ハイスクール・フリート   ~空を翔る鳶と海虎~   作:鷹と狼

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第21話 闇夜の鉄鯨

 

 

一隻は日本の東舞男子校の伊-201、もう一隻は、アメリカのハワイ男子校のガードフィッシュ。

 

 

「艦長、日本の横須賀海洋学校の航洋艦かと……」

 

 

「もう一隻は水中でスクリュー音、日本の男子校の潜水艦です」

 

 

「絶好の獲物だな、潜望鏡深度まで浮上」

 

 

ガードフィッシュは潜望鏡深度に浮上、潜望鏡には晴風が捉えられた。

 

 

「速度はそこそこ、エンジンに深刻なダメージがあるのだろう。…艦橋の形からすると陽炎級だ」

 

 

「もしかしたら、日本の海洋で騒いでいる晴風かと…?」

 

 

 

 

 

突然、ベッド横の内線電話が鳴る。

 

 

「!?」

 

 

内線電話の着信音で明乃は、目を覚ます。

 

 

『艦長!…水測の万里小路さんが、何か海中で変な音がするって‥‥艦長!!…艦長!!』

 

 

「配置つけ!」

 

 

艦橋にいる幸子からの報告に明乃は、直ぐ配置の命令を下し、乾いた製服に着替え艦橋に向かう。

 

 

晴風、艦橋

 

 

明乃が艦橋に上がると、艦橋では幸子と鈴が当直をしていた。

 

 

「ココちゃん、報告して!!」

 

 

「えっと‥‥方位30と後方60に二軸の推進機音、感4‥現在音紋照合中です。」

 

 

艦橋に飛び込んできた明乃に幸子は現状を報告する。

 

 

「水上目標がいないって事は…潜水艦!?」

 

 

幸子の報告を聞き、明乃は直ぐに潜水艦だと察した。

 

 

「ふぁ〜どうしたの?…こんな時間に‥‥」

 

 

欠伸しながら、まだ寝ぼけ眼な芽衣とアザラシの様なアイマスクを付けた志摩が艦橋に上がって来た。

 

 

更にもう1人

 

 

『ん!?』

 

 

明乃と幸子は、ある人物に注目する。

 

 

「シロちゃんそれ!?」

 

 

「何やってるんですか?」

 

 

2人の目の前に立っていたのは、寝ぼけた状態で鮫のぬいぐるみを抱っこしたままのましろだった。

 

 

「ん…わぁ…これは…その、見るな!?」

 

 

ましろは慌てて、鮫のぬいぐるみを後ろに隠す。

 

 

「主砲、配置よし!」

 

 

「機関は、まだ修理中!…巡航以上は、だせねぇぜ!」

 

 

「見張り異常なし!…何も見えませんが……」

 

 

光、麻侖、マチコが艦橋に報告する。

  

 

「か、各部…配置に着きました…」

 

 

ましろは恥ずかしがりながら、明乃に総員配置に付いた事を報告する。

 

 

「音紋照合いたしました東舞校所属艦、伊201とアメリカのハワイ校所属艦、ガードフィッシュですわ。」

 

 

音紋照合の結果、接近する艦艇は、東舞鶴男子海洋学校所属の潜水直接教育艦伊号第201潜水艦とハワイ男子海洋学校所属のガードフィッシュだと判明した。

 

 

「ありがとう万里小路さん!」

 

 

『どういたしまして…』

 

 

「東舞校、ハワイ校?」

 

 

聞き慣れない学校名に首を傾げる芽衣。

 

 

「…男子校ですね!」

 

 

幸子がタブレットで、東舞鶴、ハワイ男子海洋学校がどんな学校なのかを説明する。

 

東舞鶴とハワイ男子海洋学校とは、ブルーマーメイドと並んで、ホワイトドルフィンの養成学校である。

 

 

しかし、水上艦艇の多いブルーマーメイドの養成学校と違いホワイトドルフィンの養成学校は、潜水艦が殆んどで東舞鶴男子海洋学校もその一つである。

 

 

「へぇー男子校なんだ!?」

 

 

すると、左舷側の見張りをしていた秀子が横から意外そうに呟く。

 

 

「潜水艦は全部男子校ですもんね…でも狭くて暑くて臭くて‥‥」

 

 

秀子に釣られて、右舷側の見張りをしていたまゆみが、潜水艦は全部男子校の所属だと言う事を説明し、更に潜水艦のイメージ(悪い部分)を述べる。

 

 

「わ、私には無理…!?」

 

 

鈴が潜水艦のイメージ(悪い部分)を聞いて、涙目で言う。

 

 

「絶対追手だよ!…撃っちゃおう!」

 

 

追ってだと思い込み、先制攻撃を仕掛けようと芽衣は言う。

 

 

「ココちゃん、伊201とガードフィッシュと通信できないかな?」

 

 

明乃は伊号201とガードフィッシュ潜水艦と交信できないか試みる。

 

 

「普通の電波は海水で減衰するので届きませんね。」 

 

 

幸子は普通の電波では届かないと、明乃に説明する。

 

 

「じゃあ普段、通信は如何してるの?」

 

 

明乃は、伊号第201潜水艦が普段通信しているのか、分からなかった。

 

 

「潜水艦だからって、いつも潜ってる訳じゃない!!」

 

 

ましろは、潜水艦は時々浮上して交信すると思った。

 

大体は、合っているが、ちょっと間違っている部分もある。

 

 

「そうだよね、時々は海上の様子見ないと怖いよ!」

 

 

「シロちゃん、潜ってる時は向こうも外の様子をソナーで探ってるんだよね?」

 

 

明乃は、相手もソナーで外の様子を探っているのかと聞く。

 

 

「当然だ!」

 

 

ましろは当然だと返す。

 

 

「じゃあ、此方からアクティブソナーをモールスの変わりに使ったら?」

 

 

明乃はアクティブソナーをモールスの代わりに使う事をましろに提案する。

 

 

晴風、水測室

 

 

「恐らく可能だと存じますが…」

 

 

水測室で伊号第201潜水艦を捕捉していた楓も明乃の提案が可能だと言う。

 

 

晴風、艦橋

 

「そんな事したら間違いなく砲撃したと思われるぞ!!」

 

 

ましろはアクティブソナーを撃てば、間違いなく砲撃したと思われ、反撃される可能性が大だと思い、明乃の提案に反対する。

 

 

「ソナーでも何でも良いから撃っちゃえ!」

 

 

芽衣は撃てるモノなら砲弾だろうと魚雷だろうとアクティブソナーでも何でも良い様だ。

 

 

「馬鹿なこと言うな!!」

 

 

ましろは、高ぶった芽衣をおさえながら断固反対する。

 

 

「万里小路さん!…所属と艦名、戦闘の意思は無い事を伝えって…」

 

 

晴風、水測室

 

 

「委細、承りました。」

 

 

楓は、アクティブソナーで潜水艦と通信してみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ガードフィッシュ

 

 

 

 

「艦長、航洋艦からアクティブソナーが発っしています。しかも和文モールス信号でです」

 

 

「和文モールスだと?…で、相手はなんと?」

 

 

「ええっと…『此方、横須賀女子海洋高校所属、航洋艦晴風。貴艦への攻撃意思は無し』…とのことです」

 

 

戸惑いながら言う通信手に艦長は

 

 

「ククク…見苦しい電文だな。教官艦さるしまを攻撃した晴風とは、あの日本人はコメディアンの素質があるようだな!」 

 

 

「で、艦長どうします?攻撃を中止するのは…?」

 

 

「我がガードフィッシュは暫く見物だ。きっとあのモールスも苦し紛れの言い分だ、戦闘海域の中、学校の艦が、しかも航洋艦がうろちょろしている時点で欺瞞だというのはすぐにわかる。隣艦の伊-201に何かがあれば、予定通りあの船を真っ二つにして轟沈する。操縦手!敵のソナーにひっかからないよう潜行せよ!敵の側面に回り込み魚雷を放つ!」

 

 

「アイサー!」

 

 

「見てろ、貴艦はこのガードフィッシュの魚雷で轟沈してやる」

 

 

 

 

晴風艦橋では

 

 

 

「目標進路変換、急速に深度を増していますわ」

 

 

楓からの報告で潜水艦は潜望鏡深度から更に潜航している。 

 

 

「だから言っただろう!!」

 

 

「でも、もしこれでこっちの状況が伝われば…」

 

 

「それはそうだが、私達はもうお尋ね者なんだぞ!!」

 

 

ましろは、先程の海上安全委員会の広域通信で晴風撃沈命令の事を思い出す。

 

 

「やっぱり追手なんだって!」

 

 

「は、早く逃げようよ…」

 

 

芽衣の言葉に鈴は、ブルーマーメイドとホワイトドルフィンの艦艇が来る前に潜水艦から逃げようと言う。

 

 

「‥‥鈴ちゃん、両舷前進微速、ソナーの邪魔にならない速度で…」

 

 

「りょ、両舷前進微速!!」

 

 

鈴は明乃の指示通り、ソナーの邪魔にならない速度で伊号第201潜水艦から逃げる。

 

 

しかし、潜航を続けていた伊号第201潜水艦は、直ぐに潜望鏡深度まで浮上、潜望鏡を出してこちらを見ていた。

 

 

晴風、艦橋

 

 

「伊201って、どんな艦なんだろう…」

 

 

明乃は幸子に伊号第201潜水艦の情報が無いかを尋ねる。

 

 

「えっとですね‥‥あっ!?有りました!」

 

 

幸子はタブレットのページをめくり、伊号第201潜水艦の情報を探し当てる。

 

 

「基準排水量1070t、水中速力20ノットは出る高速艦ですね。」

 

 

幸子は伊号第201潜水艦の性能を説明する。

 

 

「20ノットって、晴風に比べたら、全然遅いよ!」

 

 

性能を聞いて明乃は、水上速力と水中速力を勘違いする。

 

 

「こっちは水上、向こうは水中でそれだけ出るが凄いの…通常の潜水艦は6ノット程度だ!」

 

 

勘違いする明乃にましろが説明する。

 

 

「20と6」

 

 

横から志摩が通常の潜水艦との速力の割合を言う。

 

 

「へぇ~約3倍は、早いんだ…」

 

 

2人の説明で明乃はようやく理解する。

 

 

「武装は?」

 

 

「53cm魚雷発射管4門、25mm単装機銃2挺、魚雷10本!」

 

 

幸子は、伊号第201潜水艦の搭載武装を説明する。

 

 

「ガードフィッシュは…?」

 

 

「ガードフィッシュはですね…」

 

 

幸子はガードフィッシュの詳しいデータを開いたその時

 

 

晴風、水測室

 

 

「魚雷2本いらっしゃいました!」

 

 

突然晴風に向けて、伊号第201潜水艦は魚雷2本を発射した。

 

 

晴風、艦橋

 

 

「マロンちゃん、出せる限りで最大戦速!!」

 

 

楓からの報告を聞いて、明乃は急ぎ回避行動を取ろうと機関室の麻侖に指示を出す。

 

 

晴風、機関室

 

 

その頃麻侖は、まだ機関の修理に躍起になっていた。

 

 

「今は手が話せでぇい、クロちゃん頼んだ!」

 

 

「了解!」

 

 

麻侖は修理中の為、操作が出来ないので洋美に頼んだ。

 

 

晴風、水測室

 

 

『万里小路さん!発射音はどっちから!?』

 

 

明乃は楓に魚雷の接近方向を尋ねる。

 

 

「魚雷音方位270、近づきます!感2‥‥感3‥‥」

 

 

楓は向かってくる魚雷を捕捉しながら報告する。

 

 

晴風、見張り台

 

 

続いて見張り台で見張りをしているマチコが魚雷の確認をする。

 

 

「了解!」

 

 

マチコは目を細めて、楓から指示が来た方向を見張る。

 

 

すると、彼女の目には此方に接近して来る2本の雷跡がはっきりと確認できた。

 

 

「雷跡左30度、距離20、此方に向かっている!」

 

 

 

晴風、艦橋

 

 

 

「リンちゃん!取舵いっぱーい!」 

 

 

明乃はマチコの報告を聞いて、左に回避するよう鈴に命じる。

 

 

「と、取舵いっぱーい!」

 

 

明乃の回避命令に従い、鈴は、左に舵を切り、回避運動を取る。

 

 

 

晴風、見張り台

 

 

「魚雷、衝突コースから外れます!!」

 

 

全速で左に回避したお陰で魚雷回避に成功。

 

 

晴風、艦橋

 

 

「艦尾方向で2発爆発!!」

 

 

そして魚雷2本が晴風の後方で爆発した。

 

 

もし、明乃が全速で左に回避していなかったら、命中しなくても、至近で爆発して、被害を被っていたかもしれない。

 

 

「あと8発‥‥タマちゃん左砲戦準備!」

 

 

魚雷回避後、明乃は即座に主砲の発射準備を志摩に命じる。

 

 

「うん!」

 

 

志摩もそれに従い砲身を魚雷が来た方向へと向ける。

 

 

『目標、見えません!!』

 

 

「撃ったら、今度こそ完全に敵対する事に…」

 

 

明乃の砲戦準備にましろは反対する。

 

 

「分かってる!…でも逃げ切るには…」

 

 

 

しかし、明乃もそれは分かっているが、今の現状で伊号第201潜水艦から逃げるには、一戦交えるしかなかった。

 

 

「ぜ、全速が出せれば、多分振り切れると思うけど…」

 

 

『だから全速は出せねぇって!!』

 

 

「わ、分かっています…」

 

 

鈴が全速を出せれば、逃げ切れるのだが、今は機関の点検中なので全速を出すことが出来ない事を忘れていたのか、そう呟くと、機関室の麻侖から怒声が飛び、縮こまる鈴だった。

 

 

「万里小路さん!相手の位置分かる?」

 

 

明乃は、伊号第201潜水艦の位置を知ろうとしたが

 

 

晴風、水測室

 

 

「恐れ入りますが、もっとゆっくり進んで頂かないと…」

 

 

出せる限りの全速で逃げてる為、水音が乱れて、伊号第201潜水艦の正確な位置が掴めなかった。

 

 

晴風、艦橋

 

 

「速度落としたら、やられちゃうよ!」

 

 

鈴の意見も最もだ。

 

 

速度を落として、相手の位置を掴む前にやられてしまう。

 

 

「兎に角、今は逃げ回ろう!」

 

 

一時間後

 

 

『周囲、何も見えません…』

 

 

マチコから周辺に異常はなく、平穏な夜の海が広がっている報告を受ける。

 

 

「1時間経過か…速度差からも、十分距離は、開いたかと…」

 

 

「そうなの?」

 

 

「向こうも、最高速度でずっと水中を動けるわけじゃない!」

 

 

最初の攻撃から一時間が経過し、ましろは、伊号第201潜水艦を振り切ったと推測する。

 

 

「じゃ、何とか逃げられたかな?」

 

 

明乃は、伊号第201潜水艦を振り切った事に安心する。

 

 

「逃げるなら任せて!」

 

 

鈴が自信満々で答える。 

 

 

「それって自慢する所ですか…」

 

 

幸子が茶化す様に鈴に尋ねる。

 

 

「こ、ココちゃん!?」

 

 

鈴と幸子のやり取りに艦橋は笑い声が満ちた。

 

 

晴風、水測室

 

 

『万里小路さん!…何か聞こえる?』

 

 

明乃が水中にも何か変化がないか楓に尋ねる。

 

 

「あら、お許しあそばせ!?…起きておりますわ…」 

 

 

楓は少しウトウトしながら答える。 

 

 

晴風、艦橋

 

 

「御免ね、こんな遅くま…でも、もう少しお願い…」

 

 

本来ならば、寝ている時間であったが、完全に潜水艦の脅威が去っていない中、水測員の楓を任務から外すわけにはいかなかった。

 

 

其れに対して、謝罪する明乃。

 

 

 

晴風、水測室

 

 

「畏まりました!」

 

 

楓ももう一息と気合を入れて、ヘッドホンを耳に当てた。

 

 

晴風、艦橋

 

 

「ふわぁ‥‥ねむぃ‥‥」

 

 

「ふわぁ…駄目だ…眠い…」

 

 

志摩は大きなあくびをし、芽衣も大あくびをし、2人とも寝不足になり、集中力はダダ下がりの中

 

 

「そんな、皆さんに杵埼屋特製のどら焼きです。」

 

 

ほまれが夜食の差し入れにどら焼きを艦橋に持ってきた。

 

 

晴風見張り台

 

 

見張り台で見張りをしていたマチコは、振り切ったと知り、休憩を取って、どら焼きを食べようとした時

 

 

「はっ!?」

 

 

突然、魚雷2本が晴風を目掛けて、向かって来たのを目視で確認する。

 

 

「雷跡フタ!…左120度30!…此方に向かう!」

 

 

マチコからの報告で艦橋はさっきまでの空気から一転し、再び緊張した重苦しいものへと変わる。

 

 

回避運動で揺れは艦全体に響く。

 

 

晴風、医務室

 

 

「…な、何じゃ!?」 

 

 

「わぁっ!?ってここは…?」

 

 

その揺れと轟音は医務室で眠っていた少女と、驚いた声を上げた虎雄を起こすには十分の威力だった様だ。

 

虎雄が眠っていたベッドの隣で、金髪の西洋の少女と医務の医師が小学生の少女に驚いた。

 

 

「目が覚めたか?」

 

 

起きたことに、美波が声をかける。

 

 

「意識はしっかりしているか?…此処は横須賀女子海洋学校所属、航洋直接教育艦晴風の医務室だ…私は衛生長の鏑木美波…アドミラルシュペーの乗組員と、空飛ぶ飛行物体の搭乗員とみるが、間違いないか?」

 

 

「あ、あぁ…(空飛ぶ物体…?わしの二式水戦の事か…?)」

 

 

「う、うむ、ワシはアドミラルシュペーの副長、ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクだ…しかし、一体如何して…何で男が…?」

 

 

「あんたがあのシュペーの乗員だって...!?…この艦が横須賀所属!?この東南アジアまで…!」

 

 

ミーナと虎雄は、自分が何故此処にいるのか聞く。

 

 

「シュペーからお前が飛び出してきて、しかもそのシュペーに攻撃されていたのだと聞いている…うちの艦長がスキッパーで出て、気を失っていたお前を回収してきたんだそうだ…何か覚えて…」

 

 

その時、また逃走に入ったのか、晴風が大きく揺れ、美波はバランスを崩した。

 

 

虎雄は、咄嗟に美波の肩を掴んで支える。

 

 

「大丈夫か?今、一体如何なっておる?」

 

 

「この晴風は現在潜水艦に追われている様だ。」

 

 

「潜水艦じゃと!?米英軍か!?」 

 

 

「米英?…潜水艦からの攻撃を受けているのか?…だが、これは…ええい、ここでは拉致があかん!…ワシの制服は何処じゃ!?」

 

 

「わしの飛行服は…?」

 

 

「此処に有る…濡れていたが洗濯し、乾燥機にかけてある。」

 

 

美波が机の上に置いてあったミーナの制服と虎雄の飛行服を彼女に手渡す。

 

 

「ありがとう!」

 

 

「わわっ!///」

 

 

すると、ミーナは美波はもとい、男子の虎雄がいるにも関わらず、今着ている検診衣を脱ぎ捨て、制服を着用する。

 

その光景で虎雄はミーナに赤面、咄嗟に背を向けた。

 

 

「艦橋はどっちじゃ!?」

 

 

美波はほんの一瞬だけ悩んだが、直ぐに頷き医務室の扉を開く。

 

 

「案内しよう、急げ!」

 

 

「分かった!」

 

 

美波は、虎雄とミーナを艦橋まで連れて行く。

 

 

晴風、通路

 

 

「自分から聞いておいてなんじゃがそう簡単に艦橋まで案内して良いのか?」

 

 

「今、この艦に沈まれてはお前も困るだろう?…孫子に『同舟相救う』という言葉がある…例え敵同士や見ず知らず同士であっても、乗り合わせた舟の危機に際してはお互いに助けあうといった意味のものだ…私はそれに賭ける!!」

 

 

美波の難しい言葉に、虎雄は納得した。

 

 

「はぁ~…また難しいことを…」

 

 

「ふむ、成程のぉ…そういうことなら力になっちゃるけん」

 

 

「鹿児島弁と広島弁か?…まあ、いい…艦橋はその先だ!」

 

 

「ド感謝する!」

 

 

「ありがとう、先生!」 

 

 

虎雄とミーナは美波と別れ、艦橋を目指していった。

 

 

 

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