で、俺が生まれたってわけ。   作:あかう

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月が散々な目に遭います!
月愛好家の方は注意してください!


崩壊、からの発狂

 玉兎達は逃げていた。

 恥も外聞もかなぐり捨て、ただひたすらに迫り来る災害から逃げていた。

 必死の逃走。だが非情かな、ラスボスからは逃げられない。もうすぐ後ろまで迫って来ている。

 後方にいた仲間の断末魔が聴こえてくる。しかし今の玉兎達にその声は聞こえていない。逃げる事のみを考えろと脳が感覚を遮断する。

 そして──────壁にぶつかった。

 玉兎達は絶望する。

 

 嫌だ! 嫌だ! 嫌だ! 嫌だ! 嫌だ! 

 

 死にたくない! 

 

 死にt「落ち着いて!」……!!!? 

 

 綿月豊姫(わたつきのとよひめ)様……? 

 

「落ち着きました?」

「えっあっはい!」

 

 変な返しになってしまった……それどころじゃない! 

 

「あの化物は何ですか?」

「あっ犬が! 犬が巨大化して! 死ぬ! 逃げないと!」

 

 逃げないと! 逃げないと! 死ぬ! 

 

「落ち着いて!!!」

 

 あっ。……月の都? 

 

「私の能力で連れてきました。ここなら安全です」

「あっああ有難う御座います!」

 

 やった! 生き残った! 

 

「あの化物は何ですか?」

「えっと……地上の妖怪の……犬……が……巨大化して……」

「犬? ですか」

「はい……」

「ところで……今私がここに連れてきたのは30人程なのですが……他の方々は……」

「はい……」

「……そうですか」

 

 そうだった。皆死んだんだ……ん? 

 

「あの化物は今どうなってますか?」

依姫(よりひめ)が対処に当たっているため直ぐに終わると思いますが……」

 

 え? 

 

 ──────────────

 

 綿月依姫は困惑していた。

 

 異常事態との知らせを受け、姉の能力により送ってもらった場所には化物がいた。漆黒に青が混じった犬? だ。

 この化物を討伐すべく能力を──『神霊の依代となる程度の能力』を発動。カグツチを呼び出そうとしたところ──────数十の神々がすっ飛んで来た。

 そしていきなり戦闘が始まった。大地に既存の大穴の十倍はある大穴ができる。一瞬でこれである。さらに雷が落ち、炎が飛び、何故か津波が起こる。

 どうしてこうなった。

 

「ねぇねぇ君」

「あっはい」

「あの犬、何でここにいるの?」

「分かりません」

「……そっか……アノイヌッコロメ」

 

 凄い怨みを感じますね……

 

「貴方は?」

「ああ、僕はツクヨミ。月の神やってるよ」

「え、そうだったんですか」

「うん」

 

 月の神ですか……

 しかしツクヨミって月夜見様と何か関係が? 

 いや、それは後ですね。

 

「あの化物は何か知っていますか? 今戦っている彼らは?」

「あれはねー羅畏也って言う妖怪(ゴミ)の神だよー、戦ってるのはnドンッッッ!!! ……あ」

 

 ……大穴、じゃなくて風穴が開きましたね。星の中身を見るのは初めてです。

 

「うわぁァァァァァァァァァァァァアアアアアアアッッッッッ!!」

 

 ……哀れな……。

 

 ────────────────

 

 ドンッッッ! 

 

「ヒエッ!」

「な、何事です!」

 

 突然とんでもない振動が月の都を襲った。

 絶対にあの化物だ。絶対そうだ。

 

 そして────

 

 ドンッッッッッッ!!! 

 

 都が……月が半分くらい消し飛んだ。

 

 

 

 

 ────────────────

 

 羅畏也はちょっと頭に血が昇っていた。

 あの兎どもをいい感じに殺してやろうと考えていた。するといきなり兎が消えて少女が一人出た……と思ったら神々(ゴミども)が来た。なんでも「ツクヨミが可哀想だからお前を鎮める」だそうだ。

 随分と昔よりは強くなったようだが、俺には無痛だ。いい機会だし消し飛ばす。

 

 …………もはや羅畏也に月云々の話はほんの少しも残っていなかった。兎に角こいつらをぶっ殺してやると考えていた。

 

 引き付けて……跳躍。

 

 天高く跳び……直下に超極太熱線。

 

 ……チ、避けたか。

 

 回避不可能の定理付けときゃよかった。

 

 面倒くさいな。月ごと消し飛ばすか。

 

 体内の力を解放する。4割あれば行けるだろう。

 

 ……あ、全然足りなかった。半分くらいか? 

 

 ………………ん? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………アレ? もしかして俺、やりすぎた? 

 

 

 ────────────

 

 八雲紫はまた戦慄していた。

 

 ヤバすぎるんだけど……。月、満月だったわよね? 何で半月になってるの? 

 しかも縦じゃなくて横にかけてるんだけど。絶対にこれ羅畏也様やったわよね? 

 月の都もう滅んだんじゃないかしら。

 

 八雲紫と妖怪達は嫌な予感を感じ一足先に幻想郷へと帰ってきていた。

 予想は半分当たっていた。

 

 ……あ、羅畏也様。

 

「ねぇ」

「はい」

「もしかして俺やり過g「やり過ぎましたね」そっかあ……」

「ツクヨミ君、大丈夫かなぁ……」

 

 ──────────────

 

 大丈夫ではなかった。

 

「ウボバシャァァァァァァァァァァァァプギャァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 もう狂っていた。

 

「落ち着いて、落ち着いて下さい」

 

 逆に落ち着き過ぎな奴もいた。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァイイ!!! ↑↑↑」

 

 そして狂ったように月の修復作業を始めた。

 

 頑張れツクヨミ! 負けるなツクヨミ! 

 今作一番の苦労人は君だ! 

 

 後もう2回くらい月はぶっ壊れる予定だから! 

 次もぶっ壊せるようにしといてくれ!!




 ちなみに月夜見とツクヨミさんは別人です

 今作一番の苦労人はツクヨミさんです。

 ちなみに必中効果を付与していたら地球にいる神の方にもビームが飛び地球が滅びます。

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