重機動・重火力・重装甲は好きですか?   作:シグマ強攻型

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お久しぶりです。今回は説明会となるので微妙です。


第9話 破砕する者

 

 

パルヴァライザー。『破砕する者』の名前を持つ地球上で唯一の完全自立型兵器。基礎構想は第二次大戦中の某国に住む軍科学者にて唱えられていたという。その構想とは「人類を存続させるためにあらゆるイレギュラーを排除する存在」というもの。しかし、冷静に考えればSF小説のようなありえない考え。追い詰められた極限状態で考えた夢物語であるとその科学者自身が後に発言しており、その構想は研究所の片隅で埃を被ることになった。しかし、第二次大戦後にその構想はとある研究機関に目をつけられることとなった。ちょうどベトナム戦争が泥沼化し始めた頃だろうか。とにかく、かつて夢物語と判断された構想は再度表の世界に現れた。泥沼化したベトナム戦争において人的被害を抑えるために無人兵器を開発する動きが活発化していたことも遠因だっただろう。人的被害を出さないために無人、どのような局面でも対応できるように武装はシンプルもしくは状況に応じて武装を変更する、どのような命令をも実行するための人工知能の搭載など。しかし、当時は技術的な問題で結局陽の目は見なかった。だが、その構想は着実に現実味を帯びていった。技術が進歩していくにつれて徐々にその兵器は狂気を帯びていった。そして―――。

 

 

「ISが生み出されたことで急激に進歩した技術。レールガンや荷電粒子砲などの理論上は実現できるものの実用化には至らなかった兵器、更には量子化技術といったフィクション内の物だった技術が現実になった。結果として、基本武装にプラスする形で流体金属による多種多様な武装展開。弾薬等が切れればそこら辺にある物質を取り込んで体内で生成するというキワモノができたわけだ。そして、最大の問題であるAIだが……基礎構想である『人類を存続させるためにあらゆるイレギュラーを排除する』という部分を基本としてそのためなら手段を選ばないように設定されたAIは暴走してしまった」

「開発されていた研究所の武装や人間を『取り込み』自己を強化。その後『イレギュラー』を排除するために活動を開始した、ということだ」

 

 

雅樹の言葉が終わると同時に部屋の中に灯りが点った。ここはIS学園の会議室。ここには、学園の主要人物たちが一同に介しており、その中には一夏やセシリア、鈴といった専用機持ち、癒子やナギ、清香といった光太郎の関係者、そして生徒会メンバーがいた。パルヴァライザーの説明を行なっていたのは光太郎と雅樹。巽はプロジェクターの操作を行なっていた。

 

 

「なんか信じられないな…だって……そんなに危険なら噂くらいになっているはずだろう? 俺だけが知らないなら納得できるけど、代表候補生のセシリアや鈴が知らないなんて」

「そりゃあ、ISすら食べる兵器がいますって言って信じる奴がいるか?」

「う……」

 

 

一夏の言葉も尤もなのだが、結局人間は自分の目で見たものしか信じない。それに悲しいかなセシリアや鈴も所詮は『代表候補生』なのだ。IS国家代表の候補生の一人如きに教えるはずもない。

 

 

「パルヴァライザーの主な活動場所は中東やアフリカなどの紛争地帯だった。恐らく『人類を衰退させるイレギュラー』として紛争を排除するために動いたのだろう。結果だけ言うならば紛争介入はパルヴァライザーの存在を一部の人間のみとはいえ、確認させるものだった。当初は、どこかの国が開発した新兵器かと思われたが……目的が不明瞭すぎた」

「政府軍、反政府軍、傭兵、一般人関係なしに『殲滅』しまくったからなぁ。確か、一回の出現で街が2つほど消えたぞ」

 

 

実際、中東でパルヴァライザーと戦っている光太郎はスポーツドリンクを飲みながら気だるげに告げた。もはや中東でパルヴァライザーという存在は疫病神どころの話ではない。見つけたら戦闘を中止してでも逃げろと言われている。

 

 

「そんな危険な存在をなんで野放しにしているのだ?」

「篠ノ之箒。あちらは殺しに来ているんだ。それを……言っては悪いが、今のIS操縦者たちができるとは思えん」

 

 

雅樹の言葉はある意味真実でもある。日夜戦場にいる傭兵ですら逃げているのだ。正規軍もどれだけ戦えるか。

 

 

「つーか、そもそも国防の要であるISを投入するわけにもいかないだろう。パルヴァライザーに喰われたのは中東連合所属のISだから仕方ないにしてもな。それに、言っちゃあ悪いが今のIS操縦者の中にガチの殺し合いの経験がある奴がどれだけいるよ? 建前上は平和なんだぜ? パルヴァライザーと出会ったら私は強いんだからとか勘違いして速攻殺されて終わりだよ。」

「光太郎。そんな言い方はないんじゃない?」

「癒子。パルヴァライザーに喰われたIS操縦者はそう言って死んだんだよ。俺らがいくら止めても「軟弱な男やそれに従う馬鹿な女の言うことは聞けん」とかのたまってな。こっちはお前らよりも経験はあるっての。男はまだ人類が猿だった頃から『戦い』を独占してきたっての」

「パルヴァライザーの情報を開示しない理由の一つがこれだ。『そんな兵器はありえない』と突っ込んだあげくに油断してISを次々と喰われれば終わりだからな。まぁ、たとえ開示したとしてもどうだろうな」

 

 

職業上他国との関わりも深い雅樹。そこら辺の事情には光太郎よりも詳しい部分がある。名目上『更識』に所属しているが独自のコネクションを持っており、それなりに情報は集まる。

 

 

「委員会からも通達があった。パルヴァライザーと遭遇した場合は織斑一夏の身柄保護を最優先するようにとな」

「え? 光太郎は?」

「俺は中東で遭遇しているし、足止めくらいはできるぞ? つーか、近接オンリーのお前がターミネーター2のT-2000相手と戦っちゃあダメだろ」

「……あー」

 

 

パルヴァライザーの特徴を捉えた比喩だが、一夏にはそのほうが理解しやすかったようである。委員会からの通達を先ほど知らされた千冬は内心鬱々としていた。自分と自分の親友が創りだした技術が廻り回って大事な弟に牙を向いているという現状が原因だった。

 

 

「(自業自得、か)」

「そういえば、光太郎はそのパルヴァライザーと戦っていたんでしょ? どうだったの?」

 

 

鈴の質問に光太郎は渋い顔を隠さなかった。それだけで、全員が「あぁ」と納得した。要するにアリーナになだれ込んだのは押されていたからなのだ。

 

 

「人間が乗っていないってのはな? 装甲とかが壊れなけりゃどれだけスピードを出しても問題ないってことなんだよ」

「要するにあまりのスピードに苦戦していた、と」

「セシリア……お前のビットが音速超えて動いていると考えて見ればいい」

「……申しわけありません」

 

 

自身のビットの動きを想像して光太郎に謝ったセシリア。他のメンツも大体想像できたらしく光太郎へと同情の視線を投げかけた。特に、千冬や真耶などが顕著だった。人間である以上機械の反応速度を上回るのは難しい。さらに言えば、光太郎が得意とする戦法上防衛戦はあまり向かない。

 

 

「とにかく、暫くは様子見。パルヴァライザーが現れたら俺や雅樹さんたち以外は逃げに徹することだろうな」

 

 

結局、情報が少なすぎるためこのようなことくらいしか決めることはできなかった。そして、翌日―――。

 

 

「え~。というわけで、学園の警備等の見直しの結果こちらの二人が警備員兼用務員として学園内を見まわることになったので皆さんよろしく」

 

 

全校生徒が講堂に集められ、楯無に紹介されたのは雅樹と巽。そして、IS委員会経由で世界中のPMCから集められた警備員たち。今後の避難誘導などの際に混乱が起きないように周知させておいたほうがいいと学園は判断し、このような運びになったのだが―――。

 

 

「……ねぇ、本郷って人は普通の作業服だけど……」

「うん」

「……なんで、仙石って人は……」

「巽。俺の格好はそんなに変か?」

「……ノーコメントで」

 

 

雅樹の格好はギリースーツである。要するにモリ○ースタイル。一応、顔は出ているし緑に塗ってもいないのでム○クのコスプレとも見えなくもない。だが、ここはコミケの会場ではない。

 

 

「な、なぁ…光太郎「言うんじゃねぇ。この講堂に居る連中全員が思っていることを言うんじゃねぇ」あの人のセンスは最悪なんだよ……」

 

 

この時、講堂に居る9割の人間が思っただろう。変態現ると。会場の空気を察したのか巽がマイクを借り受け釈明?を始める。

 

 

「ちなみに、先輩は京都のおみやげに八つ橋ではなく提灯を買ってくるセンスの持ち主です。そして、埴輪をガン○ムより格好いいと真顔で言うくらいのセンスです」

「「「「「ダメすぎる!」」」」」

「え? そんなところが可愛いじゃない」

「「「「「ウチの会長もダメだった!」」」」」

 

 

観光地のおみやげに提灯を買ってくるセンスの持ち主を可愛いという楯無もまたダメだった。グダグダのまま警備員の説明に入る。

 

 

「―――ということで、PMC『ORCA』より派遣されてきたウィン・D・ファンションだ」

「同じく『ORCA』より派遣されたエイ・プールです」

「同じくたロイ・ザーランドだ。ま、よろしく頼むぜ」

「何……だと?」

 

 

委員会により厳選されたらしい警備員は性別問わずに集められたが、やはりPMCのような職業に女性は少なく、三人はとても目立っていた。特にウィン・D・ファンションと名乗った女性は千冬が数年後にはこんな風になるのではと思うほどで、何人かの女子生徒は熱い視線を注いでいた。

 

 

「なんであの三人が?」

「光太郎知り合いなのか?」

「……後で説明するさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィン・D・ファンションはIS『レイテルパラッシュ』を使う『ORCA』の最高戦力の一人だ。ちなみに、非公式戦ではあるが全盛期の織斑千冬に勝利している」

「「「「はぁ!?」」」」

 

 

放課後、光太郎と癒子の部屋に集合したいつものメンツは光太郎から色々聞いていたのだが、ウィンディーが千冬に勝ったというのが信じられないようである。だが、ウィンディーは元は軍人である。地力が違うと言われれば一夏たちも黙るしかなかった。

 

 

「アセン……武器構成はEN系を使用していたんだが…まぁ、零落白夜自体は脅威ではあるがな」

「どういうことだ?」

「零落白夜の有効範囲は雪片弐型と変わらん。それ以外は効果外だ」

「つまり、零落白夜に当てなかったということですか?」

 

 

セシリアの答えに光太郎は大きく頷いた。確かに零落白夜は対EN兵器として考えるならば凄まじい。零落白夜と自身の剣の腕、そしてISに誰よりも早く扱っていたからこそ千冬はブリュンヒルデと呼ばれるようになった。誰もが千冬を打倒する術を模索した。そして、それを現実としたのがウィン・D・ファンションという女だった。

 

 

「高機動軽量型のIS『レイテルパラッシュ』を駆り織斑千冬を倒した女傑。ウィンディー自身がその後すぐにウチの親父にスカウトされて軍を去ったこともあり知る人間は少なかったということだ」

「つまり、零落白夜を過信するなってことか」

「ふむ」

 

 

一夏と箒はふむふむと頷く。今まで千冬は負けなしと思っていた二人には眼から鱗だったのだろう。

 

 

「じゃあ、次はエイ=プールとかいう人よ! あの人はどんな人なの?」

「俺と同類。強いて違うなら俺が敵陣に突っ込んで弾をばらまくタイプならあっちは後ろからばら撒くタイプ」

「そんな人には見えなかったけど……」

 

 

ぱっと見た感じおっとりとしたお姉さんタイプと判断していた一夏たち。しかし、光太郎と同類というならやばい人なのか? 光太郎は渋い顔をしながらそれを否定する。

 

 

「いや、エイプーはすごくまとも。ORCAにはヤバイ奴が大量にいるけど、エイプーを初めとしてまともな人は……」

 

 

ORCAのメンツを考えた時、案外まともな連中が少ないことに思い至り尻すぼみになってしまう。というより、実力はあるが性格や性癖に一癖二癖ある連中が多い。さすがは父親直々にヘッドハンティングした連中である。

 

 

「……じゃあ、最後の人は? 男の人だったけど」

「ロイ・ザーランド。基本的になんでもできる男だな」

「万能型ということですか?」

「その通り。まぁ、学園に来たのは色々とあるんだろうな」

 

 

益荒男の稼働データなどを逐一送っているため何かしら父親が行動を起こしてもおかしくはない。ただでさえ全世界に支社がある上に篠ノ之束を匿っているという不破重工。その技術力は世界最高だろう。一体何を考えていることやら。

 

 

「それより、今度の連休お前らどうすんの?」

「光太郎は?」

「本社に召還命令が出ているからな。休日なんかねぇよ」

「よしよし」

 

 

机に突っ伏した光太郎の頭を癒子が優しく撫でるが、癒子も父親に呼び出されているため光太郎に同行するのだ。嫌な予感がするとは光太郎の談だった。

 




そういえば、最近ガンダムユニコーンを見たのですが……ユニコーンやデルタよりもジェスタがすごくかっこよく見えました。そして、ジェスタキャノン……好みドストライクでした。やっぱ量産機最高や!
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