ハイスクール・フリート   ~空を翔る鳶と海虎~   作:鷹と狼

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第10話 鷲vs黒人魚

 

 

 

 

八丈島にて黒いインディペンデンス級。宗谷真冬が艦長を務めるBPF10「べんてん」が沖合いで航行。

 

上空にはウィリアムとトムが扱うPBY-5カタリナ。新一郎と幸吉が扱う零式水上観測機が飛行していた。

 

 

「編隊を解け、攻撃訓練開始!新一郎、幸吉!任せた!」

 

 

「『了解!!』」

 

 

二機は編隊を解き、それぞれの進路へ向かい、低空飛行へ移った。

 

 

「真冬艦長!9時報告にカタリナがのんびり上空で飛行して来ます!!」

 

 

「14時方向にも、零観が低空飛行で向かってきます!!」

 

 

「だから何だと言うんだ、飛行機の攻撃に何ができる!ブルーマーメイドたる者が!我らの行けぬ海はなし!…素早く~そして確実に…徹底的にやれ!!」

 

 

準備する中、真冬は、彼らを激励する。

 

 

『ウッス!』

 

 

自信に満ちた真冬が言い放ち、乗員の士気を向上させた。

 

なぜ、この訓練が始まったのか。

 

 

原因は3日前、ブルーマーメイド横須賀基地 

 

 

医師を目指すシャルロットは、平賀と福内と食堂に歩いていった。

 

 

「シャルちゃんもこの世界の日本に馴染んできなね~」

 

 

「はい、わたくしも戦争が終結したら、友人たちと日本に行く約束をしてました」

 

 

「へぇ~、ねぇその友人はどうしているの…?」

 

 

「……………………」

 

 

福内の言葉で、シャルロットは沈黙した

 

 

「…二人はベルリンで…一人は、シンガポール上空で…」

 

 

「あ……」

 

 

「ご、ごめんなさい……気の毒なことを…」

 

 

シャルロットは敵味方問わず友人がいたが、敵のニ人の友人はドイツ軍の戦車兵としてベルリン攻防戦で戦死。

 

一人はアメリカ陸軍の戦闘機パイロット、シンガポール上空で戦死した。

 

福内は気まずいことを述べたことに謝罪した。

 

 

「いえ、お気をなさらずに。わたくしは友人の分もやり遂げなければなりません…きゃっ!?///」

 

 

「おぉっなかなかいい尻してんじゃねぇか」

 

 

突如シャルロットは悲鳴を上げた。その正体はべんてんの艦長、宗谷真冬であった。            

 

 

「ななな...!///」

 

 

「あっ真冬姐さん、お疲れさまです!」

 

 

「もうっ、また人のお尻を……」

 

 

真冬が平然とシャルロットの尻を揉んでいる時、平賀と福内は平然と挨拶をしていた。

 

 

「…な…なにをなさるのですか!?///」

 

 

「ブルーマーメイドになる為の根性注入だ!」

 

 

「キメ顔で何トンチンカンなことを言ってるんですか。……そもそもシャルロットさんはイーグルのメンバーですよ…」

 

 

「…ひっ…」

 

 

シャルロットが涙目を浮かばした時だった。

 

 

「こらーっ!!真冬~!!」

 

 

「おい、お前は何て破廉恥な趣味なんだジャップの女!」

 

 

シャルロットの悲鳴でウィルと新一郎が駆けつけにきた。

 

 

「はっはっはっ!!これはあたしのトレードなやり方だ!」

 

 

「…ぐぬぬ……」

 

 

真冬の蒼然とした顔で笑い、ウィリアムは怒り気味ながら、腰に装備してあるホルスターに手を掛けて、拳銃を取ろうとした時に新一郎は彼らを押さえた。

 

 

「落ち着け…ウィリアム!」

 

 

「止めるな新一郎〜!シャルは従軍看護師で私の大事な仲間に手を出すのは許さんぞぉ~」

 

 

その場にいた平賀が押さえつけながらなだめさせた。

 

 

「ウィルさん、…そうだ!なら模擬戦闘をしませんか?」

 

 

「模擬戦闘!?」

 

 

「はい、勝てばそれなりの権限があります!ウィルさんと真冬姐さんはどうですか?」

 

 

「ん…わかった……真冬よ、我々が勝ったら、二度とイーグルの尻をさわるな!!」

 

 

「ふっ、いいだろう!アタシらが勝てば、あんたらの零観と新一郎をべんてんの搭載機と専属パイロットとして貰うぜ!」

 

 

「いいだろう!」

 

 

「こらっウィル、俺たちと愛機を黒人魚に売るな!!」

 

 

どこかずれている場面がある中、模擬訓練前夜まで両者は作戦会議に打ち込んだ。

 

 

べんてん ー

 

 

「いいか、連中は上空から爆弾と魚雷をぶち込んでくるだろう!だが、鷲と言えども積載に限りがある。今までの戦闘経験と根性があれば回避して当たらずに済む!この訓練で勝ち、奴らの飛行機とパイロットを入手するぞ!!」

 

 

「「「 おす!! 」」」

 

 

真冬とべんてんの乗務員は訓練に備えて士気が向上。

 

 

 

 

 

ライジングイーグル、格納庫ー

 

 

「おーい、トチロー!カタリナの調子はどうだい!?」

 

 

「あたぼうよウィル!!この通り100%大丈夫だってんでぃ!あとで模擬爆弾の装備するために手を貸してくれ!!」

 

 

「あぁ、わかった!」

 

 

「ウィル!」

 

 

ウィリアムの背後から新一郎が赴いた。

 

 

「ん…?新一郎…」

 

 

「お前は、対艦艇戦闘の経験はあるのか…?」

 

 

「まぁ、ほとんど後方支援の輸送任務だが、ん…一度、潜水艦への爆雷攻撃くらい…」

 

 

「…そ…そうか…」

 

 

「新一郎はあるんか?」

 

 

「そうだな…ソロモン諸島で魚雷艇、本土近海で潜水艦を狩っていたな…」

 

 

 

ウィリアムと新一郎、互いに対艦艇戦闘の経験は無いに等しかった。

 

 

イーグルのメンバーは模擬戦闘の当日までの間、カタリナと零観を八丈島に移動させた。

 

 

 

 

八丈島沖 ー 

 

 

 

「指揮官と整備員の全員が作戦を理解し、どんな不測の事態が起こっても瞬時に修正する判断を持たせなければ勝利はない!」

 

 

 

その言葉で、ライジングイーグルカタリナと零観はパイロットの腕による射撃、電信員の正確な情報と飛行、速度。

 

爆撃と魚雷のタイミングの猛訓練を繰り返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時刻を当日に戻し、鷲対黒人魚の模擬戦闘訓練が始まった。

 

 

PBY-5カタリナ 外武装mk.13魚雷 2(模擬)

 

 

零式水上観測機 外武装 30キロ爆弾 2 (模擬)

 

 

7.7ミリ機銃弾 7.62ミリ機銃弾 12.7ミリ機銃弾 (ペイント弾)

 

 

べんてん 速射砲 バルカン砲 (ペイント弾)

 

 

 

装備した機体と艦艇が八丈島の海と空を航行していた。

 

 

 

 

 

 

べんてんー

 

 

 

「艦長!敵機の零観が本艦右舷に向かって飛来!!」

 

 

「よしっ!奴の射角に合わせてバルカン砲で射撃開始!!」

 

 

「了解!!」

 

 

「おっと、狙うのは海面を撃って進路を阻ませろ!!」

 

 

「おす!!」

 

 

真冬は新一郎たちの出どころを見計らい、右舷の二門のバルカン砲で射撃を行った。

 

 

 

零観ー

 

 

 

「新一郎さん!べんてんのバルカン砲が撃ってきました!!」

 

 

「へっ!考えやがったな!べんてんの侵入を拒ませるために海面を狙ってきやがった!!幸吉、出番だ!!」

 

 

「了解!!」

 

 

幸吉は後部座席から立ち上がり、折り畳み式のクロスボウを取り出し、矢(ペイント装備)を備えて構えた。

 

 

「進路よし、風よし、角度よし、食らえ!!」

 

 

水しぶきが弾ける中で幸吉は矢を放ち、曲射を描く様に前部のバルカン砲に命中、バルカン砲はペイントに染り、使用不能。

 

新一郎もスロットルレバーの引き金を絞り機銃を発砲、バルカン砲をペイントで被弾、使用不能にさせた。

 

 

「バルカン砲、被弾!!」

 

 

「畜生、小癪な真似を!!」

 

 

零観がべんてんの真上を通過したすぐに左舷側の幾つかのバルカン砲に矢が刺さり、使用不能になった。

 

 

カタリナー

 

 

「機長!零観の沖田、幸吉ペアの報告です。敵艦の対空兵器を排除されたし!」

 

 

「やったか、新一郎!」

 

 

「ウィル機長、止めを…」

 

 

トムがウィルに止めを刺すことを進言しながら爆弾投下の照準器を準備したが、零観がカタリナが飛行する高度まで上昇、シャルロットは静止した。

 

 

「ちょっと待ってください。幸吉さんから連絡です!」

 

 

シャルロットは機内の無線スピーカーを流した。

 

 

「『べんてんの速射砲とスクリューの攻撃を許可されたし!』」

 

 

「OK!スクリューを足止めすれば、命中率が100%だ!」

 

 

短期の訓練で、カタリナはデコイ相手に魚雷を使用しても外してばかりであった。

 

 

そして、零観がべんてんの後部甲板に向けて急降下を開始。

 

 

 

べんてん ー

 

 

「艦長、零観が急降下!後部甲板に接近!回避行動を!!」

 

 

「落ち着け!奴らが爆弾を落とすまで我慢しろ!」

 

 

「バルカンで対空戦闘!!」

 

べんてんは全てのバルカン砲を立ち上げ、零観に向けて射撃を開始。

 

 

「用意、投下ぁ!!」

 

 

零観はバルカンの弾幕をすり抜け、照準を後部甲板に捉え、たった二発しかない3番爆弾を投下した。

 

 

「艦長、爆弾を投下しました!!」

 

 

「今だ、取り舵いっぱーい!!」

 

 

「『取り舵いっぱーい!!』」

 

 

真冬の指示で、べんてんは取り舵に航行。

 

爆弾は本艦の右舷側に落下した。至近弾で衝撃を受けつつ、回避に成功した。

 

 

「艦長!回避成功!」

 

 

「うはははは〜!!新一郎の下手くそめ!!こっちは対艦戦闘の回避には馴れているんだ!ざまぁ見ろ~!!」

 

 

真冬は左舷の見張り台から、零観に向け舌を出してベロついて小馬鹿していた時々、零観が瞬時に背面に飛行、幸吉が弓で矢を放ち、速射砲を居抜き、使用不能に陥らせた。

 

 

「畜生~!!速射砲が……」

 

 

「再度、零観が接近!!」

 

 

  ダダダダダダ

 

 

「機銃発砲、伏せろ~!!」

 

 

零観は機首の7.7ミリ機銃を発砲、べんてん艦橋の舷窓を掃射した。

 

 

「艦長!!艦橋が被弾~!!」

 

 

「落ち着け、機銃で被弾しただけだ…と…擬弾と言え、舷窓が一面ペイントで前が見えねぇな…」

 

 

「艦長、カタリナが低空飛行で接近!!」

 

 

「しまった!!」

 

 

新一郎、幸吉は自ら囮に出て真冬のべんてん上空を翻弄しながら飛行。

 

その隙に、大型機のカタリナを低空飛行に移動させる準備をした。

 

 

「なにっ!?(しまった…新一郎の零観に気を摂られてしまったか…)速射砲で応戦!」

 

 

「速射砲が使用不能!!」

 

 

「こちらの操舵不能!」

 

 

先程の至近弾で爆弾が水中で爆発した衝撃で、舵が変形した。

 

報告を聞いた真冬は苦渋、これ以上べんてん乗員の士気低下を阻止せねばならなかった。そして、判断した。

 

 

「ぐぬぬ……武器庫から機関銃と小銃、拳銃を持ってこい!」

 

 

「艦長!それでは飛行機を落とすことが…」

 

 

「威嚇だけでもいい!弾幕を張れ!!」

 

 

「「「 ウッス!! 」」」

 

 

真冬の指示により、べんてん乗員は武器庫からありったけの銃器を倉庫から取り出し、カタリナに向けて発砲した。

 

 

 

カタリナー

 

 

 

「おぉ~!やたら撃って、弾幕を張ってますよ機長!」

 

 

「例え機銃で撃ってきても、カタリナは防弾が優れている。シャルロット、機首の機銃座で発砲、脅してこい!」

 

 

「了解です!」

 

 

シャルロットはカタリナの機首の機銃座に移動、べんてんに向けて発砲。

 

だが、彼女はあくまで医者の卵であり、例え訓練でも人員を当てず、極力海面や艦壁を当てていた。

 

 

カタリナを扱うウィルは巧みな操縦、低空飛行で、べんてんの航行する未来位置を掴み、トムは魚雷発射スイッチを手に、機長ウィルの合図を待った。

 

 

「機長、発射を!」

 

 

「まだだ、肉薄に接近してからだ!!」

 

 

副長のトムは焦りつつ、ウィルは計算しながら、敵艦べんてんの速力と愛機の速度を図った。

 

 

「用意……発射!!」

 

 

「了解!!」 ガチッ  バシュッ

 

 

ウィルの合図でトムは発射スイッチを作動、カタリナの両翼の魚雷が海に落下、べんてんに向けて水中を走った。

 

 

べんてんー

 

 

「艦長!!敵機が魚雷を発射、接近してます!!」

 

 

「魚雷を撃て、回避を!!」

 

 

「間に合いません!!」

 

 

「衝撃に備えっ!!」

 

 

真冬たち乗員は艦内にしがみつき、衝撃に備えた時ー

 

 

     ドカアアァン

 

 

上空の無人飛行船のカメラが確認、べんてんの左舷に魚雷が命中。試合は決した。

 

 

「これは…凄い…」

 

 

「…これが…飛行機と艦艇の対決場面…」

 

 

「…凄まじいですね…宗谷監督官…」

 

 

「えぇ……『訓練終了!!』」

 

 

モニターで看ていた平賀と福内は息を飲んだ、そして監督官の真霜は終了の合図を宣告。

 

 

宣告を聞いた。新一郎、幸吉ペアの零観。シャルロットとトム、ウィルは八丈島の神奏港に寄港した。

 

 

神奏港 ー

 

 

 

「カタリナの皆さん、お疲れさまです~!」

 

 

「ウィル、トム、シャルロット!敵艦べんてんの魚雷命中は流石だったな!!」

 

 

幸吉は労い、新一郎は激励した。

 

 

「そんな事ないさ、君たちが囮になってくれた事と、カタリナメンバーのトムとシャルのおかげだ!」

 

 

「だけど、機長の巧みな操縦と合図のおかげですよ!」

 

 

「そうですわよ。わたくし達のチームワークが良かったから勝てたのですのよ~」

 

 

「おいおい、整備を手掛けたおれっちも忘れるなべらぼうめ!」

 

 

「あぁ、そうだったな~!「「「 ははははは!! 」」」」

 

 

ウィル、トム、シャル。そしてトチローが互いに褒め称え、イーグル全員が笑いあった。

 

 

すると、黒人魚。べんてん艦長の宗谷真冬自らがイーグルの元に赴いた。

 

 

「あんたたち、凄げぇな!この勝負、あたしたちの負けだ!だが、新一郎の零観は諦めないからな!!」

 

 

真冬は自らの勝負の負けを認めたが、新一郎の零観を諦めないことを宣告した。

 

 

「全く…真冬よ、君が諦めないことは認めるが、べんてんが零観の専用機に関しては保留だ!」

 

 

「それと、もう二度とイーグル関係者の尻をもて遊ぶなよっ!!」

 

 

「…はいはい……」

 

 

「返事は一回!!」

 

 

ウィリアムと新一郎の返答で、真冬はしぶしぶな返事で約束したが、心の中で呆れつたあった。

 

 

 

 

数日後、横須賀基地。

 

 

 

「はぁ~今から午後の時間が始まる~」

 

 

「キャサリンさん、夕食の献立は何ですか?」

 

 

「そうねぇ~スタミナを整えるため、アメリカンビーフと日本の……」

 

 

施設内で平賀と福内、ウィルの妻キャサリンは路上で歩いてる時ー

 

 

「キャサリン、隙あり~…い…」

 

 

「あ~ら真冬さん、勤務サボって、女性の尻をもて遊んでるんですか~?」

 

 

キャサリンは咄嗟に、懐からSAA拳銃をホルスターから抜き、真冬の額に銃身を突きつけた。

 

 

「あ…き…キャサリン……この拳銃は…?」

 

 

「言ってなかったかしら〜?あたしはテキサス出身のカウガールですよ♪もし、誰かの触ったら、真冬さんの額に風穴開けますから~♪」

 

 

春間近な季節に、真冬は久しぶりに冷や汗を掻いた。

 

その後、横須賀基地にて真冬の行動が過剰過ぎる時、しばしキャサリンにロープ、鞭捌きにより、止められるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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