で、俺が生まれたってわけ。   作:あかう

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アンケート結果は6月くらいから書き始めますね。
さて、原作です!
ちなみにこの世界旧作は吸血鬼異変前に解決済みです。


紅魔、それと嘗ての常闇

 博麗霊夢は空を飛んでいた。

 かの神に悪態を吐きながら一直線に飛んでいた。

 こうなった事の発端は数時間前にある。

 

 ──────────────

 

 博麗霊夢は茶を飲んでいた。

 特にやる事が無いのである。何時もの賽銭箱の確認は終わったし、掃除も終わっている。しかも博麗神社の神は信仰を必要としないため、信仰を集めるなんて事する必要もない。そんな具合のためやる事と言えば茶を飲むくらいである。

 ────と、そう呑気にしていると、突如として空が赤い霧に覆われた。自分で何とかするのは面倒だと判断した霊夢は羅畏也に霧を払って欲しい……と、頼もうとするがこの犬ぐっすりと寝ている。この大犬無理矢理起こすと機嫌が悪いため、霧を払うために幻想郷ごと払いかねないのだ。

 そんな訳で恐らく霧が出ているであろう場所に急行していた。

 

 ────ちなみに羅畏也は狸寝入りをしているだけだった。

 

 ──────────────

 

 博麗霊夢は焦っていた。

 思った以上に被害が大きい。発生場所と思しき場所と神社との間に人里があるのだが、地獄絵図であった。

 この霧かなりの妖力を含んでおり、普通の人間が吸うと身体に影響をもたらすものであったため、逃げ遅れた老人が何人か倒れており、それを助けようとするものが苦しみながら老人を引きずる。ということが起こっていた。

 流石にこれは不味い。

 何故こんな時に限ってあの神は役に立たないんだと霊夢は苛立った。実は羅畏也が霧が起こった瞬間に対策していたため死ぬことはなかったのだが、そんなこと露にも知らぬ霊夢はぶつくさ言いながら目的地へ向かって飛ぶ。

 目的地は霧の湖。多くの妖怪、妖精が住む妖力溢れる湖である。つまるところ湖に近づけば近づくほどに妖怪が出てくるのである。

 

「ふっ」

 

 針や札を投げ次々と現れる妖怪、妖精を殲滅していく霊夢。この場に羅畏也がいたら何か思うことがあるんだろうが、今はそんな事を気にしている場合では無い。こんな緊急事態に目の前に立ち塞がる方が悪い。しかし、

 

「多いわね。暗いのは好きだけど、これは」

 

 そう、多いし暗いのである。この霧無駄に赤いせいで日光を遮断しているのである。しかも妖力を帯びているため妖怪も活性化している。これは厄介極まりない。と、そんな時。

 

「そうよね〜暗いって良いわよね〜」

 

 なんか出た。

 幼女である。赤い目と金髪が非常に可愛らしい。

 

「アンタ誰?」

「さっき会ったじゃない」

 

 とかいうがこの暗闇、“何かいる”ことは分かれどそれが“何”かは分からない。そんな中でいつ誰と会ったかなど分かるわけがない。恐らく目の前にいる幼女は妖怪なのだろう。

 

「人は暗いところだとよく見えないのよ」

「え? 夜でしか活動しない人もいるよ?」

「それは取って食べても良いわよ」

「そーなのかー」

 

 この幻想郷において夜に活動する人間など精々が泥棒か妖怪に食べられたい病患者──つまり自殺志願者くらいしかいない。そんなもの食べても別に問題はないだろう。

 

「で、邪魔なんだけど」

「ところで目の前のは食べても良い人間?」

「なるほどね、ぶっ飛ばしてあげるわ」

 

 さてもう既に分かっている人が多いと思うが、この妖怪はルーミア──“元”空亡である。そんなかつて都を恐怖の底に追いやり羅畏也さんにボコボコにされた上に封印された空亡(元)ことルーミア。

 封印されたとは言え未だ強い妖怪ということに変わりはないのだが……相手が悪かった。

 相手は博麗の巫女であり妖怪への特攻持ちで、尚且つ羅畏也の加護持ちである。そんな嘗ての自分ですら苦戦する──というか負けるような化物レベルに強い相手に封印された状態で戦えるか? 無理である。

 

「『月符』ムーンライトレイ」

 

 光線と弾幕を放ち攻撃を行うが、そんなもの全弾命中したところで霊夢の針一本の方が強い。

 

「ええ……?」

 

 困惑するルーミア。当然である。単純な力の放出で弾幕を全て消されたのだ。ちなみにこれはボムでは無い、ただ本人からしたらちょっと力んだだけである。これを羅畏也さんがするとクレーターが出来るが、霊夢は弾幕を全て消すくらいである。こんなのまだ優しい方だ。

 

「『闇符』ディマーケイション」

 

 赤、青、緑の弾幕と、青い霊夢を直接狙った弾を放つ。が、

 

「ふっ!」

 

 当然の如く消される。どうしろと言うんだ。と、半ば放心していると札が直撃し、落ちる。

 強すぎる。あの理不尽(羅畏也)のせいだろうか。アレの近くにいると自動的に強くなるのか。その通りである。

 

 とにかく、そんな具合でルーミアを倒した霊夢は恐らく元凶であろう場所へ向けて進行を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お? なんか来たぞ? この圧倒的サイキョーのチルノ様が冷凍保存してやる!」

「えぇ〜? やめておこうよチルノちゃん」

「なんか知らんが今凄い調子が良いからな! 負けるわけがない!」

「あの赤い霧のおかげだよ? 見えないの? チルノちゃん」

 

 なんか面倒臭そうな⑨がいるが霊夢は進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

「異変か! じゃあこの超パワーアップした魔理沙様が解決してやるぜ!」

 

 なんか最近頭おかしいやつ(羅畏也)に魔改造された魔法使いが動き始めたが霊夢は進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ! 爆発の予感!」

 

 なんか可哀想な人がいるが霊夢は進む。

 

 

 

 

 とりあえず紫が思った通りに進まないことは確定だろう。頑張れ紫! 負けるな紫! 今回羅畏也さんはあんまりやらかしてないぞ! (直接的には)

 

 




はい!絶対にカオスになる東方紅魔郷スタートです!
ちなみに霊夢は高天原のフツヌシとかタケミカヅチとか以外には勝てる位強いです!

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