Dark Matter In Fairy Tail   作:bbbb.

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六話

 

 「次はどいつだ?」

 

 挑発的な言葉を投げながらこちらを見る垣根に対し、六魔将軍は言葉を返すことが出来なかった。垣根を見る彼らの目は大きく見開かれ、その顔には驚愕の表情が浮かべられている。垣根に倒されたレーサーは六魔将軍の中でも指折りの実力者で、彼と真正面から戦って勝てる魔導士などそうないない。現に六魔将軍討伐連合軍のメンバーも彼の魔法に翻弄され、為す術も無く叩きのめされてしまったのだ。しかし、突如この場に現れた目の前の青年は何事もなかったかのようにレーサーに勝利してしまった。これには六魔将軍だけでなく、連合軍のメンバー達も驚いた様子で垣根のことを見つめていた。

 

 「おいおい嘘だろ…?俺らがあんなに苦戦した敵を、一瞬で……!」

 「つえぇ……」

 

グレイとナツが思わず声を漏らす中、垣根は再び六魔将軍に言葉を投げる。

 

 「おい、何シカトこいてんだコラ。次はどいつだって聞いてんだよ。相手してやるからさっさとかかってこい」

 「貴様……」

 

ひどく不遜な態度で六魔将軍を挑発する垣根に対し、鋭い目つきで睨み付けるブレイン。すると、

 

 「俺がやる」

 

六魔将軍の一人、コブラが前に出ながらそう告げる。垣根はコブラをじっと見据えると、先ほどヒビキから共有された情報を思い起こした。

 

 「テメェは確か…毒蛇使いの奴か」

 「ハッ!少しは骨のある奴が出てきたか。なぁ?キュベリオス」

 

キュベリオスと呼ばれた毒蛇はコブラの言葉に「シャー!」っと喉を鳴らしながら応えた。そして、

 

 「行くぜェ!」

 

コブラは勢いよく駆けだすと、垣根との距離を詰め自身の右拳を振り放った。すかさず垣根が身体を捩り、コブラの拳は空を切る。しかしコブラはその動きを読んでいたかのように素早く腰を回すと、そのまま回し蹴りを放った。

 

 「……」

 

咄嗟にステップバックし、コブラの回し蹴りを躱す垣根。しかし、

 

 「逃がすかよ!」

 

コブラはすぐさま追随し、再び垣根との間合いを詰めるとそのまま右足を蹴り放つ。

 

 「チッ!」

 

左腕でコブラの蹴りを受け止めた直後、垣根はコブラの死角から左翼の一枚を放った。タイミング的にもそれは回避不能の攻撃。だが、

 

 「へッ、聴こえてるぜ」

 「!?」

 

ヒュルン!と身をよじり、コブラは垣根の翼を躱した。思わず驚きの表情を浮かべる垣根の隙を突き、コブラは垣根の懐にグッと踏み込むと鳩尾に左拳をたたき込んだ。

 

 ガッッ!

 

自動防御(オートガード)性能が付与された白翼がコブラの拳を受け止める。コブラは思わず目を見開きながら眼前の翼を見つめると、垣根は大きく後方へ跳躍しコブラとの距離を取った。

 

 (なんだ…?コイツ…)

 

垣根は鋭い眼光でコブラを睨めつけながら頭の中で思考を巡らせる。

 

 (俺の動きを見切ってるだけじゃねぇ。アイツ、死角からのあの攻撃をドンピシャで躱しやがった。気付いてからの反応であの動きは不可能だ。まさか、俺の動きが読まれてる…?俺に精神操作系の能力は効かねぇはずだが…)

 

垣根がそこまで考えると、突然前方のコブラが眉を上げニヤリと口角を上げる。黙って睨み返す垣根は、バサッ!と翼を大きく広げ、ググッと力を込め弓のようにしならせると、

 

 轟ッッッ!!

 

六枚の翼を一斉にはためかせ、強大な烈風を繰り出した。爆速で発射された巨大な鎌鼬は地表を荒々しく削りながらコブラの下へ一直線に進んでいく。迫り来る烈風を不敵な笑みで見ていたコブラは、烈風が自身に直撃する直前、ダッ!と地面を蹴り上げると一気に上空へと跳躍した。そして、

 

 スゥ~~~~~

 

コブラが突然、空中で目一杯息を吸い込み始める。垣根が訝しげに見上げていると、次の瞬間、

 

 「毒竜の…」

 「!?」

 「咆吼ォ!!」

 

 ゴァッッッッ!!

 

雄叫びと共にコブラの口から赤黒いブレスが放たれる。目を見開きながら見上げる垣根の全身を、毒竜の息吹が赤黒く染め上げながら降り注ぎ、そして、

 

 ドォォォォォォォォォン!!!

 

轟音と共に凄まじい爆発を起こしながら直撃した。連合軍達が驚きの表情で眼前の光景を見つめる中、ナツとウェンディは特にショックを受けた様子だった。

 

 「ブレス…!まさかアイツも…」

 「滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)…!」

 

爆発の余波で辺りが土煙で覆われる中、コブラは空中でキュベリオスの背中に乗るとそのまま黙って眼下を見下ろした。すると、

 

 シュッ!

 

突如土煙の中から白い翼と共に垣根が飛び出し、空中へと姿を現した。コブラは垣根の姿を捉えながらニヤリと笑う。

 

 「ハッ、間一髪で躱したか」

 「流石に驚いたぜ。まさかテメェも滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だったとはな」

 「俺は毒竜のコブラ。第二世代の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だ」

 

コブラが不敵に笑いながら名乗りを上げた。すると、

 

 「フッ…」

 

垣根はその場で小さく笑う。その反応に眉をひそめるコブラ。

 

 「なにが可笑しい?」

 「いやなに、錯覚野郎に星霊魔導士ときて今度は絶滅危惧種か。中々珍妙な奴らばっかだなと思ってよ」

 「……」

 「結構愉快なとこじゃねぇか、六魔将軍。闇ギルドとはいえ、潰すには惜しくなってきたな」

 「ほざけ!」

 

垣根の挑発に苛立ちを見せたコブラがキュベリオスと共に垣根との距離を詰めると、対する垣根もすぐさま自身の翼をコブラに放った。

 

 「無駄だ。テメェの動きは聴こえてる!」

 

迫り来る二枚の翼を難なく躱したコブラ。すると垣根は残りの四枚の翼を広げ、羽根一枚一枚を一瞬で鋭い槍へと変化させた。そして、

 

 ドッッッッッ!!

 

無数の槍が爆発的に発射され、その全てがコブラを襲う。回避は不可能。防ぐ手立てが無ければ串刺しになること間違いなしのはずだった。だが、

 

 「へっ!」

 

コブラが笑みを浮かべた直後、突如垣根の視界からコブラの姿が消え、串刺しにするはずだった無数の白い槍は空を切る。またも不可避の攻撃を避けられた垣根がやや遅れて頭上を見上げると、そこには太陽を背に天高く舞い上がるキュベリオスとコブラの姿があった。彼らを見上げる垣根の視線と頭上から垣根を見下ろすコブラの視線が交錯する。

 

 「言ったろ?テメェの動きは聴こえてるって」

 

コブラはキュベリオスの背中をダッ!と蹴り上げ垣根目掛けて一気に急降下していく。バッ!と振り上げたコブラの両腕は真っ赤な鱗に覆われ、まるで竜の腕のような形をしていた。そして、

 

 「毒竜双牙!」

 

 ズバッッッ!!

 

赤黒い魔力に染まったコブラの刺突が垣根の翼に直撃した。

 

 「くっ…!」

 

滅竜魔法の衝撃を殺しきれず地上へと落下していく垣根だが、地面に突撃する寸前で体勢を立て直すと、そのまま低空飛行でコブラとの距離を取る。

 

 (さっきのも躱すとは…間違いねぇ。コイツ…やはり俺の動きを読んでやがる)

 「動きを読む?違うな。読んでるんじゃねぇ。聴こえてんだよ」

 「!?」

 

真後ろからのコブラの声に、垣根が思わず驚きながら振り返ると、そこにはキュベリオスと共に垣根の後を追うコブラの姿があった。まるで垣根の頭の中を読んでいるかのようなコブラに対し、垣根は慎重に言葉を返した。

 

 「…聴こえる、だと?」

 「あぁ。俺の魔法は"聴く"魔法。心の声が聴こえるから動きが分かるのさ」

 「…なるほど。道理で動きが読まれるわけだ。だが大丈夫なのか?そんな簡単に手の内をさらしちまって」

 「問題ねぇさ。タネが分かったところで対策のしようなんざあるわけねぇ。俺の魔法はその思考のプロセスすらも聴けちまうからな」

 「…」

 

垣根の後を追っていたコブラとキュベリオスはそのスピードを更に上げ、一気に垣根との距離を詰めるとコブラが再びその右腕を振るった。

 

 「オラァ!」

 

 ブンッ!

 

振るわれた右腕を身体ごと右に流れることで躱す垣根。だが、

 

 「聴こえてるって言ってんだろ!」

 

コブラは自身の魔法でその動きも読んでいたのか、すぐさま左足を繰り出した。しかし、

 

 ガンッ!

 

コブラの蹴りは垣根の翼によって弾かれ、思わず目を見開くコブラ。その様子を見逃さなかった垣根はふと一つの違和感を覚えた。

 

 (俺の動きは全て読まれてるハズだが、翼の自動防御には対応出来てねぇ?そういやさっきもそうだったな…)

 

垣根は思考を進めながら一旦地面へと着地する。すると、コブラもそれに合わせて地面に降り立ち舌打ちをしながら垣根と相対した。

 

 「チッ!自動防御かよ。厄介なモン付けやがって」

 

先の垣根の思考を聴き取り、垣根の翼の性能に気付くコブラ。垣根はしばらく黙ってコブラを見つめていたが、やがて小さく呟くように言った。

 

 「ふむ。なるほどね」

 「あ?」

 「確かにテメェの魔法は厄介だ。精神操作系の力すら弾く俺の未元物質のフィルターをも超えてくるとは、流石は滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)。竜殺しは伊達じゃねぇってか」

 「……」

 「俺の思考は全てお前に筒抜け。なら仕方ねぇ。切り離すしかねぇな」

 「あ?テメェ一体何を…」

 

言葉の途中でコブラが口を閉じ、驚きの表情で垣根を見つめた。垣根の心の声を聴いていたコブラの耳に唐突に聴こえて来たのは意味不明な数式の羅列。今垣根の脳内では超高速で大量の計算がなされ、その全てがコブラの耳に流れてきている。あまりの情報量に思わず圧倒されるコブラは慌てた様子で垣根に叫んだ。

 

 「な、何をしやがったテメェ!」

 「何って、聴こえたんだろ?じゃあわざわざ説明するまでもねぇよな」

 「テメェ…!」

 「なに、そんな大した演算はしてねぇ。解いてみろよ。俺が自分だけの現実(パーソナル・リアリティ)に何を入力したのか」

 

コブラの困惑した様子を他所に、垣根はゆっくりと翼を広げた。そして、

 

 轟ッッ!

 

一斉に翼をはためかせ、爆発的な加速でコブラとの距離をゼロにすると、そのまま自身の右拳を振るった。虚を突かれたコブラだったが、垣根の声を聴き取ることで動きを先読みし垣根の攻撃を難なく躱す。

 

 (何をしてこようと無駄だ。俺にはお前の思考全てが聴こえてる。この俺が後手に回ることはない!)

 

垣根の拳を見事に読み切り、攻撃を躱したコブラがそのままカウンターを決めようと自身の右拳を繰り出そうとしたその時、、

 

 ドスッッッッ!

 

垣根の白い翼の一枚がコブラの腹部に深々と突き刺さった。

 

 「ガハッ……!?」

 

唐突な腹部への衝撃にコブラは思わずうめき声を上げ、肺の中の空気を吐き出しながらそのまま後方へと吹き飛ばされる。腹を押さえ呻きながら立ち上がるコブラだったが、その顔には怒りと困惑の表情が浮かんでいた。

 

 「オイオイ、まだ一発入れただけじゃねぇか。しっかりしろよな。まだまだこれからなんだからよ」

 「テ、テメェ…一体何を…」

 

コブラが言い終わらないうちに再び垣根がコブラに接近する。なんとか立ち上がったコブラは、再び垣根の心の声に集中する。

 

 (二枚の翼による翼撃!)

 

コブラが垣根の思考を聴き取った直後、その思考通りに垣根から二枚の翼が放たれた。

 

 「……っ」

 

コブラは跳躍して翼撃を躱すと、垣根の頭上まで飛び上がりそのまま垣根の顔面目掛けて蹴りを放った。

 

 「毒竜の鉤爪!」

 

赤黒い魔力を纏った右足が垣根を襲う。咄嗟に顔を逸らすことで躱した垣根だが、その動きを読んでいたコブラは身体の回転の勢いを利用してすぐに体勢を整えると、垣根の顔目掛けて左拳を放った。すると、

 

 ブゥン…

 

突然、コブラの耳にかすかな振動音が聞こえる。コブラがその音の方向に視線を向けた瞬間、

 

 シュッ!

 

地を這うような低さから垣根の白い翼が一気に伸び上がり、勢いよくコブラの顔面まで迫った。

 

 「く……っ!?」

 

間一髪で翼の刺突を避けたコブラだったが、突然のことで思わず体勢が崩れた。その隙を垣根は逃さず、コブラの空いた腹部に右足を蹴り込んだ。

 

 ドンッッッ!!

 

咄嗟に両腕をクロスさせ、垣根の蹴りを受け止めたコブラ。しかし、

 

 (重い……!)

 

未元物質によって強化された蹴りの威力はコブラの想像を上回り、体中に鈍い衝撃が伝わりながらコブラは身体ごと後方へと飛ばされる。なんとか足を踏ん張ったコブラが再び前を向くと、既に垣根が翼をはためかせながら距離を詰めてきていた。

 

 「チッ!」

 

再三接近戦を仕掛けてくる垣根に思わず舌打ちをしながらも、コブラはチラリと垣根の背後の翼を見る。どういうわけか、垣根の思考を介さずに攻撃してくるあの翼だが、コブラの耳を持ってすれば翼が攻撃を仕掛ける際に鳴らす微少な音をも拾うことが可能。コブラは全神経を自身の耳に集中させた。そして、お互いが近距離戦闘の間合いに入った途端、

 

 シュッッ!

 

風切り音と共に垣根の上段蹴りがコブラの側頭部を襲う。

 

 「…ッ!」

 

垣根の行動を先読みしていたコブラは当然のごとくそれを躱すと、自身の右拳を構えながら垣根の背後の翼に意識を向けた。すると、

 

 ブゥン…

 

またしても先ほど同じ羽音が聞こえ、音の出所を瞬時に見抜くとそこから一枚の白い翼が伸びてきた。先ほどと全く同じ光景だが、今度は冷静に身を捩ることで翼を躱す。

 

 「へッ!同じ手を二度も喰らうかよ!」

 

コブラがニヤリと笑みを浮かべながら、ダンッ!と垣根の懐に踏み込んだその時、

 

 ブゥン…

 ブゥン…

 

コブラの耳が二つの翼の振動音を拾い上げ、その直後、突然コブラの腹部に強い衝撃が叩き込まれた。

 

 「ゴ…ハ……ッ!?」

 

二つの白い刃が鳩尾に突き刺さり、鋭い痛みが全身を駆け抜ける。あまりの痛みに息を詰まらせ、白目を剥いたコブラはそのまま後方の大木へと勢いよく吹き飛ばされた。

 

 ズドォンッ!!

 

派手な音を立てて地面にずり落ちるコブラ。呻きながら地を這うコブラの下へ垣根はゆっくりと近づき、コブラの目の前で立ち止まると冷徹な眼差しでコブラを見下ろした。

 

 

 「…テメ…ェ…」

 「別に自動攻撃(オートアタック)が一枚ずつ、だなんて一言も言ってねぇだろ。一回躱した程度で油断したお前が悪い」

 「クッ…!」

 「しかし大したもんだ。俺的には自動攻撃ですぐに片づくと思ってたんだが、まさか自動攻撃の際の羽音まで聞き分けて対応してくるとはな。イカレてるぜお前の耳」

 「自動…攻撃…っ?」

 

口元から唾液を垂らしながらもコブラは目の前に立ちはだかる垣根を鋭い目つきで睨み上げる。そんなコブラを静かに見下ろしながら垣根は言葉を続けた。

 

 「あぁ。テメェを仕留めるために即興で作ったシステムだが、存外悪くなかったな」

 「……」

 「俺の思考を全て聴き取るテメェが、なぜだか翼の自動防御は読み切れずにいた。それはなぜか?答えは簡単。俺の意識外で動いてたシステムだからだ」

 「なに…?」

 「一度翼の自動防御が働くよう演算でフィルターを組み上げれば、後は組み込んだ条件式を元に勝手に処理が働くってわけ。そこに俺の意志は介在しない。たとえ俺が無意識の状態でもシステムは常に動いてる」

 「…無意識でも…勝手にテメェを守るよう、プログラムされてるってわけか…」

 「そうそう。だからお前は俺の自動防御を読み切れなかった。ならこの理論を攻撃にも転化できればお前の攻略法も見えてくる。そこでさっき新たに自動攻撃の演算式を組み込んだってわけだ」

 「…だから翼撃時にテメェの声は聴こえなかった」

 「はいまた正解。だが自動防御の時ほど緻密な演算は行なってねぇ。大分アバウトな条件式しか組み込んでないからな。ま、そのおかげで俺にもどう動くか分からなかったが、結果的に上手く行ったようだ」

 

垣根が眼下のコブラに解説しながら自身の翼をチラリと見る。コブラは依然、怒気を含んだ目で垣根を睨み付けているが同時に背中に冷や汗が流れる感覚を覚えた。この短時間でコブラの魔法の穴を見抜く並外れた洞察力と、多様な状況にも瞬時に対応できる実力。これほどの魔導士がエルザやジュラの他にいたという事実がコブラを驚かせた。

 

 「テメェ…一体何者だ?」

 「あ?」

 「なんなんだよテメェの魔法は!そんな魔法聞いたことねぇぞ!」

 「まぁ…そうだろな。だが生憎今は俺の魔法について講義する時間じゃねぇ」

 

そう言うと垣根はスッと右手を前に出し、ニヤリと笑みを浮かべる。

 

 「!?」

 

垣根の心の中の声を聴いたコブラは急いでその場から飛び退いた。しかし、

 

 ゴッッッッッ!!

 

突然、周囲一帯の重力が重くなる。咄嗟に身体を起こしたコブラだったが、その努力も虚しく再び地面へと叩きつけられた。

 

 「ガハ……ッ!?」

 

必死に身体を起こそうとするコブラだが、コブラの意志とは裏腹に彼の身体はミシミシミシッッ!と音を立てどんどん地面へとめり込んでいった。

 

 「クッソがァァ……!」、

 

 ガシャンッッッ!!

 

重力の負荷に耐えきれず、大地に大きな亀裂が走る。どんどん重くなる重力に対し、歯を食いしばりながら必死に抗うコブラを見下ろしながら、垣根は静かに呟いた。

 

 「あぁそうそう。お前の攻略法、もう一つあったわ。それは…」

 「く……っ!?」

 「分かっていても避けられない攻撃をすればいい。今みたいにな」

 「テ、メェ……!」

 

苦悶の表情を浮かべるコブラはなんとか顔だけ起こし目の前の垣根を見上げると、ゆっくりと垣根の背中の翼が広がっていった。トドメを刺される。そうコブラが直感したその時、

 

 「キャッ!?」

 

戦場に一人の少女の悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 

 




この世界の垣根、めっちゃ武闘派
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