玉衡の元から逃亡したら千岩軍が追いかけて来ていた件について 作:久遠とわ
尚、すみません。
2つ謝らないといけないことがあります。
1つは、前回のアンケートの件なのですが、本当は2つあり前回に2問行えるように設定したのですが、実は後から1話につき1問までしか置くことが出来ないと後から知りました。
そのため、1問目の空か蛍の質問を6話、2問目の璃月のキャラ5人から1人を選ぶと言う質問を5話に置いたのですが、1問目の双子の回答数が75人、2問目の璃月のキャラ5人が22人と、もしかしたら、気づいていない人も多数いたせいなのか、明らかに回答数が少なすぎるような気がしたのです。
そのため、本話の最後に璃月のキャラ5人のアンケートをやり直すべきか否かを置きましたので、回答して欲しいのです。
もしも、そのままで問題ないようでしたらアンケートで一位になっていた煙緋回として、本編の分量によりますが、次回は本編のおまけとして予定されている煙緋目線の番外編として、主に煙緋と瞬詠の日常的なエピソードか現在の戒厳令下の璃月港の様子を描写、もしくは両方を行おうと思います。そして万が一、やり直しと言うことになってしまいましたら、改めてアンケートのやり直しを行い、本来そこに入れるべきであった部分を何かをそのまま本編に進行させるか、それかそこに前倒しでアビス教団回か、分量的に足りないようでしたら、今書くと本編のネタバレになってしまいますので後書きに回しますが、とあるエピソードを追記しようと思います。
(余談ですが、あの双子のアンケートの目的はどちらを【アビスの指導者】にするかという事でした。よって後程、アビスの指導者としての蛍、そしてそれと同時に兄と別れてしまったただの双子の妹としての蛍を間接的にも直接的にも描写していこうと思います(ちゃんと描写できたらいいなぁ)。尚、瞬詠と関わり、そして敵対して彼女に襲われるかどうかはネタバレなので伏せますが、この後に控えていますアビス教団回で明らかになる予定ではあります)
2つ目ですが、1つ目と若干被ってしまい、また大したことではないのですが、予定ではアビスの魔術師達との戦いに決着を着けたかったのですが、まだ書き終えてないのにも関わらず、かなりの分量になってしまったので、取り敢えず前座のヒルチャール達編として投稿しまったことです。
本来でしたら、それプラスに7話に例の1問目と2問目のアンケートを表示させられていれば、その結果を反映させて今回で描写できていた筈だったのですが、それが出来なくなってしまい2問目が9話以降にずれ込んでしまいました。
本当に申し訳ないです。
次回からアンケートの仕様には気を付けます。
取り合えず、
またですが、前回の2問目に関するアンケートの回答をよろしくお願いします。
「ぐっ!?っ!!っぅ!?」
「ハハハ!!逃げ回れ!!逃げ回れ!!」
「どうした!?本当にやられちゃうぞ!?」
「ケェケケケ!!ランランル~!!」
それぞれ、炎、水、氷のアビスの魔術師達の猛攻の前に、レザーは何とか避ける。だが、攻撃をかわしていなしても、次から次へと放たれる魔術でレザーは徐々に追い詰められていく。
「ヤァ!!」
「ヤァウ!!」
そして、レザーを包囲するように展開していたヒルチャール達は、アビスの魔術師達によって追い詰められていくレザーを見て、まるで嘲笑うかの様に声を上げた。
「ヤゥ!!」
「ヤヤァ!!」
また、レザーの包囲網の外側にいた別のグループのヒルチャール達も、アビスの魔術師達によって、レザーが追い詰められていく様を見て歓喜の声を上げる。
「ヤァウー!!……ヤゥ?」
だがその時、一体のヒルチャールがふと視線を外に向けた瞬間に、ゆらりと一人の男の影が視界に入った。
「ヤゥ!?ヤァウ!!ヤァ!!」
「ヤァ!?」
「ヤァウ!?」
ヒルチャールは仲間達に呼びかけ、仲間のヒルチャール達もそちらの方に目を向ける。
「……」
するとそこには、灰色の服装に、黒い髪に灰色の髪が混じった男、そして片手に閉じた状態の鉄扇を持った男がゆっくりと自分達の方に近づいてきていた。
「ヤゥ?」
「ヤァウ?」
ヒルチャール達は男を見て戸惑い、顔を見合せあう。なぜこんなところに、男がたったの一人で来たのかと。しかも、男の格好からしてどう見ても西風騎士団の騎士とかではない、また冒険者とかそう言った類いでもない。まるで何処にでもいる普通の一般人のような感じだった。おまけに男の身体は、よく見てみると身体中は打撲の跡や切り傷や掠り傷があちらこちらにできている。
「ヤァウ?ヤウ」
「ヤァ、ヤゥ」
ヒルチャール達は頷き合う。そして、ボウガンを持った2体のヒルチャールが一斉に弦を引き、彼に狙いを絞って矢を放った。
「……はぁ」
男はため息を吐きながら、僅かに首を傾げる。
「ヤゥ!?」
「ヤァ!?」
そしてボウガンを放った2体のヒルチャール達は驚きの声を上げた。確かにしっかりと男の頭を狙って射ったが、男は僅かに首を傾げただけでその2本の矢を避けてしまったのだ。
「ヤァ!?」
「ヤァ!ヤァ!」
そして、それを見ていた他のヒルチャール達も驚愕する。今のは確かに正確に狙って放ったはずなのに何故避けられたんだ!?と。
「ヤゥ!!」
「ヤァ!!」
ボウガン持ちのヒルチャールは、今度こそは確実に当ててやると思い、今度は連続して二本同時に放つ。
「…っ、っ」
だが、やはりそれもかわされてしまう。男は当たり前のように身体を少しだけ傾けるだけで避けてしまった。
「ヤァ!!」
「ヤァ!!」
そして、それらを見ていた棍棒や木の盾を持っていたヒルチャール達が、この男は一般人風の格好をしているが、明らかに只者ではなさそうだと判断したようで、男に向かって走っていく。
「ヤゥ!!」
「ヤゥ!!」
「ヤァ!!」
そして棍棒を持っていたヒルチャール達は、先行するように棍棒を振り上げながらその男に襲いかかる。
「…」
だが対する男は特に焦った表情もせずに静かに手に持った鉄扇を開いた。
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
「ヤァ!!」
「…っ!!」
そのヒルチャール達は男に向かって飛びかかる。そして男は目付きを鋭くさせて動き始めた。
「っ、っ、ふっ!!」
「「「イギャア!?ヤァゥッ!?」」」
男は鉄扇を振るって振り下ろしてきた棍棒を全て弾き、そしてまさか弾かれるとは思っていなかったヒルチャール達は体勢を崩して、その隙を男は突くように、鉄扇を瞬時に閉じて、そのまま棒立ちになっていたヒルチャール達を突きを放って突き飛ばし、突きを放てない位置にいたヒルチャールは蹴りを放って、そのヒルチャールを蹴り飛ばした。
「「「「イギャア!?」」」」
そして男に突き飛ばされ、蹴り飛ばされたヒルチャール達は、まるで男が狙ったかのように、木の盾を持っていたヒルチャール達に男に吹き飛ばされたヒルチャール達が衝突し、またその勢いのままに後方に吹き飛んでそのまま倒れ込んだ。
「ヤァ!?」
「ヤゥ!?」
「ヤヤァ!?」
そしてその光景を見ていたボウガンを持っていたヒルチャールに、そのグループのリーダーであろう赤いヒルチャールが驚きの声を上げる。
「ヤァーウ!!」
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
リーダーである赤のヒルチャールはボウガンを持っているヒルチャール達に声をかけ、ボウガンを持つヒルチャール達も声を上げる。
「ヤァウ!?ヤァウ!!」
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
「ヤァウ!!」
「ヤァ!!」
そしてリーダーの赤いヒルチャールは叫びながら、炎を纏わせた棍棒を振り掲げながら男に突進し始め、またそれと同時に男の鉄扇の突きや蹴りで吹き飛ばされた棍棒や盾をもったヒルチャール達の何体かも何とか立ち上がって男に向かう。
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
立ち上がって男に立ち向かうヒルチャール達はそのまま棍棒を掲げ、渾身の力を込めて男に叩きつけようとする。
「っ、ふっ!!」
「イヤァ!?」
「ヤァゥ!?」
しかし、それでも男は冷静に鉄扇を開いて受け止めながら受け流し、その流れのままに反撃するように棍棒を跳ね除けて、鉄扇で突きを放ったり回し蹴りで蹴飛ばしていく。
「ヤァゥ!!ャァッ!?ヤァァッ!?」」
「っ、ふんっ!!」
そして男は、また飛び掛かった別のヒルチャールの攻撃を受け流すと、今度はヒルチャールの腕を掴み、今度はヒルチャールの足を引っかけて、そのまま炎を纏わせた棍棒を振り掲げていた赤いヒルチャールの方に投げ飛ばした。
「ヤァァァッ!?」
「ヤウッ!?」
「「イギャアァァッ!?」」
男に投げ飛ばされたヒルチャールは絶叫を上げながら、赤いヒルチャールの顔面から突っ込み、投げ飛ばされたヒルチャールとそのヒルチャールに顔面から衝突した赤いヒルチャール達は悲鳴を上げながら、そのまま思いっきり地面に転げ倒れた。
「ヤゥ!?」
そしてそれを見ていたボウガンを引いて機会を伺っていたヒルチャール達は動揺の声を上げて動きを止める。
「すまんな、ちょっとその2つを借りるぞ。ふんっ!!」
「「ヤァゥッ!?」」
男は倒されたヒルチャールが手放した2つの棍棒を蹴り上げて手に掴むと、それをそのままボウガンを構えていたヒルチャールの方に振り下ろす。そしてその2つの棍棒はヒルチャール達の肩に直撃し、ヒルチャールは衝撃でボウガンを手放してしまった。
「あいよっと!!」
「イヤァゥ!?」
そして今度は、男が足元に転がっていた棍棒を蹴り飛ばす。そして、棍棒はまるでミサイルのようにその片方のヒルチャールの腹部へと真っすぐに飛んで行って命中し、ヒルチャールはそのまま悶絶しながら倒れ込んだ。
「ヤゥ!?ヤァ!!ヤゥ!?」
そしてすぐ隣でそれを見ていたボウガンを手放してしまったボウガン持ちのヒルチャールは腰を抜かして叫ぶ。それはまるで怯えているようだった。
「ヤァ!!ヤーゥ!!」
「ヤーウ!!ヤーゥ!!」
そして、倒れはしたが何とか気絶はしなかったヒルチャール達が助けを乞うように、泣き叫ぶように声を上げる。
「ん?なんだ?なっ!?」
「どうした?なに!?」
「うん?こ、これは!?」
「ヤゥ?ヤァ!?」
「ヤァッ!?」
そして、その悲痛な叫び声は、当然のごとく、その場にいた他の者達にも聞こえ、その異変に気づいたアビスの炎と水と氷の魔術師達とレザーを包囲していたヒルチャール達も自分達の仲間がたったの一人の男に追い詰められていたことに気づいて驚愕の声を上げる。
「はぁ、はぁ、はぁ…瞬詠?」
そしてその男、瞬詠にアビスの魔術師達の意識が集中したことにより猛攻が止んで、つい膝を折ってしまったレザーは息を整えながら呟く。
「いやぁ、久しぶりにこんなに注目浴びちゃったなぁ…やっぱり、慣れないわ」
瞬詠と呼ばれた男はそんなことを言いながらも、皮肉気な笑みを浮かべており、その様子からは余裕があるように見える。
「こ、こいつ…!?」
「神の目を持ってないのにあのヒルチャールの一団を…!?」
「…お、お前は!?一体、何者だ!?」
アビスの魔術師達は瞬詠に驚き戸惑っていながら、鉄扇を構える瞬詠に問いかけた。
「はぁ、俺か?…俺は名乗る名前なんて持ち合わせてないが、まあ、とりあえずそうだなぁ…『仕事人』、とでも名乗っておくよ」
瞬詠は面倒くさげに、アビスの魔術師達にそう言い放った。
「うん?『仕事人』だと?」
「『仕事人』?なんだ?何処かで聞いたことが……」
「『仕事人』、『仕事人』、なんか以前そのことで色々言われたことがあるような」
その瞬詠の言葉にアビスの魔術師達は首を傾げる。
「…分からない!!だが、そんなことはどうでもいい!!」
「そうだな!!それよりもだ!!」
「お前達!!あの男を殺せぇ!!」
しかし、アビスの魔術師達は一瞬、戸惑いを見せるが、すぐに切り替えてヒルチャール達に指示を出した。
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
「ヤァッ!!」
アビスの魔術師達の指示を受けたヒルチャール達は、それぞれ武器を構えて、ボウガン持ちのヒルチャールを矢をボウガンにつがいて瞬詠に狙いを定め、棍棒持ちや盾持ちのヒルチャールは一斉に瞬詠に飛び掛って襲い掛からんとする。
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
そして、まずボウガン持ちのヒルチャール達の矢が一斉に瞬詠に向けて矢を放っていく。
「っ!!っぅ!!」
対する瞬詠は、その場から駆け出しヒルチャール達が放ったそれぞれの元素付のボウガンの矢を、次々と間一髪のところで避けていく。
「ヤァ!!」
「ふん!はぁ!」
「ヤウ!?」
「「「ギャウゥッ!?」」」
そして今度は、棍棒を持ったヒルチャール達が棍棒を振り下ろすが、瞬詠はそれを横に転がりながら回避しつつ、起き上がると同時にそのまま1体の棍棒を持つヒルチャールの手を掴み、背負い投げで投げ飛ばし、瞬詠の元に近寄ってきた別の棍棒持ちのヒルチャール達に衝突させる。
「ヤァ!?ヤゥ!!」
「ヤゥ!!ヤゥ!!」
「ヤァーウッ!!」
「っ!!ふっ!!」
また、今度はそれぞれ左右真横から挟み撃ちするように、一斉にヒルチャール達が瞬詠に向かって拘束せんと飛び掛かり、対する瞬詠は後ろに大きくバク宙しながら、それを回避した。
「っぅ!!はぁっ!!」
「「「「「「ギャァッ!?イギャァッ!?ギヤァゥッ!?」」」」」」
次の瞬間、瞬詠を拘束しようと左右それぞれから飛び掛かったヒルチャール達はそれぞれ目の前から来た仲間のヒルチャール達と正面衝突する。そして空中を舞っていた瞬詠は鉄扇をバサリと開かせると、それぞれの方向から飛んで来た雷元素付きの矢と炎元素付きの矢を、それぞれ鉄扇で下の方にいたヒルチャール達に弾き飛ばし、そのまま雷元素と炎元素が触れあう事によって引き起こした過負荷反応による爆発によって、正面衝突してダメージを負ったヒルチャール達を巻き込んで吹き飛ばした。
「ヤァッ!?」
「ヤゥッ!?」
ボウガンを瞬詠に放っていたヒルチャール達はまさかの出来事に驚き動きを止めてしまう。まさか、自分達の攻撃を利用して瞬詠の元に突っ込んでいった仲間達を返り討ちにするとは思わなかったからだ。
「なっ!?」
「なに!?」
「なんだと!?」
「ヤァーッ!?」
「ヤゥーッ!?」
また、それを見ていたアビスの魔術師達や瞬詠に襲い掛からずにそのままレザーを包囲していたヒルチャール達は驚愕の声を上げる。
「はぁ、はぁ…っ、瞬詠…」
そして、レザーも瞬詠のその戦いぶりを見て、目を見開いていた。
レザーは今の瞬詠が、先ほどの瞬詠とアンバーが共闘していた時と違って、元素反応を引き起こす投擲瓶を完全に無かったとの話だったので、多少はそれでも彼は戦えるとしても、このヒルチャールの数やアビスの魔術師達の前では無力であると思い、瞬詠をあの場に置いて一人でアビスの魔術師達が率いていたヒルチャール達の集団に挑んだのだ。だが、結果はレザーの予想を大きく裏切るものであった。
「ヤゥ!?ヤゥ!!」
「ヤゥ!ヤゥ!?ヤァッ!?」
「ヤァッ!!ヤァッ!!」
「っぅ!?はあっ!?お前達!!落ち着け!!」
「なっ!?っ!!狼狽えるな!!あいつはたったの一人だ!!」
「なにっ!?っぅ!!何を言っている!?奴はただの人間だ!!それに数の利はこちらにあるんだぞ!!」
そして、そのレザーの予想を裏切った光景を見たヒルチャール達は慌てふためいて混乱し始め、それをアビスの魔術師達は慌てて声を上げて指示を出して落ち着かせようとし始める。
「…ふっ」
そしてヒルチャール達の混乱ぶりを見た瞬詠は、至近距離に迫ったボウガンの矢を鉄扇で弾いた時による痺れや熱が刺すような痛み、若しくは瞬詠の自爆とは言えクレーの爆弾によって奔狼領まで吹き飛ばされた事により、本来は身体を激しく動かしたくなかったのにも関わらずに更なる戦闘行動をしてしまったことにより、痛めた体の節々に走る痛みに顔を僅かにしかめながらも、混乱しているヒルチャール達やアビスの魔術師達に対して不敵な笑みを浮かべてみせる。
「…っ!!ぁぁぁっ!!」
そして瞬詠は雄たけびを上げながら、その場から駆け出す。混乱しているヒルチャール達に突っ込み、そして混乱により包囲が緩みつつあったレザーの元へ一直線に走り出した。
「ヤァゥ!?」
「ヤァッ!?」
「ヤァ!?ヤァァッ!!」
レザーの元に駆け出した瞬詠を見て、混乱していたヒルチャール達は更に混迷を極める。先ほどまでの元素力を使えないのにも関わらず、ありえないような彼の強さを目の当たりにしたことにより、自分たちに向かって駆け出した瞬詠の姿を見て、腰を抜かしたり彼から離れようとするヒルチャール達、またどうすればいいか分からずその場に立ち尽くしたり、ただ恐怖に駆られてなのか、それとも自分自身を奮い立たせるためのか、ただ叫び声を上げるヒルチャール達、そして中には果敢にもレザーの元に行かせまいと、レザーの包囲網や別グループの元から瞬詠に駆け出したヒルチャール達、動揺しながらもボウガンを構えなおして狙いを定めなおすボウガン持ちのヒルチャール達と、様々な反応を見せており、先ほどまでレザーに見せていたような組織的な動きはもう見られなかった。
「ヤァゥ!!」
「ヤァッ!!」
駆け出したヒルチャール達はレザーの元に走る瞬詠の元に殺到する。
「っ!!ふっ!!あまいっ!!」
「ヤゥッ!?」
「ヤァッ!?」
「ギャァゥッ!?」
対する瞬詠はそのヒルチャール達の動きを見切りながらヒルチャールの攻撃を回避しつつ、時には鉄扇でヒルチャールの攻撃を弾き、よろめいたヒルチャールを掴んで投げ飛ばして他のヒルチャールにぶつけたり、また場合によってはヒルチャールに蹴りを放ち、鉄扇の突きで吹き飛ばす。そして今度は今までとは違い、瞬詠は鉄扇を閉じて、自分からヒルチャールに接近して、ヒルチャール達の首辺りに鉄扇を振るうことで、そのヒルチャール達の意識を次々と刈り取っていく。
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
ボウガン持ちのヒルチャール達がそれぞれの元素を付与した矢を放つ。
「っ、ふっ!!」
それらを瞬詠は鉄扇を使って弾き飛ばしていき、場合によっては巧みに振るう鉄扇の角度や速度を調節しながら、瞬詠がかわしたことにより後ろから追いかけてくるヒルチャール達に向かって弾き飛ばして、彼らに弾き飛ばしたそれぞれの元素反応を利用した超伝導や溶解反応を利用して怯ませたり、或いはそのボウガンの矢の軌道を変えて彼らの目の前の地面に着弾させて過負荷の爆発によって妨害したり、上手く活用していきながら駆け抜けていく。
「ヤァッ!?」
「ヤゥッ!?」
「っぅ!?」
「あ、あいつ!?」
「嘘だろ!?」
ヒルチャール達とアビスの魔術師達は、瞬詠を止めるべく襲いかかったヒルチャール達をまるで辻斬りの如く、鉄扇を振るってヒルチャール達を次々と気絶させたり、放たれたボウガンの矢を薙ぎ払いながら、灰色の風の如く戦場を駆け抜けていく瞬詠の姿に驚きの声を上げた。
「邪魔だ!!どけえっ!!」
瞬詠は目の前に迫ったレザーを包囲するヒルチャール達に大声で叫ぶ。
「ヤゥッ!?」
「ヤァッ!?」
瞬詠の呼びかけに反応したそこにいたヒルチャール達は、元々瞬詠に対して恐怖を抱いて、腰を抜かしたりその場から離れるべきかと戸惑っていたため、瞬詠が叫んだ瞬間に慌ててその場から離れようとし、向かってくる瞬詠に対してボウガンで狙おうとしたヒルチャール達も、瞬詠はそれすらも利用したことにより、結果的に仲間達を傷つけてしまった事からボウガンで射るのを躊躇ってしまう。
「はぁ、はぁ、レザー!!大丈夫か!?」
そうして瞬詠は、ヒルチャール達が混乱していた事によりレザーを包囲していたヒルチャール達の包囲網を突破することに成功し、そのままレザーの元に辿り着く。
「瞬詠…何とか大丈夫だ」
レザーはアビスの魔術師達の先ほどまでの猛攻により疲れきっているのか、肩で息をしながら、それでも自分を心配するかのように近づいてきた瞬詠に対して、少しばかり無理をしてでも笑みを浮かべてみせた。
「はぁ、はぁ、はぁ、良かった。レザー、立てるか?」
瞬詠はレザーに手を貸す。
「っ、ありがとう、瞬詠」
レザーは瞬詠の手を借りて立ち上がる。
「…瞬詠」
「何だ?レザー?」
「……ごめん、瞬詠に酷いことを言って」
レザーは立ち上がると瞬詠に向かって頭を下げる。
「…別に気にしてない、気にするな。レザー、お前が俺を巻き込まないために俺を突き放したってことくらい分かってるさ。それに俺はそんな事でレザーを責めたりしないから安心しろ」
「あぁ……」
瞬詠の言葉を聞いて、レザーは申し訳なさそうな表情をする。
「それよりも今はだ、レザー」
「分かってる、瞬詠」
瞬詠とレザーは互いにヒルチャール達やアビスの魔術師達に視線を向ける。
「ヤァッ!!ヤァッ!!」
「ヤゥッ!!ヤァゥッ!!」
「調子に乗りやがって!!」
「生かして帰さないぞ!!」
「お前達二人をこの場で殺してやる!!」
ヒルチャール達とアビスの魔術師達はレザーと瞬詠に怒りをぶつけるように叫び声を上げる。
「…っ」
レザーはいきり立つヒルチャール達とアビスの魔術師達の前に、気圧されてしまい身体が震えてしまっているものの、それでも覚悟を決めるように目つきを細める。
「…はんっ」
そして、レザーの隣に立つ瞬詠は彼らに対して鼻で笑う。瞬詠は既にとある事を見抜いていた。
「…ふーん」
(なるほど、好都合だ)
瞬詠は内心でほくそ笑みながら、一瞬だけアビスの魔術師達に視線を向ける。
「…レザー、頼みがあるんだが。アビスの水の魔術師をレザーに任せても良いか。アビスの炎の魔術師と氷の魔術師は俺が引き受ける」
瞬詠はレザーの方に視線を向けて、そう告げるとレザーは僅かに驚くような表情を見せた後、すぐに真剣な顔付きになる。
「分かった。だが瞬詠、奴らは炎と氷の魔術師二体だけじゃない、ヒルチャール達もいる。本当に大丈夫なのか?」
レザーは、どこか不安そうに瞬詠に向かって尋ねる。
「あぁ、問題無い。この程度の事が出来なければ、刻晴の奴に怒られたり文句言われたりするからな。まったく、こっちは暴走女みたいに神の目なんか持ってないのによ。それにレザー、安心しろ。そうだな…レザー、まずは今のヒルチャール達をよく観察してみろ」
「ヒルチャール達を?」
レザーは瞬詠の言う通りにヒルチャール達を観察してみる。
「ヤァッ」
「ヤゥッ」
「ヤァー」
ヒルチャール達は瞬詠とレザーに対して威嚇するように吠えていた。
「…うん?瞬詠、ヒルチャール達、さっきからずっとああしているが、オレ達を全く襲いかかってこなくないか?」
レザーは瞬詠に言われてからヒルチャール達を観察すると、今まで自分に対して散々攻撃を仕掛けてきたヒルチャール達が全く攻撃してこないことに気付く。
「あぁ、そうだ。ヒルチャール達は踏み込んでこれない。何故なら、あいつらは今はとても警戒しているから。まぁ、当然だな。それとあいつらの足をよく見てみろ」
「足?…あっ」
瞬詠の指摘を受け、レザーはヒルチャール達の足に注目してみる。すると、ヒルチャール達の足が僅かではあるが震えていている事に気づく。それはまるで何かを恐れているかのような様子だった。
「レザー、ヒルチャール達が恐れているのは何だと思う?」
「……瞬詠、お前か?」
「まぁ、半分正解だな。…自分で自分が強いって言うと、自画自賛になってしまうが」
瞬詠はレザーの言葉を聞いて、小さく笑みを浮かべる。
「今の状況で言えばアビスの魔術師達は正直まだよく分からないが、少なくともヒルチャール達どもはああいう感じで強気な態度を見せているものの、内心では俺やレザーを恐れ警戒しているという事だ」
「なに、オレもか?」
レザーは瞬詠の発言に驚き、思わず瞬詠の顔を見る。
「あぁ、そうだ。レザー、だってあのアビスの魔術師達が指揮していたヒルチャール達の軍団、そしてあの炎と水と氷とアビスの魔術師達の猛攻を何とか凌いでいたんだぞ?その事実から見て、レザーは決して弱いという分類には入らないさ。もしも、レザーが本当に弱いという分類に属していたら、今頃そこの土の上でくたばって死んでいたさ。ただ、それだけだ。…だが、そうではなかった。むしろ、その力を完全に使いこなせてないのに、あの猛攻を何とか凌げる強さを発揮していたことから考えてみれば、磨けばかなりの実力者になれる有能で有力な人材、俺はそう思ったぞ?」
「…………」
瞬詠の褒め言葉を受けて、レザーは何も言わずにただ黙り込む。だが、レザーは自分の中に瞬詠のその言葉が響いている事を自覚する。
「瞬詠」
「なんだ、レザー」
「ありがとう、瞬詠のお陰で少し自信がついた気がした」
「礼なんて別に良い。俺はただ客観的な事実と俺の主観的な意見を述べただけにすぎないからな」
「そうか」
瞬詠は腕を組みながらレザーにそう言いながら微笑み、レザーは少し気恥ずかしそうに瞬詠から少しだけ視線を外しながらお礼を言う。
「…なぁ、瞬詠。一つ気になったんだが、聞いても良いか?」
「うん、なんだ?レザー」
レザーは瞬詠にそう尋ねると、瞬詠は首を傾げながらもレザーに尋ねる。
「瞬詠は、どうしてそこまで強くなれたんだろうなって思って」
「強くなれた?」
「そうだ。元素力を使えないのにも関わらず、ヒルチャール達を投げ飛ばしたり、開いたり閉じたりすることが出来る短い棒みたいな物を使って、ヒルチャール達の矢を利用したり、向かってきたヒルチャール達を次々と倒したあの強さは一体どこから来ているのかと不思議に思っていた」
「あぁ、そういうことか。まぁ、そうだな。…本当に色々だな」
瞬詠はそう言うと複雑そうな表情を浮かべる。その表情はまるで昔の思い出を懐かしむような、それでいてどこか悲壮的でまるで苦虫を嚙み潰したような悲しさや寂しさ、そして後悔の念と言ったもの達が瞬詠の中で入り混じったような、そんな表情であった。
「瞬詠?」
「あぁ、悪い。なんでもない。…それよりその質問に答えるとするなら、俺が強くなった理由は率直に言ってしまえば、まぁ色んなことをしてきた経験や、色んな事や物を見てきた経験だろうな」
「経験か?」
「あぁ、そうだ」
瞬詠は頷きながらレザーの問いに肯定し、レザーは瞬詠の話を聞く。
「そうだな、例えばヒルチャール達を投げ飛ばしたことに関しては、あれは柔術っていう武術をちょっとした護身目的で色々とかじった経験だ。そしてレザーの言う開いたり閉じたりすることが出来る短い棒みたいな物は鉄扇っていう物なんだが、この鉄扇を稲妻で知り合いから貰った時にこれは武器にも生活にも使えるという話だったから、折角ならただの扇子みたいに仰ぐだけじゃなく、本来の用途の鉄扇としても使えるよう、戦闘時の鉄扇の扱い方や、様々な鉄扇術に関して調べ回った経験だな」
「柔術、それに鉄扇と鉄扇術…そして稲妻……オレ達で言うモンドって事なのか?……とにかく、オレの知らない言葉ばかりだ」
レザーは瞬詠の説明を聞いてもいまいち理解出来ずに困った様子でいると、瞬詠はレザーの様子を見て小さく笑みを浮かべる。
「あぁ、そうだ。稲妻は国の名前だ。モンドを基準に言えばここから遥か南東に位置する群島国家で、端的に言ってしまえば岩神である岩王帝君や璃月七星達が統治する国である璃月であるように、雷神である雷電将軍やその雷電将軍の指導の下、統治機関である稲妻幕府が統治する国である稲妻といった感じの国だ」
「そうなのか…もしかして、瞬詠は稲妻出身なのか?」
「稲妻?…いや、違うが。まぁ、この場合だと第二か第三の故郷になる…かもしれないな。それなりの長い期間は稲妻にいたことになるわけだし。…それに、今になって思うと、稲妻には結構な数の知り合いや顔見知りもいるわけになるしな」
(各地を転々としていた濃厚で自由気ままな風の流浪人で、俺に訪れた地で見たことや感じたことを教えてくれる男。
鳴神島の花見坂に住む花火職人で子供達に慕われ、場合によってはいきなり何も知らない俺を平然と巻き込んで共にトラブルを解決してきた女。
そしてその彼女の親友であり、おしとやかで人々から深く慕われており兄思いでもある白鷺の姫君の彼女で、俺の個人的な相談に乗ってくれたり、また自分の武装船隊の話や船旅で何を見てきたのか、どんなことがあったのかを興味を持っていたご令嬢。
その白鷺の姫君の兄であり穏やかで真面目な妹思いの神里家の当主で、たまに妹の彼女と共にその話を聞いたり、また主に自分の知る限りの稲妻の外の国の情勢等の話や、外国のありとあらゆる制度や文化についての話に興味を持って聞いて質問をし、そしてあの日のあれに巻き込まれたせいで、偶々だが彼の別の顔を知ってしまって、自分にその出来事を口外しないとの秘密を約束させた役人である彼。
また神里家の家司として神里家の掃除や料理、社奉行での様々な活動や白鷺の姫君の望みを叶えるために毎日疾走する男で、俺にとっては色んな意味でお世話になり一種の恩人とも言える彼。
その当時、詳しいことは良く分からなかったが終末番という組織の忍で、作業等をしていて気がついたら、なぜかよく自分の隣かすぐ近くで熟睡していた幼女。
後は生真面目で苦労人な天領奉行の大将の女で、出会った際に仕事がかなり大変そうだったので気を利かせて、偶々持っていた不卜廬の薬草や薬をあげたら後日に凄く感謝されて、そしたらいつの間にか稲妻に訪れる度に、自分が彼女の要望の薬草や薬を現地で購入して、稲妻に着いたら彼女と代金と引き換えにがそれらを彼女に渡すという自分と不思議な関係になった彼女。
他に天領奉行に所属する探偵の男で、天領奉行に所属しているが他の者達とは本当に正反対で、なぜか自分に恨みでもあるのか毎回毎回、何かしらの事件の犯人の逮捕劇に俺を巻き込んだり、上司であるのか分からんが、先程の天領奉行の大将の女とその男の追いかけっこに自分を巻き込んでくる、傍迷惑な奴だが、根は悪いやつではない彼。
物凄く騒がしい鬼族の男で、子供達と戯れている花火職人の彼女や俺によく突っかかって突撃してきて、最終的に俺達と共に子供達と一緒になって遊んだり楽しんだりしている角の生えた男。
おまけに鳴神大社の宮司で、毎回全く気配を感じさせずに背後から急に話しかけて驚かせたりする女性で、たまに神里家の当主である役人の彼の事を聞かれたり、彼に何を話したのかを聞いてくる不思議でちょっと恐ろしさのある女性。
そして、海祇島の現人神と呼ばれているあの巫女で、確かかつて雷神に破れた魔神オロバシの意思を引き継ぎ、海祇島を守ろうとする現人神の巫女で、とある日に俺は武装船隊の船隊の目としての活動がもっと出きるように、いつものように超長距離飛行や超長時間飛行の練習をした際、風を読むのを誤ってしまって、そのまま海祇島に錐揉みしながら、派手に墜落した時に助けてくれて、そのまま手当てしてくれた人で、ある意味本当に命の恩人と言っても過言ではないかもしれない彼女。
またその付き人として、彼女の隣にいたよく隣に居た海祇島の大将の男で、彼の命令によって島の軍隊が協力してくれたおかげで迅速に手当て、また安静する場所を手配してくれた事により、すぐに酷い怪我も何とかなったという、彼女と同じく恩人である男。…と言った者達等といったところか)
瞬詠は稲妻で知り合った人達の面々を思い出しながら心の中で呟く。
「…はぁ」
(…そして今の稲妻は前にいきなり鎖国を発表してそのまま鎖国を行って、しかも今でも信じられないが、それとほぼ同時に雷電将軍が「目狩り令」を発令して、それに伴って稲妻幕府が神の目の徴用を本当に始めたという事みたいだしな。…今は多少はましにはなってきているという話であるものの、まだ酷く混乱しているみたいだし、詳しい事は良く分からない。最新の情報がこっちに早く入ってこないから何とも言えない…おまけに、元々稲妻は海祇島関連で色々と問題を抱え込んでいた筈だ。そうなると、もしも悪い意味でそれとこれがかみ合った場合、最悪下手したら…)
瞬詠は憂鬱そうにため息をついて、まるで頭が痛いと言わんばかりの表情をする。一瞬ではあるが、瞬詠の脳裏に知り合い同士が争い、互いの命を奪い合わんと殺し合いを演じる。そのような場面が浮かんできてしまったからだ。
「…瞬詠?…あ、瞬詠。因みに瞬詠の第一の故郷ってどこなんだ?」
レザーは瞬詠の表情の変化に気が付いて、心配そうに瞬詠の顔を見る。そして、レザーは瞬詠のそれから少しでも気分を紛らわせようと、稲妻の話題から別に話題への転換を試みた。
「第一の故郷か…故郷ってわけでは無いんだが、俺の第一の場所は死兆星になるな」
瞬詠はレザーの気遣いに気が付き、少しだけ表情を緩めた。
「…死兆星?」
レザーは瞬詠の言葉に疑問を抱く。何故ならば、それは明らかに国や地域のような名前ではなく、また聞いたこともない言葉であったから。そしてその疑問に対して瞬詠はレザーに説明を始める。
「あぁ、そうだ。死兆星というのは、璃月の「南十字」武装船隊の旗艦「死兆星」号の事だ。まぁ分かりやすく言えば、少し想像するのが難しいかもしれないが、海で戦うことができる大きな武装船と考えて貰えばいい」
「武装船?」
レザーは難しそうな表情をする。
「うん、そうだ。まあレザーが育った奔狼領じゃ、海が無いから分からないな。とにかく、俺はその船が第一の場所になるな。俺は気が付いた時、物心が着いた頃には既にそこで暮らしていたと言っても良いほど過言では無いからな。だから、その場所が故郷と言ってもいいのかもしれない」
「そうなのか」
レザーは意外そうに目を丸くする。
「あぁ、そうだぞ。船に乗っていた頃は死兆星号の船長、そして南十字武装船隊のリーダーであった北斗の姐さん達に、良くも悪くも毎日振り回されまくっていたからな」
瞬詠はそう言いながら、少しだけ笑みを浮かべる。それはまるで懐かしい思い出を語るかのような表情であり、それと同時に例えるなら、親に叱られても、それでもどこか嬉しそうな子供のようなそんな雰囲気を感じ取ることが出来た。
「へぇ~、そうなのか」
「あぁ、そうだ。まぁ、この話の続きは後にしよう。そろそろ頃合いだしな」
「……」
瞬詠とレザーはそれぞれヒルチャール達とアビスの魔術師達の方に視線を向ける。
「ヤァ!!」
「ヤゥ!!」
「ぐぬぬ…!!」
「こいつら…!!」
「ふざけやがって…!!」
ヒルチャール達とアビスの魔術師達は、まるで瞬詠とレザーが自分達の事は眼中無しと言うような態度を取って、普通に自分達の存在を無視して話をしていた事に苛立ちを覚えていた。
「…あ~あ」
(だいぶお怒りになってるな)
瞬詠はいきり立っていたアビスの魔術師達とヒルチャール達を見て、嘲笑うかのように鼻で笑う。
「…」
そして、瞬詠はチラッとレザーの方を見る。
「…」
レザーは黙って警戒するようにアビスの魔術師達を見つめている。だが先程までのように気圧されて身体が震えてしまっている事はなく、今は瞬詠と話して自信をつけ、また安心した事も相まってか、今のレザーは先程までとは違い、しっかりと前を向いており、もう完全に落ち着きを取り戻していた。
「…もう大丈夫そうだな」
(よし、これなら問題ないな)
瞬詠は今のレザーを見て安心したかのように小さく微笑む。
「…レザー、それじゃあアビスの水の魔術師の件は頼むぞ。倒せなくても構わないし、倒す必要はない。まずは、アビスの魔術師達が連携できないように分断した上て、俺の方で炎の魔術師と氷の魔術師を…そうだな、効率を考えると、まずは氷の魔術師を無力化させた後に、そのままの流れで俺とレザーで一気に残りのアビスの魔術師達を各個撃破、無力化していく方針で行くとしよう。あ、そう言えば…」
瞬詠は一瞬だけ、視線を上の方に向けてすぐに元に戻す。
「…やはりか。やっぱり、最優先目標は氷の魔術師だな。レザー、結果的にアビスの魔術師達を何とかすれば、それに伴って既にある程度烏合の衆状態になっているヒルチャール達はそのまま完全に自壊していくだろう。だからそのために、まずはレザーにはアビスの水の魔術師の妨害を徹底してもらうぞ」
(おまけにルピカ達も傍で控えているしな)
瞬詠はチラッとルピカ達が潜む草むらの方に視線を向けた。
「分かった」
そしてレザーは瞬詠に力強く返事をした。
「よし、いい返事だ。レザー、課せられた『役割』はしっかりと果たせよ」
瞬詠はレザーを鼓舞するような言葉をレザーにかける。
「……うん」
レザーは瞬詠の言葉に嬉しそうな表情をして答える。
「……よし、行くぞ。レザー。休憩時間は終了だ。仕事の続きと行くとするか。……これより、行動を開始する」
「あぁ、オレに任せろ。瞬詠」
「おぅ、任せたぞ。レザー」
二人は互いに頷き合う。そして、次の瞬間、瞬詠とレザーは行動を開始した。
後書きに回した分量が足りない場合に行う場合のとあるエピソードですが、これは(直接的な描写はまだしていませんが、瞬詠が北斗の元から疑光に引き抜かれて疑光の部下として動いた後に、今度は刻晴の直属の部下になる前の)北斗の死兆星号に乗っていた頃の時代(より正確には、それに伴って死兆星号含む南十字武装船隊が稲妻での物資の補給を受けるためや、また稲妻のとある人物からの依頼を受けて璃月から持ってきた荷物等の運搬のために停泊した影響で、瞬詠が定期的に稲妻に滞在していた頃のとある過去の稲妻編)となります。
尚、繰り返しになりますが
もしもよろしかったら第5話の2問目の再アンケートの件の回答もよろしくお願いします。
(アンケートやり直しがする必要が無ければ、予定通り煙緋目線の回を、やり直しであればまた5話のアンケートを8話投稿時に行います。今回の回答期限は前回は二週間だったのでまた二週間後の8月1日の夜中辺りに締め切ろうかと思います)
以上です、よろしくお願いします。
追記
・弓矢からボウガンの修正を行いました。
追記2
文字間隔の調整を実施中…
→文字間隔の調整終了しました。
第5話に置いてしまった2問目の璃月のキャラのアンケートはもう一度行うべきでしょうか?また、その際に第5話に2問目のアンケートがあることに知っていましたでしょうか?
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行うべき(アンケートは知っていた)
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行うべき(アンケートは知らなかった)
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行わない(アンケートは知っていた)
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行わない(アンケートは知らなかった)