重機動・重火力・重装甲は好きですか?   作:シグマ強攻型

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……未だに主人公機が出てこないというのにラスボス?が出てきたでござるの巻


第3話 女子寮騒動

 

「光太郎~。一応、シャワーとか使うときは声かけてね? あと洗濯物は全部私が洗うからアンタはシャツとかをかごに入れるだけね?」

「まぁ、いいけどね」

 

 

部屋についた二人はさっそくいろいろな取り決めを交わした。光太郎としてはシャワーと寝ることが出来れば問題ないため文句はない。

 

 

「でもこうやってゆっくり話すの久しぶりだね」

「だな。年末とかは帰ってきたがせわしなかったし」

 

 

最後にあったのは年末。その時も、会って喫茶店でダベっている内にORCAの司令官であるテルミドールから呼び出しがかかりすぐに中東へと戻ることになったためゆっくりできなかった。部屋に備え付けていたコーヒーと紅茶を飲みながら互いに笑い合う。

 

 

「そういや中学校はどうだったんだ? 日本の中学校は色々と面白いと聞いたんだが?」

「ん~…ナギや清香と友達になれたのはよかったけど他は大していいことなかったよ?」

「やっほー! 遊びに来たよー!」

「し、失礼しまーす」

 

 

お菓子の袋とジュースのペットボトルを持って部屋に入ってきたのはナギと清香。ちなみに二人共部屋着に着替えており、癒子もパジャマである。光太郎は黒のタンクトップにカーゴパンツと見るからに軍人だった。まぁ、仕方ない。

 

 

「結局二人の関係って幼馴染なの?」

「そうだな。幼稚園からの付き合いだ。つっても、俺は小学三年生の時に海外に留学したけど」

「え? なんで?」

「俺は不破重工の次期社長でもあるからな。それに、親父いわく通常の教育はさっさと終わらせればいい。それよりも重要なことを覚える方が将来のためになるとか言っていたな」

「「「へー」」」

 

 

お菓子を食べながらの雑談はいつしか光太郎への質問へと移っていた。ナギと清香も最初は若干探り探りだったが、すぐに光太郎と打ち解けていた。

 

 

「そういえばさ。よく大会社の社長の子供とかだとお見合いとかあるけどどうなの?」

「あ~。ウチの場合は親父が全部止めているな。まぁさすがにいくつかは建前上実際に会わないといけなかった奴もあっったが」

 

 

ナギの質問は光太郎の返答で払拭された。弦一郎は光太郎に対する見合い話は殆どを断っていた。まぁ、中には政府からの紹介などで会わせずに断ることが難しいものがあった。

 

 

「ふーん。じゃあ、昼間私に言ったあれは?」

「睨むなって。婚約者がすでに決まっていると言っておけばあちらも強硬手段に出ないからな。ただでさえ、この状況は面倒だからな」

「もしかして光太郎くんがISを起動できるから?」

 

 

清香の言葉に頷く。さすがはIS学園というべきか光太郎の存在が分かった数時間後には不破重工へと問い合わせが殺到していた。だが、そこは委員会を脅したこともある不破重工。社内一丸となって脅していた。付け加えるなら中東の方からも援護射撃があった。

 

 

「しかし、さっきから外が騒がしいな」

「ハムハム……なんかイベントあったっけ?」

「こーたろーを探しているんじゃ?」

「もしくは織斑くんとか?」

「見てみるか」

 

 

四人揃って部屋から顔を出すとそこには―――。

 

 

「きゃー織斑くんのエッチー♪」

「ち、違う!?」

「「「「あら~」」」」

 

 

なんか下着姿の女子生徒たちに囲まれている一夏がいた。しかも女子は全員面白がっている様子。光太郎は合掌して彼の冥福を祈った。

 

 

「生きているわ! つーか、見てないで助けて!」

「あれ? 不破くんはそっちに……なに!?」

 

 

野生の勘なのか光太郎に気づいた一夏を見た女子が振り向くと、そこには部屋のドアから顔だけを出している四人がいた。下から光太郎、癒子、ナギ、清香である。何故このような形になっているかというと、人垣のせいで見えなかったからである。

 

 

「ていうか光太郎。三人乗っているのに重くないの?」

「はっ。三人合わせて百五十キロ超えてこい」

「「「やだ!」」」

 

総重量百キロ超えるほどの装備を背負って戦場を駆け回っていたのだ。この程度軽い。しかし、この四人は実に仲の良いことである。

 

 

「「「「「「見せつけてんじゃねー!」」」」」」

 

 

なんか知らないけど数少ない男子がいつの間にかハーレム作っており(女子生徒たちの視点)しかも、そのメンバーは顔見知り。勘違いなのだが、そんなこと関係ない。男子の一人を誘惑して、さあもう一人もやったるかと思っていたところにこれである。しかも絶対打ち解けている。認められるかそんなこと。

 

 

「あわわわ。光太郎!」

「ふむ。スモークグレネードと閃光弾、どっちがいい?」

「使うな!」

「と、とにかく部屋に逃げこめ! いけこーたろー!」

「ナギ。お前、俺を馬か何かと勘違いしていないか?」

「光太郎くん! 来るよ!」

「「「「「「キシャーーーーーー!」」」」」

 

 

狂戦士と化した生徒たちから逃げるために部屋に逃げ込んだ四人。扉を閉じるとすぐに光太郎が鍵を閉めて念の為に簡単にバリケードを作っておいた。わずか十数秒の出来事である。

 

 

「女ってのは怖いねぇ」

「いや、あれは異常でしょ」

「思春期だからねぇ……」

「あのナギ。私達も思春期」

 

 

光太郎がコーヒーを飲みながらバンバンと叩かれる扉を遠い目で見る。癒子たちもまさかあそこまで暴走するとは思っていなかった。まぁ、少し優越感を感じないでもない。全員が一夏に視線を向けている間に光太郎と仲良くなった。

 

 

「(……幼馴染だからいいでしょ)」

「(その友人です!)」

「(お、同じく)」

 

 

癒子はただでさえ幼馴染・同室というアドバンテージがある。そして、中学校から仲の良いナギと清香は癒子経由でつながりが持てる。なんの問題もない。

 

 

「(……)」

「大丈夫だって。第一婦人は癒子だからさ」

「ナギ…面白がってるでしょ」

 

 

癒子が頬をふくらませるとナギがそう言って茶化す。ナギと清香は中学校から癒子が光太郎を憎からず思っていることなど知っている。なんせ毎日写真を見ていたりするのだ。よほど鈍感なやつじゃない限りわかる。ナギは面白がって茶化すが、癒子はナギと清香をジト目で見る。

 

 

「(……)」

 

 

癒子は光太郎と幼稚園からの付き合いだ。だからこそ断言する。この二人は絶対に光太郎に惚れると。現在、コーヒーを飲みながらパソコンをいじっている光太郎は父親の教育の結果なのか意外に紳士的なのだ。もちろん、思考回路がおかしいことがあるがそれはそれ。しかも―――。

 

 

「ね、ねえ癒子。こーたろーってさあ……」

「……」

「(やっぱりか……)」

 

 

ナギたちの視線の先には、先程までとは違い真剣な表情で端末を操作している光太郎がいる。多分、セシリアの情報を整理して戦法をいくつも考えているのだろう。教室では楽に勝てると言っていたが、それはあくまでもブラフ。

 

 

「(戦場では一瞬の油断が死につながる、だっけ?)」

 

 

日本に戻ってきた時に言っていた言葉。中東に放り込まれた当初は自分は大丈夫、生き残ると思っていたらしいのだが、すぐに考え方を改めることになったという。そして、それを糧にして今に至ると言っていた。

 

 

口ではどれだけ大言壮語を放とうとも、その内面は慎重すぎるくらいがちょうどいい。光太郎はそう言っていた。

 

 

そして、光太郎は今それを実行している。確か専用機を持っていたはずだからそのデータと自身の力量をすりあわせてできるだけ客観的に整理、セシリアとその専用機の情報を元に戦闘方法を算出している途中なのだろう。『仕事に関わること』だから真面目になる。そして、それを見たこの二人はさっきまでのギャップに戸惑っているのだ。

 

 

「(多分、私達が巻き込まれるような事件があれば…どうなるかな)」

 

 

光太郎は傭兵とはいえ軍人教育を受けている。つまりは銃を持たない者の盾であり剣であると考えている。その上、父親からの帝王学の教育もあり有事の際には前線に出て不安に思う者たちを安心させるようにしている。一般生徒とかを巻き込む事件が起これば率先して前に出るだろう。その時、守られている側はどう思うだろうか。

 

 

「(実際、私がそうだったから)」

 

 

小学校に入ったくらいだろうか、ちょっとした事でいじめられていた癒子を助けたのが光太郎だった。まぁ、それ以降意識するようになったのだが。

 

 

「……はぁ」

 

 

とりあえず、一番は譲りたくないなぁと顔を染めているナギたちを見ながらそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は丑三つ時。すでに、同居人はすやすやと寝ておりその友人二人も同様に寝ている。とりあえず、全員ベッドに乗せて毛布をかぶせておいたので風邪を引くことはないだろう。外で騒いでいた連中もあれから5分くらいで落ち着いてドア越しではあるが謝ってきていた。すでに全員寝静まっていることだろう。そんな中光太郎は秘匿回線を使い、中東にいるかつての上司と連絡を取っていた。

 

 

「それでテルミドール。『ヤツ』が現れたというのは本当か?」

『ああ。事実だ。政府軍と反乱軍の戦場に乱入して『両軍ともに殲滅して』離脱していった』

「相変わらず、か。生き残りはいないのか?」

『それも相変わらずだ。銃を捨てて逃げに走ったもの以外は殺し尽くされた』

 

 

内容とは、中東で起こったとある事件について。これは下手をすれば世界規模の問題にもなるのだ。

 

 

「相変わらず情報統制が敷かれているのか?」

『当然だな。言えるはずがないだろう? 『ISを食べる兵器』の存在など』

 

 

『ヤツ』は原理は不明だが、すでに中東の国々が所有しているISを二機取り込んでいる。搭乗者ごとだ。そんな情報など発信できるはずがない。発信すれば世界はまた混乱する。

 

 

「束博士は関与していないんだな?」

『社長いわく、篠ノ之女史もこの存在は非常に疎ましいようだ。まぁ、当然だな。彼女の『計画』が破綻するようなものだ』

「『ヤツ』の目的はなんだろうな?」

 

 

光太郎は顔をしかめながら呟く。中東にいた頃から『ヤツ』は戦場に介入しては両軍を殲滅してきた。逃げられたのは死んでは元も子もないと銃を捨てて逃げに徹した光太郎を始めとする傭兵のみ。それ以外の抵抗した者たちはすべからく殺されていった。誰かが「生きる希望も命も何もかもを粉砕し尽くす奴だ」と言った。そして、いつしか中東ではその存在はこう呼ばれた。

 

 

粉砕するもの―――パルヴァライザーと。

 




ということで、ラスボスポジションはパルヴァライザーです。しかも、進化の仕方がモグモグ方式。

そして、今回の話で出てきましたがヒロインは以下の三人です。
1:谷本癒子。主人公の呼び方は「光太郎」
2:鏡ナギ。主人公の呼び方は「こーたろー」
3:相川清香。主人公の呼び方は「光太郎くん」

多分、増えることはないと思います。
さて、次回はいよいよ主人公が出てくるよ! 多分。
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