玉衡の元から逃亡したら千岩軍が追いかけて来ていた件について 作:久遠とわ
今回で第二幕は終了です。(完結扱いになっておりますが第一幕終了時と同様に第二幕が完結という意味合いで完結にしています)
尚、リサのフルネーム(リサ・ミンツ)が判明したため、その部分に関する表現の修正を行いました。
また、実は本来はアビス教団編も含めようと思ったのですが、既に2万字近く行ってしまったので、アビス教団編は次回の璃月番外編〈以前のアンケートの煙緋(メイン)+鍾離+(α+β)編〉に統合させようと思います。
それと“円周率で猫好き”さん、“minotauros”さん、誤字報告ありがとうございます。それぞれ修正を行いました。
そして、第二幕まで読んでくださってありがとうございます。改めてお気に入り数も200人を超えていて嬉しいです。励みになります。
月一ペースで投稿してしまっている本作品ですが、これからもよろしくお願いします。
それと今回、第三幕や第三幕以降に関しますちょっとしたアンケートがありますので、回答を頂けると幸いです。よろしくお願いします。
「…ふぅ、やっと着いたな。あの後、何も起きなくて良かった、良かった」
「…そうだな、瞬詠」
「「「グルゥッ」」」
「「「ガルゥッ」」」
とあるシードル湖の近くの高台、そこに少し濡れた灰色の璃月の服装をし、黒い髪に灰色の髪が混じった男、瞬詠が高台からシードル湖、そしてシードル湖の中央にあるモンド城を見下ろしながら呟き、それに答えるようにレザーが頷き、レザーの周りにいる『ルピカ』である狼達も同意するように吠える。
アビスの魔術師達とヒルチャール達との戦いを終えて少しした後、瞬詠達は速やかにその場から立ち去り、そうして瞬詠の目的の場所であったとある高台に辿り着いた。ここまで来る道中、アビスの氷の魔術師の命令でヒルチャールの一体が伝令としてその場を離脱してしまったために、アビス教団の新たな追っ手が来るかと思われ、瞬詠達は警戒しながら歩いてきたのだが、特にそのような様子もなく、無事に辿り着けた事に安堵していた。
「…なぁ、瞬詠。これからどうするつもりなんだ?瞬永は今、西風騎士団や千岩軍に追われている。その最中で、西風騎士団がたくさんいるモンド城に行くと言うのは…正直、自殺行為にしか見えない」
「…あぁ、それは分かってる。だが、どうしても行かないといけないんだ」
瞬詠は心配するレザーの言葉に対して苦笑いを浮かべて答えた後、瞬永は真剣な表情を浮かべながら話を続ける。
「…どのみち、このままだとじり貧だ。いずれ、西風騎士団や千岩軍によって捕まるだろう。このまま逃げ続けたとしても、西風騎士団の騎士達や知り合いのエウルアやアンバー、それにクレー達、そして刻晴の命令を受けている千岩軍達はしつこく追いかけてくるはずだ」
「…そうだな」
瞬詠はモンド城を見つめながら呟く。レザーもその言葉を聞いて納得したのか、静かにうなずいた。
「…それ故、仮にドーマンポートまで逃げたところで、あいつらは大挙を押し寄せて追いかけ回してくる可能性があるし、そもそも悔しいが、今の自分には完全に逃げ場が無い。例え璃月の反対側にあるスメールの方に逃げ込めたとしても、直ぐにあの暴走女の命令で使者を連れた大勢の千岩軍の兵士達がスメール入りし、スメールシティにある行政機関も担っている教令院の奴等と会って交渉し彼らを巻き込む事で、自分をお尋ね者にしてスメール内で新たに彼らや三十人団等のエルマイト旅団の連中までもが追いかけてくるなんて事もありえる。おまけに今は西風騎士団が千岩軍に全面協力していると見ていいから、もしかしたらファルカ達、西風騎士団の騎士達が自分を追いかけてスメール入りするなんて事も十分にあり得るかもしれない……」
瞬詠は深刻そうな顔をしながら自分の置かれている状況を口に出す。
「…それ故、決断したんだ」
「決断?」
「あぁ、そうだ。現状、逃げ続けるのは不可能。そうなると、自分に出来るのは今の西風騎士団や千岩軍に抗い続けるしかない。だが、それは現実的じゃない。ならば、これを終わらせるには、そもそもの発端は暴走女の刻晴が千岩軍に出した捕縛命令であるから、その命令を取り下げるしかない。ならば、__」
瞬詠はモンド城から視線を上げて遠くを見る。その方向はちょうど璃月の中心都市、貿易港である璃月港の方を見ているようだった。
「__璃月港、そして璃月港の玉京台の上空で璃月全体を見下ろすように鎮座している『群玉閣』まで赴くしかない」
「…『群玉閣』?」
瞬詠がそう言い切ると、レザーは不思議そうに首を傾げた。
「あぁ、そうだ。群玉閣は空中にある宮殿のような建築物で、そこに自分達璃月七星のリーダー、そして今でも自分の直属の上司とも言える『天権』の凝光さんがいるからな。あの人に頼み込んで、あの暴走女が出した捕縛命令を取り下げさせて貰う」
「……なるほど」
瞬詠の言葉にレザーは納得したような表情を浮かべた。確かに璃月を統治する璃月七星のリーダーたる立場にいる『天権』の凝光であれば、岩王帝君の次に璃月全体を治める権限を持っていると言えるので、彼女の力で捕縛命令を取り消す事は可能かもしれない。
「…瞬詠。その命令、取り消しにその人のいる場所に行くって事だが、それは刻晴に見つかるんじゃないのか?読まれていて、そこで瞬詠がやって来るのを待ち構えられているんじゃないか?」
「あぁ、そうかもな。……認めるのはあいつに負けたような感じがするから癪ではあるが、あいつは結構頭が切れる奴だ。だから、刻晴の奴は自分が何を考えて、そして何をしようとしているのかは既に見抜いていると思うな」
瞬詠は腕を組ながらそう口にすると、レザーも納得したようにうなずく。
「だが、それでも行かないといけないな。それしか方法がないしな…レザー、お前には感謝している。お前のおかげでようやく決断できたからな」
「…決断?」
レザーは瞬詠の言葉に思わず疑問符を浮かべた。
「そうだ。レザー…自分は悩んでいた。自分は何がしたいのかを。今になって思えば、何でいつものように誤魔化したり騙したりするのではなく、あんな風にあいつを嵌めようとしてしまったのか、確実に追いかけてこれないように。そして無意識ではあったがまさか、あそこまでやるとは自分でも思ってはいなかったしな。初めてだよ。あいつとど突き合って、軽く取っ組み合い染みた事をしてしまったのは…」
「…」
レザーは黙って瞬詠の話を聞く。
「…レザー、今まで自分と刻晴は一線を越える事を避けてきた。仕事の時やそうじゃない時でも、例えどんなに互いにイラついたとしても、どこか行き過ぎないようにしていたんだ。もしも自分と刻晴が本当に本気で喧嘩してしまえば、立場の問題も相まって周囲に多大な影響が及んでしまうからだ。自分と刻晴の関係は、少なくとも表向きは上司と部下の関係で、二人の関係は仕事で遠慮なく言い合える、という関係が望ましいからな。だが今回、いやその少し前から完全に違った。衝動的に起きた事ではあるが、それでもいつもとは違い、言うならば自分を抑えていた理性よりもその時に抱いた感情が勝ってしまった。それが何なのかは分からない。今までな…だが、レザーのおかげで分かったよ」
「…オレのおかげ?」
「あぁ、そうだ」
瞬詠は群玉閣の方に向けていた視線を再びレザーに向ける。
「レザー、前にレザーが自分に言ってくれた『ルピカの喧嘩』の話があっただろう?…幾度もなく喧嘩を繰り返し、彼らは恨みあったり憎しみあう事は無く、お互いに信頼して相棒として認め合っていた…そして、それらの事から自分、いや俺と刻晴は意地を張り合って激しい喧嘩をしていて、それは互いに信頼し相棒として認め合っている証っていう話だ」
「……」
レザーはどこか吹っ切れたような表情を浮かべる瞬詠を見て、彼の何かを察した。
「…瞬詠、それはつまり」
「あぁ、そうだ。本当にくだらないし、馬鹿馬鹿しい…ただあの時の俺は、何故だが刻晴の奴に負けたくないって思っていただけなんだ。…まぁ言い方は悪いが、普段から叶う筈の無い理想を追求し体現化するために周囲の全てを敵に回し、その為に全てから隔絶したとしてもただ己を貫き通して好き勝手に突っ走るあいつの姿…ふんっ、まぁそんなこんなであいつに色んな事で振り回され、時には俺があいつを振り回して来たそんな関係で…そして…はぁ、ふざけんな!!…あいつ、いつかその内に死ぬぞ…早死にでもしたいのか、あいつは?」
「…瞬詠?」
レザーは少し豹変したかのような瞬詠の様子に戸惑いながらも声を掛ける。だが、瞬詠はそれを気にする事無く、彼は心の中で溜め込んでいた物を吐き出すかのように、感情を爆発させながら喋り続けた。
「全く本当に面倒くさい事ばかり巻き込みやがって…七星迎仙儀式の時だってそうだ!!あいつ何であの時、岩王帝君に向かって質問と称し、堂々と彼や璃月そのものに対して喧嘩を売ったり、宣戦布告染みた事を平然とやっちゃったんだよ!?本当に馬鹿なの!?あいつは!?なんで、あの場で演説染みたことまでしちゃってんの!?」
「…」
レザーは少し目を見開かせながら、感情を爆発させながら叫ぶ瞬詠の話を黙って聞く。
「…言っている事は分かるし正しいと思う。それに俺も同意見だ。だが、意見自体を否定するつもりは無いが、やり方や言い方ってものがあるんじゃないのか!?その後に起きる事も考えろよ!!馬鹿なんじゃねぇの!?しかも、あいつが俺の方に向かって、してやったみたいな感じに顔を向けたせいで岩王帝君に俺の意見や考えを求められたじゃないか!?それでなんとか当たり障りのない事でやり過ごそうと思ったら、思いっきり釘を刺しやがってよぉ!!本当の事をぶちまけたら、やっぱり凄まじい事になったじゃねぇか!!」
「…」
「…まぁ、だがあれの後、意外とあの場にいた一部の商人達や後からその事を聞いて知った璃月人達、それに飛雲商会の御曹司である“彼”やその飛雲商会の者達や関係者達、まさかの璃月港で有名な法律家である“彼女”、はたまた璃月劇で最も名を馳せている看板役者である“彼女”まで、程度や違いはあれど俺や刻晴の考えや意見に共感、賛同してくれていたとは思わなかったどな……」
(おまけに、知り合いのスネージナヤ人やファデュイの関係者、おまけに顔見知りの執行官達までもが、その行為を自分達で言えばスネージナヤを束ねている絶対的で畏れ多いあの御方、公の場で直々に氷神の女皇陛下に対して、例えば今の方針、『現在のテイワットの秩序を破壊し、新たな秩序で以ってテイワットを再生する』という事に関しての意見具申や直訴を行う行為であり、場合によってはそれがスネージナヤ、ひいてはテイワット全体の未来を思った行為であるためだったとはいえ、女皇陛下への不敬や反逆とも捉えられかねない事でもあったため、それをただの人である自分や刻晴が、璃月や人の未来や尊厳のために岩王帝君にそれを行ったことに対し、非常に危険で無謀とも言える行為であるが、それを行った自分や刻晴に敬意や称賛の意を示すなどと言われたしな)
「…はぁ」
(…だが、気になるのが北国銀行で偶然出会った“シニョーラ”さんに意味深いお礼を言われたことなんだよな。『瞬詠、貴方達のそれのおかげで“彼”が私達との交渉や取引に対して、かなり前向きになってくれて本格的に交渉や取引が始まったわ。それのおかげで、私たちが探している物の一つは確実に手に入れられたと言える、礼を言うわ、ありがとう』って言っていたけど、どういうことだ?)
「…」
瞬詠は頭を抱えながらため息を吐いて、疑問に思った。そしてレザーは瞬詠のその様子にどうしたらいいのか分からず戸惑っていた。だが瞬詠の言っていることは分からないものの、それでもレザーは何となくだが瞬詠の言おうとしていることが分かった気がし、それと同時に若干、瞬詠に同情した。
「…全く本当にやる事や為す事が無茶苦茶すぎるんだよ、あの暴走女。命がいくつあっても足りねえよ。……理想を体現化する為、璃月の未来の為、そして璃月人や『人』としての誇りや尊厳の為に……はぁ、その為に批判等を物ともせず率先し行動し続けて、本当にあいつは馬鹿だよ。あいつは絶対に長生きしない。間違いなく早死にするだろうよ…あんな生き方、己を貫き通すために恐れ等の全てを捨て去り、ただその事だけを追求し続ける…いつもいつも俺に突っかかってきていた、あの生意気な“馬鹿女”みたいにな」
「…“馬鹿女”?」
「…っ!?」
瞬詠は吐き捨てるかのように言った言葉を聞いたレザーは、何故かその言葉に反応して瞬詠の顔を見る。すると瞬詠はしまったと言う顔をするが、既に時遅く、レザーは彼の口から出てきた『馬鹿女』という単語を聞いて、どこか複雑そうな表情をしてしまう。
「…瞬詠、誰の事だ?」
「…昔の奴の事だ。俺が璃月七星の元で働かせられる前、南十字武装船隊で北斗の姐さんの元にいた頃のな。俺はそこで北斗の姐さん達、南十字武装船隊の目として。よく武装船隊の上空、それに船隊の周辺の海上や船隊の進路上の海上の様子を調査する為に毎日のように飛び回っていてな……その時にいた奴だよ…もう、死んじまったけどな」
「なっ!?死んだ?……」
「あぁ、墜落、いや撃墜されたんだ…化け物、冥海巨獣の“海山”っていう名前の化け物の一撃をもろに喰らってな。完全に俺の囮になって…あの日、あの空、あの海は全てが完全に想定外だった…燃え上がる仲間達の船に真っ二つに割れて轟沈していく船、あちこちから響き渡る仲間達の悲鳴や怒号、そしてあの化け物の雄叫びや頭が割れるかのような強烈な鳴き声、空は絶望に染まったかのように黒い曇天に変わり、風や波は荒れ狂い、海は仲間達の血や死体、船の残骸で染められていった。…だが、仲間達や北斗の姐さんは動じることなく戦い、死闘を続けてきたんだ、4日か5日くらいまでかけてな…俺も姐さん達を空から援護する為、あの化け物の猛攻の嵐の中を掻い潜りながら、奴の視界を奪ったり、目を潰したりすることで姐さん達を支援する為、あの海、そしてあの空にいたが……今になって思えば、正直、生きた心地なんてしなかった…」
「……」
瞬詠は遠い目をして当時を思い出すかのように空を見上げながら語る。レザーも黙ってその話を聞いた。
「そうして、最終的には北斗の姐さんがあの化け物、海山の首を切り落としたさ。…決して無視できないほどの被害を受けながらもな…刻晴が演習の捕縛命令で出した際の『璃月を揺るがした重大な”大罪人”を、璃月七星の玉衡の前に突き出せ』という命令…“大罪人”という部分だけを言えば、あながち間違いではない。なんなら、俺は仲間達を死地に送り出した大量殺人者とも言えるからな。それ故、俺は“大罪人”さ。あのローレンスの血を継いでいる恨み節女と同じ“罪人”だ…ははは」
「……」
瞬詠は自虐的な笑みを浮かべ、その言葉に対してレザーは何も言えなかった。
「…北斗の姐さん達は否定してくれたが、だが結果的に俺のせいで仲間達、あいつらは死んだようなものとも言える…全ては完全に俺の判断ミスのせいだ…俺は、あの日の海に散っていった仲間達に対して何度謝り、何度泣いて、何度埋め合わせとして、自分のこの命を以って、あの海に沈んで命を散らす事で償おうとした事か……かなりの年月がたった今でもたまに夢を見る、あの時の光景、あの化け物の姿と、あいつらの最後の姿をな……」
「…瞬詠…」
レザーは瞬詠の名前を呼ぶ。今の瞬詠がまるで消えて無くなってしまいそうな感じに思えたからだ。
「…すまん、レザー。こんな湿っぽい話をしちまって」
「……いい。気にしていない」
「ははっ、そうか。まぁ、つまり何が言いたいかというとだ…」
瞬詠は軽く笑ってから真剣な表情になる。それは先ほどまで自分の中で動き回っていた感情を落ち着かせようとしているようでもあった。
「…まぁ、つまりだ。俺はあいつの事を認めている。昔にいた生意気な奴とよく似ていて、とんでもない程のいかれたレベルの努力家で、そしてあいつには本当にそれを成し遂げる事が出来る力があると思っているほどだ。…故に、俺はあいつの事は嫌いという訳では無い。そして俺が刻晴に対して抱いている気持ちは敬意、不安、そしてそうだな…言うなれば、対抗心とでも言えば良いのか?そんなものだな」
「…」
瞬詠は静かにそう言い切り、改めてレザーの方に視線を向け、レザーも瞬詠は静かにそう言い切り、改めてレザーの方に視線を向け、レザーも彼の話を聞いてどう思ったのかと言うような目で見つめる。
「ふっ、変な事を言って悪かったな」
「……いや、オマエの話を聞いて、少しだけ分かった気がする…瞬詠、それとオレ思ったんだが、オマエ、よく素直じゃないと言われたり、ひねくれているとか言われてないか?」
「…はんっ、面白いこと言うなレザー。俺がそんな風に見えるか?」
瞬詠はレザーの指摘に対し鼻で笑う。
「…」
「…ははっ、じゃあそういうことだ」
「…っ」
そして瞬詠は笑うと同時に、レザーもその事に少しだけ苦笑いし、改めて瞬詠という人となりを知ることが出来た気がした。
「…さてと、そろそろ刻晴の奴、あいつの指揮下にある千岩軍やその千岩軍に協力している西風騎士団から逃げ回るのもお仕舞いとしようか。…全く、今日は刻晴が出したふざけた命令のせいで、アンバーに撃墜されかけ、エウルアに殺されそうになって、クレーに爆破されかけられたせいで奔狼領に吹き飛ばされ、極めつけは何やらヤバそうな事をしでかそうとしていたかもしれないアビス教団に首を突っ込んだせいで、アビスの指導者を初めとする、やばすぎる者達に目を付けられたり、狙われたかもしれないという……はぁ、本当に洒落にならない、散々な事態に直面した一日になったからな。…刻晴、お前には、この代価をしっかりと支払って貰わないとな?…」
「……オマエ、やっぱり色々と危ない目に遭わされていたんだな」
「ははっ、まぁな。こういうのはそれなりに経験したが、流石にこんな連続かつ、洒落にならないほどの散々な目にあったのは結構久しぶりだよ」
レザーは相変わらずの瞬詠の様子を見て、苦笑いしながら言った。
「…さてと」
瞬詠はレザーから視線を外して湖の中央にあるモンド城を見下ろす。先程までの様子とは打って変わって、その様子は何かを決意したかのようなものだった。
「…瞬詠、行くのか?」
「あぁ、勿論だ。…モンド城に行き、そのまま西風騎士団の本部に潜入しようと思う」
「なっ!?」
瞬詠の言葉にレザーは絶句してしまう。何故なら瞬詠が言っていることはあまりにも無謀であり、あまりに危険すぎたからだ。
「……おいおい、そんなに驚くことか?確かに西風騎士団に追われているのにその西風騎士団の本部に潜入するのは自殺行為に思えるが、ちゃんとした理由があるんだぞ?」
「…理由か?」
「あぁ、そうだ」
瞬詠はレザーに対してその理由を説明する。
「自分が西風騎士団の本部に潜入しないといけない理由は二つある。一つは、補給だ」
「補給?」
「あぁ、そうだ。今自分が手元にあるかつ、まともな武器として使えるのは鉄扇とアビス教団のアビスの魔術師達が使っていた魔法の杖しかない。だが、あいにく自分はアビスの氷の魔術師と水の魔術師みたいに魔法なんてものは使えないからな。使えたとしても槍みたいに振り回して突き刺すしか出来ないから、それならちゃんとした槍の方がまだましだからな」
「なるほど。確かにそうだな」
瞬詠の説明を聞いて、レザーは納得したかのようにうなずく。
「だからこそ、西風騎士団の本部、そこにある武器庫等にある良さそうなものを拝借する。それと実は、今日のエンジェルズシェアでのガイアとディルックのやり取りで、使者を引き連れた千岩軍がモンド城にやってくるまでに、自分の捜索も兼ねて広範囲の探索を行っていて、その際にモンド領内にて宝盗団の拠点を幾つか発見したという話を聞いたんだ。そしてそこにいた宝盗団の人間達を捕縛して西風騎士団に引き渡しをしようとしていたってことから、保管庫にはレザーが見た自分が使っていた元素反応を引き起こす投擲瓶、それが大量に保管されている可能性が高いという事だ」
「そういう事か」
「あぁ、そういう事だ…どのみち、西風騎士団や千岩軍に見つかって彼らに捕捉され、万が一その中にエウルアやアルベト等の隊長達、またアンバーのような優秀な騎士達等の実力者とかがいたら、彼らからそのまま逃げ切るのはおそらく不可能だし、そうなると絶対に彼らとの戦闘は避けられない。ならば、その時のためにも、少しでもしっかりした剣なり槍、それに多種多様な元素反応を引き起こす投擲瓶を持っておきたいんだよ」
「なるほどな」
瞬詠の話を聞き、レザーは納得したような表情を浮かべる。確かに、モンドを守る西風騎士団は非常に優秀である。また隊長格の者達に至っては、百戦錬磨の強者揃いだとも言える。そんな大団長ファルカの命令を受けている本気の状態の彼らに瞬詠が発見された場合、そのまま彼らの追跡を振り切って逃げきることはかなり難しい。そうなれば当然、彼らと戦闘になる可能性も高いと言えるだろう。
「…それともう一つの理由、それは不審な動きを見せるアビス教団だ。もしもさっきのあれが無ければ、ただ西風騎士団から見つからないように忍び込んでそのまま逃げれば良かったんだが、そう言うわけにも行かなくなった。…あの規模の統率の取れていたヒルチャール達に、アビスの魔術師達、おまけにアビスの魔術師達が言っていた話を鑑みるに、かなり大きな規模で何かをやろうとしている、もしくはやっていると言うことだ」
瞬詠は僅かに目を細めながら、先程のアビス教団について語る。
「あいつらの目的は不明だが、どうせろくなことではないのは確かだろう。モンドで何かをしでかそうとしているならば、それを防ぐのは西風騎士団の仕事だ。……だから俺は西風騎士団に潜り込んで、彼らに接触してこの事を伝えようと思う」
「なっ!?」
瞬詠の言葉にレザーは再び絶句してしまう。西風騎士団に追われている身の瞬詠が言っていることはあまりにも無茶苦茶すぎた。
「……そんなことをしたら、オマエ、本当に捕まるぞ!?」
「…安心しろ、レザー。確かに今の俺が、ただ西風騎士団の奴らに会いに行ったら、普通に彼らは捕まえようとするだろう。だが、会うのは自分の知り合い。ガイアとリサという奴らなんだが、ガイアの奴は主に宝盗団、そしてアビス教団関連を担当していて、リサさんは騎士団が管理する図書館の図書司書ということになるが、騎士ではないが西風騎士団の正式なメンバーなんだ。彼らなら、おそらくこの騒動に参加してないと思えるからな」
(実際、ガイアはエンジェルズシェアで会った時に、自分を捕まえるどころか外の状況を教えてくれたしな。少なくともガイアは、エウルアやアンバーみたいにファルカの命令で自分と敵対しているわけではなさそうだしな)
「……本当に大丈夫なのか?」
瞬詠は頷きながら説明をするが、それでも心配だったのか、レザーは問いかけてくる。
「あぁ、問題ない。……それに万が一自分と敵対していたとしても、ガイアとリサさんを自分の方に味方に付けれる手段がある」
「手段だと?」
「あぁ、そうだ。これらだよ」
瞬詠はそう言うと、瞬詠とレザー達が倒し、瞬詠が奪ったアビスの水の魔術師と氷の魔術師のそれぞれの魔法の杖に視線を向ける。
「これらはアビス教団の物。つまりは、アビスと繋がりのあるの物。これにガイアが興味を抱かないわけがないし、リサさんもリサさんでこういう滅多に見れない代物に目が惹かれるはずだ。これを元手に彼らと交渉、取引を行い、西風騎士団本部への橋頭保とさせてもらう。そして、モンド城内でちょっとした“茶番劇”を起こすことでモンド城内で“騒動”を引き起こし、それを陽動とすることで城内にいるファルカやジン達等の西風騎士団や千岩軍達の注意をそちらの方に引きつけつつ彼らをそれで振り回して、その隙に自分は西風騎士団本部へと潜入するつもりだ」
「…“茶番劇”、それに“騒動”?」
「あぁ、そうだ…モンド人っていうのは、よくも悪くも自由人達が多いからな。モンド人の気質っていうのは、言い方は極端ではあるがそこに美味しい酒や吟遊詩人達の詩、もしくは目新しくて面白いものであれば、それに乗っかりたくなるのがモンド人の性分だからな…それに偶然だが、今のモンド城内にはそれらの要因が良い感じに全て揃っている。後はそれらを組み合わせるのみだ」
(元々モンドに来たのはエンジェルズシェアやキャッツテールで飲みに来ただけでなく、バーバラの件も兼ねて来ていたからな…だから、ファルカの奴にはディルック、可能ならディオナやウェンティの奴、ジンさんには、バーバラや可能ならば上手く説得して味方につけられたノエルやスクロース辺りを当てれば…な)
瞬詠はそう言いながら、僅かにニヤリとした笑みを浮かべる。
「なるほどな……」
瞬詠の説明を聞き、レザーは納得したような表情を浮かべる。
「……まぁ、そういう訳だ。だからまずはモンド城に潜入したら、エンジェルズシェアに行かないとな。そこを潜入の拠点にさせて貰う。そしてそこにディルックがいれば完璧だ」
「ディルック、ディルック…瞬詠、ディルックって、元西風騎士団の人か?」
「なっ!?レザー!?ディルックを知っているのか!?」
レザーは瞬詠の口から出た名前に聞き覚えがあったらしく、何とか思い出そうとし、それを思い出したレザーはそれを口にする。そして瞬詠はレザーがディルックの名前やディルックの過去を知っていたことに驚きの声を上げた。
「いや、知っていると言うか……前に会ったこと、見た事があるんだ」
「なに?どういうことだ?」
「オレ、以前にクレーから教えてもらった。赤髪の人で、元西風騎士団の人って事」
「え?クレーから?というか、何故お前がそこまで詳しいんだ?」
「それは、オレが前、クレーがジンという人から逃げてきた時に、偶々清泉町の近くで騒ぎがあって、クレーと様子を見に行ったらディルックやジン、エウルアやアルベドっていう人がヒルチャール達の集団を倒していたところを見た。その時に、近くにいたクレーがディルックを、『元西風騎士団の人』だって言っていたのを聞いた」
「なるほど…清泉町の近くの騒ぎ、か。それって、先月、いや先々月辺りにあった奴だったか…」
(確かに自分の記憶が正しければ、そんな感じの事件がその時に起きたはずだ。ただ、その時期は璃月の方で色々と立て込んでいたせいで、その事件については詳しく知らないんだよな)
瞬詠はレザーから話を聞いて、記憶を探るように呟く。
「…因みにだがレザー、レザーは西風騎士団の騎士達や関係者達についてどれくらい知ってたりするんだ?」
「どれくらい?…騎士団の詳しい事は知らないが、騎士団に所属している人や関係者達の名前くらいなら、覚えているぞ。ファルカにクレー、ノエルにジン、ガイアにディルック、エウルアにアルベトだな」
ふと気になった瞬詠はレザーに問いかけると、レザーは指折り数えながら、騎士や関係者達の名を上げていく。
「おぉ、そんなに知ってたのか…成る程な…」
瞬詠は意外そうにしながら小さく感嘆の息を漏らした。
「さてと…」
そして瞬詠は改めてシードル湖の中央にあるモンド城、視認する事はできないが璃月港の上空で鎮座するように浮いている郡玉閣の方に視線を向けた。
「…短期決戦だな。時間を掛ければ掛けるほど自分の方が不利になっていき、あいつの方が有利になっていく。そうなると…」
(モンド城から璃月港まで駆け抜けるまでに、おそらくモンドや璃月の各地に検問所が展開され、更にモンド領から脱出して璃月領内に入ったとしても、監視塔である物見櫓や千岩軍の駐屯地が璃月領内の各地に存在する。であるから、出来る限りこれらを躱しつつ、回避しながら迅速に移動しないといけない。そして、今の状況的にもしかしたら刻晴の命令で動いている千岩軍とあいつの使者に協力したファルカ率いる西風騎士団、それに加えてさっきの出来事によってアビス教団、アビスの水の魔術師の反応やあの規模で統率の取れていたヒルチャール達が動員されていたという事実を鑑みるに、少なくとも前に“あの人”やファルカが言っていた“アビスの使徒”やアビスの魔術師達が口々に言っていた“アビスの指導者”と言った者達も自分を追いかけてくる可能性を否定できない。むしろ、可能性が充分あるとも言える。だからこそ、今は一分一秒でも無駄にせず、彼らの態勢が完全に立て直される前に、迅速に行動しなければならない)
瞬詠は脳内で思考をまとめ上げていきながら、自分の置かれた状況や置かれている状況を冷静に分析していく。
「…」
(モンド城から璃月港までの通常のルートなら“石門”経由になる。だが、今の状況的には石門は璃月とモンド国境に位置する場所でもある事や、璃月とモンドを結ぶ幹線道路とでも言えるが故に交通の要衝でもあるとも言えるから、そこには千岩軍と西風騎士団の合同の検問所、それに大規模でかつ強力な彼らの臨時の拠点もその近くで形成されている筈だ。それ故、そのまま通る事は不可能に近いだろう。…そうなると“ドラゴンスパイン”を経由して璃月領に入るくらいしか、璃月に入る方法が無いな。それに今のドラゴンスパインには確か“彼ら”が…)
そうして瞬詠は僅かに目を細めながら、どうやってモンドから璃月へと国境越えすべきかを考えていく。
「…電撃的に行動するしかない。電撃戦とでも言うべきか?」
(とにかく、まずは予定通りにモンド城内に潜入して城内で彼らに茶番劇を演じて騒動を引き起こすことで、西風騎士団や千岩軍の意識をそちらに向けさせる。そしてその隙を突いて、西風騎士団の本部に潜入して武器等の補給を行いつつ、ガイアやリサさんにアビス教団の件に関して伝える。そしてその後は、場合によってはガイアやリサさんに協力するように求められることも考えられるから…)
瞬詠は頭の中で作戦を組み立てつつ、やるべき事、場合によってはやらなければならない事を列挙しつつ、これから自分が取るべき行動についてを脳裏に浮かべていく。
「さてと…大体こんな感じか…はぁ、本当にどうしてこんな滅茶苦茶な一日になったんだが」
(こんなの、おそらく自分の人生の中でも屈指と言えるくらいに滅茶苦茶な日だよ。まったく)
瞬詠は自分の身に降りかかった災難を呪うように溜息をつきながら空を見上げ、ふと今までの自身の人生を振り返り始めるかのように、自分自身がここまで歩んできた道を振り返っていく。
それは、今の璃月七星の『玉衡』、刻晴の直属の部下であり彼女の元で仕事を行い、時には彼女と怒鳴り合いながら仕事や色んな事を行ってきた裏で彼女の為に、彼女が知らない所で暗躍していた自分。
少し前までの璃月七星のリーダーである『天権』、凝光の直属の部下として北斗の南十字武装船隊から引き抜かれて、彼女の下で様々な仕事やあらゆる事に関する調査等をしていた自分。
南十字武装船隊から引き抜かれる前であり、自分にとっては運命の日を迎えた後の間の、最終的には勝利したとはいえ、自分が犯した判断ミスによる惨劇を引き起こしてしまった罪の重さに押し潰され、死んでしまった彼らの後を追うように自殺すらも行おうと考えてしまっていた自分。
運命の日、冥海巨獣の“海山”に自分や生意気な“馬鹿女”、それに北斗や南十字武装船隊の仲間達が戦いに挑む前の北斗達との日々の船旅や、地図にない島や未知の海への冒険、それに稲妻やスメール、フォンテーヌやナタ、スネージナヤ等のテイワットの各国に立ち寄って、時には船隊の補給作業の間にテイワット各国の各地を飛び回り、そこでの出会いや別れを繰り返して現地の人達と触れ合った自分。
「…はっ」
(…我ながら波乱万丈な生き方をしているよな)
そんな自分のこれまでを思い出していた瞬詠は、ふと小さく笑みを浮かべた。それは瞬詠にとって、自分という存在を確立するに至った過去であり、今の自分を形成してきたものでもあった。
「…」
(…なんだかんだあの人達、あいつらは今どうしているんだろうな)
瞬詠の脳裏に今までに出会って来た者達の顔や名前が浮かび上がって行った。
「…全く」
そして瞬詠はふと空を見上げる。
そして共に旅をしてきた仲間、冥海巨獣の“海山”と相まみえた運命の日、その命を散らした者達、そうして“彼女”曰く、“自分の身体の中にいる”とされているあの海で散ったかつての仲間達に対して思いを馳せ、そして“彼ら”のその姿を思い浮かべる。瞬詠に取っては唯一無二であり、テイワットを飛び回って出会った者達と遜色のないかけがえのない者達であり、とても大切な存在であった。
「…ははっ」
瞬詠は独りでに笑う。それはまるで何かのしがらみから解き放たれたかのような、清々しい笑顔だった。
「……」
(…さてと)
瞬詠は自分が今までやってきた事を思い出すと共に、自分がこれから行うべき事に対して覚悟を決める。
「…今の自分、いや今の俺がやりたいこと、それはこんなふざけた状況を終わらせるために、あの暴走女が出した命令を取り下げさせさせる事…そして、そうだな…」
瞬詠は笑みを浮かべる。それは迷いや悩みを全て振り切った、晴れやかな表情であった。
「…まぁ、そうだな。こんなことをしでかしてくれた刻晴にぎゃふんと言わせたいから、もしも本当に群玉閣であいつが待ち受けていたのだとしたら、まずは一発あいつの顔面を思いっきりぶん殴ってやろうか」
(レザーに言われた通り、これはある意味、俺とあいつの喧嘩みたいなものだからな。あいつはここまで派手にやってくれたんだから、自分も派手に暴れまわっても問題は無いって事だな)
瞬詠はそう呟くと、改めてこれから自分がすべき事やその時に置かれるであろう状況を脳内で整理する。モンド城や西風騎士団の本部に潜入中の時の事、モンド城から脱出しドラゴンスパインまで駆け抜ける時の事、ドラゴンスパインの環境や周囲の状況等を味方に付けながら、一気に西風騎士団や千岩軍の追っ手を振り切る時の事、モンドから脱出し璃月入りして見つからないように璃月港まで潜伏しつつ千岩軍の目をごまかしをしながら、千岩軍の警戒網を掻い潜りながら移動をしていく時の事、そして璃月港から群玉閣に強襲するかの如く、一気に乗り込んでいく時の事等、瞬詠の頭の中にこれから取るべき行動が次々と浮かんでは消えて行く。
「…ははっ」
瞬詠は笑いながら、軽く拳を握った。どこか好戦的で、それでいて不敵な笑みを浮かべていた。それはまるで目の前にいる相手を心の底から楽しみにしているような、そんな笑顔であった。
「始めるとしようか…刻晴の奴め、覚悟しろよ?首を洗って待ってるんだな」
瞬詠は遥か遠くにある群玉閣の方を見上げるように顔を向ける。それは宣戦布告、または宣戦布告に近い言葉を口にするような仕草だった。
「…さてと、__」
(__最終的にはどのみち、西風騎士団の大団長のファルカの奴と西風騎士団の代理団長のジンさん、この二人を茶番劇に釘付けする事で一時的に無力化する必要がある。その為、この二人をおびき寄せたり誘導したりするためには、第一段階としてガイアの奴とリサさんの二人に何らかの方法で接触しなければならないな…)
瞬詠は目を細めながら、これから自分が行わなければならない事、そして自分が行える具体的な手段や選択しを整理する。
そして、その時であった。
「…」
瞬詠が一瞬瞬きをし、瞼を開けた瞬間であった。
「っ!?はぁっ!?」
(今、何が起きた!?いや、それよりも!?)
瞼を開いた瞬詠は驚きの声を上げる。それもその筈である。
瞬きをして目を見開いた際に瞬詠の視界に映った光景が先程とは一変していたからだ。先ほどまでのは瞬詠は、レザーと共にとあるシードル湖の近くの高台に立ち、そこでシードル湖の中央にあるモンド城を見下ろしていたのだが、目の前の光景が一変し、そこにとある光景が広がっていた。
それは地面が無く、足元にあるのは夜空のように美しい光を放つ不思議な水のようなもの。そしてその不思議な水面のような物には、大空に浮かぶ様々な色に光る星々の光景という『星空の海』とでも言うべき光景が映し出されており、それは瞬詠が立っている場所から見える範囲で言えば、その世界全てがまるで星の海の中に浮かんでいるような幻想的な景色となっていた。
「ここは…一体…どこなんだ?…それにレザー達もいないなんて」
(一体何が…)
瞬詠は突然の事に動揺しつつも辺りを確認する。そして、自分の近くにレザーやルピカ達の姿がいないことに気付き、少しばかり不安に襲われ、焦りを覚えた。
「っ…な、なんだ?あれは…?」
とある方向から少し強い光を感じた瞬詠はそちらに振り向く。瞬詠の視線の先には少しとある色に染まった空、その空を彩るようにそれぞれの星と星を移動した際に出来たのか、流れ星のようなとある色に光る線、そして強い光を放つ星達であった。その星達はまるでとある星座の形になるように並び、瞬詠がいるこの場所、その場所の上空に広がっていた。
◆◆◆
「瞬詠?…瞬詠?どうした?」
「「「グルルゥッ?」」」
「「「ガルルゥッ?」」」
「…」
レザーとレザーの『ルピカ』である狼達は目の前で固まってしまっている瞬詠に声をかけるが、それでも瞬詠は反応しなかった。まるで瞬詠の時だけが止まってしまい、瞬詠の立っている空間の時までもが止まったかのようにその場に立ち尽くしていた。
「…?」
「「「グルゥ?」」」
「「「ガルゥ?」」」
レザーとルピカ達は困ったかのように声を上げ、お互いに顔を見合わせる。自分達の呼びかけに反応しない瞬詠に対して何かしらの違和感を抱いたのだ。
「…っ!!おい!!待ちやがれぇっ!!」
「っ!?瞬詠!?」
「「「グルルゥッ!?」」」
「「「ガルルゥッ!?」」」
そしてその直後、瞬詠は先ほどまでの静寂が嘘のように豹変し、突如として怒号にも近い大きな声で叫ぶ。瞬詠の額には冷や汗のようなものが流れ落ち、息遣いは荒くなっており、何かを警戒するかのように目を鋭くさせながら睨みつけていた。そして瞬詠の豹変を目の当たりにしたレザーとルピカ達は驚き、困惑した表情を浮かべていた。
「瞬詠、瞬詠!!どうした!?」
「「「グルゥ!!」」」
「「「ガルゥ!!」」」
「っ!?レザー、それにルピカ達も!?…そうか、戻って来れたという事か…」
レザーとルピカ達は心配そうな表情で瞬詠の顔を覗き込む。その事でようやく我に返ったのか、瞬詠は安心したかのような様子を見せる。だがその一方で、瞬詠の顔色はどこか優れていなかった。
「瞬詠、一体、どうしたんだ?」
「ぁ、ぁぁ。信じられない話だと思うがレザー、自分一瞬だけここじゃない何処かに転移したみたいに、なんと言えばいいのか…そう、『星空の世界』に独りで立っていたみたいな感覚だった」
「『星空の世界』?…うん?星空の世界、星空の世界、星空の世界…」
レザーは瞬詠の『星空の世界』という単語に聞き覚えが無いものの、その単語の何かが自分の中で引っかかるのか、何度も瞬詠が口に出した言葉を繰り返した。
「…いや、待てよ!!それよりも!!」
すると、瞬詠は何かを思い出したかのように慌てながら右手を確認する。
「やっぱりか!?」
「うん?…そ、それは!?」
レザーは瞬詠の右掌を見て驚く。なぜなら瞬詠の右掌には今まで無かった筈のとある物が握られていたからだ。
「それって、“神の目”じゃないか!?」
「あ、あぁ、そ、そうだな…これが、神の目…」
レザーは興奮気味に瞬詠の手にしていた神の目を指差す。それに対して瞬詠は嬉しそうではあるのだが、何故か複雑そうな面持ちでその“神の目”を見つめていた。それは“神の目”にどこか恐ろしさを感じているような、そんな表情であった。
「…瞬詠、どうしたんだ?」
「あっ、いや、何でもないぞ。レザー…ちょっと、これを見て色々と思う事や思い出したことがあってな」
「……?」
「…まぁ、とりあえずは神の目を手に入れたんだ。折角なら、これを活用しない手はない…な」
瞬詠は納得したかのように頷き、それをじっと見つめる。それに対しレザーは瞬詠が何を言っているのかを理解することが全く出来ず、首を傾げる。一方で瞬詠はまるで決意を固めたかのように真剣な眼差しで神の目を見つめていた。
「…なぁ、瞬詠。瞬詠の神の目はどういうことが出来るんだ?」
「自分か?…あぁ、それなら一つ試してみるか。ふっ」
レザーに聞かれた瞬詠は何かを掴むような動作をすると同時に、そのままそれを放つかのような動作を行う。
「っ!?おぉ!?こ、これは!?」
レザーはそれを見た瞬間、目を見開く。瞬詠が放つ動作を行った瞬間、瞬詠の掌が一瞬淡い光を放つと同時に十数に及ぶほどの“それら”が現れ、瞬詠とレザーの目の前で整列するように“それら”が浮いていた。
「瞬詠、凄いな!!なんだ、これは!?」
「…これは__だ」
「__?何なんだ、それは?」
「あぁ、これはそうだな…これは稲妻の鳴神大社の巫女さん達の儀式とかで使われるものだ」
「稲妻…これは稲妻の物ということなのか?」
レザーは興味深そうに尋ねると、瞬詠は苦笑いを浮かべながら答える。
「あぁ、そうだ。まぁ、より正確には巫女さんというよりか、元々はかつて稲妻にいた陰陽師と言われる者達によって作られたものらしいし、そもそもこれの大本をたどれば、璃月の仙人達の仙術の一つであったり、後は方士や退魔師が使う法術とからしいな…まぁ、その辺りの詳しい事は自分はよく分からないがな」
「なるほど…」
レザーは感心したように声を上げる。そして瞬詠は話を続ける。
「だが、言えるのはどのみち、これらはかなり使えるという事だ。…行け」
「っ!?おぉっ!?」
瞬詠が指示を出すかのように呟くと同時に、十数に及ぶそれらは瞬詠の指示に従うかのように一斉に大空へと駆け上がり、一定以上まで駆け上がると一斉に散開するかのようにそれぞれが自分の意志のように宙を舞っていった。
「おぉ、おぉ!!凄いな!!」
「あぁ…そして、落ちろ」
そして瞬詠が呟くと同時に、それらは一斉に地面に向かって急降下していく。
「っ!!」
「ぐっ!?」
「「「ギャァゥッ!?」」」
「「「グルゥッ!?」」」
そしてそれらが瞬詠とレザー達を取り囲むかのように、それぞれの地面に着弾してぶつかったかのように見えた瞬間、とある色の淡い光を放つと同時に激しい衝撃音とその元素が周囲に巻き散らかされ、激しい土煙が舞い上がった。その光景にレザーは驚きの声を上げ、ルピカ達は悲痛な鳴き声を上げた。
「す、凄い…」
それを見たレザーは思わず声を漏らしてしまう。なぜならそれはレザーにとって初めて見るものだったからだ。その光景は瞬詠が言った稲妻の巫女達や陰陽師達、璃月の仙人達や退魔師達の力と言ってもいい物であり、ずっとモンドで暮らしてきたレザーにとってはどれもこれも新鮮なものばかりであったのだ。
「想像以上だな…上手く応用すれば面制圧に使える…だが、まぁ、そうだな…全てが終わったら、なるべく早いうちに往生堂に行って、ちょっと“胡桃”さんに相談してみるか、もしかしたら“自分の神の目の力”と“あれの件”は関係があるかもしれないし……」
それらを見て何かを思った瞬詠は、どこか思い詰めた表情でそう呟いた。
「まぁ、取り合えずこれは仕舞っておこう」
瞬詠はそう言うと、自分の神の目を服の中をしまった。
「えっ?瞬詠、それ使わないのか?それを使えば西風騎士団達や千岩軍達とも対等に戦えるんじゃないのか?」
「いや、使うつもりさ。ただ、これは切り札だ。今の段階でこれを使えばファルカやジンさん達、それに刻晴の奴達に神の目を手に入れられた事を知らされて、より警戒して手を強めたり、何かしらの対策を取ってくるかもしれない。だから今はその時じゃない。…こいつを使うのはその時さ」
瞬詠は真剣な表情でそう告げると、レザーも真剣な面持ちで静かに瞬詠の言葉に耳を傾けていた。
「…さてと始めようか。レザー、悪いがここでお別れだ」
「瞬詠……分かった。また会おう。また会ったらオレに色んなことを教えてくれ。オレ、もっと強くなりたい。ルピカ達に心配かけさせず、そしてルピカ達を完全に守りきる為に、強くなる」
レザーは拳を握りしめながら決意を込めた瞳で瞬詠を見つめ、瞬詠はそれを見届けるようにレザーを見返す。
「あぁ、勿論だ。…なら今度、あいつがモンド城にいたらの話だが、お前をエウルアって奴に紹介してやる」
「エウルア?…クレーが教えてくれた水色の髪の人の事か?」
「あぁ、そうだ。エウルア・ローレンス。西風騎士団の遊撃小隊隊長の女で西風騎士団の中でも屈指の実力者の一人なんだ」
「そうだったのか…」
レザーは感心したように声を上げると、瞬詠は小さく微笑む。
「あぁ、そうだ。まぁ、エウルアは気難しい所もあるし、面倒くさい恨み節女で、そして今日は遂にあいつに殺されかけたが、まぁ根はいい奴だぞ」
瞬詠は苦笑いを浮かべながらそう説明する。
「そうなんだな……」
「あぁ、そうだ。レザー、お前は鉤爪、そして大剣を扱うんだろう?」
「あぁ」
「ならば、エウルアの奴がぴったりだな。あいつは西風騎士団の大剣使いで、大剣の腕なら大団長であるファルカの次に実力がある」
「そうなのか!?」
「あぁ、そうだぞ。…レザー、ファルカが西風騎士団の中で一番物事を教えるのが下手っていうのは、知ってるか?」
「教えるのが下手?…あっ、うん。前にファルカが自分で言ってたのを聞いた事がある」
レザーはその言葉を聞いて少し考え込むと、ふと思い出したように瞬詠に尋ねる。
「そうだろう。あいつは自分から何かを人に教えたりするのが苦手なんだよ。実際に自分もファルカに大剣での戦い方のコツについて聞いたら『そんなの簡単だ。相手が仕掛けたらどっと構えて、そのまま一気にズバッとダッ、ダーンッだ』って大真面目に言われたんだ。全くもって説明になってない。あの時は流石に呆れて何も言えなかったぞ……」
瞬詠は額に手を当ててため息をつく。
「そ、そうなのか…」
レザーは思わず引き攣った笑みを浮かべてしまう。
「あぁ、そうだ。あいつは頭や理論よりも感覚や直感でやってきたみたいだからな。だからあいつは壊滅的に教えるのが下手なんだよ……その点、エウルアは結構理屈っぽくてしっかりしている。若干、あいつの教え方はどこかダンスでも踊るかのような、独特な所があるがな。…まぁ、そういうわけだからエウルアに頼ってみるといい。きっとあいつが大剣の戦い方の基本やレザーに合った戦い方をレクチャーしてくれるはずだ。実際、以前ノエルの件でガイアやファルカの奴、そしてジンさん達から相談を受けたんだが、最終的には自分がノエルをエウルアに紹介してやって、エウルアから大剣の扱い方の基礎と基本的な戦い方を教わる事になったんだ。そして今ではたまにエウルアを相手に実戦演習とかもしているということみたいだ」
「なに?ノエルもか?…成る程な」
レザーは納得した表情で大きく何度もうなずく。かつてノエルが清泉町でヒルチャール達を相手取った戦闘を行った際、赤いリボンの茶髪の少女の援護の元、彼女が自身の身の丈ほどある大剣を用いて、動きは少しぎこちないものの、まるでダンスのステップでも踏むかのように、軽やかな動きで大剣を振るって次々とヒルチャール達を撃退していったのを思い出したのだ。あれの動きや立ち回り、それはつまりそのエウルアから教わったものであった事をレザーは理解したのだ。
「…瞬詠、本当にありがとう。何から何まで世話になった」
レザーは改めて瞬詠に礼を言うと、瞬詠はレザーを見つめて小さく笑う。
「いや、別に構わないさ。後は雷元素と言えば、リサさんになるが……まぁ、こっちはその内で良いだろう。それよりもお礼を言うならルピカ達に言いな。自分は彼らと約束を交わしただけだ。レザーを『最低限の基本的な元素の扱い方や戦い方に関してもきっちり教え込む』ってな。そのおかげで最終的には、神の目の力を充分に扱えたし、アビスの魔術師達すらも撃退できた…だろ?」
「「「グルゥッ」」」
「「「ガルゥッ」」」
瞬詠は笑みを浮かべながらそう言うと、ルピカ達は同意するように鳴き、それにレザーは嬉しそうに微笑む。
「あぁ、そうだな。……ありがとう、瞬詠、それにオマエたち」
「あぁ、どういたしましてだな。レザー…さて、最後に一つ助言してやろう」
「助言?」
「あぁ、そうだ……いいか、レザー。お前さんは自分に自信を持て」
「オレに……自信?」
「そうだ。お前さんは今まで様々な事や散々な目にあってきたんだろうが、今までのお前と今のお前はもう違う。お前には大事な者達を守る為の力を手に入れられた。後はその力を上手く使いこなす事が出来るかどうかだ。そしてその力はお前さんの思い描いた通りに動くもの。自分の力を信じられず諦めたら、そこで全ては終わりだ……だからこそ、レザー。お前の大切な者達の為に、お前は自分の力を信じろ。そうすれば、お前の道は切り開かれる」
「……あぁ、分かった。瞬詠の言葉、心に刻んでおく」
レザーは大きくうなずくと、瞬詠は満足そうな笑みを浮かべて手を軽く振る。
「あぁ、しっかり自分に自信を持てよ…さてと自分はそろそろ刻晴に反撃するため、手始めにモンド城に忍び込むとするとするよ…」
瞬詠はそう言うと足元にあった草を引き抜き、それらを顔の前に持っていくとそれらを手放した。
「……」
瞬詠の視線の先は宙に浮く草を追っていた。宙に浮く草は風に乗り、そのままゆっくりと飛んでいく。
「……」
そうして次に瞬詠はシードル湖の水を見る。シードル湖の水面は穏やかな所、小波の立っているところと様々であり、その光景はまるで大きな生き物が寝ているかのようにも見える。
「…成る程な。今なら、一気に城壁まで行けそうだ」
瞬詠はそう呟くと、レザーの方に振り返り、レザーに語りかける。
「それじゃ、レザー。俺は行かせてもらう。またな。この騒ぎが終わったら、また会おう。お前達も達者でな」
「あぁ、また会おう。瞬詠、次会うのを楽しみにしてる」
「「「グルゥッ」」」
「「「ガルゥッ」」」
「あぁ、ありがとうな…じゃあ、行ってくる。っ!!」
レザーは笑顔でそう答えルピカ達も頷きながら答えると、瞬詠はレザー達に笑みを浮かべる。そしてすぐに背を向けると、丘から駆け降りるように全力で走り抜け、そのまま崖を飛び降りた。
「っ!?」
「「「グルゥッ!?」」」
「「「ガルゥッ!?」」」
瞬詠のまさかの行動にレザー達は驚きの声を上げ崖に駆け寄る。
「瞬詠!?…あっ、もしかしてあれか?」
「「「グルゥッ」」」
「「「ガルゥッ」」」
レザーとルピカ達は飛び降りた場所の崖下を覗き込むと、そこには瞬詠の姿はなく、その代わりシードル湖の水面の直ぐ上のギリギリを飛行する、黄色を基調とした、所々に目立つような金色の装飾が施された美しい鳥のような羽のような風の翼を展開した人の姿を発見し、レザー達はそれが瞬詠であることを理解した。
「…凄い」
「「「グルゥッ」」」
「「「ガルゥッ」」」
レザーは瞬詠の飛行する姿に心底驚いたかのように呟き、ルピカ達もそれに同意するかのように鳴く。
レザーは風の翼というものを知らないし、人が空を飛ぶところを見るのは初めてであったが、それでも瞬詠の飛行術とでも言えばいいのか、それが並大抵のものではなく卓越したものであることはすぐに分かったのだ。
「…」
あんな風に飛べば、少しでも誤れば水面に叩きつけられて死ぬかもしれないというのに瞬詠は一切臆することなく、見張り等の発見を極力避けるために水面すれすれの超低空飛行かつ、かなりのスピードで移動していた。
その行動力と勇気ある瞬詠の姿をレザーは見つめていたその時だった。
「…あっ」
瞬詠が城壁の近くで急上昇を行い、またそれの直後に特徴的な黄金の風の翼が消えたことにより、小さくなっていった瞬詠の姿が完全に見えなくなったのだ。
「……」
レザーはそれを見て、おそらく瞬詠は無事にモンド城の城壁に辿り着き、城に潜入する事に成功したのだろうと察したのであった。
「瞬詠、またな。……もしも、何かあれば……」
そしてレザーはそう呟くと同時に、立ち上がった。
「皆、行く」
「「「グルゥッ」」」
「「「ガルゥッ」」」
そして立ち上がったレザーはルピカ達にそう言うと、瞬詠の潜入したモンド城に背中を向けて、その場から歩きだして立ち去ったのであった。
「…さてと、始めるか」
そうして、無事に人知れずにモンド城の城壁の上に着地した瞬詠は、近くに積み置かれていた木箱に身を隠しながら呟くと同時に、周囲に人影や人の気配が無い事を確認し終えて、静かに立ち上がったのであった。
これで第二幕終了です。
尚、今回は西風騎士団についての軽い補足説明(どちらかと言えば原作との相違点の整理)と瞬詠を取り巻くモンドの各キャラの現状(捕縛・敵対、中立、協力・味方、不明)の整理についてですが、まず補足説明につきましては西風騎士団の“ノエル”の件に関してですが、ノエルは原作よりも強化されており、本編にある通り瞬詠の紹介の元、エウルアとは師弟関係のような関係になっています。第三幕以降のネタバレになるので軽くしか扱いませんが、原作では元々ノエルは自分の身を気にせず、無茶苦茶な事を平気で行う事(例えば遭難者を助ける為に単身でドラゴンスパインやドラゴンスパインの洞窟の中まで突っ込んで行った結果、遭難者を助けられたもののモンド城に戻ったら数日間倒れた件等)が多々あり、日常的とまでは言わないものの、何度もこういったことを繰り返してきているためにジン達はノエルの尋常ではないその行動力やそれらに頭を悩ませておりました。そこで偶々モンドに訪れていた瞬詠がガイアやファルカ、ジン達の相談を受けて、ノエル本人との“面談や相談等”を行った事で、結果的に今のそのような関係となっております。
そして、瞬詠に対するモンドの各キャラの現状(捕縛・敵対、中立、協力・味方、不明)の整理についてですが現状は以下の通りになっています。
―――――
〇捕縛・敵対
ファルカ、アンバー、ジン、クレー、アルベド、エウルア
〇中立
ガイア、ディルック
〇協力・味方
レザー
〇不明
リサ、バーバラ、フィッシュル、ベネット、ノエル、スクロース、モナ、ウェンティ、ディオナ、ロサリア、ミカ
―――
以上の通りです。
尚、ジンに関しては西風騎士団の代理団長という立場から、ファルカが璃月の使者に協力した時点で自動的に敵対しています(もう少し細かく描写を行えばよかった…)
また現在のところ、今までに出した考察の纏めや瞬詠等のオリキャラ設定集、場合によっては補足説明等についてを、章管理で区分し一番上の章にオリキャラや設定・考察(具体例的には神の目関連【※本作品内の設定として】や軽めのネタバレになりそうな考察、原神の根底に関わりそうな重めのネタバレに繋がりそうな考察関連を纏めたもの)集として、それぞれを置いていくかどうかを検討中です。もしも検討通りかつ、その時が来れば一度章管理関係を設定変更しなおすために、極一時的ではありますがチラシの裏等に移動する可能性がありますのでよろしくお願いします。
そして最後にアンケートの件に関してですが、アンケートの内容は文章の文字数に関してです。個人的に書きたいものを書くスタンスでやってきてはいるのですが、皆さん的には何文字くらいの文章が読みやすかったり投稿ペース、それに伴った展開ペースの速さはどれくらいが良いのかが気になりました。そのため、第三幕以降はその結果を考慮し工夫して、投稿していけたら良いなと考えておりますのでアンケートのご回答を頂けると幸いでございます。
尚、今までの随筆からして一か月間に最大で二万文字でしたので大雑把に以下のようになりますのでよろしくお願いします。
―――――
①1話5千字、月4話ペース(展開早め)
②1話1万字、月2話ペース(展開普通)
③1話2万字、月1話ペース(展開遅め)
―――――
ここまでお読みいただきありがとうございました。
現状、璃月番外編から第三幕投稿までの間の暫くの間、改めてもう一度設定等の調べ直しや確認、原神(ゲーム本編)の方もしっかりと集中したい事、またリアルの事情の方の状況も加味して、第三幕の投稿は下手すれば三月辺りか、最悪4月の投稿となるかもしれませんが、よろしくお願いします。
次回の璃月番外編+アビス教団編(現状、2話構成)。そして、初回投稿はいつになるのかは現在不明ですが、【第三幕―騒乱のモンド城と暗躍する“大罪人”の影(予定)―】の投稿まで今しばらくお待ちください。
ありがとうございました。
―――――
追記1
『ドーマンポート』が『ドーンマンポート』となっていましたので修正しました。“円周率で猫好き”さん、誤字報告ありがとうございます。
追記2
・文章を一部修正しました。(瞬詠の追憶辺り)
追記3
・文字間隔の調整を実施中…
→文字間隔の調整終了しました。
理想的な文字数や投稿ペース、また展開ペースはどれになるでしょうか?
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1話5千字、月4話ペース(展開早め)
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1話1万字、月2話ペース(展開普通)
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1話2万字、月1話ペース(展開遅め)