"日本国国防軍" -終わりなき戦い- 国際治安支援部隊 ISAF 作:Veruhu
こうしているうちに、小隊本部が第三分隊と合流した。小隊長が声を上げる。
「第三分隊長!」
「はい! 第三分隊長」
俺は周りを警戒しつつ、水路の下まで行き対面した。他の隊員も軽く襟を正しているようだ。
「分隊長、根井の状態はどうだったか?」
「はい。大腿動脈をやられていた為、出血が激しかったのですが、そばにいた吉田と山口、田中の救護のお蔭で、即死は免れました。しかし、助かるかどうかはなんとも…………」
「そうか…………分かった。あの状況で無理に衛生隊員を呼び出さず、メディバックを要請したのは懸命な判断であったと思う。おかげで我々も、ヘリの埃にまぎれて前進出来たのだからな。吉田達も良くやった!」
小隊長は吉田達にそう呼びかけた。3人は照れるように「ありがとうございます」と返す。
「よし、さっさと前進するぞ! これより第二分隊、第三分隊は当初の予定通り、RLY 7である目の前の建物、これの検索を開始せよ! 第二分隊は右手、第三分隊は左手の建物だ! 第一分隊は周辺警戒! 検索の
小隊長は、全隊に伝わるよう大声を張り上げて命令を下した。
「第三分隊了解! 分隊行くぞ!」
「了解!」
ほかの各分隊も、了解と返し行動の準備に入る。俺は次の行動を素早く思惟し、決心した。
「分隊はこれより、RLY 7 左手建物の検索を開始する! Alpha及びBravoは、左手建物入口まで前進用意。Alphaは入口左、Bravoは入口右手で突入を待機せよ。前へ!」
Alpha及びBravoは命令を復唱しつつ、前進を開始した。続いてCharlie及びSierraに命令を下す。尚、Sierraは俺と田中の指揮班だ。
「Charlie及びSierraはその後方に付く。Charlieは入口左、Sierraは入口右だ。前へ! 行くぞ田中!」
「了解!」
全班は俺の命令通り、迅速に対象の建物の下まで移動を開始した。突入口となる建物の入り口にスタックしたAlpha及びBravoは、「準備良し」と返した。
「これよりAlpha及びBravoは、パイスライスの後、ボタンフックで突入する。Charile及びSierraは支援待機せよ」
各員は了解と返す。パイスライスとは、カッティングパイやスライシングパイとも呼ばれるが、壁に張り付きながら、上下にまるでパイを切るように銃を動かしながら少しずつ中を確認していく検索(クリアリング)方法である。またボタンフックとは突入方法の一つで、まるでボタンのフックのように、壁沿いに突入して行く方法である。
『こちらアラ、検索を開始する』
まず小隊ネットで第三分隊が検索を開始する旨を伝えた。
「よし、Alpha及びBravo、検索掛かれ!」
「了解! パイスライス!」
Alpha及びBravoの先頭の隊員が協同し合い、パイスライスで中の検索を開始した。二人の隊員は窮屈そうに互いの肩を接触させながら、中を少しずつ確認して行く。やがてパイスライスで確認できる範囲の安全が確認されると「クリア!」と声を上げた。
「よしAlpha、Bravo、入れ!」
「入れ!」
Alpha及びBravo8名の隊員は復唱しつつ、一気に中に侵入を始めた。突入する際は、決してゆっくり突入してはならない。なぜなら入口は敵にとっては絶好の伏撃点、フェイタルファンネルのど真ん中であり、迅速にこのキルゾーンから抜け出さなければならないからである。ゆっくりゆっくり突入していては、兵力の逐次投入にも繋がり隊員が一人づつ順に、斃れて行ってしまうことになる。
「ライトサイドクリア!」
「レフトサイドクリア!」
パイスライスでは確認できなかった、左右側面端までもがクリアであることが報告された。後は中にある居住用の建物の検索のみだ。