で、俺が生まれたってわけ。   作:あかう

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ついに春雪異変突入!
原作よりかなりハードになっております!


妖々夢、つまり春雪

 霊夢は漂っていた。

 正確には“漂っていた”ではなく“調査していた”なのだが、空にやる気なさそうに浮かんでいる姿を見ると漂っているとしか見えない。

 何故調査をしているのか? と言う疑問は前回を見ていればわかるだろうが、外に行った羅畏也がもう既に外が春なのに対し、幻想郷が冬なことに疑問を持ったからである。

 しかし、そんなこと知らない────というか外に行ってた事がバレると羅畏也が教えてない────霊夢はいきなり「なんで冬なのか調べてこい」と言われたところで“何言ってんだコイツ”状態なのだ。

 無論そんな状態で”なんで冬なのか“という普段でも訳のわからないものが見つかるわけがなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁ見つかったのだが。

 流石博麗の巫女(魔改造被害者)である。

 

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 はぁ……なんで私、冬の超寒い時にこんな意味のわからないことをしなくちゃならないのかしら? 

 なんで冬って……そりゃあ冬でしょうよ冬なんだから。

 確かに今年の冬は長いなとは思ったけど……妖力も神力も感じないしただの偶然なんじゃないの? 

 でもアイツがああ言うって事は多分なんかあるんだと思うんだけど……

 

 

 

 

 

 …………ん? 

 桜の……花弁? 

 ………………多分コレよね。というか絶対コレよね。

 よく見たらなんかコレが流れてる川みたいなのが結構ある……

 追いかけたいけど……まずは報告ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんぞコレ?」

「……何っスかコレ?」

「えぇ……?」

 

 二人も知らないの? 

 見た感じコレが原因っぽいけど……ホントなんなのコレ? 

 

「うーん……大陸の青龍ならなんか知ってるんじゃないっスか?」

「あ〜……青龍君ね……龍神に取り継がせるか。霊夢、この前渡した龍玉ある?」

「もう陰陽玉に改造したわよ」

「ん、それでいい。くれ」

 

 なんで龍玉を……もしかして龍玉から龍神を呼べるの? 

 儀式的なことするの? ちょっと興味あるわね……

 

「オラー! さっさと出てこんかワレェ!」

「ザッケンナコラー! スッゾコラー! ドグサレッガー!」

 

 …………思ったのと随分違うわね。

 なんかこう……呪文的なことを唱えるものかと……いやコレも呪文なの? 

 

『なんだなんだ! 何の用だ!』

 

 あ、声だけなのね? 

 

「オイ青龍君に取り継げ! すぐでいいよ!」

「5秒毎にアンタのお可愛い眷属ちゃんが死んでいくっスよ! 嫌だったら30秒以内に取り継ぐっス! ハイよーいスタート!」

『なっ!? わっ、わかった! 取り継ぐからそれはやめろ!』

 

 ……鬼畜すぎない? 

 流石にもうちょっと待ってあげなさいよ。

 

「ん? 霊夢。その顔は可哀想だと思っているな? あの蛇共は大丈夫だ! 気にする事はない! むしろ最近増えすぎて困ってるくらいだ! アイツらのうちの低位のヤツらが格落ちしすぎて繁殖をし始めやがったからな!」

 

 ……あ、そうなの? 

 ……もしかしてあの結構大きめの蛇みたいなの全部龍なの!? そこら中に大量発生してるじゃない! 

 

「じゃあ羅畏也サン! 俺アイツら狩ってくるんで! 青龍が出たら連絡下さい!」

「おうよ。…………よし霊夢、多分数時間かかるし四目並べでもしてようぜ」

「わかったわよ……囲碁板持って来るわね」

 

 そういえばコイツにこういうので勝ったこと片手で数えられるくらいしかないわね……生まれてすぐから一緒にいるのに。

 よし……絶対勝とう。

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 か……勝てない……! 50回はやったわよ!? 

 何故……!? 

 

「ハハッ! 甘い甘い! この歴代巫女(超天才)達と永い時を争い続けたこの俺に早々勝てるものか!」

「くっ……! ムカつく……!」

 

 なるほど……圧倒的な経験の差……ね。

 ……でも惜しいのが何回かあったわね……頑張ればいけるんじゃないかしら……

 

『もしもーし、聞こえますかー?』

「んお……聞こえてるぞー!」

『はーい……で、なんの用ですか?』

「あー……ちょっと待って、スサノオ君呼ぶから」

『わかりました〜』

 

 ……えぇ? ……なんでこのタイミングで……! 

 

 

 

 

「はいはーい! 帰りましたー!」

「お帰りー。龍玉あった?」

「ありましたけど、もうどれもダメっスね! ゴミ程にも役に立たないっス! もう全部纏めて消し飛ばしましょう!」

『やめてくださーい』

 

 ……いいんじゃないかしら? あの量は流石に気持ち悪いし。

 

「で、青龍君や。春を司る君に聞きたいことがあるんだが……コレ何かわかる?」

『見えないです』

「じゃあ送る」

『……あ、コレですか。コレは春ですね。春を凝縮して目に見える形にしたモノです。そっちのアマテラス様の加護を生命力に変えたモノ、とも言えますね。それが降ることで春が訪れます』

 

 へぇ……コレ、天照様ゆかり(紫にあらず)のものだったのね。

 

「……俺今までこんなモン見たことなかったんだけど」

「俺もっス」

『ああ、それはさっきも言いましたがコレは凝縮されたモノです。普通は春が凝縮されるなんてことないので初めて見るのは当然ですよ。精々見るのは我々のような直接春に関わる神や幻獣くらいです』

「ん……なるほどな……霊夢、コレどこで見つけた?」

 

 えっと……確か……

 

「その辺に浮かんでるのを捕まえたわ。あとはコレが一箇所に集まってるのが見えたわね。川の支流が本流に流れて出て〜って感じで」

「……え? 拙くね? 生命力なんだろ? ソレ」

『えっと……はい、拙いです。そのままだとその辺の生物、植物含め全部死に絶えますよ』

「ファッッ!? 霊夢ゥ! 急いでコレが集まってる所行ってこい! スサノオ! 魔理沙にも解決手伝わせて!」

「了解っス!」

 

 えぇ……コレは流石に洒落にならないでしょ……急がないと……! 

 遊んでる場合じゃなかった…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何が起きてるんだ!? なんで春が来ない!? 皆死にそうだぞ!?」

 実はちょっと前からずっと裏でめっちゃ癒やして回ってたツクヨミ君。

 頑張れツクヨミ君! 負けるなツクヨミ君! 

 正直今回君が頑張ってなかったらヤバかったぞ!

 

 

 

 

 

 

 




春雪異変って割とヤバい異変だったと思うんですよ。

ちなみにアマテラスさんは幻想郷を認識できないのでこの事態を知りません。
羅畏也さんも生命に関することは迂闊に弄れないので霊夢が頑張るしかないです。

一応あと数日は大丈夫(ツクヨミ君のおかげ。ツクヨミ君がもっと頑張れば一週間行くか行かないか)ですが割と気付くのギリギリでした。

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