"日本国国防軍" -終わりなき戦い- 国際治安支援部隊 ISAF   作:Veruhu

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*第二章* 「トリアージレッド」
"第一節" 「降車」


   *第二章*

     「トリアージレッド」

 

 

 

 

 偵察小隊を載せたオスプレイ二機は、アフガニスタンの上空を力強く順調に飛行している。このオスプレイは、一機で計24名の隊員を輸送することができるが、我が情報小隊は計40名である。そのため、第二、第三分隊はこのオスプレイに乗機し、第一分隊及び小隊本部はもう一機のオスプレイに乗機している。

 

 オスプレイは何度も何度も方向を変更しながら飛行する。これは携帯式地対空ミサイルの脅威に対応する為で、味方が制圧を完了している地域のみを飛行している。

 

 だからDZ(Drop Zone : 降着地帯)までは必要以上に時間が掛かる。俺も隊員にとっても、その時間はある意味で地獄の時間帯であろう。

 

 俺達は第一空挺団から選抜された、エリートの中のエリートであり、またその矜持(きょうじ)もある。だが今の俺達には落下傘も無く、第一オスプレイは低空を飛行しているために、有っても無くてもあまり変わりはないだろう。このオスプレイが撃墜されれば、俺達は血の滲む訓練の成果を発揮することなく戦地に眠ることになり、何の為にここに来たのかと、そんな自問自答をしつつあの世へ行くことになるのだろう。

 

 俺は実戦の経験があるからまだ良いが、まだ若く実戦の経験の無い将兵達にとっては、死んでも死にきれない思いになるのではないだろうか。確かに人殺しにはなりたくはないだろうが、国の為、世界の為と、汚名を被ってまでも役に立とうとした、そんな若者の命懸けの思いを踏みにじりつつ、ここで撃墜されたくはないと思うのだ。

 

 

――――――せめて(たお)れるならば、(つち)と矢弾の(もと)

 

 

 それが歩兵としての俺の願いだった。

 

 

       ✽         ✽         ✽

 

 

 数十分が経ち、二機のオスプレイはDPに到着した。これより周辺を何度か旋回し、DPの安全の確認及び、LZを選定した後に降着することになる。また、護衛にはUH-60 Brack Hawkが付いてくれている。

 

「そろそろ行くぞ! 降車準備!」

 

 俺の号令で、第二分隊及び第三分隊の隊員達は、いつでも降車できるよう、荷物をまとめ始めた。隊員同士で30kgを超える装備をしっかりと装着しあう。操縦席から、LZの選定を終えたという旨の連絡が飛んでくる。いよいよ降着だ。後部ハッチが開き始めた。

 

「よし、降着するぞ! 降車用意!」

 

 降車用意の号令で、隊員たちは何時でも降車できるよう身構えた。俺の次の号令、”降車”の号令で、隊員は皆この機から勢い良く飛び出していくことになる。

 

 オスプレイはいよいよ地面に接地し、機体にグワッという軽い衝撃を走らせた。そして後部ハッチ近くに設置された赤いランプが緑色に切り替わる。

 

「よし、行くぞ! 降車! 降車! 降車!」

 

 号令一下、隊員達は一斉に飛び出していく。我が第二分隊も第一分隊に続き、オスプレイから飛び出していった。

 

「前方の建物が目標だ! 止まるな! 走れ! 走れ! 走れ!」

 

 俺は、我が第三分隊と共にオスプレイから飛び出し、叫んだ。前進目標は目の前150m先に見えている建物だ。この建物がRLY 7となっている。第三分隊は不細工ながら、Squad Columnの隊形を取り、とにかく前進目標に向かって突っ走っていく。後ろを振り返ると、全員の降車が完了したオスプレイが、大量の粉塵を巻き上げて再び離陸して行った。

 

 さらに向こう側には、我々の前進を援護する為に位置に付いた、第一分隊と小隊本部が見える。

 

 

 また上空には、我々の行動を援護する為、また囮の役目を担う為に位置についているブラックホーク二機が飛行していた。

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