で、俺が生まれたってわけ。 作:あかう
今回は独自設定が多いです。
許してください。
羅畏也は悩んでいた。
自分は本当に妖怪にとっての神……妖神なのか、と。
なんでこんなことしているんだろう、と。
事の発端は少し時を遡る────
羅畏也は逃げていた。久々の大犬の姿で。
月のヤバい奴に輝夜姫を連れて逃げられてしまったため、確実に面倒事になるだろうと思ったからだ。そんな訳でいつぞやの妖怪から完成が間近と聞いた幻想郷とやらに行ってみることにしたのである。場所は直ぐ分かった。自分の加護が妙に密集している場所があり、もしやと思い行ってみたら合っていた。中々に良い場所であった。元々良い場所であったとは記憶しているが、見慣れない……ものの違和感は無いものが幾つかあった。
霧の立ち込める湖、瘴気を持った森、妖怪がやけに多い山、そして人間の町など。軽く見ただけでこれだけがあった。完成間近というのは本当らしい。そんな具合に見て回っていると────いきなり竹林が生えた。生えた、というか瞬間移動してきた、という方が正しいかもしれない。目を離していた隙に現れたのだ。驚いていると目の前にいつぞやの妖怪が出てきた。何やらあの竹林はこいつが元々あった場所から移動させたらしい。
なかなかにいい力を持って──え? 困っている?
……なるほど、大体理解した。
何やら強力な妖怪のいる興味深い場所があり、そこをこの場所に持って来たいのだが、その妖怪が抵抗して来るらしい。
空間転移に抗える、というのはすごい。本当に強力な妖怪なのであろう。そんな眷属がいて俺嬉しい。で、俺にそいつを説得して欲しいと。
……ま、いっか。
──────という訳である。
確かに自分は妖神だしの
まあそんなことは後々に考えよう。しかし、自分の本来の足で走るとは何とも気持ちの良いことだろうか。このままいつまでも走っていたいが、まずは説得が優先だ。自分のことを知っていれば一瞬で終わるだろうが、恐らく知らないだろう。さて、場所は見たら分かるとのことだがどんなものだろうか。
────────────
なるほど、分かりやすい。確かにこれは非常に興味深い。花畑だ。しかし勿論“ただの”では無い。
一面に一種類の黄色い──種類はわからない──花が咲いている。
が、まずデカい。7、8尺はある茎に、人の顔程もある花が付いている。それに、全て同じ方向を向いている。全ての花が全く同じ方向を向き続けている。妖力の類は感じられない。どうなっているのだろうか。それは後で調べるとして、まずは突入しよう。
…………さて、入ったは良いが、5秒で背後を取られた。入った時に感知されたのだろう。しかし早すぎる。待つ、と言う選択肢はなかったのだろうか。
「ねぇ」
女性の声だ。アマテラスといい、鬼子母神といい、いつぞやの妖怪といい、ソラナキといい、この世界は女性の方が強いのだろうか。いや、どうでも良いな。
「貴方、何の用?」
ふむ、振り向いてみるが何の反応もない。……なるほど、この姿の時に俺のことを妖神羅畏也であると認識出来ないということは俺のことは知らないらしい。
「何、アンタを幻想郷へと招待してやろうと思ってな」
ドンッッッ!!!
早い早い早い! 戦闘までが早い!5秒で背後を取ってきた事といい戦闘脳なのか?俺じゃ無かったら死んでたぞ?
ドドドドドドドドッ!
う──む。
無痛。その……傘?かな?武器だったのか。すごい突いてくるじゃん。うん……うざい(とても)
ぶっ飛ばそう。
「ワンッッ!!」
あ、思ったより飛んだ。花に影響は無いようにした……が。
あの花々がこちらを向いている。中々に不気味である。
……なるほど。花は固定砲台だったか。
だが…
よし。…………うお!?
…なんだろう、急に極太熱光線放ってこないでもらって良いですか?
まあ無痛だけど。
あ、連射できるのね? ソレ。
何気に花に気遣ってるみたいだな……。
花の妖怪って言う感じなのか?
にしては強すぎるな……。
一体化を何度も繰り返した感じか?
……うん……これ説得無理だな(今更)
は〜い、ちょっと眠ってね〜。
地を蹴り一瞬で背後に回る。
……おー、反応した。
だが遅い。
ダガンッッ!!!
────────────
その後は、いつぞやの妖怪──八雲紫と言うらしい──に説得(暴力)が成功したと報告しておいた。すげえ良く寝ていてイラッときたので夢に出て大音量で報告してやった。
神からのお告げだぞ。感謝しろ。
…そんな訳で幻想郷に花畑が出来ました!
とは言ってもこれで完成では無いらしい。彼岸やら冥界やらを此処と繋げたり、彼岸を繋げた影響で出現するであろう旧地獄への縦穴を掘ったり、仙界?や魔界?とか言うところとも繋げるという。
しかも俺のために家──つまり神社を用意してくれるらしい!いやーこれは楽しみだ。
全然完成してねえじゃんとか言いたかったが…まあ…許す!
本当に楽しみだ…。
この世界において羅畏也さんは
『攻撃されても表面で同じ力で相殺する』し
『活動を停止しない』し
『能力を封じられない』です。