"日本国国防軍" -終わりなき戦い- 国際治安支援部隊 ISAF   作:Veruhu

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"第四節" 「航空後送」

 

 爆音が周辺に轟き、風圧で地面の砂埃が舞い上がった。そして射手の発射した榴弾が、光の尾を引いて、目標の建物まで急速に接近していく。瞬時に目標上空まで到達した榴弾は、光と共に炸裂して、周辺に破片をまき散らした。恐らくあの近くに掩体無しで居た敵兵士は、ほぼ斃れたことだろう。俺はそう考えつつ、小銃に残った残りの弾で援護射撃を実施する。そして号令を下令した。

 

 

退(すさ)れ!」

 

 

 無反動砲は、発射と同時に大量の粉塵を巻き上げる為、敵の射撃目標になりやすく危険だ。隊員はそのことを熟知しているため、俺の号令に素早く反応し、後方に隠れた。俺も残りの弾薬を撃ち尽くすと、後方に退避する。

 

 

「よし、ハチヨン収め、別の位置から戦闘に復帰せよ」

 

「了解!」

 

 

 そう言うと、班長及び弾薬手、射手は別の位置から戦闘に復帰していった。俺は負傷者根井の位置まで走り始める。その時、無線が鳴り響いた。

 

『こちらマツ、アラ! 付近の基地よりメディバックのヘリ2機が出動した! 到着まで5分だ! そちらから見て後方の平地に降着させる。早めに準備せよ! 了解か、送れ!』

 

『こちらアラ、マツ、了解!』

 

 

 俺はそう返すと、根井に駆け寄る。現場では、すでに田中がSalineを投与している最中であった。これだけ早く処置が完了していれば、根井は助かるかもしれない。

 

 

「分隊長、損傷の保護は完了しました。しかし出血が激しく…………」

 

「了解」

 

 

 俺は頷くと、根井の耳元に口を近づけ、叫んだ。

 

 

「後5分程度で、お前を助けにヘリが来る! それまでの辛抱だ! 頑張れ!」

 

 

 根井は俺を見ると、軽く頷いて見せた。だが顔面も体の表皮も青白く、このままではあまり長くは持たないだろう。

 

 俺は先ほどまで救護をしてくれていた二人の分隊員、吉田と山口に対し指示を下した。

 

 

「吉田、山口。後5分でメディバックのヘリが来る。田中の折り畳み担架を使って、ヘリの下まで根井を運んでくれ。またその時、使用したSalineを一袋貰ってこい。了解か?」

 

「了解です」

「了解」

 

「よし、3人とも頼んだぞ」

 

 

 俺は3人を見渡し、全員が了解出来たのを確認すると、また再度戦闘に復帰する。

 

 

『分隊! 分隊! 射撃間隔、普通射(ふつうしゃ)! 射撃間隔、普通射!』

 

 俺は分隊ネットでそう叫んだ。普通射とは、5秒から15秒間隔で一発もしくは数発を射撃する射撃間隔である。こうすることにより、必要以上に弾薬を消費するのを防ぐのである。俺は弾倉交換した小銃で適当に狙いを定めると、また再度制圧射撃を開始した。

 

 

 制圧射撃を継続していると、やがてメディバックのヘリが到着した。一機のヘリが上空を旋回し囮になり、もう一機が小隊長に指示された平地に降着する。俺は吉田と山口が出来る限り安全にヘリの下まで行けるよう、発煙弾を投擲した後、小隊ネットで叫んだ。

 

 

『こちらアラ、マツ! これより負傷者をヘリの位置まで後送する!』

 

『アラ、マツ、了解!』

 

 

 煙幕は既に張られている。俺は待機していた吉田と山口に目伏せすると、瞬時に二人は根井を載せた担架と共に、飛び出して行った。二人は素早くヘリの下に辿り着くと、中に根井を収容し、戻ってくる。そして根井の収容が完了したヘリは、すぐさま離陸し大量の砂埃を巻き上げて、根井を臥送(がそう)して行った。それを見送っていると、すぐさま無線が鳴り響く。

 

 

『全隊! これより第一分隊及び小隊本部が、水路の位置まで躍進を行う。アラ及びフジは、煙幕及び制圧射撃の火力増加を頼む、了解か、送れ!』

 

 俺と第二分隊は了解と返した。俺は発煙弾を既に一発投げていたが、もう煙はあまり長くないので、再度発煙弾を投擲する。そして俺は分隊ネットで叫んだ。

 

 

『分隊! これより第一分隊及び小隊本部が、この位置まで躍進を実施する。制圧射撃、火力増せ! 制圧射撃、火力増せ!』

 

 

 そう下令すると、我が第三分隊の隊員は瞬時に火力を増加させた。右横に展開している第二分隊も、同じく火力を増加させ煙幕を張っている。

 

 

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