で、俺が生まれたってわけ。   作:あかう

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まさか本当に読んでもらえるとは…
感激です!


謁見、そして戦争準備

「ふーん」

 

 

『………………』

 

 

 

「ふーん!?」

「いや大したことないなって」

 

 事実大したことはないと羅畏也は思っていた。

 神々など彼からしたらただただちょっと人間に毛が生えたくらいなのだ。

 実際に遠い昔に羅畏也は世界の神々のほとんどを倒した。

 

「いやいやいやいや、大和の神々だよ!?」

「大したことないよあいつら」

「はぁ!?」

「いい?! 大和の神々といえば凄まじい力持っているんだよ?! アマテラス神は太陽! タケミカヅチ神は雷! フツヌシ神は剣! そんな戦うために生まれたような力を持っている神もいるんだよ?! そもそも……」

 

 そんなことを知らない、知るわけのない諏訪子は当然焦る。

 どうにか羅畏也に理解してもらおうと例として高天原内でも強い力を持つとされている三柱を挙げた。

 だがその三柱すら既に瞬殺されているのだ。

 

「よし、俺が使者として行ってくるわ! ツクヨミ君いるかもしれんし!」

「ウェッ?! チョッ?!」

「じゃあの!」

 

 羅畏也はまどろっこしくなったのでさっさと戦争取り付けて戦わせようと考えた。

 自分は神なのだ、何を遠慮する必要がある。

 と、戦争を民に強要することには全く罪悪感を感じていなかった。

 なんなら”聖戦なんだから嬉しいだろ“とすら思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すわこ の 胃は 1000 の ダメージを うけた ! 

 

 

 

 ────────────────

 

 

 所変わって大和の国、使者が来るという知らせが届き、すごい暇だった神々が暇つぶしに集まっていた。

『…………』

 重苦しい空気が流れる、と言っても神々の心中は非常に穏やかだった。戦争になったところで此方が圧勝する。と信じ込んでいるからである。まぁ事実なのだが。一点を除けば。今から自分達の胃に何が起こるかも知らずに……

 

 

 

 ドス、ドス、ドス。

 と使者の来訪を告げる足音が響く、それは上品さなど欠片もなく、とても神々の待つ場所へ向かっていると自覚があるとは思えない。「なんとも不敬なことか」と神々は怒った。殺してしまおうか、などと思った奴もいる。

 

 

 

 そして、使者がその姿を現した。

 

 

 神々は困惑した。

 犬が現れたからだ。

 まぁ犬ではないのだが。

 よく見れば犬にしては尾が長すぎるし、耳の形も少し違う。

 

「久しぶりだな高天原の諸君(クソ野郎ども)……ツクヨミ君とスサノオ君はいないのか」

 

 神々はまた驚いた。

 まさか高天原にいる犬でもないのに話出すとは思わなかったからだ。

 そして神々は怒った。

 あまりにも不敬すぎたからだ。

 神々の数柱が犬を殺そうと術を構える。

 すると、

 

「お? 俺のこと忘れた?」

 

 神々は頭を捻った。

 そして古代より存在した神々はその顔を真っ青に染めた。

 そして願った。

 コレがアイツじゃありませんように、と。

 ところで、一体彼らは何に願ったのだろうのだろうか。

 神は自分自身だというのに。

 

「俺だよ俺、羅畏也だ羅畏也」

 

 神々は終わりを直感した。

 喧嘩を売ってはならない存在に売ったのだ。

 当然である。

 

「貴様! 不敬であるぞ!」

『ちょっとお前黙ってろ!!!』

 

 殆どの神々は古代より存在するので羅畏也の恐ろしさを知っているが、知らない存在も当然いる。

 そんな神の一柱が声を上げた。

 が、神々によって咎められた。

 

「ふん、じゃアレだ、とにかく戦争は受けるから」

 

『』(絶望)

 

 神々は絶望した。

 羅畏也が戦争など、外宇宙の連中を連れてきたとしても勝てない無理ゲーなのだ。

 だが、ある一柱が希望を見出した。

 

「つまり……お前は出ないと?」

 

 震える声で誰かが尋ねた。

 そう、羅畏也は戦争などしない。

 やる時はそこに一方的な殺戮が展開されるだけだ。

 

「あーうん、そう。俺は参加しない」

 

 神々は歓喜した。

 

「気分次第でちょっと出るかも」

 

 神々は上げて落とされた。

 こう言う時は確実に出るのだ。

 

 

 

 

 ──────────────

 

 

 

 

 洩矢の国

 

「おーい!」

 

 羅畏也は帰ってきた。

 その足取りはとても軽く、何か“良いこと”があったのは確実だろう。

 諏訪子はそんな羅畏也を目撃し、胃が痛くなった。

 

「ど、どうだった?」

「んお、一週間後来るってよ」

「」

 

 あまりにも短すぎた。

 流石に一週間は短すぎた。

 当時の交通機関どころか道すら整備されてない状態でなにをどうすれば戦争準備が終わると言うのか。

 

「羅畏也さんは参戦するの?」

「面白そうだったら」

「そっかあ」

 

 諏訪子は少しの希望を持って羅畏也に聞いてみた。

 帰ってきた答えにソレって出るの?出ないの?という疑問を持ったが、多分出るんだろうな推測した。

 羅畏也はそう言うものなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「諸君!我々は大和と闘う!闘う意志のあるもの!私を信ずるもの!備えよ!大和に立ち向かう力を!」

『ウオオオオオオオオオッ!!!』

 

 演説を行った諏訪子の心は荒んでいた。

 どうしようかな、という思いが渦巻いている。

 だが、まぁどうにかなるだろう、と考えてなんとかこの胃の痛みを忘れることに努めた。

 

 

 

 

 

 

 




神格を得た羅畏也さんに勝てるのは日本神話では別天津神くらいです(今ではもう勝てない模様)

ちなみに羅畏也さんは人型になれるけど四足歩行が好きなので
基本的にはなりません





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