涼月の夜   作:sudachi0402

15 / 16
お久しぶりです。
ほんとに忙しくて手が付けられませんでした…m(_ _;)m


終焉

 

 

 

 

 

翌朝、雪風達は海域の調査へと向かった。   

 

 

しかし目ぼしいものは何もなく、なんの成果も上げることができなかった。

 

雪風「何もありませんねぇ…」

 

矢矧「そうね…どうしましょうか…」

 

江風「一旦報告に帰る?」

 

海風「もう少し索敵範囲を広げて探してみませんか?この海域は既に掃討済みの場所ですし…」

 

山風「うん…私も…それに賛成…」

 

谷風「そうと決まれば行きますか!」

 

皆が再出発しようとしているとき、雪風がなにかに気がついた。

 

雪風「待ってください!あれはなんですか?」

 

雪風の指差す方向を見ると何かが浮かんでいた。

 

近寄って拾い上げてみると雪風の顔が驚きの表情で固まった。

 

雪風「これは…あの人の…」

 

矢矧「これは…秋月型の主砲?でも…少し違うわね…」

 

雪風「はい…ですが…明石さんに見せれば何か分かるかもしれません…それに…」

 

海風「それに?」

 

雪風「いえ、何でも無いです。帰投しましょう。」

 

皆無言で頷きあった。

 

帰投中も雪風はずっと考え込んでいる様子だった。

 

帰投後、雪風はすぐに提督のところへ向かおうとしたが鎮守府が何やら慌ただしかった。

 

飛龍さんが急いで艤装をつけてこちらへと向かってきた。

 

飛龍「調査お疲れ様!疲れてるところ悪いんだけど…すぐ出撃よ…敵の、本拠地までの海路が確保されたわ。増援が来る前に全力で叩くみたい。」

 

矢矧「な、!了解しました。詳しい話は何処で?」

 

飛龍「作戦会議室で長門さんが居るはず!そこで聞いてちょうだい!」

 

雪風「あの!提督への報告は…」

 

飛龍「今回は…提督も前へ出るそうよ…もう先に第一艦隊と共に出撃したわ」

 

雪風「そうですか…」

 

雪風は少し嫌な予感がした。

すぐに長門さんのとこへ行き、作戦概要と作戦行動を聞き直ぐに雪風達の艦隊も出撃をした。

 

雪風の嫌な予感は当たっていた。

 

ボスもほぼ沈みかけだが、第一艦隊にもかなりの損害が出て撤退が不可能レベルまで行ってしまったそうだ。

それだけならまだ後続の第二艦隊が援護できるのだが、悪いことに敵の増援が予想よりかなり早く到着したのだ。

 

現在艦娘側はかなり不利な状況にあった。

ほか鎮守府の艦隊が到着するまであと一時間弱もあった。

 

雪風は焦っていた。

(このままじゃしれぇが…)

 

そう思うと焦って敵の勢力圏内で一人先行しそうになった。

 

矢矧「焦る気持ちはわかるわ。でも。落ち着いてね。あの人ならきっと大丈夫だから。」

 

雪風は失うときは呆気なく失うことを知っていた。

だから矢矧の言葉に落ち着きはしたが素直にうなずく事が出来なかった。

 

(雪風は…約束しました。あの人と!しれぇを守るって!)

 

 

だが、現実は残酷だった。

 

雪風達が到着したとき、今まさに提督の乗る船が追い詰められていた瞬間だった。

護衛&第一艦隊の艦娘達は既に満身創痍でまともに戦える者は数名しかいなかった。

 

そんな中、敵艦載機が提督の艦隊の真上に現れた。

 

必死に護衛達が対空砲火を行ったが、数が多く次々と沈められていった。

 

間に合わない。

雪風はそう思った。

 

見たくない。

 

ゆっくりと時間が進んでいるように感じた。

 

提督の真上に敵機が現れた。

雪風は目を瞑った。

 

そして…

 

「いやぁぁあ!」

 

そう叫んで雪風はその場にへたり込んでしまった。

 

大きな爆発音が響いた。

 

直前に雪風の目に映ったのは仲間の沈んでいく姿。

そして…

 

代わりに守ると誓ったはずの人の船の上に落ちていく爆弾だった。

 

 

 

 

爆発音が響いて雪風が目を瞑ったその直後から突如として飛行機の音が鳴り止んだ。

 

ゆっくりと目を開けると、そこには。

 

 

冷たい、何も映っていないような目をした「深海棲艦」がいた。

深海棲艦の艤装からは煙が立ち上っていた。

雪風は目を見張った。 

雪風はそれが誰かわかったような気がした。

 

矢矧「あの艤装…さっきの海域で拾った…」

 

雪風「そんな…嘘…」

 

ふと提督の居た場所へと視線を向ける。

船は沈んでいなかった。

はっとして提督の元へと走った。

 

雪風「しれぇ!大丈夫ですか!?」

 

提督「あぁ…何とか生きている…今のは…何だ。何があった…」

 

そう言って上半身を起こして目の前を見た提督は驚きのあまり目を見張った。

 

提督「あ…あ…あ、嘘…だよ…な?」

 

その深海棲艦はゆっくりとこちらを見ると優しく笑ったように見えた。

 

提督「涼月…」

 

 

…………

 

 

 

私は怒っていた。

 

目の前の深海棲艦共は少し驚いているようだ。

 

後ろを振り返ると提督は雪風さんに守られていた。

雪風さんがいるなら大丈夫だと、私は思った。

 

日暮れが近くなってきた。

 

 

私は知っていた。

もう戻れないことを。

だから姿を表さなかった。

 

だけど。

 

私はあの人に生きていてほしい。

 

それが一番の願いだった。

 

愛している

 

もっと話したかった。

もっと笑い合いたかった。

 

たとえ無理でも。

私の愛した人の命を脅かすものは許さない。

 

私は艤装を撫でると敵と向き合った。

 

とてつもない数だ。

今まで戦ったことのない量だ。

 

戦いの火蓋は切って落とされた。

 

私は自分の出せる最大の力を使って戦った。

守ると誓った。

 

私は、絶対に勝つんだ。

そう思った。

 

 

………

 

息が苦しい。

この数分で大半の雑魚敵を始末した。

 

しかし、それと同時に私も相当のダメージを受けていた。

 

もう一瞬でも気を抜いたら倒れそうだった。

 

敵の砲撃を避けたとき、目の前に別の敵から砲塔を向けられていた。

 

避けられない。

 

そう思った。

 

ここまでなのかな…

 

私はここで沈むのかな…

 

そう思ったときだった。

 

 

突如として大きな砲撃音が響いた。

 

ふと前を見ると私を狙っていた深海棲艦が吹き飛んでいた。

 

支援艦隊が到着したようだ。

 

そこからは圧倒的だった。

 

みるみる敵の数が減っていった。

 

ふと周りを見ると支援艦隊のメンバーの数人が私にも砲を向けていた。

 

提督の撃つなと言う叫び声が聞こえた。

 

私はその場にへたり込んで暫く動けなかった。

 

とっくに限界は超えていた。

 

足が徐々に沈み始めていた。

 

瞼が重い…

 

(また沈むのかな…無事なら…いいか…)

 

そう思って目を閉じのさ永遠の眠りにつこうとしたとき。

 

私誰かに支えられた。

 

目を開けると目の前には提督の顔があった。

 

提督「また、俺の前から居なくなるのかい?涼月…」

 

私は目を大きく見開いた。

 

「な…何故…私は深海棲艦なのに…」

 

そういうと提督は笑ってこういった。

 

提督「愛した人を忘れてどうする」

 

私の目から涙が零れ落ちた。

 

指輪が光った。

 

 

 

真っ白な世界に包まれたようだった。

 

光が収まると変わったことが一つだけあった。  

 

 

私の姿がもとに戻っていたのだ。

 

 

月が海を照らし、綺羅びやかに波が光を反射していた。

 

提督「おかえり…涼月…」

 

そう言って提督は私を抱きしめてくれた。

 

私も泣きながら抱きしめ返した。

 

「涼月…ただいま…戻りました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

n年後。

 

「n年前の今日が初めてお前とあった日だな。桜が綺麗だったことを思い出すよ。」

 

「そうですね。懐かしい、もうこんなに年月が経ったんですね。」

 

「そうだ。久しぶりに鎮守府へ顔を出すのはどうだい?姉妹が確かこちらへ着任していただろう?」

 

「良いですね。はい、確か手紙ではそう言ってました。」

 

「鎮守府か、懐かしいな…雪風に娘の顔を見せてやると約束したからな。ついでに見せてやろう。」

 

「私も雪風さんに久しぶりに会いたいです…どうしてるんでしょうね。」

 

「アイツのことだ。どうせ楽しくやってるよ。」

 

「それもそうね。」

 

「思い出がたくさん蘇ってくるよ。鎮守府へ行ったらまた屋上で夜景を見に行かないか?」

 

「確かにそうですね…色々ありましたものね…

  

それはいい考えですね!はい…あなた!喜んで!」

 

彼女の指には提督と同じ指輪が輝いていた。

 

 

涼月の夜  完

 

 

 




完結…
処女作にしては結構成長したと思ってます。

終わり方もちょっと満足行ってないので要改善ですね…

見てくれた皆様。本当に有難うございました!
至らない所沢山あったと思いますが沢山の方に読んでいただき、とても書いていて楽しかったです。

また別の作品でお会いしましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。