"日本国国防軍" -終わりなき戦い- 国際治安支援部隊 ISAF 作:Veruhu
毎回思うが降着展開は、全体の動きが見える状態で、その全体の一糸乱れぬ行動を見られるから、とてつもなく勇壮だ。
俺は走りながら思わず感動を覚えていると突然、小隊ネットの無線に声が入った。
「こちらマツ、全隊! 周辺の敷地内に複数の不審者が確認された! 警戒されたし!」
小隊長の声が響く。事前の偵察では、周辺の建物に人影は確認されていなかったはずだ。だが偵察といえど、あくまでも無人機のよる偵察だから、建物内部の人間までは発見できない。またリアルタイムで偵察していたわけでもないから、無人機が見ていなかったタイミングで潜伏してきた敵の可能性もある。やはり油断はできない。
前方を走っていた第二分隊の全員が、水路に飛び込んだ。我が第三分隊の先頭を走っていたAlphaも、いよいよ水路に飛び込もうとする。
しかしその時突然耳に、あまりにも聞き慣れた、甲高い、嫌な音が響いた。
――――――ピュンッ! パシッ! パシッ!
クラック音だ! 近い!
「くそっ! 敵だッ! 中腰! 飛び込めぇっ!」
俺は一気にそう叫んだ。第三分隊員は身を低くすると同時に、速度を上げ一気に水路に飛び込んでいく。飛び込んだ水路の水は、既に枯れていた。銃声の響いてきた方向からして、恐らく敵は前方だ。またクラック音と銃声との差が一秒程度であったため、距離は400m程度と言ったところか。
「こちらフジ! コンタクトフロント! アタック有り! 現在制圧射撃実施中!」
小隊ネットの無線で第二分隊の悲痛な叫び声が聞こえたことを確認しつつ、俺も一気に水路に飛び込むと、分隊ネットの無線を発信した。
「第三分隊! 左横に散れ! 左横に散れ! 制圧射撃、速射! 撃ち方始めッ!」
俺がそう分隊ネットの無線で叫ぶと、隊員達は一斉に水路の左横に散り、用意のできた隊員から順に制圧射撃を開始した。辺り一面に、耳をつんざく大きな銃声が何度も響いていく。
第二分隊も我が第三分隊より一足先に、制圧射撃を開始していた。だが恐らく前方RLY 7の建物が邪魔で、あまり有効な射撃は期待できないだろう。第二分隊もその点は承知しているのか、右方向にピールしはじめ、少しずつ右へ展開して行っている。
俺はそのことを横目で確認しつつ、分隊ネットでの発信が完了次第、素早く小隊ネットの無線に切り替え発信した。
「こちらアラ! 同じくコンタクトフロント! 散開し、制圧射撃を実施する!」
俺が小隊ネットでそう情報を流すと、小隊長より反応があった。
「こちらマツ、了解! ナカ! 誤射に注意しつつ、制圧射撃を開始せよ!」
「こちらナカ、マツ、了解! 誤射に注意しつつ、制圧射撃を開始する!」
寸刻して左後方、第一分隊の援護位置より射撃音が聞こえるようになった。俺はそのことを耳で確認しながら、小銃の鋼管を引き、薬室内に弾丸を装填した。そして水路から顔と銃を出し、安全装置を解除して制圧射撃を開始した。