で、俺が生まれたってわけ。   作:あかう

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しばらくバトルかぁ…
バトルって言っても一瞬で終わっちゃうんだけど…


隙間、それと殺生石

 羅畏也は牛車に引かれていた。

 依頼を受け、関東の方に向かっているのだ。

 別に受けなくてもよかったがあまりに依頼してくる連中がしつこいので受けてやった。

 

 今回はこの依頼についての話だ。

 依頼の内容は関東に現れた周囲のものを殺す石──殺生石。

 その調査、及び対処だ。

 羅畏也は非常に面倒だなぁと乗り気では無かった。

 だが、羅畏也も殺生石なんてもの万と数千の時、妖神をしているが見たこともない。

 もしかしたらソラナキに関連があるかも知れない。

 と、自分を納得させ、仕事に対する意欲を何とか引き出す。

 

 

 

 長い間牛に引かれ、やっと着いた羅畏也。

 と、遠目から殺生石を確認すると、確かにとんでもない物だとわかる。

 中に何か封印されているようだ。溢れ出る妖力が周囲の地脈に影響を与え、死の瘴気を撒き散らしている。

 どうするかと悩む羅畏也。

 海に沈めるか? などと考え始めた頃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガキンッ! 

 

 

 

 攻撃されたようだ。

 一瞬殺生石の影響かと思ったが、違うらしい。空間に裂け目が一瞬できていた。

 

「何者だ! 出てこい!」

 

 と、羅畏也は声を上げる。

 が、まぁ当然出てくるわけが無い。

 しかし、求められたのならば『羅畏也の前に出なければいけないのだ』

 

 ドサッ

 

 何かが落ちる音がした。

 そちらの方を羅畏也が向くと、

 

「ッ!? ッッ!?」

 

 金髪の女型の妖怪がワタワタしていた。

 金髪だが目の色が違う。ソラナキではないようだ。

 その様相に笑いが込み上げる羅畏也。

 耐えきれず少し笑ったところ、金髪に気付かれたようだ。

 

「……貴方、何をしたの?」

「答える義理はないと思うなぁ」

「そう……」

「で? 目的は?」

「そこの殺生石。その中身が欲しいのよ」

「ほーん? なんで?」

「妖怪と人間が共存できる理想郷を作るために手駒がいるの」

 

 羅畏也は感心した。

 まさか今時そんな事を考える妖怪がいるとは思わなかったのだ。

 人間との共存は羅畏也の目標の一つでもあったりする。

 なのでその思想を全力で支援したいが、羅畏也は気掛かり、というか気に食わない事があった。

 

「俺の許可なしにそんな事するつもりか?」

「ッ!」

「中身が欲しいって言ったな、やるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺に一発でも当てられたらな」

 

 軽いお仕置きを与える事にした。

 一応当てても当てられなくても中身はあげるつもりである。

 

 

 瞬間、周囲に衝撃波が起こる。

 

 妖力、神力、霊力

 三つの力が入り混じったそれは顕現した死として金髪に襲い掛かる。

 妖怪は咄嗟に空間のスキマに入り込み難を逃れるが、ソレも一瞬。

 

「『別空間への転移は0.1秒のみ』だ、違反すんな」

 

 

 バチンッ! 

 

 即座に現実へと弾き出される。

 

「!」

 

 妖怪は妖力弾による絨毯攻撃を行った。

 回避と被弾の境界を曖昧にした上で。

 “一発当てればいい”との言葉から導き出せる最適解の攻撃である

 

 

「ふぅむ……攻撃は素手のみ(・・・・・・・)だぞ、何やってる」

 

 妖力弾が全て霧消する。

 妖怪は今の言葉と状況で羅畏也の能力を察し、即座に相手の背後に移動。

 拳による攻撃を行った。

 

「」サッ

 

 まぁ、羅畏也は回避する。

 それに対して妖怪は非常に驚いている。

 回避と被弾の境界を曖昧にしたというのに回避されたのだから当然である。

 

回避は避けるってこと(・・・・・・・・・・)だからなぁ」

 

 この言葉で妖怪は全てを察した。 

 境界を再定義された、と。

 そして。

 

「残念」

 

 ガンッッッ!! 

 

 蹴りだ。蹴りが繰り出された。

 あまりにも重く、速い攻撃。

 たまらず妖怪は吹き飛ばされる。

 空間に空けた隙間を使い衝撃の吸収を図るが、0.1秒というのは一瞬なものですぐに弾き出される。

 そして。

 

 

 コツンッ

 

 と、妖怪の指が羅畏也に当たる。

 

『あ』

 

 なんとまあ呆気ない終わりだ。

 

『…………』

 

 非常に気まずい空気が流れる。

 いくら羅畏也でも空気くらい読めるのだ。

 

「お前の勝ち。よかったな」

「え、あ、はい」

 

 まぁ仕置きは済んだであろうと羅畏也はここで帰る事にした。

 

「ん、じゃあの」

「待って待って待って待って」 

「何?」

「貴方は、何者なの?」

 

 そこで羅畏也は名乗っていない事を思い出した。

 

「ほう? よくぞ聞いてくれた! 俺の名は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妖神! 羅畏也だ!」

 

 いつもの大犬の姿に変身する羅畏也。

 どうだこの姿。凛々しいだろう。と言わんばかりに胸を張る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッ!!!!??」

 

 

「うるさ」

 

 人間の姿のままでいればよかったと後悔する羅畏也。

 耳がキーンとすることに不快感を抱く。

 

「何、な、何で人の姿して、いや、なんでこんな、わた、私、不敬を、え、え、えええええええ!?」

「落ち着け」

「無理に決まってるでしょうがああああああああああッッッ!!」

 

 

 数分後

 

 

「なるほど……大体わかりましたが……そのソラナキとやらは知りませんわ」

「そうか……じゃああれだ、うん、殺生石あげるから、その……幻想郷? 頑張ってな」

「あ、はい。有難う御座います」

 

 

 と、まあ微妙な感じだがいいことを聞けた。

 幻想郷か、できたら行ってみたいものだと羅畏也は思った。

 そして名前聞いてなかったことを帰ってから思い出した。

 





境界を操られると流石に能力使わないとキツイですね

能力は分かった人は分かったと思います
本当にマジでチートです

あ、ゆかりんは羅畏也さんを知ってます
羅畏也さんを知っているのは縄文以前に生まれているか
昔の都近辺の情報を知れる妖怪のみです
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