玉衡の元から逃亡したら千岩軍が追いかけて来ていた件について   作:久遠とわ

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何とか纏められたので投稿。

まず、感想で指摘やご教授をして頂いた“サギサカ”さんや“シャールメン”さん、ありがとうございます。
今回は指摘やご教授して頂いた内容を元に調整を行いました。

かなり読みやすくなっている筈です。

尚、今回は前回の分も含めて幾つかの解説があります。


仙人の弟子達と邂逅する稲妻人

「…成程、ただ『楽しく生きる』か」

 

瞬詠はそう呟く。

 

「あぁ、そうだ。私の父は仙獣で、母は普通の商人なんだが、あの人達との『約束』に従って毎日を『楽しく生きる』事に全うしているのさ。…ここだけの話だが、私は“規則に縛られること”が大の嫌いなんだ」

 

煙緋はニヤリと笑いながら言った。

 

「…ほぉ、煙緋は一流の法律家なのにか?」

 

瞬詠は煙緋のまさかの告白に驚いた。そして面白げに口角を上げる。

 

「あぁ、そうさ。…私はただ自分の幸せを追求するために、毎日を全力で生きてきたんだ。…そしてそれと同時に、ふと璃月を、私が生まれ育ったこの璃月を私なりの方法で、良くして行けたら良いなとも考えたんだ。そうしたら、私の場合ならば、今の私の“法律家”としての地位や身分が、一番自分に合っていたという訳なんだ。だから、私は自分が楽しく生きる為に、そして“法律”と言う側面から璃月を支え、そして良くしていく為に、日々の仕事や案件を取り組んできたんだ。そうして璃月港の法律家の頂点に立つ者として、今の璃月七星の天権、“凝光”殿が改定してくる法典の法の目を掻い潜ったり、必要であれば自分のためや、他人のために、凝光殿の法の抜け穴を突いてきたんだ…」

 

煙緋は今までの思い出を振り返るかのように、どこか遠くを見つめる。

 

「…瞬詠、私はな。自分のやりたい事、楽しい事や面白い事と言った、それらをする時や他人が行うのを見る時がというのが本当に好きなんだ。だからこそ、その行為を縛る“規則”や“法律”というものが、私は本当に嫌いなんだ」

 

「…ふ~ん、それで?」

 

瞬詠は煙緋の発言に、興味深そうに尋ねる。

 

「あぁ、だからこそ、それらの“規則”や“法律”に縛られない為に、私はな。言うなれば、『規則に縛られたくないのであれば、まずは規則を全て理解するべきだ』という、座右の銘を掲げて生きてきたんだ。そうすれば、例え周りに何を言われようが、それらは全て“規則”に乗っ取って行動しているに過ぎないからな。…自分自身を縛り付けていた“規則”を自分の味方につける。これほど、喜劇的な事は無いだろう?だって、そうじゃないか?“規則”だから“法律”だから、何でもかんでもやりたい事を諦める…。そんな事は馬鹿らしいにもほどがある。むしろならば、それらを逆手に取って“利用”あるのみだ…だろう?」

 

煙緋はまるでいたずらっ子のように、ニィっと笑った。

 

「…成程な。正直、驚いたよ。まさか一流の法律家である煙緋が、ある意味一流の法律家に有るまじき考えを、そしてそれを原動力に動いてきていたなんてな…。だが、確かにそれなら、煙緋の座右の銘もちゃんと理に適っていると思うし、納得できるな」

 

瞬詠は煙緋が見せた本性と言えば良いのか、それとも彼女の本質と捉えるべきか、その一面に驚きながらも、同時に彼女の言葉に納得した。

 

「ふふっ、そうだろう?………ふふん、今思えば一流の“法律家”になれたおかげで、中々に刺激的で楽しい人生を送ってこれたと思っているよ。毎日を『楽しく生きる』事が出来ている…『約束』もこうして守れているというわけだしな」

 

そうして煙緋は、満足そうな表情を浮かべて、静かに大きく頷いた。

 

「なるほどな…。自分なりの方法で、自分らしく……か。ははっ、なんとなく分かる気がする。自分も今まで自分のやりたい事を、やりたいようにやってきたからな。……まぁ、そのせいで色々と問題を起こしてしまうこともあったり、面倒事に巻きこまれてしまったり、色んなことがあったけどな……」

 

瞬詠は苦笑いを浮かべて頬をかく。

 

「…おっと、少し話が逸れたな。瞬詠、話の続きを頼む」

 

煙緋は話を戻す。

 

「あぁ、そう言えばそうだったな。そうして話の続きになるが、“歌塵浪市真君”こと、“ピン”さんに『“甘雨”を探す為に璃月中を飛び回るのではなく、“ヨォーヨ”を連れて“留雲”の元まで飛んで行って、彼女に直接尋ねてみた方が良いんじゃないのかねぇ?』と言われたんだ。なんでも“甘雨”と“留雲”こと、三眼五顕仙人の一人である“留雲借風真君”との関係と言うのは、ある意味ではあるが親子と言っても良い程の近しい関係らしかったんだ。それにヨォーヨの呼びかけならば留雲借風真君も、必ず自分達の前に現れるだろうし、上手く事が運べば甘雨の捜索に留雲借風真君、彼女本人の協力が取り付けられるかもしれないとも言われたからな。それ故、自分はピンさんの言われた通り、ヨォーヨを抱きかかえて奥蔵山まで飛んで行ったんだ」

 

「…ヨォーヨを抱きかかえて奥蔵山にいる、留雲借風真君に会いに行っただって?それはまた…随分と大胆な事をやったものだな」

 

煙緋は驚きで目を見開いていた。

 

「あぁ、そうだ。……いやぁあの時は本当に大変だった。ヨォーヨをしっかりと抱き締めて、一心不乱に駆け抜けて行ったが、ヨォーヨが初めて大空を飛んでいるという事に大興奮して、胸元でキャッキャと楽しげにはしゃいでいると思ったら、途中でヨォーヨがまるで酔ったかのように、体調を悪くしてしまったんだよ。…あの時は大変だったな、ヨォーヨ?」

 

 

「うっ、瞬詠にぃに。ごめんなさい。あの時、絶対に目を開けるなと言われても好奇心が勝っちゃって、外を見渡してあまりにもの絶景に興奮して、つい思わず下を見てたら、だんだん気分が悪くなって……」

 

 

瞬詠がしみじみと思い返すように呟くと、ヨォーヨは申し訳なさそうにして謝る。

 

 

「…気にするな、ヨォーヨ。むしろヨォーヨの身に何かが起きた方が困るからな。本当に良かったよ、ヨォーヨがただ酔っただけでな…ただ、まぁその後の…“あれ”は、まぁ、な?」

 

「…うん、“あれ”は大変だったよね」

 

瞬詠は遠い目になり、ヨォーヨは苦笑いを浮かべていた。

 

「うん?“あれ”って一体何があったんだ……?」

 

煙緋は2人の反応に首を傾げる。

 

「あぁ、実はな……。何とか無事にヨォーヨを抱えて奥蔵山の頂上の近くに着地することが出来て、すぐに抱えていたヨォーヨを地面に下ろしたんだが、ヨォーヨがかなり気持ち悪くしそうにしていて、顔も青ざめていて吐き気に苦しんでいたんだ。そしてヨォーヨが何度も『瞬詠にぃに。ごめんなさい、本当にごめんなさい』って、涙目や涙声になって謝罪の言葉を繰り返していたから、その時の自分はとにかくヨォーヨを軽く叱りつつも、ヨォーヨを安心させるために笑いながら頭を撫でて落ち着かせようとしていたんだ。…だがよ」

 

瞬詠はそこで一度言葉を区切る。

 

「これさ…よく考えたらかなり不味い絵面なんだよ…。この泣きながら自分に謝っているヨォーヨの頭を撫でている動作が、遠くから見たら『泣きながら謝っているヨォーヨの頭を自分が掴んでいたり、髪の毛を引っ張っている動作に見える』事もあるんだよ…。つまり、『“仙人達の弟子の幼女であるヨォーヨを、自分が虐待している”ような構図に見えてしまう』というわけなんだ」

 

「…っ!?瞬詠、まさか!?」

 

煙緋はハッとした表情になる。

 

「あぁ、そのまさかだ……。“留雲借風真君”本人が現れたわけではないが、どこから現れたのかは知らんが自分の真上から、白銀のような白い三つ編みの長髪、それに黒服に赤い紐の女がいきなり現れて、そのまま自分に槍を振り下ろしてきたんだ。しかも、滅茶苦茶敵意、いや殺意剥き出しでやって来てな……」

 

瞬詠は冷や汗を流しながら、当時の事を思い出す。

 

「…」

 

煙緋は言葉を失い唖然としていた。

 

「咄嵯の判断で、なんとかその女、“仙人の弟子”の女、“留雲借風真君の弟子”である“申鶴”という名の女の攻撃を、ぎりぎり間一髪で回避したんだ。そうして申鶴から最悪すぎる誤解を受けた自分は、何とかして弁明しようとしたんだが、そんな暇もなく申鶴の槍や方術が次々と襲ってきてな……。『我は決して貴様を許しはしない。この場で必ず貴様を裁き、そして断罪する。覚悟せよ』とか言って、完全に自分を殺しにかかってきたんだ…」

 

「…な、成る程な」

 

煙緋は頷く。

 

「…いやぁ、今でも鮮明に思い出すよ。あんな鶴のように綺麗な顔をしている美しい女が、まるで獣のよう目を光らせて、殺意むき出しで襲いかかってくる光景なんて、なかなか忘れられないからな……」

 

「……あぁ、それはなんとも…な…。随分と壮絶な修羅場じゃないか」

 

そして煙緋は引きつった笑みを浮かべた。

 

「あぁ、もう、二度とあんな体験はしたくないぞ。冗談抜きで本気で殺されるかと思ったんだぞ、本当に……。それでまぁ、それからも自分は何とかして誤解を解くために、必死に弁明しようとして、何とか話を聞いてもらおうと試みたが、まるで聞く耳を持ってくれなくてな……。それでヨォーヨを置いて奥蔵山から逃げるわけに行かないし、そのまま彼女を迎撃する為に応戦する羽目になったんだ」

 

「なんだって?仙人の弟子と戦う羽目になったのか?」

 

「あぁ、そうだぞ。煙緋…。まぁ、そうして申鶴の猛攻の中を掻い潜りながら、最終的には今の彼女を無力化する為に首筋か鳩尾のどちらかに一撃を食らわせることで、彼女の意識を刈り取るという事を決断したんだ。そしてその時に持っていた護身用の元素投擲瓶や鉄扇を駆使しながら、彼女の動きを観察しつつ見極めながら、彼女の攻撃の回避と同時に反撃を行い、また申鶴も自分の変化に気づいたのか、より一層更に激しく攻め立ててきて、その結果…はぁ、本当に面倒くさくなるほどの、激しい攻防戦を繰り広げたんだ」

 

瞬詠はため息をつき、呆れたように呟いた。

 

「……元素投擲瓶に鉄扇か。色々と気になる物を使っているようではあるが、まずは本当に大変だったな、瞬詠。……そして?最終的に申鶴との戦いはどうなったんだ?」

 

煙緋は興味深そうに訊ねる。

 

「あぁ、それなら、最終的には自分と申鶴の双方が大事に至る前に、何とか無事に戦いを終わらせることが出来たぞ。ヨォーヨが機転を利かせてくれてな」

 

「えへへへ」

 

瞬詠は感慨深い表情を浮かべて、ヨォーヨは嬉しそうな笑顔を浮かべる。

 

「ほう。ヨォーヨが、か。どんな風に解決したのか詳しく教えて欲しいな」

 

「あぁ、自分と申鶴が激しく争っていた時、ヨォーヨが立ち上がって全力で叫んだんだ。『止めて!!申鶴ねぇね!!瞬詠にぃにを傷つけないで!!助けて!!助けてぇ!!申鶴ねぇねを止めて!!“留雲”おばちゃんっ!!』ってな。そうしたら、その次の瞬間__」

 

「___お待たせ!!瞬詠さん!!瞬詠さんに頼まれたヨォーヨの料理が出来上がったよ!!」

 

その時、煙緋達が座る席に向かいながら、声を上げつつ片手に料理を持った一人の少女が歩いてきた。

 

「__おぉっ、出来たようだな。煙緋、その話の続きはまた今度な」

 

「__うむ、そうだな。今度機会があれば、是非とも聞かせてくれ」

 

瞬詠と煙緋は互いに頷くと、やって来た少女の方へと顔を向けた。

 

「はい!!“米まんじゅう”!!召し上がれ!!」

 

そしてその少女、黄色と茶色の璃月様式の薄手の服、藍色の髪でボブカット、また髪を後ろで編んでわっか状にし、そして腰に“炎の神の目”をぶら下げている少女。『ピンばあや』、もとい『歌塵浪市真君』の弟子である少女。歌塵浪市真君から武術を、そして彼女の槍術を叩き込まれてきた少女。そうしてこの「万民堂」のホールスタッフ兼シェフである”香菱”がヨォーヨの前に、出来立てでふわふわしてそうな黒い生地のまんじゅうが乗っている皿を置いた。

 

「わぁ……これが師姐(シージエ)の料理…おいしそう……」

 

ヨォーヨは目の前に置かれたそのまんじゅうを見て、思わず感動の声を上げる。

 

「…はっ!?師姐!!これ変な食材とか入ってないよね!?」

 

ヨォーヨはハッとした表情で香菱を見る。

 

「えぇっ!?大丈夫だよ!!ヨォーヨ!!安心して!!何も入れてないよ!!」

 

「ぐぬぬ……本当なの~?。師姐、本当に変な食材を混ぜたりしてないよね?ヨォーヨはまだ覚えてるんだからね!?師姐がスライムのピュレを隠し味に使って味見したら、師姐が倒れてそのまま寝込んだことを!」

 

「そ、それは!?…そ、…その…あの時はたまたま体調が悪くて、それで……。でも今回は違うよ!ほ、ホントだからね!!本当に何も余計な物は入れてないよ!!純粋な米まんじゅうだよ!!ヨォーヨ!!」

 

「う~ん?本当なの?」

 

「いや、信じてよ!!姉弟子である私を!!」

 

「信じてと言われてもね…。うーん、う~ん?」

 

香菱はヨォーヨの言葉に、冷や汗を流しながら必死に答える。そして疑心暗鬼なヨォーヨは疑いの眼差しで、米まんじゅうと香菱を交互に見る。

 

「…ぷっ!!くくっ!!はははっ!!」

 

そして、そのやり取りを見ていた瞬詠は堪らず吹き出す。

 

「…っ、ふふっ!!あはははっ!!」

 

また吹き出した瞬詠につられて、煙緋も笑みをこぼす。

 

「っ、くくっ、い、いかんな。つい、笑ってしまった。……くくっ、いや、しかし、これは流石に笑うしかないだろう」

 

「いやぁ、これじゃあ、完全に香菱がピンさんの妹弟子で、ヨォーヨがピンさんの姉弟子だな」

 

煙緋は口元に手を当てて笑みを零しながら言い、瞬詠は何度も大きく首を縦に振る。

 

「あぁっ!?瞬詠さん!!酷いよ!!笑わないでよ!!」

 

香菱は瞬詠達の方を向き、頬を膨らませて抗議する。

 

「あぁ、悪い、悪い。ただ、お前達二人の会話が面白かったんでな」

 

「もう!瞬詠さんのいじわるぅ!!そんな事を言うだったら、“あの頃”みたいに私専属の試食係になって貰うからね!!」

 

「おいおい、勘弁してくれよ!?香菱の試食に耐性が付くまでは、香菱の飯は確かに美味いんだがその後に体調がおかしくなったり、飯を食い終わったとに調査のために“船隊”の進行方向先の海域や目標の無人島等への空撮とかを行う為に飛翔している時に、猛烈な腹痛に襲われて吐き出しそうになったり、危うくバランスを崩して墜落しかけたりと洒落にならないことばかりだったんだぞ!!…全く、覚えてないのか?」

 

「覚えてるよ!!でも、もうへっちゃらじゃない!!」

 

「いやいや、そういう問題じゃねぇ!!あんなものに慣れてしまった自分の胃袋が可笑しいんだ!!というか普通、料理というのは安全に食べられてこそなんだぞ!!あんなのは“試食”じゃない、“毒見”だ!!毒見!!」

 

「大丈夫!!瞬詠さんなら!!」

 

「何が大丈夫なのか、全然分からねぇよ!!というか今じゃ、全然香菱の試作料理なんて食べてないから、もう自分の身体や胃袋は普通の人間に戻ってるはずだ!!」

 

「大丈夫だよ!!瞬詠さんの胃袋なら、私の試作料理を食べれば直ぐに戻るよ!!」

 

「やかましいわ!!…あっ!!そうだ!!香菱、お前!!」

 

香菱の屈託な笑顔と言葉に瞬詠は思わず声を上げてしまう。そして何かを思い出したような表情を浮かべると、香菱を指さした。

 

「お前、この前“卯師匠”が二日間寝込んでしまって、万民堂が臨時休業になった時があったろ!!あれ、絶対にお前のせいだろう!!」

 

「ぎくぅっ!?…な、何のことかなぁ~?お父さんが寝込んでいた事、私初めて聞いたなぁ~。なんだろう、分からないやぁ~」

 

「おい!!しらばっくれてるんじゃねぇ!!」

 

「酷いよ!!そこまで言うのならば、証拠はあるの!?瞬詠さん!!」

 

「証拠だと…?おいおい、香菱、忘れたのか?今の自分の“身分”や“立場”を」

 

「えっ…?あっ!?しまった!?」

 

瞬詠は香菱の言葉に悪い笑みを浮かべ、今の瞬詠の身分や立場を思い出した香菱は思わず大きな声を上げる。

 

「思い出したか?…まぁ、今の自分の身分や立場、それに自分の上司である天権の“凝光”さんから与えられている“特別な権限”によって、今の自分はある意味ではあるが、半分“璃月七星”みたいな存在になってしまっているからな…。この言葉の意味、分かるか?」

 

「ぐぬぬぬ…。卑怯だよ!!瞬詠さん!!こんな事に“国家権力”を使わないでよ!!」

 

「ははは、別に使うなんて一言も言ってないぞ…。ただこの案件をスマートに進める為、璃月港にいるどの『千岩軍の部隊』を、そしてこの場合は『自分に持たされている“権限”』からか、それとも『月海亭』、もしくは『七星八門』の内のどの部門の機関から、その千岩軍の部隊に対して命令を出させたり、全体的にどれが最適な指揮命令系統となるのかを、そしてこの案件を千岩軍に漏れなく、ダブりなく、そして効率よく調査させていけばいいのかを、ただ考えていただけだ」

 

「うわっ!?汚いよ!?えっ!?本気なの!?本気で言ってるの!?瞬詠さん!?」

 

「おいおい、人聞きが悪いことを言うなよ…。さて、どっちだと思う…?。まぁ、言える事があるとすれば、自分はただ単に、確かにそんな証拠があったかどうかが、気になっただけだぞ?」

 

「うぅっ…!!分かった!!参った!!降参だよ!!瞬詠さん!!」

 

瞬詠は悪びれることなく言い放ち、香菱は両手を上げて降伏した。

 

「…?」

 

ヨォーヨは二人のやり取りを見て、よく内容が分からなかったのか、きょとんと首を傾げる。

 

「…ははは」

 

そして煙緋は、二人のやり取りを見て苦笑いを浮かべる。その笑みには瞬詠と香菱の仲の良さの笑み、そして瞬詠が語っていた自分に持たされたいる絶大すぎる強大な影響力を持つ、“特別な権限”に対する笑みの二つが込められていた。

 

「…うむ、随分と瞬詠と香菱の仲が深いように思えるが、もしかして二人は古くからの知り合いなのか?それにさっきの“あの頃”、そして”船隊”という単語もあったが、もしかして香菱はあの有名な“北斗”率いる“南十字船隊”の関係者だったのか?」

 

煙緋は先程まで瞬詠達が話していた単語の中から、まずは当たり障りもなさそうでかつ、気にかかった部分について尋ねた。

 

「うん、そうだよ!!今までに何度も“北斗姉さん”の“死兆星号”に乗せてもらって、一緒に海に出ていって新鮮な食材をたくさん捕ってきてくれたり、稲妻やスメールとかの異国の港等に立ち寄っては、その国の食材や珍しい食材を集めたり買ってくれたりしてくれたんだよ!!そして瞬詠さんとはその時に知り合ったんだ!!その時の瞬詠さんは、北斗姉さんの“右腕”的存在だったんだ!!」

 

「ほぉ、そうだったのか?詳しく教えてくれないか?」

 

煙緋は香菱の説明に感心したような表情を浮かべると、香菱に詳細を尋ねる。

 

「もちろんだよ!!瞬詠さんはね!!よく北斗姉さんの勘や予想を裏付けるために、毎日のように死兆星号から空を飛んで、色んな写真を取ったり、見てきたものや感じた事を北斗姉さんに報告していたんだ!!それに例え嵐の中や月光しか照らさない夜でも、瞬詠さんの目はしっかりと見えていたから、夜の闇に隠れているような岩礁や船の残骸なんかを見つけては、そこの正確な位置を割り出してそれを北斗姉さんに伝えて事前に危険を回避したり、船隊の航路を修正したりしていたんだ。本当に凄い人で、私びっくりしちゃったんだ。まさか、あんな自由に空を駆け巡れるなんて思ってもなかったし。…だから」

 

「…だから?」

 

「だから、瞬詠さんが死兆星号から降りたって話を、北斗姉さんから聞いた時、私すごく驚いたの。…瞬詠さんは、南十字星船隊の中心人物といってもいい程の人でもあったから」

 

「…うむ、そうだな」

 

香菱は懐かしさと寂しさが入り混じった複雑な感情を瞳に宿しながら過去を振り返り、そして話を聞いていた煙緋も同意するかのように静かに頷く。

 

「…」

 

そして、当の本人である瞬詠は黙り込む。その瞳には何かを思いつめるかのように、遠くを見据えていた。

 

「…ねぇ、瞬詠さん。私、聞いたよ。北斗姉さんから」

 

「…何をだ?」

 

瞬詠は、静かに口を開く。

 

「全部を…。瞬詠さんにとってのあの日、あの“運命の日”を。瞬詠さんの口調がかつての俺”から今の“自分”へと変えた理由を。そして今もなお瞬詠さんは、“自分に相応しい死に場所を探っていること”、本来ならばあの海の底へと、“沈み消えゆく筈であった自分の命の使い方”を探しているという事を」

 

「っ!?」

 

煙緋は香菱の口から語られる衝撃的な言葉に驚きを隠せないでいた。

 

「…えっ?瞬詠にぃに?」

 

ヨォーヨは、ぽかんとした顔で瞬詠の顔を見る。

 

「…はぁ、北斗の姐さん。……余計なことを」

 

瞬詠は溜息をつく。

 

「…生ある者、いつかは死ぬ。それは当然の事。人間は勿論の事、それに仙人や魔神ですらも例外じゃない…。別に死ぬということ自体は怖くない…。むしろ、かつての“自分”はあの場で死んだも同然だ。いや、死ぬ筈だった。だが、あの日の仲間達と共に沈みゆく自分を、北斗の姐さんが助けてしまった。…なぁ、香菱。生き長らえてしまった自分をどう見る?あの海に沈んで死んでいった仲間達の傍で、共に朽ち果てる筈だったのに、こうしてまだ生きてしまっている“自分”、自分は一体なんなんだ?」

 

瞬詠は、自嘲気味に笑う。

 

「…瞬詠さん」

 

そうして香菱は悲しげな表情を浮かべる。

 

「…………」

 

また煙緋も、何も言うことは出来なかった。

 

「…ねぇ、瞬詠にぃに」

 

だが、ヨォーヨは違った。ヨォーヨの瞳には強い意志が灯っていた。

 

「…どうした、ヨォーヨ?」

 

そして瞬詠は隣に座るヨォーヨを見下ろした。

 

「瞬詠にぃにが今まで言っている事、私にはよく分からない。だけど、これだけは言えると思う…。瞬詠にぃにが今を生きているという事は、必ず何か意味や理由があるんだと思うの」

 

「“意味”や“理由”か?」

 

「うん、そう」

 

ヨォーヨは、力強く首肯する。

 

「少なくとも、瞬詠にぃには“生きてもらいたい”って思ったから、北斗ねぇねは瞬詠にぃにを助けたんでしょ?」

 

「…自分のせいで、北斗の姐さんや仲間達を死の淵まで追いやったんだぞ?そんな奴を助けたんだぞ?」

 

「うん!!そう!!なら、どうして北斗ねぇねは瞬詠にぃにを助けたの?…ねぇ、答えて?」

 

「…」

 

ヨォーヨに問いかけられた瞬詠は、考え込む。

 

「…いや、その事は分からないし、思い出せないな。だが、思い出したことがある…」

 

「瞬詠にぃに、それはなに?」

 

「あぁ、それはだな__」

 

瞬詠の瞳に、一瞬だけ光が戻ったかのように見えた。

 

「___“自分”達、いや“俺”達、北斗の姐さんの南十字船隊に乗ってる奴達は、全員“覚悟”を決めていた。その事をだ」

 

「っ!?」

 

そして瞬詠がその言葉を放った瞬間、香菱は目を見開いた。言うなれば今の瞬詠、それは今ここにいる瞬詠ではなく、かつての南十字船隊にいた頃の瞬詠の言葉そのもののように思えたからだ。瞬詠の身に死んでしまった筈のかつての瞬詠が乗り移ったかのような錯覚すら覚えていた。

 

「…いつ、海の上で死ぬのか分からないが、だがいつ死んだとしても、死ぬ瞬間が訪れたとしても後悔だけはしない、そういう“覚悟”をな。…だから、あの日のあの海で確かに大勢の死人も出たし、欠損するような大怪我を負った奴もいる。だが、それはあいつらも覚悟の上だったんだから、気負いすぎる事は無いってな…だが、“俺”は納得できなかった。少なくとも被害をもっともっと少なくすることは出来た筈なんだ」

 

瞬詠は、拳を強く握り締める。

 

「「「…」」」

 

ヨォーヨは真剣な眼差しで瞬詠の話を聞いており、煙緋も固唾を飲んで見守っていた。

 

「…そうしてそんな“俺”、そして“自分”に対して北斗の姐さんや凝光さんから、全く同じ内容の『約束』をされたんだ。…『空を飛び続けなさい、瞬詠。良い?決してその翼を折りたたんではならないわ。…飛び続けた先の水平線に、必ず瞬詠を待つものや瞬詠が待ち望んでいたものがある。それを掴むために飛び続けなさい』とな……。まぁ、それは自分がこの世に留まるための鎖みたいなものになった訳だが、こうして今を生きる事が出来ているし、煙緋やヨォーヨ、それに甘雨といった友人達にも出会える事が出来た。それはそれで良いかなと思っている」

 

瞬詠は、どこか吹っ切れたような顔をしていた。

 

「…だから、少なくとも別に“自殺”しようとかは、一切考えていないさ。むしろ、“自分”はこの璃月でどのように生きて行こうかと考えているところでもあるし、ある意味であるが“二度目の人生”だと思って、日々をどのように面白楽しく過ごしていこうと思っていたところさ」

 

「そっか、本当に良かった…。瞬詠さん、何かあればいつでも私の所に来て。相談に乗ったり、話を聞いてあげたりしてあげるよ。私達はかつて同じ“死兆星号”を共にした仲間みたいなものでしょう?」

 

香菱は、どこか安心したように微笑む。

 

「…それは良かった。瞬詠は甘雨先輩や私にとっても大切な“友人”だ。自殺などされれば、私は悲しい。……だが、瞬詠が今を生きていくというのであれば、これからもきっと素晴らしい人生を歩んでいけるだろう。私も、微力ながら応援させてもらうよ」

 

煙緋も、優しく笑みを浮かべていた。

 

「…ははっ、ありがとうな香菱、煙緋。そしてヨォーヨも。まさか、ヨォーヨに諭される日が来るとはな……。正直、驚いている。だけど、少しだけすっきりした気分だ。また何かあったら、よろしく頼む」

 

「うん!!任せて!!」

 

「あぁ、勿論だとも」

 

「ふふ、どういたしまして。瞬詠にぃに」

 

香菱と煙緋、そしてヨォーヨは瞬詠に向かって笑いかける。

 

「ははは、さぁ、それよりもさっさと香菱が作ってくれた米まんじゅうを食べようじゃないか!冷めてしまう前にな!」

 

「うん!!そうだね!!じゃあ早速食べよ!!お腹空いた~!!」

 

ヨォーヨは、そう言いながら置かれている米まんじゅうに手を伸ばした。

 

「う~ん、師姐の米まんじゅう、美味しい~!!!」

 

ヨォーヨは幸せそうな表情で、手に持っている米まんじゅうを頬張っていた。

 

「美味しいでしょ?ヨォーヨ」

 

香菱は得意げに胸を張る。

 

「ふふっ、良かったな。ヨォーヨ」

 

煙緋はヨォーヨに優しい視線を向ける。

 

「ははは…。あっ、そうだ。煙緋、もし良かったら煙緋も米まんじゅうを一緒に食べないか?」

 

「えっ?いいのか?」

 

瞬詠の誘いに、煙緋は嬉しそうに目を輝かせる。

 

「あぁ、構わないぞ。それにもしよろしければ、煙緋が食べたいものがあれば、遠慮なく言ってくれ。自分が奢るよ。それに奢ったところで、自分の財布からモラが消える訳ではないからな。はははっ」

 

瞬詠は爽やかな笑顔を見せる。

 

「ははっ、それはありがたい申し出だ。だが、そこまで世話になるのは悪いな…。でも、瞬詠がどうしてもと言うのなら、仕方がないな。では、せっかくだしご馳走になろうか」

 

「あぁ、是非ともそうしてくれ。会計の事は気にするな。…香菱、後で会計する時に領収書も頼む。経費で落とさせるからな。領収書の宛名はいつも通りで頼む」

 

「分かった、宛名は『月海亭』、それと『璃月七星』ね!」

 

「あぁ、それで頼む。後は申請理由だな。…この場合、煙緋もいることだし『“仙人の関係者達”、並びに璃月の“法律家”との交流、また食事に同伴したため』にして、甘雨、もしくは凝光さんに直接手渡しすれば良いか…。後は__」

 

瞬詠は真剣な眼差しで思案する。

 

「うむ、では頂くとしようか」

 

そうして煙緋は、目の前に置かれていた米まんじゅうを一つ取り出し、それを口に運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

「ふぅ、少し食べ過ぎたかもしれないな……」

 

煙緋は、満足そうに腹部をさすりながらそう呟いた。

 

万民堂で瞬詠とヨォーヨとの食事を終えた煙緋は、その足で煙緋法律事務所に向かって歩いていた。

 

「…」

煙緋は満足そうに、そして面白楽しかった時間を思い返すかのように、微笑んでいた。

 

 

「うむ」

(中々悪くない一時、いやとても良い一時であった)

 

瞬詠達と有名なシェフである香菱が直々に腕を降るって作ってくれた料理、香菱の数々の美味しい絶品を楽しみつつ、かつての南十字船体にいた頃の瞬詠の日常の話や、その南十字船体の旗艦である死兆星号に乗船していた時の香菱の話、また現在の瞬詠の普段の月海亭での日常の話や業務外のプライベートな時の話、そしてヨォーヨの璃月港での日々の生活の話等、実に様々な話題が弾み、数々の面白い話や興味深い話、また瞬詠自身に関しての“気になった話”も聞くことができたのであった。そして、その度に煙緋は驚き、時には笑ったり、そして時には興味深そうに話を聞いた。

 

「…」

 

煙緋は思案する。

それは、瞬詠自身の気になった話である“瞬詠が定期的に‘往生堂’に立ち寄り、そこでカウンセリングを受けている”ことについて。正直、瞬詠がどうして往生堂でカウンセリングを受けているのか。煙緋には皆目見当がつかなかった。そして煙緋は、瞬詠が往生堂でカウンセリングを受けていること自体が、何かしらの理由が有るのではないか、と考えている。しかし、その理由が一体何なのか、それが全く分からない。

 

「…う~ん、まぁ、この件は今度機会があれば聞くとしよう。…ぷっ、あははは」

 

そして煙緋は、ある出来事を思い出して笑いを堪えきれなくなった。

 

それはヨォーヨの『次は雲菫ねぇねの所に行きたいなぁ~』という要望に従い、“雲翰社”に向かう為に万民堂から彼らが立ち去った直後、瞬詠の行方を追って甘雨が万民堂に現れた時の事、そして甘雨が瞬詠を“月海亭”まで連れ戻す為、瞬詠達が向かった“雲翰社”まで最短距離で先回りするために、甘雨が璃月港の建物の屋根を駆け抜けながら、一瞬でその場から消え去り、姿を消した事であった。

 

「ははは、あれは…まぁ、酷いはな」

 

甘雨が瞬詠に振り回されてあたふたしている姿、それは普段の甘雨では絶対に見られない光景であり、煙緋にとってはとても新鮮なものだった。

また香菱が、瞬詠は甘雨から特別出張の許可を貰って、今日は月海亭ではなく璃月港中をヨォーヨと共に歩き回っていると言っていたのだが、その時の香菱の言葉に対して、甘雨が『いえ、違います!!…いや、間違っているわけではありません。ただ!!あの時は、つい“良いですよ”と、言ってしまったんです!!あの場には確かに他の人達もいたので、彼らも私が瞬詠に許可を出したという事になっていますが、あの時は無意識に“良いですよ”と言ってしまったんです!!あれはあの人の話術と言えば良いのか、とにかくあの人に誘導されてしまって、つい言ってしまったんです!!あんなのは無効です!!あれは“岩喰いの刑”ものですよ!!』なんて言いながら、甘雨が顔を真っ赤にして必死になって否定していたことを思い出し、煙緋はまた可笑しくなって笑ってしまっていたのだ。

 

「ふふふ」

煙緋は、普段見せる事は無い甘雨の慌てる姿を面白おかしそうに思い返して、微笑む。

 

「…よし」

(午後の仕事も頑張るか)

 

そうして煙緋は曲がり角を曲がり、その視界に自分の法律事務所を捉えた。

 

 

 

その時であった。

 

 

 

「…うん?」

(あれは?)

 

煙緋は、その視線の先にあるものを見て、ふと考える。

 

「……」

 

煙緋は足を止め、その方向を見つめる。

 

「…」

 

するとそこには、煙緋法律事務所の入り口の前に立っている一人の女性の姿があった。

その女性は、キリッとした稲妻のような紫の瞳に、黄緑の髪。お腹を曝け出すことでどこかワイルドさを感じさせる全体的に紫色の格好、稲妻でいう女性の忍者である“くの一”という呼ばれる者達の格好を模した姿のようなもので、またそのスタイルの良さは、男も女も見惚れる程の美人であり、そして彼女の肩にある肩甲に装着している“雷の神の目”の保持者である女性であった。

 

「…」

(…一体、誰だ?彼女は…?いや、待てよ。私は彼女をどこかで…)

 

煙緋は考える。

 

「……あっ」

(…そうだ、彼女は法学校の生徒ではなかったか?しかも最前列の席に座っていた記憶があるぞ)

 

煙緋はその事に気付くと、その女性をまじまじと見つめながら記憶を探る。法学校の特別講師として、定期的に特別授業を行う機会が何度かあったからだ。そして、その顔や服装、またその雰囲気をじっくりと観察することで、その女性が誰かを思い出す。

 

「…忍さん、なのか?」

 

煙緋は彼女の名前を呼ぶ。

 

「?あっ、煙緋先輩」

 

そして煙緋の呼びかけに対し、彼女は煙緋の方へと振り返った。

 

「おぉ、どうしたんだ。忍さん。私の法律事務所の前で」

 

「こんにちは、煙緋先輩。えっとですね、実は煙緋先輩にお願いしたい事がありまして、こうして待っていたんです」

 

「私にお願いしたい事だと?」

 

「はい、そうなんです。…煙緋先輩、私を煙緋先輩の弟子にしてくれませんか?」

 

「えっ?…弟子だと?私のか?」

 

そしてその女性、“稲妻”から璃月にやってきた“稲妻人”の“久岐忍”は煙緋に頭を深く下げ、対する煙緋は驚きの声を上げたのであった。




これにて番外編の“前編”が終了。次回からは番外編の“中編”に入ります。

また次回より“煙緋”に“久岐忍”が同行します。

尚、今回の解説は3つあります。

―――――
◎解説(“香菱”と“歌塵浪市真君(ピンばあや)”、そして“‘『歌塵浪市真君』と『弟子達』との共通点’について”)

・“香菱”について
→“香菱”に関してですが、香菱は万民堂の料理人ではありますが、実はある意味でありますが、“北斗”の“南十字船隊”の一員であるとも言えるのではないかと思われます。具体的には香菱と北斗、それぞれのお互いに対するボイスで、香菱が北斗の“死兆星号”に乗船し、北斗達に料理を振舞っている記述が確認することが出来ます。そのため、本作品では正式に(不定期ではありますが、)“死兆星号”の一員としようと思います。
 
・“歌塵浪市真君(ピンばあや)”
→“ピンばあや”こと“歌塵浪市真君”についてですが、こちらは期間限定イベント『韶光撫月(月逐い祭)』にて初めて若かりし頃の姿が登場し、また少し前の期間限定イベント『華舞う夜の旋律(第3次海灯祭)』で琴を奏でておりました。歌塵浪市真君に関しては、“香菱”や“ヨォーヨ”の師匠である事を確認することができ(香菱の場合は韶光撫月(月逐い祭)、ヨォーヨの場合はヨォーヨのキャラクターストーリーから確認することが出来ます。)、彼女達に歌塵浪市真君自身の槍術、そして仙人の儀式や修身の方法を教え込んでいるようです。(ただ、香菱の場合はどうしても“仙人の儀式や修身の方法”に関する記述やそれに準ずる記載が見当たりませんでした…。もしかしたら、作者が見逃してしまっているという事もありなくはありませんが…)
(余談ですが、そうなるとヨォーヨはともかくとして、仮に香菱が歌塵浪市真君から仙人の儀式や修身の方法を学んでいた場合、実は彼女は仙人になる素質や適性があり、ある意味申鶴と似たような所がある…のかもしれません。見方によっては香菱は、グゥオパァーもとい、竈神こと竈の魔神『マルコシアス』を従えている、もしくは対等な関係を築けていると言えなくはないので…。
 またそれと、どうやら人から仙人になる、つまり『仙人の弟子』になるには条件があるようで、それは『仙縁』を結ぶ事にあるようです。仙人達は人間だけでなく、世の万物を大切にしており、『万物の生長には理があり、その理に従えば豊かに生長して、互いに侵害することもない』という考えを持っているようです。つまり、“万物の理”と“調和”が大切だという事…なのでしょうか?そうなるとこの考えに基づいて、人々の中から『仙縁』を結ぶに値する人物を探したり、その人物と『仙縁』を結ぶか否かの判断しているという事なのでしょうか…?
 因みにヨォーヨが歌塵浪市真君と出会う前、軽策荘に住んでいた頃の彼女は遊びに出ると、彼女はいつも石や雲に自分の気持ちを伝えていたり、花や動物、山や川は大切な遊び仲間として接していたとなっており、そのヨォーヨが遊び仲間を大切にする気持ちには、仙人たちが万物を大切にする気持ちと似ているとなっており、それが歌塵浪市真君が彼女を気に入った決め手となり、ヨォーヨを自身の弟子にしたという事になっていますが…)

・‘『歌塵浪市真君』と『弟子達』との共通点’
→これは完全に余談になってしまいますが、師匠である『歌塵浪市真君』と、その弟子である門下生の『“香菱”や“ヨォーヨ”』の弟子達との“歌塵浪市真君一門”には3つの共通点があるようです。
 1つ目は先ほど挙げている“槍術”で、『韶光撫月(月逐い祭)』にて槍を手にしていた“歌塵浪市真君”と槍キャラである“香菱”と“ヨォーヨ”から槍の使い手という事で一致しています。
 2つ目は“三つ編みに結ったうえで、それをわっか状にしている”という事です。よく見てみると、確かに3人は髪型が一致しています。(尚、現在のピンばあやはこのような髪型ではないため、もしかしたら現役の間はこの髪型にするのが決まりとなっているのかもしれません。)
 3つめは3人とも生脚である(脚を露出している)ことが一致しているという事です。(こちらについても、現在のピンばあやが生足ではない事から、歌塵浪市真君の一門は現役の間は生足にすることが決まりとなっているのかもしれません。)
 以上の3つが『歌塵浪市真君』と『弟子達』との共通点です。(もしかしたら今後、原神で璃月の女性キャラが実装された際に以上の3点が一致していたら、そのキャラは“歌塵浪市真君”の弟子、もしくは関係者の可能性が高い…かもしれませんね)

追記1
・前半部分の煙緋と瞬詠のやり取り(煙緋にとっての"規則"と"法律"関連の部分)の一部の描写を修正しました。
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