候の男だった。持ち前の勘の良さが、それを見込まれて斥候役を勤めている男が気付いた。

その、黒衣の暗殺者に。

斥候の男は報告中も止めなかった足を止め、視線を一点に集中させている。

 

どうした?と声をかけるリーダーに、先ほどの報告は間違いだった。とそう伝えることもできずに彼は絶命した。

彼の喉には投擲用らしき短い黒刀が突き立たてられていた。

 

次に気付いたのはリーダーだった。

仲間の唐突な死にも動じず、冷静に周囲を見渡した結果だった。

ぐるりと周囲を見た後に進行方向に立っているそれを見つけた。

 

全身を覆う黒のマント。それはボロボロになってこそいるものの、”それ”の体躯や得物を完全に隠しきっていた。

そして、顔があるはずのところには、純白の骸骨が浮かんでいた。

周囲は荒野、どこにも隠れる場所がないはずなのにも関わらず突如として現れた黒衣の骸骨。

それだけで十二分に警戒対象であるというのに、一度目を逸らしたが最後、二度と見つけられないほどにその気配は希薄だった。

長剣と盾をリーダーは無言で構えた。

 

最後に気づいたのは残りの男共だった。リーダーが長剣を何かに向けているのに気付き、ようやく各々の武器を構えた。

しかし、相手は異形。黒衣の骸骨など、人を狩ることを専門にしていた彼らに相手取れようか。

緊張が彼らに走る。一人だけでも逃げようと、及び腰になっている者すらいる。

黒衣の骸骨は微動だにしない。その黒衣が風にはためくだけだ

 

「何者だ!そこをどけ。今なら一人殺したことを不問にしてやろう!」

 

先ずリーダーが怒鳴った。

 

「断る。その装備を見受けるに我が主に危害を加えんとしているのは自明。

如何なる理由があろうと、貴様らを通すわけには行かぬ」

 

「名はなんだ、吐け」

 

「サーヴァント・アサシン。君命により貴様らを足止めする」

 

「奴隷風情が粋がるな!」

 

奴隷(サーヴァント)暗殺者(アサシン)、彼の名乗りをそう解釈したリーダーは勢いよくその足を踏み込んだ。

それを見た男たちは威勢よく吠えたてながらアサシンへと突っ込んでいく。

暗殺者であれば正面戦闘は苦手だろうとそう踏んで。

それが愚策であると、知りもせずに。

 

[newpage]

 

何故サーヴァント・アサシン 呪腕のハサンがこの場にいるのか、それは数時間前に遡ることになる。

もっとも、(藤丸立香)に共に歩むよう言われたからに過ぎないのではあるのだが。

 

 

人理保証機関カルデア、ここでは数百にも及ぶ数のサーヴァントが召喚されており、各サーヴァントの相性なども考慮した3~5人で共用の部屋を割り当てられている。

呪腕のハサンは他のハサンである百貌と静謐。そして第一のハサン、山の翁が同室になっている。

が、現在は呪腕のハサンただ一人がその部屋にいた。

無機質な白で染め上げられた部屋は、自分以外がいなければ案外空虚なものだと思っているのだろうか。

彼はどこか思考に耽っている様子が見受けられた。

しかし、それも長くは続かず。頭を振って思考の海から浮上すると、愛刀のダークを取り出すと手入れを始めた。

机の上に並べ、手入れ用の道具を取り出して。

サーヴァントである以上武器の手入れは行わなくとも構わないのだが、それでも一つずつ丁寧に状態を見ては刃を研ぎ、磨き上げている。

 

4本目の手入れが終わったころ、扉をノックする音が響く。呪腕のハサンは机の上に広げていたダークを懐にしまうと扉を開いた。

警戒する必要など、ここではほぼ無いに等しいのだが、得物から距離を取らないのは偏に暗殺者としての矜持だろうか。

彼が扉を開いた先にいたのは、真っ白な制服に身を包んだ年若い男だった。黒の短髪で、青い瞳。彼のよく知る男性で、彼のマスター。藤丸立香その人だった。

 

「おや、これは魔術師殿。いかがされましたかな? 生憎、今は茶菓子を切らしていまして、十分な歓待はできませぬぞ」

 

「それは大丈夫かな、お茶じゃなくて呪腕先生を呼びに来たんだ」

 

「呼びに来た、ともすれば特異点攻略ですかな?」

 

「うん。頼めるかな?」

 

得心がいったように呪腕のハサンは頷くと、藤丸に向けて首を垂れた。

左腕の二倍はあろうかという深紅の右腕を胸元に運び、口を開く。

 

「呪腕のハサン、魔術師殿の命とあらば、如何様な場所にも赴きましょうぞ」

 

「ありがとう。やっぱり呪腕先生は頼もしいや」

 

「そこまで言われるとは、いささか気恥ずかしいですな。」

 

二人は肩を並並べて廊下を管制室に向かって歩き始めた。

藤丸が時折足を止めてはサーヴァントに声を掛けて。そうして、一緒に進むサーヴァントが増える。

それを何度か繰り返し管制室にたどり着く頃には総勢五騎のサーヴァントを引き連れていた。

 

多少の寄り道をしながら、共に歩く者を増やす。

奇しくもそれは藤丸立香が歩んできた旅路に似通っていた。

 

彼らが歩みを止めたのは全体的に青を基調とした部屋だ。

この部屋の中央には地球を模した天球状の観測レンズ、シバが存在している。

カルデアの中で最も重要な部屋であり、特異点攻略前のブリーフィングを行う部屋だ。

 

眼鏡をかけ、可愛らしいドレスにランドセルのようなカバンを背負った幼い少女が彼らを出迎える。

彼女、或いは彼はかの有名なモナリザを描いたレオナルドダヴィンチとほぼ同一のパーソナリティを所持した少女だ。

 

「やぁ、よく来たね。早速だけど、今回の特異点は19世紀の北アメリカ大陸。西部開拓時代、なんて呼ばれる時代に存在しているから、それを攻略してほしい」

 

「それで、ダウィンチちゃん、どんな異常があるの?」

 

ダウィンチはどこか悔しそうに眉を吊り上げて、首を横に振った。

申し訳なさが所作からにじみ出ている様子で、ぽつりと口を開いた。

 

「マスター君には申し訳ないんだけど、どんな異常があるのかさっぱりなんだ。ビリー君にも聞いてみたんだけどわかんないらしくて……」

 

「ふむ、ならば特異点の原因の究明からということでしょうか」

 

そう口をはさんだのは白銀の美しく長い髪を湛えて、黒と青を基調にしたドレスに身を包んだ女性。

アーサー王伝説にて、アーサー王を殺したモードレッドの母親でもある”魔女”モルガンがそこにはいた。

もっとも、彼女のパーソナリティはそれとは些か異なったものになっているのだが。

モルガンの疑問に、ダウィンチは真摯に答える。

 

「あぁ、モルガン。君の言うとおりだ。特異点となる以上、確かな異常があるはずだけど、こちらにそれを一切悟らせない隠蔽能力。おそらくは相当厳しい戦いになると思う」

 

「でも、俺たちならきっと大丈夫……だよね?」

 

「あぁ! 私はそう信じているとも! こちらでも調査は進めるから何かあれば連絡をしよう。いつも通り、バックアップは任せて!」

 

彼らのマスター、藤丸の鼓舞にダウィンチは満面の笑みを返す。

そうして1名+5騎の彼らはレイシフトと呼ばれる方法での疑似的な時間跳躍を行った。

 

彼ら3人が降り立ったのは果ての見えぬ荒野だった。

藤丸立香と呪腕のハサン、そして青く豪奢なドレスに銀のウェーブ掛かった髪、青い瞳を併せ持った少女。妖精騎士ランスロット、またの名をメリュジーヌだけ

がそこにはいた。

藤丸が周囲にモルガンやアスクレピオス、ウィリアム・テルが居ないことを確認するよりも早くに念話が届く。

夫と彼のことを呼ぶのは今回同行したサーヴァントの中ではモルガンだけだった。

呪腕のハサンが周囲の偵察をするために霊体化するのを見送りながら念話に返事を返す。

 

『モルガン、こっちには呪腕先生とメリュジーヌがいるけど、そっちは?』

 

『夫よ。こちらには私以外にはアスクレピオスとウィリアム・テルが居ます。徒歩で貴方の―――』

 

「マスター!」

 

モルガンとの念話は、メリュジーヌの強い言葉と、藤丸の腰に走った強い衝撃によって途切れた。

メリュジーヌの敢行した突進、ともすれば不敬物のそれの正当性は、すぐに証明されることとなる。

どこからともなく、しかし確実に藤丸を殺さんとした極光。

所謂レーザービームというものが藤丸のいた地点を打ち抜き、余波はクレーターとなって広がった。

カンマ0秒で最高速に到達できるメリュジーヌがそのビームの被害圏から脱出させていなければ、藤丸立香は粉微塵となって死亡していたであろう一撃。

メリュジーヌと藤丸、二人そろって余波の風圧で転がってもみくちゃになる。

 

「魔術師殿ご無事ですか!?」

 

極光を背に浴びて慌てて戻ってきたらしき呪腕のハサンの声が藤丸に掛かる。

しかし、藤丸は自身の上にぐったりと倒れこんでいるメリュジーヌに注視していた。

 

「メリュジーヌ? 大丈夫? メリュジーヌ?」

 

「あぁ…… これは、随分とへまをしちゃったなぁ……」

 

力なく、悔しそうに目じりを下げてメリュジーヌはそう言葉をこぼした。

藤丸立香こそ傷はほとんどないものの、レーザーに直撃とは行かずとも接触したことによるダメージは重大で、霊核の一部に傷がついているのは一目瞭然だった。

メリュジーヌを抱き寄せて、多少でも肉体的接触による魔力供給を試みながら、呪腕のハサンに藤丸は話しかけた。

 

「ごめん、呪腕先生。それで、どうだった?」

 

「およそ10人程のグループがこちらに迫っておりますな、武装は短剣と弓、おそらく部隊長格の男性のみ長剣と盾を所持しておりましたな」

 

その話を聞いた藤丸は、メリュジーヌをおぶるようにして立ち上がると、どこか悩むような、言いよどむような表情を見せた。

アサシンである彼にそれを命じるのは事実上死ねと命じるようなものなのだから。

 

「魔術師殿、私めに足止めを命じてもらえないだろうか。アサシンといえど、足止め程度ならば十二分にこなせましょうぞ」

 

「呪腕先生、良いの?」

 

「えぇ、貴方を守るためならば、この偽りの命、惜しくはありませんぞ」

 

何か言いたげな表情を振り払って、藤丸は口を開いた。

その表情には、確かに覚悟と決意が現れていた。

 

「わかった。呪腕先生、足止めをお願い。俺のほうはパスを辿ってモルガン達と合流する。

こっちが十分離れられたと判断したら呪腕先生も霊体化して逃げ出してね」

 

「ハサンが一人、呪腕。確かにその命、承った」

 

しゃがみ込み、首を垂れながらそう言い残した呪腕のハサンは、霊体化して移動を始めた。

藤丸立香はそれを見送ると同時に、魔力のパスが繋がっていると思われる方向、モルガン達の方へ進みだした。

 

[newpage]

 

このような経緯で、呪腕のハサンはこの荒野で無法者たちの前に立ちふさがっていた。

 

同時に突っ込んでくる男どもは、呪腕のハサンからしてみれば連携もお粗末であれば、そもそも隙が多い。

単純な身のこなしで彼らの間を縫うように移動してすれ違う。

後ろに逃げられたことに気付いて反転しようとするもの、気付かずに周りを見て振り返るもの、そもそも振り返ろうとすらせずに「消えた!?」等と騒ぐもの。

 

そんな風に乱れた足並みに、呪腕のハサンは牙をむいた。

襤褸のローブをはためかせたかと思えば、その裏で十二分に溜めた勢いで男どもに接近する。

荒野の大地に足跡を深々と残したその踏み込みに対応できたのはたった一人であり、その一人は最初から呪腕のハサンの目的ではなかったゆえに防御を取る意味はなかった。

彼がまず目標にしたのはこの瞬間も目を逸らしていない隊長格らしき男性を除き、こちらの移動に気付いた何人かだった。

 

真っ黒な包帯で何重にも巻かれ、棒のような状態となっている右腕を体の側へ引き込むと、振り払うように周囲を薙ぎ払い、無謀にも短剣で迎撃を図った男は、短剣ごと彼を打ち払う一撃のもとに沈んだ。

 

右腕を振り払うと同時に、左手で隠し持っていた、ダークと呼ばれる短剣を三つ同時に投げる。

それらは逃走の機を図っていた男の首、左足、右下腹部に突き立ち、容易に抵抗の意思を奪った。

 

今しがた倒れた男たちは彼らの中でも優秀な使い手だったのか、少なくない動揺が男どもに走っているのが目にとれるようだ。

 

「私の警告に従わない故このような手を取った。今からでも投降をすれば命は見逃してやろう」

 

呪腕のハサン、男どもからすれば異形の化け物は尊大な口調で、確かな威圧感をもって彼らに言葉を告げる。

男どもの大多数の視線が、隊長格の男性へと集まる。それらは死にたくない、逃げたいと告げているようであった。

そのような視線を受け取った隊長格の男は、無慈悲に。あるいは眼前の化け物に挑むより恐ろしいものを知っているとでも言うかのように告げた。

 

「我々に撤退の二文字はない。貴様を殺し、逃げたカルデアとやらを殺す。それが我々が長に命じられた任だからだ。」

 

「主の命を害さんとするならば、ここでその命を散らすがいい。」

 

どこか残念そうにそう告げた呪腕のハサンは無造作に、しかし確かな狙いを定めて左手に持ったダークを投擲する。

再び3本同時に放たれたそれは、それぞれが頭、体、足と一度に防ぐのは難しい軌道で迫っていた。

隊長格の男はダークを受けるためか、腰を落として盾を構えた。

しかし、移動を重視したらしき盾はさほど大きくなく、2本を防ぐことができてもやはり1本は刺さりそうであった。彼が、その場で攻撃を受けるのであればの話だが。

彼は腰を落としたかと思えば、勢いよく呪腕のハサンとの距離を詰めた。

構えた盾を前面に押し出したそれは、奇しくも先ほど男どものうち二人を葬った呪腕のハサンの行動と酷似していた。

 

しかし、そうして回避の難しい体勢に追い込むことが呪腕のハサンの目的であることに、隊長格の男はついぞ気づくことはなかった。

 

呪腕のハサンはダークを投げると同時に、右腕を覆い隠す黒布をはぎ取った。

そうして顕わになるのは真紅の右腕。

 

「苦悶を溢せ―――」

 

彼が”ハサン”と呼ばれる暗殺者集団の頭領まで上り詰めることができた要因にして、この世ならざる悪魔、シャイターンの右腕。

それは通常の2倍の長さを誇り、そしてこの右腕で触れたものに絶死の呪いを齎す、呪腕のハサンの宝具であった。

 

「『妄想心音(ザバーニーヤ)』」

 

盾を構え突進を敢行する隊長格の男を嘲笑うように飛び上がり、その右腕を上空から男に触れさせる。

呪腕のハサンの足が地面に触れると同時に、右腕の手のひらに顕現した男の心臓の鏡像。

それを強く握りしめ、破壊する。

 

隊長格の男は、外傷がないのにも関わらず、絶命した。

その男が倒れ伏したことが戦意の喪失につながったのか、彼らは散り散りになって逃げ惑った。

 

それを追撃するか悩んだところに、藤丸から連絡が入った。

 

『呪腕先生、こっちはモルガン達と合流したよ。そっちは大丈夫?』

『魔術師殿、こちらはかね問題なしと。今から向かいましょうぞ』

『そう……よかった。』

 

安心したようにそうつぶやく藤丸の声を最後に念話が切れる。

倒れた男たちからダークを回収すると、呪腕のハサンは藤丸達がいるだろう方向に向けて走り出した。




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