"日本国国防軍" -終わりなき戦い- 国際治安支援部隊 ISAF   作:Veruhu

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"第五節" 「撃ち方止め」

 

 

『こちらナカ、躍進中!』

 

『こちらマツ、躍進中!』

 

 

 第一分隊及び小隊本部は、躍進を開始したようだ。この間、第一分隊及び小隊本部は無防備になる為、俺達第三分隊及び第二分隊がしっかりと弾幕を張り、支援しなければならない。

 

 俺は小銃の射撃間隔を、より一層早くさせた。弾丸を発射した際に発生する反動が、肩を突き抜け全身に響く。この感覚は、射手としての喜びではあるが、自身の発射した弾丸が人の命を奪う為のものだと考えると、喜ぶことなどは出来なかった。

 

 やがて躍進をしていた第一分隊及び小隊本部は、我々第三分隊及び第二分隊の居座る水路まで到達した。もうこれ以上の援護射撃は必要ないだろう。俺は分隊ネットで下令した。

 

 

『分隊! 撃ち方止めッ! 撃ち方止めッ! …………これより各班は、班員の負傷確認及び、弾薬の共有を実施せよ! 弾倉交換も忘れるな! 了解か、Alphaよりオクレ』

 

『Alpha了解』

『Bravo了解』

『Charlie了解』

 

 

 間髪入れず、各班より建制順にて了解の声が返ってくる。俺はそれを確認しながら、田中の居るはずの左手に移動した。

 

 田中は中隊ネットを聴くためか、背嚢無線を弄っていた。俺はその横に座り込む。

 

 

「根井の様子は分かるか?」

 

「いえ…………ヘリは無事に基地に着陸したようですが、それ以外の事は何も言ってませんね…………」

 

「…………そうか」

 

 

 負傷した根井 翔太朗 一等陸士とは特別関係があったわけではないが、彼が過去、特戦の試験を受けていたのを俺は目撃していた。惜しくも彼は落ちたわけであるが、その時の関係上、俺が情報小隊に編入した時も、彼と多少親睦を深めて居たのだ。惜しい人間が、脱落してしまった。

 

 

「弾は何発消費した?」

 

「15発程度です。それ以外は無線を聴いていました」

 

「了解。取りえず弾倉を二つ交換してくれ」

 

「分かりました」

 

 

 俺は弾倉を3つ消費してしまった。約90発分だ。残りの弾倉は5つ、つまり150発しか現在弾倉に入っていない。これでは大規模な戦闘が始まった際、途中で弾が無くなる危険性がある。このような危険を出来る限り回避する為、弾が余っている隊員からいくつか譲り受け、共有するのである。

 

 もちろん残りの残弾( ・ ・)が150発だけかというと、そうではない。あくまでも、弾倉に入った弾が( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)残り150発なのである。弾倉に入れられていない10発ごとクリップ状にされた弾薬であれば、背嚢に240発入っている。

 

 戦場では出来る限り装備を軽くするため、全弾を弾倉に入れていくなどという真似は基本的にしない。これは、一回の戦闘で必要と思われる弾薬だけを弾倉に入れておき、残りの弾薬はむき出しのまま背嚢などに入れて置くためである。

 

 こうすることで余分な弾倉の重量を無くし、背嚢のスペースを空けて、携行する弾薬を増やすことが出来る。もちろんこれには、弾倉に再装填する時間が必要になるというデメリットがあるが、一回の戦闘で弾倉8つを消費することはほとんどない上、それを超えるほどの戦闘の継続は危険であるという、危険信号にもなるから個人的に不都合は感じていない。

 

 俺は田中から新しい弾倉を受け取ると、弾倉の側面を手で叩き中の弾薬を整列させ、ポーチに入れた。こうすることで、弾詰まりなどを防ぐことが出来るのである。

 

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