玉衡の元から逃亡したら千岩軍が追いかけて来ていた件について 作:久遠とわ
今回で取り合えずではありますが、今の瞬詠の西風騎士団と千岩軍との逃亡劇に終止符が打たれます(完結扱いになっていますが、本編の完全な完結という事ではないです。あくまで第1幕が完結という意味合いで完結にしています。また第1幕を追加した件の経緯については後書きにて説明します)。
それはそうと、お気に入り登録や高評価等も本当にありがとうございます。
評価バーが黄色くなってて、非常にびっくりしました。
作者でさえ、どういう風な展開になるのかがよく分からない本作品ですが、よろしくお願いします。
「いたぞっ!!...なっ!?」
「あそこだ!!...こ、これは!?」
「な、なんなんだ、これは!?...ま、まさかあの男の……力?」
蒼風の高地の清泉町とアカツキワイナリーの中間地点にある高台、そこに何度にも渡る爆発音に引きつけられるように千岩軍の兵士達と西風騎士団達の騎士達があちこちから駆けつける。そして、その現場に辿り着いた彼らは目の前の光景に驚きを隠せなかった。
「っ!!ふっ!!っ!!」
「くっ!!っ!!っ!!」
彼らの目の前では瞬詠の大量の水元素の投擲瓶の投擲とエウルアの氷元素の冷波により、高台の草原が氷の大地と化した場所にて激しい戦闘が繰り広げられていた。
氷舞台の上ではエウルアが、瞬詠のまるで地雷のように設置した雷元素の投擲瓶と瞬詠が投げつける炎元素の投擲瓶によって生み出される過負荷による爆発と爆風の嵐の中を、彼に接近戦を挑まんと舞うようにして駆け抜けていく姿に対して、瞬詠は氷舞台の上でエウルアから距離を取るように後ろに下がりつつ動き回りながら、彼女の近くにある雷元素の投擲瓶に炎元素の投擲瓶を投げつけて起爆させて彼女の接近を阻み続ける光景が広がっていたのだ。
「っ!!そこっ!!」
しかし、エウルアもただでやられるような人間ではない。
彼女は氷の大地の上をまるで氷上スケートの選手のように華麗に舞いながらも、瞬詠へと距離を詰めていき、ついに彼の懐に飛び込むことに成功し、そのまま大剣で彼女は瞬詠へと大剣で斬りかかる。
「ぐっ!?っ!?甘いんだよっ!!」
だが、彼もまた一筋縄ではいかない男である。
彼はエウルアの大剣の攻撃に対し冷静にかわしたり、かわしきれずに自分に直撃するものは片手剣で彼女の大剣を弾いて大剣の軌道をずらしてダメージを最小限に抑えたりしていく。
「ふんっ!!中々やるじゃないっ!!」
「そりゃぁ、どーもっ!!」
エウルアは自分の攻撃が当たらないことに少し苛立ちを感じつつも、冷静さを欠かさずに攻撃を繰り出す。瞬詠も必要最小限の動きで彼女の攻撃をかわしたり弾いたりしつつ、彼女の動きを観察しながら確実な反撃の機会を狙う。
「おぉ、これは...」
「なんだ、この戦いは...」
「これが西風騎士団の『波花騎士』という称号を持った女の実力なのか...」
「あれが璃月の璃月七星、玉衡の直属の部下の男、いや『玉衡の日蔭』と呼ばれる男の実力……」
二人の氷舞台の上での激戦を見て千岩軍の兵士達と西風騎士団の騎士達は驚き、目を見張って言葉を失う。氷上で行われるこの戦いはまさに芸術とも言える美しさであり、誰もが息を飲むほどのものであった。
それは瞬詠の炎元素と雷元素の投擲瓶による爆発の中で生まれる橙と紫の花火のような閃光、エウルアが振るう大剣の氷元素と先ほどの爆発によって漂っていた雷元素の融合によって引き起こされた超電導の産物でたる、まるで研ぎ澄まされた剣をひと振りするときにひらめく鋭い光の紫電一閃のような稲光、また氷元素と火元素との融合による蒸発が引き起こした水蒸気爆発による衝撃波によって、氷の舞台の上に咲き誇る氷の花びらが舞い散っていくかのように砕け散っていく氷の破片……。
そしてその中を駆けながら、瞬詠とエウルアの二人はそれぞれの剣技を振るいながら戦い続けている。互いに相手の急所を狙い、フェイントを仕掛け、隙あらば相手の攻撃をかわしてカウンターを狙っていく。そんな二人の戦いは一種の演武と言っていいだろう。
「っ!!」
「くっ!?」
刹那、瞬詠は立っている真下の氷に向かって炎元素の投擲瓶を叩きつけて割って、それと同時に彼の風の翼を展開する。そして次の瞬間には、そこから溶解反応や蒸発反応を利用した上昇気流の爆風が現れて、瞬詠はそれを利用して一気に上空へと飛び上がり、エウルアは爆風に巻き込まれる寸前のところで退避する。
「ふっ、はぁっ!!っ!!ふっ!!」
「ぐっ!?っ!!っ!!」
そして、上空へと飛び上がった瞬詠は翼を翻して、百八十度反転しそのままエウルアの真上から垂直降下するように切りかかりに行く。エウルアはその攻撃に対して、巧みに大剣で受け流しながら後ろに下がって回避していく。
「本当にやるな!!」
「そっちこそ!!」
垂直降下による強襲に失敗したと判断した瞬詠は一度体勢を建て直すためにすぐにその場から後退して離脱しようとすると、エウルアは後退しようとする瞬詠に追撃を仕掛ける。
「逃がさないわ!!」
「ちぃっ!!っ!!っ!?」
エウルアの素早い攻撃が瞬詠へと襲いかかるが、瞬詠はそれを片手剣で防ぎつつ氷の大地の上を滑るように駆け抜けていく。エウルアも瞬詠と並走しながら、追撃を仕掛けんと氷の大地を駆け抜ける。
「本当にしつこいな!!っ!!」
「それは君の事でしょうが!!っ!?」
氷の大地を駆ける瞬詠は突如、炎元素の投擲瓶をちょうどエウルアの進行方向の真正面にある氷に向かって投げつける。エウルアは瞬時に瞬詠が何をしようとしているのかを理解して、とっさの判断でその場で真横に跳ぶ。
「っ!?っぅ!!」
次の瞬間、瞬詠が投げつけた炎元素の投擲瓶とその氷の上に転がっていた雷元素の投擲瓶によって爆発する。横に跳んでいたエウルアは爆風に巻き込まれたものの、あらかじめ予測していたため空中を舞いながら、受け身を取ることもなく着地に成功して瞬詠の方を見る。
「おいおい、エウルア。まさかもうこういう爆発にも慣れてきたのか?勘弁してくれよ」
瞬詠はエウルアが予想していたよりも早く自分の攻撃に対応していた事に驚き、苦笑いをしながらも肩をすくめる。
「ふんっ、もうこれぐらいで私が怯むと思ったら大間違いよ」
「いやぁ、思ってないけどね……」
エウルアは瞬詠の言葉を無視して、大剣を構えなおす。
「……エウルア。全く以って、本当にお前は厄介な女だよ。西風騎士団の『波花騎士』に時間を稼がれたせいで千岩軍や西風騎士団もこんなに集まってきちゃったじゃないか」
瞬詠はそう言いながら片手剣を一振いする。
「あら、それは光栄ね。でも私としては貴方の方が面倒だわ。瞬詠。だって、私の目の前にいる男は巷で聞く璃月七星の『天権の懐刀』と呼ばれている男なのだもの。中々、上手く行かないわね」
エウルアは瞬詠の言葉に対して鼻を鳴らしながら答えると、彼女は自身の大剣を瞬詠と同じく一振いする。
「...え、なに?いつの間にか自分はそんな風に言われたのか?」
エウルアの返答を聞いて、瞬詠は心底驚いたような表情を浮かべながら呟く。そしてその言葉を聞いたエウルアはため息をつきながら首を左右に振る。
「全く、君は本当にそういうことに興味すら無いのね。君自身の名声に関して」
「いや、本当に興味ないんだが。というか、むしろ邪魔だ。そんなくだらないもののせいで璃月にいる場合に限って、休暇で街に出た時やプライベートな時を過ごす時に状況と場合によっては、わざわざ変装しなきゃいけない必要性が出てきちまったんだが...前まではそんなことする必要も無かったのに......まぁ、今はそんな事はどうでも良いがな」
瞬詠はそう言うと、片手剣の切っ先をエウルアに突き付ける。
「エウルア、自分が今からやる事は変わらない。自分はこの場を切り抜けて、そのままここから脱出する。だから邪魔をするな。ただそれだけだ。……退け、エウルア」
「……それは無理な相談ね。私は西風騎士団、遊撃小隊隊長の波花騎士。そして、今の私には西風騎士団の大団長、ファルカ大団長の命令で君を発見次第に取り押さえて捕縛しろという命令を受けている。悪いけれど、このまま素直に通すわけにもいかないわ」
エウルアは瞬詠に対して、真剣な眼差しを向ける。
「……あぁ、そうかい。なら仕方がないな」
「……えぇ、そうね。仕方がないわ」
瞬詠とエウルアはお互いにそう言い合うと、それぞれ片手剣と大剣を構えたままゆっくりと、まるで二人は氷の上で円を書くかのように歩みを進めていく。
「「……」」
瞬詠はエウルアを睨みつけ、エウルアも瞬詠を睨み付ける。二人の視線が交差した瞬間、二人の周りには緊迫とした空気が流れる。
「「「……」」」
千岩軍の兵士達と西風騎士団達の面々は瞬詠とエウルアの様子を黙って見つめた。
片やモンドの西風騎士団の遊撃小隊隊長を勤める波花騎士という称号を持った彼女。
その実力はモンドでトップクラスと言っても過言ではないほどの実力者であり、それは西風騎士団の中では入ってから年数が殆ど経っていないにも関わらず遊撃小隊の隊長にまで昇進してしまい、既に西風騎士団の中では歴戦の古強者の一人みたいに扱われてしまっている彼女。そんな彼女は、瞬詠にとっては最も戦いたくない相手の一人で間違いない。
片やモンドの西風騎士団に取っても璃月の千岩軍にとっても謎の多い人物である彼。
だが、かの璃月七星の天権がどこの誰なのかを知らない彼を引き抜き、また玉衡の直属の部下にした男。そして、璃月で『天権の懐刀』、『玉衡の日蔭』と囁かれている男。彼は謎に包まれた存在ではあるが、だがその実力は本物である事は間違いないとされている。
人々曰く『彼は璃月七星の直属の部下としての自覚が全く無いのか、一応は規律を守るものの、たまに上司である玉衡、刻晴様の命令を平然と無視したり、渡された仕事を「自分に関係のある仕事じゃない」と言って刻晴様に突き返したり、挙句の果てに与えられた仕事が完全に終わってないのにも関わず仕事場から私用で抜け出してそのまま放置する等という問題行動ばかりが非常に目立つ男だ。
だが、彼の仕事人としての実力は本物であり、それこそ一般的な書類仕事から璃月に発生した大きな問題の処理の対応まで行い解決に携わってきた男であり、小さな問題に対しては独断による独自行動による解決で表面化する前に解決してしまい、大きな問題に対しては解決に至るまでの独断行動によって、上司の玉衡や天権が次に求めること等を予測しながら、彼らに対する最適な支援等によって様々な問題を直接的にも間接的にも迅速に解決してきた実績を持つ仕事人』と噂されている男だ。
真面目に仕事をしている時や独断行動している時の彼のその判断力は、さすがに天権には劣るものではあるものの、それでもある程度は天権と比肩するほどだと言われており、真面目な時や真剣な時に発した彼の言葉や彼の記した文章の内容が、後に高確率でほぼそれの通りに現実になってしまうという噂もあるが故、彼に関しては『未来を観測する異能者』やら『予言の類を扱える異常者』などと呼ばれており、それがきっかけで極一部の人間達の間にて『七人の七星の影に潜む‘八人目’の璃月七星の男』とまで密かに呼ばれている。
また、瞬詠の問題解決の為の独断による行動の中には戦闘行動も含まれており、必要であれば瞬詠は目的遂行の為に邪魔な障害を排除する為に躊躇なく障害になった者達を無力化する。そしてその戦闘能力は彼が神の目を保持してない為に元素の力を一切使用することはできないが、それでいてなお千岩軍の兵士達を訓練や演習で軽くあしらったり、仕事で璃月内に宝盗団の大規模な拠点があるという噂の真相を確認するため、その場所等の位置を確認したりそこの人数等の記録を取るために一人で偵察している最中、近くを通りかかったヒルチャールの群れに見つかってそのまま襲われてしまい、それが原因でそこにいた宝盗団達にバレて、そのままヒルチャール達を排除しつつそこにいた宝盗団のメンバーやその関係者達を次々と無力化し、最終的にその宝盗団の拠点そのものを壊滅させた程の実力を有しているとの噂もある。
「「……」」
そうして、そんな二人の間に流れる緊張感を漂わせる空気の中、エウルアと瞬詠の二人はまるで達人同士の戦いが始まる前の剣舞のように、お互いに距離感を誤らないように互いの距離を一定以上は保ちつつ、弧を描くようにゆっくりと歩きながらじりじりと詰めていき、二人は警戒心を更に高めてお互いの動きを見極めようとし始める。
「「「…」」」
そして、エウルアと瞬詠の氷の舞台を囲むように集まった千岩軍の兵士達と西風騎士団のエウルアの遊撃小隊の隊員の騎士達やその他の騎士達は瞬詠とエウルアの様子を固唾を飲んで見守った。これは取り押さえんとするエウルアと逃亡せんとする瞬詠という二人の戦いということではあるが、ある意味でこの戦いは璃月の千岩軍とモンドの西風騎士団の双方を代表する実力者同士の戦いにでもなり得る。
だからこそであろうか、この場にいる誰もが本来ならばエウルアに加勢して瞬詠を取り押さえねばならないのだが、しかし誰もその場から動こうとはせずにただ黙って二人の様子を見守ってしまっていた。
「「…」」
瞬詠とエウルアは動かない。お互いに一歩ずつ踏み出し、互いに一定の間合いを保ちつつ、重心を相手の方に傾け、いつでも相手に向かって駆け出して斬りかかれるようにしながら、瞬詠とエウルアは相手の出方を伺うかのように睨み合う。
「…ん、あれは?」
「どうした?…あ、あれは」
その時、何かに気づいた千岩軍の兵士と西風騎士団の騎士が、彼らの視界の端に映った光景を見て、彼らは驚きの声を上げる。彼らが見たのは、一人の少女の姿だった。
「やっと見つけた!!え、なにこれ!?それにエウルアも!?」
それは赤いリボンを身につけた全体的に赤い格好の茶髪の少女、西風騎士団の偵察騎士のアンバーが風の翼を広げて奔狼領から飛行し、彼女は今まさに氷の舞台の上に立っていた瞬詠とエウルアを見つけたのであった。
「っ」
アンバーはエウルアを援護する為に、すぐさま弓を構えると、すぐに弦を引き絞り、そのまま彼女の炎元素を纏わせた矢を瞬詠に狙いつけ始める。
「…はぁ、仕方がない…あんまりの手の内は見せたくなかったが、ふんっ」
そして、アンバーのそれに気づいた瞬詠は服から炎元素の投擲瓶を取り出し、氷の上にあった近くにばら撒かれている雷元素の投擲瓶に叩きつける。
「ぉぉっ!?」
「ぐっ!?」
次の瞬間、炎元素と雷元素の投擲瓶によって爆発を引き起こす。
だが、今度は先ほどの単発の爆発と違い、まるで誘爆したかのように連続した爆発が巻き起こった。それに対して、千岩軍の兵士達と西風騎士団の騎士達は反射的に全員その場にしゃがみこんだり、頭を抱えて防御姿勢を取るなどして爆風や氷の破片が飛んでくるのを防ぐ。
「っ!!ふっ、っ、っ……っ」
そして、エウルアは爆発が連続したことに目を丸くしながらも、大剣で飛んできた氷の破片や欠片、小さな石ころなどを防ぎきって、瞬詠を睨みつける。
今まで炎元素の投擲瓶を一回投げれば一回の爆発が起きるとばかり思っていたが、実際には雷元素の投擲瓶同士の位置関係によっては爆発した際の衝撃や熱波が原因で連続して爆発が起こることがあるらしい。その事実を知らなかったエウルアは一瞬だけ驚き、このままこれの事を知らないままに瞬詠と戦おうとしていたら、これのせいで一瞬ではあるが瞬詠に確実に隙を晒してしまい、最悪これがきっかけで負けてしまっていた可能性もあったかもしれないと考えると、瞬詠に対して舌打ちをしたい気分になった。
「…」
そして瞬詠は無言で炎元素の投擲瓶を空中に舞っていたアンバーに対して、それを見せつけるように腕を高く掲げながら首を横に振る。
「っ!?…くっ」
それに対して、この一連の流れを見ていたアンバーはエウルアへの支援として瞬詠に対し、炎元素の弓矢を放とうとしたがそれを断念する。アンバーはすぐに瞬詠の意図を理解した。
これは警告だ。
もしもアンバーが考えなしに炎元素の弓矢を放てば、その炎を纏った弓矢が着弾した場所によっては連続爆発、最悪の場合は大爆発が起きてしまい、エウルアを巻き込んでしまって、支援どころでは無くなってしまう可能性がある。そうして、瞬詠はその事をアンバーに理解させるために、わざと炎元素の投擲瓶を投げつけて連続爆発を引き起こしたのだ。
「……瞬詠、流石だよ」
アンバーは弓を下ろしながら、呟いた。
瞬詠は戦闘において、自分の手札を相手にわざわざ見せるような真似はしない。そんなことをすれば、相手に対策されてしまうからだ。しかし、瞬詠はあえてそれをアンバーに見せつけた。それは瞬詠がそれだけ今の状況に自信を持っている証拠でもある。もしかしたら、この場でエウルアが追いかけてこないように彼女を無力化するための切り札や策が他にもあるのかもしれない。だが、少なくとも瞬詠には油断している様子はない。
「……エウルア、瞬詠」
アンバーはエウルアと瞬詠を見守る。
今ここで下手な事をしてしまえば瞬詠に先手を許してしまったり、逆に瞬詠がそれを利用してエウルアを不利な状況に追い込んでしまうかもしれないからだ。
「……」
そして瞬詠は無言で弓を下したアンバーを見つめながら、ゆっくりと彼女から視線を逸らしエウルアに視線を向ける。
「……いいわよ、瞬詠。そろそろ私達のこの戦いに決着をつけようじゃない」
エウルアは瞬詠の視線に応えるかのように大剣を構える。
「ふんっ、そうだな。エウルア」
そして、瞬詠は軽く鼻を鳴らすと、片手剣を一振るいして構えつつ、炎元素の投擲瓶を取り出していつでも投げつけられるように準備をする。
「……始まるぞ」
「……あぁ、そうだな」
「……っ」
二人の会話を聞き、その場にいた千岩軍の兵士達と西風騎士団の騎士達は息を吞む。
これから起こるであろう戦いの結末を知りたいと思う者、知ってしまいたくないと思ってしまった者、色々いるだろう。だが、どちらにせよ、この場で瞬詠を取り押さえようとしたり、エウルアの援護をしようとする者は誰もいなかった。むしろ、それをしたところで、彼女の足手まといになってしまう可能性が高い。
故に、ここにいる皆は瞬詠とエウルアのこの戦い、二人の決闘を横入りする事や止めようとする者は誰もいなかった。
「「……」」
無言で構えながらその場に佇む瞬詠とエウルアの間に、一陣の風が吹く。
「「…っ!!」」
そして遂に二人が弾けたように互いに向かって一歩駆けだした。
その時であった。
「瞬詠お兄ちゃ~ん!!」
「「「っ!?」」」
瞬詠とエウルアは目を丸くしながら声の聞こえてきた方角を見る。
するとそこには、何かを持って満面の笑みを浮かべながらこちらに走ってくる一人の幼女の姿があった。
「見~つけた!!瞬詠お兄ち~ゃん!!待て~!!」
そこには、茶色いランドセルを背負い、そのランドセルの後ろに炎元素の神の目を身に着け、赤い帽子と赤と白の服に四つ葉のクローバーの服を着た橙色染みた金髪で燃えるような紅の瞳の幼女、西風騎士団の火花騎士、ある意味では 西風騎士団の戦略兵器兼トラブルメーカーの逃げ回る太陽と呼ばれているクレーが両手で大切そうに、小さな白くて丸く、上の部分には四葉のクローバーを模した赤い葉っぱがついている、まるでマスコットのような‘大量の小型爆弾’を抱えながら、瞬詠の方に走ってきていた。
「……なっ!?」
「ちょっ!?」
瞬詠とエウルアは目を見開いて驚きながら、すぐに自分達に迫ってくる小さな女の子、クレーに目を向けた。
「クレー!?」
「火花騎士だと!?なんてタイミングで!?」
「おい!!やばいぞ!?あれが一つでも投げ込まれたら、この辺り一帯は吹き飛ぶんじゃないか!?」
「クレーのあの爆弾があの男とエウルア隊長の元に投げ込まれたら雷元素の投擲瓶で間違いなく大爆発するぞ!!俺たちも巻き込まれるじゃないのか!?」
「おい!?だれか!?あの火花騎士のクレーをなんとかしろよ!?」
空を舞っていったアンバーと千岩軍の兵士達や西風騎士団の騎士達は大量の爆弾を抱え込んだクレーがこちらに向かっているのを見て驚き騒然する。兵士達や騎士達に取っては先ほどの瞬詠が誘爆を見せたことも相まって、彼らが恐れを抱き混乱するのは当然の事だった。
「おいおい!!ちょっと待て!!クレー!!こっちに来るな!!」
「待ちなさい!!クレー!!今すぐ止まりなさいっ!!!」
「だっだだー!」
瞬詠は慌てて大声で叫び、エウルアも同じく叫ぶ。
しかし、二人の声が聞こえていないのか、それとも無視をしているだけなのか、クレーはそのまま止まらずに、どんどん近づいてくる。
「嫌だ~!!クレーが瞬詠お兄ちゃんをドカーンして捕まえればファルカ大団長とジン団長がご褒美をくれると教えてくれただもん!!だから絶対に止めるわけにはいかないんだからね!!エウルアお姉ちゃん!!クレーも瞬詠お兄ちゃんを捕まえるのを手伝うね!!」
クレーはそう言いながら無邪気な笑顔を瞬詠とエウルアに向けながら、爆弾を抱えながら二人に迫る。
「はぁっ!?くそっ!!おい!?誰だよ!?クレーにそんなふざけたことを教え込んだ奴は!?」
「えっ!?クレー!!手伝わなくていいからこっちに来ないで!!お願いだから!!」
瞬詠が焦った表情を浮かべ、エウルアが必死に叫ぶ。
普段のクレーなら天使のような愛らしさを振りまきながら二人に近づくのだが、今は違う。確かに普段通りの愛らしさを振りまきながら2人の元に近づいてきているのだが、クレーの言動からして瞬詠とエウルアにとっては、今のクレーは目を光らせながらニヤリとした邪悪な笑みを浮かびながら迫っている小さな赤い悪魔にしかに見えず、それはまるで小さな爆弾魔が自分達に向かって爆殺させんと、大量の爆裂玉を投げこもうとしているようにしか見えなかった。
「くっ!!誰でもいいから火花騎士を止めるんだ!!
「分かってる!!このままだとエウルア隊長がクレーの爆弾で吹き飛ばされるぞ!!」
「これ以上彼女を先に行かせるな!!エウルア隊長を守れ!!」
そして混乱していた西風騎士団の騎士の中の、エウルアの遊撃小隊の遊撃騎士達がクレーを止めるべく、クレーの元へと駆けだす。
「えっ!?なんで邪魔するの!?クレーだってファルカとジンのご褒美が欲しい!!遊撃小隊の皆だけでご褒美を独り占めするのはクレーが許さないんだからね!!」
「くっ!?抜けられた!?」
「ちっ!!動きが速い!!」
「っぁ!?そっちに行ったぞ!!」
クレーは迫りくる隊員たちを火花騎士の名に恥じない機敏な動きを見せながら回避し、隊員たちの包囲網をすり抜ける。
「あっ!?離れろ!!クレーがかわした時に爆弾の一つが落ちたぞ!!」
「っ!?そっちもだ!!爆発するぞ!?」
「ちぃ!!俺の方にも落ちてきたぞ!?」
「うおっ!?」
「やべぇ!?」
「逃げろぉおお!?」
「「「「うわあああ!?」」」」
西風騎士団の騎士達と千岩軍の兵士達は悲鳴を上げながら一目散にクレーから離れ、そしてクレーが落とした爆弾が次々と爆発し始めていく。
「っ!!クレー!!瞬詠やエウルアの方には行かせないよ!!」
空中を舞っていたアンバーはそう言いながら風の翼を操って、ちょうどクレーの目の前に立ちふさがるように着地する。
「「アンバー!!」」
瞬詠とエウルアはクレーの目の前に立ちふさがったアンバーに目を輝かせる。自分達がクレーに爆発されるかされないかの命運はアンバーの背中に掛かっている。
「アンバーお姉ちゃんもなの!?っぅ~!!アンバーお姉ちゃん!!クレーは今、瞬詠お兄ちゃんを捕まえないといけないの!!そこを通してほしいんだけど!?」
「駄目!!今は絶対に通せないよ!!」
「むー!!じゃあ、無理やり通るもん!!」
「絶対に行かせないよ!!」
クレーはそう言うとアンバーに向かって走り出し、アンバーはクレーを捕まえようと構える。
「ふふん♪この前みたいに簡単に捕まらないんだからね!!」
「っぁ!?クレー!!」
そして、アンバーはクレーを捕まえようと腕を伸ばした瞬間に、クレーは素早い動きでアンバーの腕をかわしてそのまま走り出す。
「瞬詠お兄~ちゃん!!エウルアお姉~ちゃん!!」
立ち塞がる者達がいなくなったクレーは瞬詠とエウルアに向かって駆け抜ける。
「っ!?くそっ!!仕方ない!!エウルア!!今すぐ離れろ!!」
「えっ!?瞬詠!?くっ!!」
クレーが止まることはもう無いと判断した瞬詠は何かを決断してエウルアに叫び、エウルアは一瞬戸惑ったがすぐに瞬詠の言葉を理解して氷の舞台の外に向かって走り出す。
「っ!!っ!!っ!!」
瞬詠は炎元素の投擲瓶をそれぞれの氷に投げつける。
「っ!?ぅぁぁっ!?」
そして、その次の瞬間に瞬詠の断末魔の叫びのような叫び声を上げると同時に、目を開けられないほどの強烈な光に激しい音と凄まじい衝撃が発生して地響きが鳴り響き、そこにいた者達に例外なくそれらが等しく襲い掛かる。
「っぁ!?くっ!?」
氷の舞台の上から離脱せんと走っていたエウルアは後方から襲ってきた衝撃波や凄まじい爆風によって吹き飛ばされてしまう。
「っぇ!?きゃぁっ!?」
アンバーは襲ってきた瞬詠とエウルアがいた氷の舞台からの衝撃波をまともに受けてしまい、そのまま地面に倒れ伏して、さらに追い打ちをかけるように爆発による砂埃が舞い上がり、それがアンバーの視界を遮る。
「ぐぅぁっ!?」
「っぅ、なんて爆発だ!!」
「くそっ!!どうなってる!?」
西風騎士団と千岩軍の騎士達と兵士達は、自分達を襲ったあまりにも巨大な衝撃と砂煙で目を一時的に開けられなくなり、砂塵の中のあちこちから悲鳴が聞こえてくる。
「うわぁぁぁ!?」
クレーは瞬詠の爆風と衝撃波によって吹き飛ばされ、抱えていた爆弾を手放して空中に舞ってしまう。
「クレー!?っ!!…っ!?」
そして、吹き飛ばされたクレーを見たアンバーは地面に叩きつけられる前にクレーを受け止めようと走り出そうとするが、爆発の影響で体が思うように動かず、よろめいてしまう。だが、よろめいた際に地面に落下しつつあるクレーに向かって一人の男が飛び込んでいく姿を見る。
「っ!?」
アンバーは突然の出来事に目を見開き、その男の名前を叫ぶ。
「アルベド!?」
「クレー!!」
「アルベドお兄ちゃん!?っ!!」
アンバーの視線の先には吹き飛ばされて空中を舞っていたクレーに向かって跳び上がりながら、青と白の服装に胸元に岩元素の神の目を身に着けた青年、まるでエメラルドブルーのような瞳を細めながらクレーに向かって必死に腕を伸ばし、西風騎士団の首席錬金術師兼調査小隊隊長、白亜の申し子と呼ばれるアルベドがクレーを抱きしめるように空中で彼女をキャッチする。
「っ!!……ふぅ」
クレーを抱きかかえたつつ、なんとか無事に着地に成功したアルベドは安堵した表情を浮かべる。
「大丈夫かい?クレー?」
「うん!!ありがとう!!アルベドお兄ちゃん!!」
クレーはアルベドに抱きかかえられる形で助けられたことに嬉しそうな表情を浮かべる。
「っ!!…ふぅ、良かった。…はっ、エウルア!?」
アンバーはアルベドの腕の中にいるクレーを見て安心し、すぐに我に返ってエウルアが吹き飛ばされていった方向を見る。
「はぁ、はぁ、はぁ、瞬詠。この恨みは絶対に忘れないから……」
エウルアは衝撃波や爆風によって吹き飛ばされた衝撃で少なくはないダメージを体に負いながらも何とか受け身を取ることに成功し、片膝を付きながらも瞬詠に対して怒りの形相を浮かべていた。
「エウルア、大丈夫!?」
そこにアンバーがエウルアの元に駆け寄り、心配そうに声をかける。
「えぇ、なんとか大丈夫よ……。アンバーは大丈夫そうね」
エウルアは少し苦しげかつ、疲れたような表情を浮かべながらも、どこか安心したような表情を浮かべながら立ち上がる。
「エウルアお姉ちゃん!!ごめんなさい!!」
「良かった、何とか大丈夫そうみたいだね」
「えっ?」
エウルアは声を掛けられた方に顔を向ける。エウルアの視界に入ってきたのは自分を心配そうに見つめるクレーの姿と、その隣にはクレーを助けたアルベドが立っていた。
「……私は大丈夫よ。ただ、そうね。…クレー、今度から爆弾を投げつけようとする時には本当に今は投げても大丈夫なのか、今投げたら大変なことにならないのか、よく考えてからやりなさい」
エウルアは一瞬驚いた表情を見せた後、クレーと同じ目線になるようにしゃがみながら優しく微笑みかける。
「う、うん!分かった!」
クレーはエウルアの言葉を聞いて元気良く返事をする。
「…エウルア、あそこに瞬詠がいないみたいだが、瞬詠は何処に行ったんだい?」
「なんですって!?」
アルベドの問いを聞いたエウルアは目を見開いて驚く。
彼らの視線の先には先ほどまで爆発によって大量の水蒸気が発生したことにより、霧が立ち込めていたが、その水蒸気が晴れて爆発が起きた場所に目的の人物が見当たらなかった。
「まさか、あの爆発の中を逃げおおせたっていうの!?」
エウルアは驚きと動揺が入り混じった声で呟く。
「……どうやら、そういうことになるらしいね」
アルベドは冷静に答えながら、目を細める。
「えぇ!?あの爆発の中を逃げたの!?」
アンバーは驚愕の声を上げる。
「瞬詠お兄ちゃん逃げちゃったの!?そんなのヤダ!!」
クレーは悲しげに顔を歪ませ、両手を握り締める。
「……どうするの?アルベド」
エウルアも険しい表情を浮かべてアルベドに尋ねる。
「ボク達の目的はあくまでも瞬詠の確保だよ。ここで彼を追うのを諦めるわけにはいかない。それに彼が逃げられる方向は絞られるよ。アカツキワイナリーや清泉町の方には西風騎士団と千岩軍が大勢いたし、僕とクレーはドラゴンスパインの方から来た。それにシードル湖の方も今までの爆発騒ぎでモンド城から多くの西風騎士団や千岩軍が来ているみたいだから、彼はそんな所を選ぶはずがない…そうなると」
「…また奔狼領ね」
アルベドの言葉を聞き、エウルアは静かに答えた。
◆◆◆
「っぅ、いてぇ」
奔狼領の林の中に一人の男、瞬詠が苦痛に満ちた声を上げながら、歩みをゆっくりと進める。
瞬詠は吹き飛ばされて地面に叩きつけられたせいでボロボロになり、彼自身の腕や足等にかすり傷や切り傷や打撲の跡が見受けられる。
「…はぁ」
(まさか、全ての雷元素の投擲瓶が誘爆し、一斉に爆発するとあんなに威力が高くなるとは思わなかった)
瞬詠は心の中で毒づきながら、自分が今いる場所を考える。
彼の頭の中には今の自分を取り巻く状況と、これから進むべき道、そして、それを達成する為に取る行動について考えを巡らせる。
まずは今の自分の状況だ。一言で言えばかなり不味い。
あの高台から奔狼領に大爆発で吹き飛ばされたが、その過程で持っていた片手剣や各種類の元素反応を引き起こす投擲瓶を手放してしまった。だが、幸いにも追っ手の西風騎士団と千岩軍からはあの大爆発のおかげでだいぶ距離を引き離すことが出来たし、あの大爆発があった直後だ。大部分の西風騎士団の騎士達や千岩軍の兵士たちはまだ混乱の渦中にあるはずだ。この隙に乗じて逃げることが出来るかもしれない。
「…」
次に今の自分の手持ちについてだ。
自分にはもはや拾った片手剣や各種類の元素反応を引き起こす投擲瓶といった武器は無い。あるのはこの体と御守り代わりに持っている‘あれ’と、逃亡する際に刻晴がすぐに追いかけられないようにから彼女から奪った‘あれ’と、ついでにモンドに行くときにあいつに修理を頼まれ、そして頼まれた修理が終わった‘あれ’だけだ。
「……さてと」
そして、これから進むべき道についてだ。
今の自分は絶対に千岩軍と西風騎士団に捕まらないことを目的に行動してきた。理由は勿論、刻晴の前に突き出されるのを全力で回避するためだ。これは自分が悪いのだが、彼らに捕まれば激怒している筈の刻晴の前に突き出されて、今回の場合はおそらく滅茶苦茶にボコられて半殺しみたいな目に合わされて、もしかしたら最終的には牢屋みたいな場所で罰として大量の反省文を書かされつつ、刻晴に書類仕事を山のように押し付けられて、刻晴が満足するまでそこに幽閉させられて仕事をさせられ続けるという事になるだろう。
「……はぁ、ふざけんなよ」
瞬詠は思考を止め、一度立ち止まる。彼の心に怒りの感情が湧き上がる。
「…一発くらい、あいつの顔面を思いっきりぶん殴っても問題ないよな?」
(もしも仮に捕まったとしてあいつにボコられるくらいなら、大人しくボコられるよりも一矢報いてもいいよな?)
瞬詠は拳を強く握りしめながら、自分をこんな目に合わせた刻晴に対しての怒りの炎を燃やした。瞬詠の脳裏にとある光景が思い浮かぶ。それは遥か高い所にいる刻晴が西風騎士団と千岩軍に追い詰められていく瞬詠を、まるで高みの見物でもしているかのようにニヤニヤと嘲笑っているかのようなそんな光景だった。
「……あいつめ、調子に乗るなよ……刻晴、絶対にお前の思い通りになってやんないからな?」
瞬詠はとある方向に顔を向けて目を細める。瞬詠の視線の先の方角は璃月港のある方角であった。
「…っ」
瞬詠は顔をしかめる。彼の胸の中には様々な想いが渦巻いていた。
「……まぁ、それはそれ、これはこれだな…っ」
瞬詠は再び歩き始めて、現実的にこの騒動を終わらせるために‘とある考え事’の続きを考えようとしたその時、背後で何かが動く気配を感じた。
「誰だ?」
瞬詠は服から御守り代わりの‘それ’を手にする。それは、ばさりっと音を立てながら広がると瞬く間に形を変えていき、瞬詠の手には‘黒い鉄扇’が現れた。
「グルルル!!」
「ガルルル!!」
そこには瞬詠の後ろからや横から、四方八方から狼達が現れて、狼達が瞬詠を警戒するように威嚇の声を上げる。
「ちっ」
瞬詠は舌打ちしながら、狼達の挙動を注視する。
「……待て」
「グルルゥ」
「ガルルゥ」
「ん?」
瞬詠は人間の声を聞いて振り向く。
すると、振り向いた先には一人の少年が数匹の狼と共にそこに立っていた。
「…お前は?」
瞬詠はその少年を観察するように見つめる。
「…オレはレザー、頼む、僅かに‘あの高く大きい男’の匂いがする男、『ルピカ』に手を上げないでくれ」
その少年は赤い瞳に体つきが逞しく、そして緑のズボンにぼろぼろのフードのような恰好に、背中に雷の神の目、そしてまるで狼の体毛のような長髪の少年であった。
今回で一時的にですが、瞬詠は西風騎士団と千岩軍の追跡から完全に逃れることが出来ました。
またちょっとした裏話になりますが、実は随筆している最中に瞬詠が刻晴に対して反撃する、またあいつが直々に出てきて仕掛けてくるようなら徹底抗戦してやる等とかの台詞が出てきて(それは採用しませんでしたが)、今まで瞬詠の目的が刻晴から逃げるという流れから、このまま逃げ続けるのではなくもっとこの状況を終わらせるための具体的なアクション、また場合によっては今後の展開次第では、もしかしたら瞬詠が刻晴に対して全面対決を挑む可能性すら出てきてしまいました。
その為、一度キリが良いので本編の第1幕として完結とします。
尚、第2幕に関しては一旦、原神の設定を読み直したいことやファルカ大団長に関しての情報を集めたいこと。それにここまで来たら一度オリキャラの瞬詠の設定をそれなりにしっかりと纏めたほうが良いと思ったために、最初の随筆に取りかかるまでの準備が色々と必要になると思われること。また実はリアルが忙しくなってきてしまったことで時間の確保をどうするかという事により、第2幕の初回投稿はもしかしたら数か月後になる可能性があります。
最初はちょっとした小ネタやギャグ感覚で書いていたのに、どんどんバトルものに近いものになったり、当初は瞬詠はただの刻晴の部下の一人程度で、強さも元素も使えない一般人程度の筈だったのに、随筆を進めていく中でどんどん設定が付け加えられてそれを修正しながら続けていった結果、いつの間にか元素の力が使えないにも関わらず、まるで璃月七星の有力な戦力の一人みたいな扱いになっていて、読み返したら唖然としました。もしかたら、その内に瞬詠は神に認められて、神の目を手に入れるなんて展開もあり得るのかもしれない……ですかね?
取り合えず、第1幕をここまでお読みください本当にありがとうございました!!
追記1
クレーのシーンを中心に誤字脱字がありましたため、修正しました。
追記2
瞬詠がクレーに吹き飛ばされて、レザーに遭うまでのシーンに追加描写(刻晴関連)を行いました。
追記3
蒼風の高地という用語を追加しました。
追記4
アルベドの描写を修正しました。(瞳の部分)
追記5
文字間隔の調整を行いました。