"日本国国防軍" -終わりなき戦い- 国際治安支援部隊 ISAF   作:Veruhu

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"第六節" 「無線確認」

「我々が前進を実施するCPの名称は何か!」

 

「Charlie(チャーリー)であります!」

 

「よろしい! 何度も言うが、本作戦は事前に何度も確認した通りであり、変更点は一切無い。その上で問う。何か質問は無いか!」

 

 俺がそう言うと、分隊員等は思惟するように頭を垂らした。少しの間が開いたかと思うと、彼らはまた再度顔を上げる。

 

『無し!』

 

 俺は頷く。

 

「了解! よくよく前日の作戦確認を行ってくれていたようで何よりだ。これでもう何も心配いらないだろう」

 

 俺は隊員たちの顔を確認した。皆、覚悟の決まった顔をしている。

 

「では皆、これで最後だ。俺からの質問に答えてもらいたい」

 

 隊員達は何かと俺の顔を見た。

 

「前進中、一体何が起こるか分からない。しかも特に厄介なのが、民間人に扮した敵の存在、あるいは敵対的な非武装の民間人の存在である。これらの怖さは皆、重々承知しているものと思うが……もしもである。もしも民間人が我々の前進を著しく阻害し、前進困難といった状況になった際、俺がその小銃で撃てと命じたならば、貴様等は撃つことが出来るか?」

 

 俺がそう問うと隊員達は黙ってしまった。第三分隊に一時の静謐が訪れる。だが、その一時の静謐を第一小銃班 鈴木 悠斗 陸士長が打ち破った。

 

「分隊長の命令は絶対ですから、必ずその命令通りに遂行して見せます!!」

 

 鈴木はまるで候補生かというように、大声で宣言した。

 

「私も必ず遂行して見せます!!」

 

 黒木もそれに続く。

 

「私も必ず!!」

「俺もです!」

「必ず従います!」

「私も!」

 

 他の分隊員等もそれに続いて意気投合した。彼らは頷き合い俺を見つめてくる。俺はこのような隊員と共に、死地へと赴くことが出来ることを幸運に思った。そしてこの隊員等だけは絶対に犬死だけはさせないと、心に誓う。

 

「ありがとう。お前たちのような隊員を指揮出来て、俺は最高に幸せ者だ!」

 

 俺はそう叫んだ。

 

「ではこれで戦闘指導を終了とする。続いて時刻を規制する!」

 

 隊員等は急いで自分たちの腕時計を弄り始めた。

 

「現在時! 分隊長の時計で0747! 0748まで残り20秒! …………10秒! ……5秒前! 4、3、2、1、今!」

 

 隊員等は「今」という号令に合わせて、時計のネジを押し込んだ。これで第三分隊員等の時計も共通となったわけである。それを確認し終えると同時に、無線の音がヘッドセットを介して聞こえて来た。

 

「ナカこちらマツ。152、感明送れ」

 

「マツこちらナカ。152、感明良し、感明送れ」

 

「ナカこちらマツ。152、感明良し、終わり」

 

 小隊長及び第一分隊分隊長はAN/PRC-152携帯型軍用無線機の無線確認を実施していく。「152(いちごーにー)」とはN/PRC-152携帯型軍用無線機のことである。この無線機は小隊ネット及び分隊ネットで使用する。また「マツ」は小隊長 松平 虎徹の頭二文字、松から取った呼び出し符号であり、「ナカ」は第一分隊 分隊長、中川 龍之介の頭二文字、中から取った呼び出し符号である。

 

 その昔、自衛隊がアナログ無線、つまり盗聴される可能性が非常に高い状況下で、出来る限り安全に交信するにはどうすればよいかという考えから、編み出された呼び出し符号である。現在はデジタル無線を使用しているため、暗号化コードが漏洩、暴露、解読されない限り安全ではあるが、非常に使いやすい呼び出し符号の為、そのまま使用している。

 

 下記に各部隊の呼び出し符号を記す。

 

 小隊長 松平 虎徹 二等陸尉  「マツ」

小隊付 甲斐 栄輔 一等陸曹 「カイ」

 

第一分隊 分隊長 中川 龍之介 一等陸曹 「ナカ」

第二分隊 分隊長 藤井 和人 二等陸曹 「フジ」

第三分隊 分隊長 荒木 翔太 一等陸曹 「アラ」

 

「ナカ、マツ。1523、 感明送れ」

 

「マツ、ナカ。1523、 感明良し、 感明送れ」

 

「ナカ、マツ、1523、 感明良し、終わり」

 

 続いて背負式軍用無線機RT-1523G(ASIP)の無線確認を実施していく。この無線機は各分隊の無線手が背負っており、分隊長がその無線手の無線を使用するか、その無線手本人がこの無線を使用する。この無線機は中隊ネット及び小隊ネット用である。

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