で、俺が生まれたってわけ。 作:あかう
博麗霊夢には友人がいた。
友人の名は霧雨魔理沙。普通の魔法使いを自称している人間の少女だ。
そんな友人なのだが……今、まさしく眠っている羅畏也への悪戯を実行しようとしていた。霊夢が花を摘みに行った一瞬の間に魔理沙は家探しを敢行し、魔理沙が来ている時には押し入れで寝てもらっている羅畏也を見つけたのだ。ただ悪戯と言ってもその漆黒の毛並みに一枚づつ葉を差し込んでいくという幼稚なものだったが、しかしそんなものでも、博麗の巫女として羅畏也の隠蔽の義務を背負っている霊夢にとっては気が気ではなかった。魔理沙を止めようにも変に抵抗され、羅畏也に起きられでもしたら何が起こるか分からない。そのためヒヤヒヤしながら見守ることしか出来なかった。
そんな時。
「ぬぅ……」
拙い、起きちゃった。起きちゃった。どうしよ。このままじゃ…
「む? なんだ?」
やめて、喋らないで……あ。
魔理沙が目を輝かせている………これはもう……
「おい霊夢すごいぜ! 犬が喋った!」
……嗚呼……………魔理沙……知っちゃった……
「霊夢、いい」ボソ
ッ!!!!
「……ほう? 貴様は?」
「私は普通の魔法使い! 霧雨魔理沙だ! お前は? ペットか?」
待って待って待って待って待って。やめて。
「俺は妖神……この神社の神をやってる羅畏也だ」
「へぇ〜この神社、神なんて居たのか! 犬って狛犬とかじゃねえの!?」
「ああ、一応いるぞ? 外に」
うん、一応いるわね。“あうん”が。
「魔法使いか」
「おう! 魔法使いだぜ!」
「魔女ではないのか」
「私は人間でいたいからな!」
「そうか、そりゃあいい」
あ、大丈夫そうね。じゃあちょっと……
「魔理沙?」
「おお、霊夢! 此処に神様なんていたんだな!」
「友人というのはこの娘か? 霊夢」
「そうよ、霧雨魔理沙。魔法使いを自称してるわね」
「自称じゃなくて魔法使いだぜ!」
……あ、そうよ、羅畏也様の葉抜かないと。
「魔理沙、羅畏也様の背中に葉っぱが刺さってんだけど何したの?」
「おお? そうなのか?」
「ああそれ? 私が刺した」
「何やってんのよ……私が抜くわ」
知ってるわよ、見てたもの。ホントヒヤヒヤしたんだから。
「……最近の子は凄いな。霊夢といい魔理沙といい、度胸があるなぁ」
「おう! 女は度胸だぜ!」
「頼もしいな」
私は今めっちゃ気が気じゃないけどね! ってかふわふわね羅畏也様の毛。……魔理沙? やめてよ? そんなこっち見ても変わらないわよ? ってかあんたもう十分触ってたでしょ
「……私にもモフらせてくれよ」
「いいぞー別に」
あ、いいのね。
「おお〜! すげー! モッフモフだぜモッフモフ!」
「ハハッ。俺は毛にも気を遣うからな!」
そうなの? でも……
「羅畏也様毛の手入れしてるところ見たことないんだけど」
「ん、それはアレだ。衝撃波飛ばしたり熱線飛ばしたりすれば汚れが消し飛ぶからな」
あ、だからたまに真上に熱線飛ばしてたりしてたのね。
「へぇ! じゃあ私もマスタースパークで出来るか!?」
「いや、人間じゃ耐えれないと思うぞ?」
「あ、そうなのかぜ」(´・ω・`)
魔理沙可愛い。ではなく。
「アンタいつもそんなの境内からぶっ放してたの?」
「んや、大丈夫だ。境内は俺が結界張ってるから直撃しない限り被害は出ん」
「…………そう」
滅茶苦茶すぎるわね……紫の気持ちがちょっと分かったかも……
「ま、ツクヨミ君いるし直撃してもなんとかなる」
「………………」
あのいつも奇声上げて山直してる人ね……。
「壊す気でやれば直撃させなくてもいけるぞ?」
「やめて」
本当に。それ幻想郷ごと吹っ飛ぶやつじゃない?
「やる気は当分はないから安心してもろて」
「そう……」
「……」(´・ω・`)
落ち込みすぎでしょ。
──────────────
「ところで魔理沙ちゃんや」
「お? どうした?」
あ、立ち直ったのね。
「さっき言ってたマスタースパーク? 見せて〜」
「いいぜ! じゃあ外だ!」
「…………」
大丈夫かしら……
と、魔理沙が縁側から外に出る。羅畏也も縁側に座り見る準備をした。魔理沙がミニ八卦炉を空に向けて構える。
「よし! いくぜ! マスター! スパァァァーク!!」
虹の光線が天を貫き、凄まじい熱風が此方を襲う。
(コレって避け易いけど結構怖いのよね……)
「うむ、いい熱だ、やはり時代は熱光線だよな」
ウンウンと首を振る羅畏也。
「だけどまだ足りないなぁ。もっと熱量を上げれるんじゃないか?」
「うーん……。上げたいけど難しいんだよなー」
「では手本を見せて差し上げようじゃないか。見てしっかり学んでくれよ?」
は? ちょ待っ! 避難してからにして!!
「オォッ!!」
光の柱が出来る。あまりの光量にあたりが暗く見える。が、そんな事は些細な事だ。風が凄まじい。熱もだ。この光量でこの程度なのならば結界の効力は確かにあるのだろう。だがとんでもないものはとんでもない。吹き飛ばされないようにするのが精一杯である。魔理沙は木にしがみついている。……やっと収まった。
「……ハッ、アンタ何やってんのよ! まだ避難してなかったじゃないのよ!」
「あ、やべ、ごめん」
「こちとら人間なのよ! 普通に死ぬんだから!」
「いやホントごめんて」
魔理沙は、魔理沙は大丈夫? あ、いた。
「うわ…… 魅魔様とどっちが……」
あんな悪霊より羅畏也様の方がヤバいに決まってるでしょ。何言ってんの。
「って言うかもうスペルカードルールがあるんだから殺すレベルの光線なんて出しちゃダメでしょ!」
「あ、そうだった」
「忘れてたの!? アンタが好き勝手やんないように創ったって面もあるのに……って言うか創った時アンタいたでしょ!」
「ゴメンゴメ「師匠!」……ん?」
ん?
「師匠と呼ばせて下さい!」
「お、いいぞ?」
いやダメでしょ。殺人光線よ? ソレ。
「いやー弟子か! スサノオ君以来だな!」
ん? スサノオ? 須佐之男命? え? じゃあツクヨミって月読命? は?
「よろしくお願いします!」
「俺の修行は厳しいが、しっかりついてこいよ?」
「ハイ!」
やめて。
「あれ? アイツが光線撃ったのに何も壊れてないぞ? やっとか? やっとアイツも壊さないことを覚えたか!?」
「羅畏也さまが何も壊さなかった……何が起こるの?」
逆に壊さないことに驚く苦労人二人であった。
次の次くらいで紅魔郷ですかね。
魔理沙は魔改造されます。