盟主に気に入られちゃったし三馬鹿が美少女だった(仮題) 作:樽薫る
「はぁ……」
深いシンの溜息。
ディオキアの街……周囲は“ラクス・クライン”のライブで盛り上がっている中、憂鬱という表情をしている彼だが、気にするような者はそうもいまい。
彼が考えているのは、もちろん“
ディオキアはユーラシア西側、黒海沿岸に位置する街だ。
地球連合軍が武装支配していた故に反地球連合感情が強く、解放後、ザフト軍はあっさりと受けいれられるどころか、むしろ歓迎ムードですらあり、昨今の地球での連合の立場の悪さが伺える。
実際のところ、そういった地域は少なくはないようで、各地でレジスタンスなども増えており、インド洋での戦闘後にミネルバが向かったガルナハンでも同様であった。
ガルナハン……ローエングリン砲台が設置されたローエングリンゲートでの作戦。
高所に設置され、強固なシェルターと陽電子リフレクター装備のモビルアーマー『ゲルズゲー』に守られたローエングリン砲台の破壊任務。
現地協力員、つまりレジスタンスからの情報を元に、インパルスが坑道を潜り抜けローエングリン砲台付近へ地球軍に気づかれぬように接近、そして強襲をかける作戦であった。
三機の小型機への分離機能を持つインパルスだからこそ可能であり作戦の要である任務。だが、敵モビルスーツとモビルアーマーを出来うる限りローエングリン砲台から引き離し、陽動を行う部隊の責任も決して軽い物ではない。
挙句にローエングリン砲台からの攻撃や敵機からの攻撃なども回避しつつ、という非常に危険なものではあったのだが、結果としてミネルバ隊のアスラン、ルナマリア、レイ……そしてマユ・アスカの活躍によってインパルスは無事にローエングリンゲートの破壊を達成、ガルナハンの街を解放したというわけだ。
◇ ◇ ◇
ローエングリンゲートでの作戦よりも前、ウィレームたちB.A.E.Lと共闘したインド洋での戦闘の後、乗艦したマユとの口論直後、シンは程なくしてタリアに艦長室へと呼び出しを受けた。
妹のことで、謝罪することも説教を受けることも覚悟していたが、艦長室に入るなりタリアが見せた表情は、思ったよりずっと“同情的”だった。
タリアが深く息を吐いて端末を差し出せば、シンはそれを受け取りそこに表示されていた“伝達”を読む。
「えっ……」
要約すれば、言い合いの際にマユが言っていたことにほとんど相違はなかった。
一定条件下でのモビルスーツの独自の判断での使用、及び作戦行動への参加自由……ただしその際は、戦闘指揮を執っている指揮官の命令には従うことや、戦闘行動は明確に自身への危険が差し迫った時のみ、等々頭が痛くなることが山ほど書いてある。
これでタリアの視線の意味もわかり、シンは怪訝な表情を浮かべながら、端末をタリアへと返す。
「議長は、なにを考えてるんですか……あんな子供にそんな……」
「ギ……議長から私宛の伝達じゃぁ、貴方の妹、マユのことを考えて、だそうだけど」
「考えた結果がこれなんですか?」
「マユについては、少し直情的なところがあるでしょう? 先の戦闘でもそうだけど、その前のオーブ沖での戦闘だって、普通なら要注意で済むものではないわ。それにアーモリーワンから出航後も、マクスウェル大尉がいなければあの子が飛び出していきそうな勢いだったわ。議長は“だから”とのことよ」
つまり、マユが感情任せに勝手に動いてしまう前に、動く権利を与えて処罰が下らないようにした。ということらしい。
大きなマイナスを生み出す前に、小さなマイナスで片を付ける。実に彼らしいことだなと、タリアは“実体験”を思い浮かべ、苦笑を零す。
それが、さらに大きな負に陥る可能性もあるというのにと……。
だが、にしても今回は些か違うなにかをタリアはどことなく感じていた。上手く説明はできないが……。
「艦長、その、マユのこと……」
「あ、ええ、そうね。こうなっては私達に彼女を止める術もないわ。議長直々の特権、ライセンス持ちというわけだし……」
「くっ……」
拳を握りしめ悔しそうな表情を浮かべるシンを、タリアはどこか心配そうに見やる。
彼が人一倍努力して今の座を掴みとったことは理解していた。オーブから難民としてやってきて、プラントに後ろ盾もなにもないというのに、実力一本でそこまでのし上がったのだ。
それに軍の技術開発に協力する妹の世話もして、今では戦場でも妹の安否まで気にしなければならない。
だからこそ……。
「ねぇシン、これは提案なのだけど……」
タリアの言葉に、シンは顔を上げた。
「……いっそ、マユを作戦行動に組み込んでしまうのはどうかしら、ライセンスの件もあるし、私たちにはそれが可能だわ」
「マユを進んで戦場に出せって言うんですかっ……!?」
「勝手に出撃する権利が彼女にはある。だったらそこで勝手な行動をされるより、最初から作戦通りに動きなさいって言ってなるべく安全な方向へ彼女を導くのは悪い話ではないでしょう? ……まぁ、今回のように指示した上で勝手な行動をされてはたまったものではないけど……」
彼女の言うことは尤もであり、シンとしてもマユがどちらにしろ出撃してしまうなら、最初からそのていで作戦を組んでしまうのはアリだと思った。
だからこそ、素直に頷く。
タリアはどこか優しげに微笑を浮かべると、静かに息をついた。
その後のローエングリンゲートでの戦闘は、マユをミネルバ隊に組み込み順当に作戦は終了。
彼女も自身が作戦参加を認められたことにより鼻高々だったが、やはりシンとの関係の改善は特に無く、悪化すらも無かった。
ただ冷戦状態……まぁこう言ってはなんだが、よくある“兄妹喧嘩”である。
場所と状況が、あまりに特異ではあるが……。
◇ ◇ ◇
ふと彼は、“サングラスの奥”の視線を泳がせる。
その視線に入るのはジープに乗り込み去っていく三人の少年少女たちであるが……彼らを“奪還”することも目的の一つであるというのに動かなかったのは、今ここでなにかをして、なにかを変えられるわけでもないと思ったからだ。
見過ごす他、なにもできないのは歯痒いが、隣の少女を危険に晒すのもよろしくはないだろう。
理性で律することができすぎるのも問題だなと、自分が自分の好きでない大人になったことを自覚し、少しばかり息を吐く。
フェンスの向こう、盛り上がるザフト軍人たち。
そして、フェンスのこちら側で盛り上がるディオキアの市民たち。
だが、いつも通りな“彼”と、明らかに不機嫌ですと言わんばかりの表情を浮かべる隣の少女。
「……フレイ、もう少し表情をだな」
「ウィルさんもあれがラクスだって思います? てか雰囲気が全然違うじゃないの、みんな節穴なんじゃないの」
腕を組んで憤慨するフレイ・アルスターに、ウィレーム・マクスウェルは苦笑を零した。
彼女の言うようにあまりに雰囲気が違うし顔と声が似ているだけのように思うが、空白の二年があったのだからそういうものなのだろうと彼らもすっかり理解してしまっている。
ラクスもまだ成長期で思春期で、成長もするだろうからと……。
彼の視線が激しく動き回る“
───本物のラクス様はもっと……。
「……フッ」
「ん、どうしたの」
フレイが相変わらず不機嫌そうにそう聞くので、ウィルは動揺しながらもそれを見せるでもなく首を横に振った。
「ああいや、なんでもない」
「そっか、ウィルさんまであの“おっぱい”に釘付けなのかと思った」
───危ねぇ!
「偶像は人々の希望さ、だからこその偶像崇拝なのだろう。平和の象徴的な偶像も軍神的な偶像も、どちらも人々の願望の器なんだな。人々が望む完璧な器に“成りきる”など本人でもできることではない……自らを殺して器という役割に徹するというのは中身をよほど空っぽにできなければ……だからこそ、彼女はあれで良いんだろうさ、人々が求めているのは“平和を愛する歌姫”なのだから」
「なんか急に一杯喋る……」
「……」
珍しく誤魔化すのを失敗しそうな気配を感じて、ウィルは無言の無言。
とりあえず、話を逸らそうと思いフレイへと視線を向けるが、彼女は相も変わらず不機嫌そうであり、その理由に大凡予測がつくからこそ、ウィルはそちらに話を向ける。
別に、断じて誤魔化すためとかではない。
「君がそうして不機嫌なのは、先に立ち寄った“ハイータの家”が原因だろう……?」
「……当たり前じゃない」
ディオキアに到着するより前、ウィルとフレイ、その時は共にいたムルタ・アズラエルの三人は“ヤマムラ家”へと寄った。
目的はハイータの情報がなにかあるか、ということを聞くため、そして彼女が生きていると伝えるためなのだが……。
「なによ『興味ない』って……『金が振り込まれてるからどうでも良い』って……あれが親だっての? てかそもそも『稼ぎのためにコーディネイターにした』ってなんなのよっ、後々のための投資って……自分の子供をなんだと思って……!」
「落ち着けフレイ、そういう人間もいる」
「私のお父さんとお母さんは、私を愛してくれた。最後までっ……」
識っているが、知らないことだ。彼女は母を先に亡くし、残った父は前大戦時に目の前で失い、そして……だがやはり、それをウィルは知らない。
「あんなの、あんなの家族じゃないわ……」
肩を震わせ、拳を強く握るフレイ。
そんな彼女の肩に手を置いて、ウィルは静かに彼女が落ち着くのを待つ。
ハイータは家族については特に語ることはなく、あの怪我をした時だって『親については平気』としか言わなかったから、おそらくなにかあることを察しはしていた。
士官学校時代だって、帰っているところを見たことが無いし聞いたこともない。
だが、思ったよりも酷いものだったから、思うところが無いわけではないが……。
「……ウィルさん」
「ん?」
「絶対連れ戻して、ハイータさんのこと……」
その強い言葉に、ウィルは頷く。
「当然だ」
「それであんな奴らから、私がハイータさんのこといただいてやるんだから……!」
───え、そういう感じ?
おそらく……否、確定的にウィルが思っているようなソッチなことではないだろう。
フレイは天涯孤独の身であり、かつてアークエンジェル、そしてセラフィムを共にしてハイータに思うところがあって当然であり、彼女の身の回りの世話だってしていた。
だからこそ、彼女を“姉のように”慕うのは道理で……。
───フレイとハイータかぁ、ありなのかぁ……?
「いや、私が受け入れんでどうする。私もまだお堅いんだな……フッ」
「え、どうしたの?」
ちょっと引かれた。
「おう、待たせた」
ちょっと引いてんじゃねぇよ。と思いながら声のした方に視線を向けるウィル。
「オルガか、どうだった?」
「いや、別になんも……」
共に来ていたものの、周囲を見て回ると言って離れたオルガ。
目ぼしい物はなかったらしく興味なさ気にそう言って溜息をつくなり、ウィルの隣に立つ。
いつも連合の制服姿の彼女ばかりを見ているせいか、私服姿のオルガにどことなく新鮮味を感じはしている。
アロハシャツにハーフパンツ、いつもと違い前髪は降ろしているようだ。
「てか前髪上げるか、鬱陶しいな」
「ダメ、せっかく素材は良いんだから、もうちょっと女の子らしくしなさいよ」
面倒そうに言うオルガにフレイが抗議する。
「今まで女らしくとかで育ってきてねぇんだからしょうがねーだろ」
「だからこそ、これからしなさいって話よ。せっかくの人生なんだから楽しんどきなさいって……てか服装もアレね。このあと服買いにいきましょっか、クロトとシャニのぶんも買わなきゃ」
「アイツらのはともかくオレは」
「だ~め、決定」
そう言うなり、フレイはオルガの隣へと寄ってなにかを耳打ち。
「それにほら、ウィルさんもいるしちょっとはね」
「ん……チッ、しゃあねぇ」
顔を顰めつつも同意するオルガを見て、話の内容こそ聞こえていないものの、思わず笑みを零すウィル。
こうしてフレイとオルガが仲良くやっているのを見て、微笑ましく思わないわけもない。
女の子らしい、的なことはフレイに任せておこうとウィルはこれからのことを少しばかり思考しておく。
───このあと、確かミネルバ組は議長と会談だったな。しかしまぁ、問題は明日か……。
ウィルの目的の一人、ステラとシンの邂逅……そこで上手く介入してステラを取り戻しておきたいところだが、二人の出会いの場が海岸沿いということ以外にいまいち場所もわからない。
それにここは既にザフトの領内だ。下手に動き過ぎればいらぬ疑いをかけられるし……場合によっては太平洋連邦ともぶつかることになりかねないだろう。
連合内での内輪もめをここで起こすのは言語道断。
───やりにくいものだな……敵を討つだけなら、まだ簡単なのだが。
そう言いながら、いつのまにやら“
ピンク色のLIVE仕様ザクウォーリアの手の上で、ミーアが手を振っている。
そりゃ仕方ないことではあるが、彼の視線は彼女に釘づけにもなろう。
───翌日か、確かアスランとミーアが……。
「……アスランめ、許さん」
「え?」
「あ?」
フレイとオルガが同時にウィルの方を向くが、彼は知らんふりをして顔を逸らした。
大事な者はいる。ほぼ妻と言っても良い者もいるし、他にも自らを慕うものもいるが……それはそれである。
あのミーア・キャンベルと翌日にはイチャイチャとしている男に僻みを向けてなにがおかしいか、否、なにもおかしいことはない。
そう自身で思い込んで、彼はふと視線を近くへと向けた。
「フレイ……フレイ・アルスター!?」
その声は、聞き覚えのあるものだ。
「ミリアリア・ハウ……?」
───そういえばそうだったか。
ミリアリア・ハウがそこにはいた。
彼女は今はフリーの戦場カメラマンで、ディオキアの街とこのライブの写真を撮りに来たのだろう。
戦火は広がる一方で、彼女もあちらこちらへ飛び回っている……プトレマイオス基地に残してきたディアッカには申し訳ないことをしたな、と思いながら近づいてくるミリアリアに片手を上げた。
「久しぶりねフレイ! それにウィレームたい……ウィレームさんも、えっと、オルガ……ちゃん?」
「『ちゃん』はやめろ、オルガだ」
「そっか、オルガね。それにしてもフレイ、なんでウィレームさんと一緒に、てっきりキラたちと一緒かと……」
つまり、フレイはアークエンジェルと共に行ったと思っていたのだろう。
ウィルもそうなると思っていただけに、この展開は意外といえば意外。
だからこそ、フレイに視線を向けるが、彼女は少し困ったように苦笑を零した。
「まさかキラたちが出るなんて思ってなかったから……でもまぁ、あの人を取り戻すためならこっちの方が良いかなって思ってるから良いんだけど」
「そっか……そうだ。せっかくだし久しぶりにお茶でもしない? 良さげな喫茶店みつけて」
「えっと……」
ふと、フレイがウィルへとどこか迷うような視線を向けるので、彼はそれを察して首を縦に振る。
「行ってくると良い。そもそもまともに作戦行動をするつもりで来たわけではない……おおよその状態が知りたかっただけに過ぎんしな……私は一足先に戻るとしよう」
「ありがとうウィルさん!」
「構わんよ。むしろわざわざ同行してもらった立場だからな、私は」
そう言って軽くフレイの頭を撫でると、彼女ははにかみながら笑顔を浮かべた。
そんな彼女に頷いて、ウィルは次にオルガの方へと視線を向ける。
「どうせならオルガも連れて行くと良い、服を買いに行くんだろう?」
「絶対、かわいい服を着せてみせるわ!」
「なにそれおもしろそう!」
「……はぁっ!?」
嬉々とするフレイとミリアリアを前に、オルガがわけもわからず驚愕の声を上げた。
その後、オルガがミリアリアとフレイに両腕を抱えられていくのを見送るなり、ウィルは車を走らせてホテルへと戻っていく。
ともかく、海岸線を走って“その場所”があったとして、自身はそれを認識できないだろう。
それがわかっているからこそ、今日は大人しくしているのが良いのだろうと思う。
「にしても、私とオルガとフレイか……強行策はやはり取れんな」
ぼやきながら、アクセルを踏み込む。
◇ ◇ ◇
夕方……ディオキア内の高級ホテルのテラスには、ギルバート・デュランダルとタリア・グラディス、レイ・ザ・バレルの三人がいた。
甘えるようにデュランダルに抱き着くレイの背を軽く撫でながら、彼はタリアへと視線を向ける。
そんなレイをどこか微笑ましそうに見守るタリアに、なんとも言えない表情を浮かべながら、デュランダルはレイと離れた。
ふと、レイはポケットから一枚のデーターディスクを取り出す。
「ギル、これ……頼まれていたものです」
「ああ、ありがとうレイ」
「それは……?」
タリアが首を傾げてレイが渡したそれを見るが、見ただけでわかるものでもない。
デュランダルは別に隠すつもりもないというようにそれをポケットに入れるなり口を開く。
「マユ・アスカ、彼女のザクウォーリアのデータさ……彼女の機体が義手義足に対応した機体だということは知っているだろう。今後反応速度や精密さが生身と変わらない義手や義足を開発するのに必要なデータ、と言えばわかりやすいかな」
「なるほど……」
戦後であり戦時中、体を欠損した者は別に珍しくもない故に、そういうものが必要なことが多い時代だ。
ザフトが支援をよこした各国や、ディオキアの街でもそういう戦災にあった者たちはいる。
だからこそ、本来の手足と変わらぬ義手義足、というのはそれだけでその人々には十分な希望たりえるだろう……だからこそ、タリアは納得するように頷いた。
「まぁ、それだけではないがね。あの機体に入っているのはマユのデータだけではないから……余計なデータが入り込んでいるし、それが余計な影響を与えないかどうかの確認等も含めてさ。私とて民間人である彼女に我々の不手際で余計な後遺症なんかを与えたくはない」
「それは、どういう……?」
「義手義足での戦闘データをそのまま使用者にフィードバックするシステムは、慣れてない者にもとても便利なのさ、それで戦死者が減るのなら悪いことではないだろう?」
言いたいことは理解した。
つまり、義手義足を装着した者の慣れぬ初戦闘でも、それをカバーするシステムということだろう。
負傷者を戦わせるようで心苦しいところではあるがそれでも戦場に赴こうとする者は少なくはないのだから、彼らを生かそうと思えば悪いシステムではない。
だが、やはり気になることはある。
「で、余計なデータとはどういうことです? 彼女の機体に、余計な何かが?」
「そうだね。君にも覚えがあるだろう……あの機体が戦闘時に戦闘データやら操作のデータやらを記憶して、搭乗者にフィードバックするのであれば……」
マユの他に、あの機体で戦った者。タリアは先の戦闘でも自分たちに助力してくれた“彼”を思い出す。
「さしずめ“
◇ ◇ ◇
モニターが並ぶ部屋。
ロード・ジブリールは今日も今日とてそこにいた。
琥珀色のウイスキーの注がれたグラスを片手に、老人たちといつも通り“世界の行く末”を決める話し合いをしている。と言ったところだろう。
膝の上のネコを撫でながら、ジブリールは笑みを浮かべている。
『ローエングリンゲートが突破されたのがそんなにおかしいかね』
『インド洋の建設中の基地も破壊され、ザフトの好きにされっぱなしではないか』
『どうするのかねジブリール?』
責められているというのに、変わらずジブリールは不敵に笑みを浮かべていた。
不穏な笑みを浮かべる女に僅かにたじろぐモニター内の老人たち。
「大事の前の小事にすぎませんよ。ここからが本番です」
そう言って隣のテーブルに置いてある端末を操作すれば、老人たちの元にその『計画書』が届く。
『ほう……とうとう動くのかね』
『もう少し早くすればこうはならなかったと思うが、まぁ良いだろう』
悪態を吐く者もいるが、その表情がどこか嬉々としているのは、その計画の重要さを理解しているからだろう。そして効果を確信してもいる。
「英雄の帰還、これほど皆が奮い立つものもありません。そしてファントムペイン、いえネオ・ロアノークも既に動いています」
『一族から“Bの因子”を受け取った甲斐があったなジブリール』
『して、ネオ・ロアノークは大丈夫なのかね。アレを使っても問題ないか? あのコーディネイターはこちらにとっても非常に貴重な戦力でありシンボルであろう』
その言葉に、ジブリールはグラスを軽く揺らし、ウイスキーの中に入った氷の音に耳を澄ます。
「ええ、なにも問題はありません……故に、計画を“第二段階”に移します」
グラスを勢いよくテーブルに置くと、猫が驚いたようにジブリールの膝から跳ねる。
笑みを浮かべ、立ち上がったジブリールの視線の先のモニターには、やはり赤と黒に塗装された新たなウィンダム。
その機体の肩には、“翼を広げた”悪魔のエンブレム。
「我々“
【阿井 上夫】さんにファンアート【ジブリール】を頂きました!
※魔界天使じゃぁないよ
【挿絵表示】
結局ディオキアへとやってきたウィル
でも、今は動けないそれが運命だけど状態です
そして想いが重いフレイ、傷ついてた時に一緒にいたのでしょうがないですね
そしてロマのせいで各陣営が予想外の動きを始めてるのを本人はまだ知らない
ちなみに計画とかについての名前は元ネタがあったりしますが別に関係はないです
あと活動報告に近々おまけを上げてみました
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=304636&uid=120091
またこういうねつ造系を上げたいとこ
では、次回もお楽しみいただければです