ハイスクール・フリート   ~空を翔る鳶と海虎~   作:鷹と狼

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大変お待たせしました。


第25話 海上の安らぎ

 

 

 

 

オーシャンモール四国沖店、無料シャトルバス駅

 

 

一方、買い出しに出かけた虎雄と明乃達は、オーシャンモール四国沖店に無事に着く。

 

 

「(ここが…四国沖店…)」

 

 

四国沖店は海上に浮かんだ都市であることに驚いた。

 

あの地獄の様な世界大戦から異世界、時空から70年たったのは信じがたいことだが、事実だった。

 

 

「え~と…無料シャトルバスが有る筈なんだけど…」

 

 

到着したそうそう、美甘は、ショッピングモール方面に向かう無料シャトルバスを探す。

 

無料と聞いた虎雄は目を見開いた。

 

 

「しゃとるバス…?へぇ~タダで乗れるバスがあるのか…?」 

 

 

「そうなんだよ虎ちゃん、あっ!…あれあれ!」 

 

 

無料シャトルバスを見つけ、スキッパーを駐艇場に止めてから、5人は、無料シャトルバスに乗り、ショッピングモール方面に向かう。

 

 

数分前、四国沖 

 

 

「ねぇ虎ちゃん……腰に拳銃を持っているのはなぜ…?」

 

 

「う…万が一じゃ、わしらを追う者がでてくる時の護身用じゃ」

 

 

明乃は何か察知したのか、虎雄の腰に拳銃を所持していることを質問する。

 

虎雄は折り畳み式の二式テラ銃を除き、南部十四年式拳銃や手榴弾2個、二式銃剣を所持していた。

 

 

「…はぁ…ようこそわたしたちの世界へ大賀虎雄少尉、ここからがあなたがゲストよ♪」

 

 

「あぁ…よろしく頼む…!」

 

 

時間を戻し、暫くして、無料シャトルバスは、ショッピングモールに着く。

 

 

「わぁ!」 

 

 

初めて着たのか、明乃は、ついはしゃいでしまう。

 

 

「…日本じゃ…わしは日本に帰ってきたんじゃ……!(ここは四国沖…わしの沈んだ鹿児島の錦江村はどの辺りになるのかな…)」

 

 

「虎ちゃん…」

 

 

明乃に続き、虎雄も海上都市であっても、祖国の長崎で騒動を起こし、左遷して辺鄙のソロモン諸島のショートランド島に配属。

 

戦局でソロモンが激戦地になり、ニューブリテン島のラバウルに撤退。

 

ラバウルで厚木十三たち艦上のパイロットと上官の沖田新一郎と金城幸吉と会い、六勇士を結成した。

 

それからトラック諸島に転属、戦局の悪化で解散、最後にシンガポールに転属、その間の3年間、日本に帰れて喜んだ。

 

 

「平和だ!」

 

 

「お茶する時間ぐらいあるよね!?」

 

 

「ないから…」

 

 

「ヒメちゃん、それ、かえって目立つよ!」

 

 

媛萌は変装なのか、マスクにサングラスを装着しており、美甘の言う通り怪しさ抜群な姿でかえって目立つ格好だった。

 

 

「それに、虎雄もサングラス掛けてるし~」

 

 

「ん…?いや、これはな…」

 

 

姫萌に虎雄も四国店に到着してから航空夜間用の黒色メガネを掛けていた。

 

自身としては、視力を失った盲目者としてだった。

 

 

「じゃあ、わたしが虎ちゃんの手を繋ぐよ」

 

 

「わたしもだ、少しでも偽装するために手を貸そう。」

 

 

そう言って、明乃と美波は虎雄の手を繋いだ。

 

 

「じゃあ中、入ろうか?」

 

 

5人は、ショッピングモールへと歩み出す。

 

 

 

「ん…?あれは…?」

 

 

その5人の背後から、ロッドケースを背中に背負った男性が歩いていた。

 

 

 

一方、晴風では、買い出しに行った虎雄と明乃達が帰って来るまで、自由時間になり、生徒達は、それぞれ休養を取る。 

 

 

 

晴風、甲板

 

 

楓が甲板でラッパの練習をする。

 

 

「修理できる?」

 

 

「予備砲身も無いし…無理かな?」

 

 

光と美千留が損壊した第三主砲の修理を話していたが、予備の砲身も無いので、修理は不可能だった。

 

 

「持って来たよ…」

 

 

「ありがとう」

 

 

杵崎姉妹は甲板で洗濯物を干す。

 

 

「はい、目線!」

 

 

「へい!」

 

 

「きゃ!?マッチ!!」

 

 

艦首では、百々がマチコと写真撮影をしているが、2人が抱きついている事を美海がヤキモチを焼いている。

 

 

「…あんまり使える物ないね…」

 

 

「トイレットペーパーとか流れて来ないかな…」

 

 

左舷側では、理都子と果代子が漂流物をフックに引っ掛けて何か目ぼしい物は無いか探していたが、これと言った物は無かった。

 

 

「マロンちゃんは?」

 

 

「機関室の方が落ち着くんだって…」

 

 

「え…たまには、太陽を浴びないと…」

 

 

「流石機関長殿…」

 

 

いつも機関室に籠っている機関員四人衆も水着になり甲板で日光浴をする。

 

 

だが、折角の休みなのに機関長の麻侖は甲板には出ず、機関室で鼾をかきながら寝ていた。

 

 

晴風、艦橋

 

 

艦橋では、見張り体制がとられているのだが、周りの空気に影響されてか、何とも緊張感が無い。

 

 

「…平和って…良いね…」

 

 

今のところ何の事態も起きていない、平穏な時間が流れている艦橋で鈴が呟く。

 

 

「…良い」

 

 

志摩も鈴の意見に賛同し、一言呟く。

 

 

「今日の晩御飯何がいいかなぁ…」

 

 

「カレーが‥‥良い!」

 

 

「今日は、金曜じゃないよ…」

 

 

そんなまったりムードが流れている

 

 

「…はぁ!?…」

 

 

ましろは、疲れてるのか眠い状況で艦橋に立っていた。

だが、目を覚まし両手でほっぺたを叩いて起きる。

 

 

そんな時、羅針盤の上に置いてある明乃の艦長帽に目を向ける。

 

 

ましろは、誰も見てないのを確認し、羅針盤の艦長帽を取る。

 

 

「ちょっとトイレ行ってくる…」

 

 

 

艦長帽を取ったましろは、隠しながら艦橋を出る。

 

艦橋を出て、マストあたりで誰も見てないのを確認し、隠していた艦長帽を被り、更に隠し持っていた虎雄の短剣を装飾のリングに紐を通し、左腰にぶら下げた。

 

艦長帽を被り、短剣を装備したましろは、喜びながらはしゃぐ。

 

しかし、はしゃいでいると横から洋美が現れ、ましろは、慌てて、艦長帽を隠す。

 

 

「…宗谷さん、凄く似合ってた。」

 

 

ましろが艦長帽を被っていたのを見て、洋美は褒める。

 

 

「えっ!?…」

 

 

「私ね…宗谷さんに艦長に成って欲しかったな…あれ…その短剣は…?」

 

 

洋美は左腰の短剣に目を付ける。

 

 

「えっと…大賀少尉が戻ってくるまでに、この短剣を預かってくれと…」

 

 

「そ…そうなんだ…それでも似合っているよ」

 

 

「…あっえーで、何か?」

 

 

ましろは洋美に短剣で誤魔化し、預かっていることに嘘をついた。

 

そして、何の用事か問う。

 

 

「ミーナさんが艦内案内してほしいんだって」

 

 

洋美は、ミーナに晴風の艦内を案内しようとましろを呼びにきた様だ。

 

 

「わ、分かった。」

 

 

ましろは探険を腰に着けたまま洋美と共にミーナに艦内を案内する。

 

 

ましろがいなくなった艦橋に芽衣が戻って来た。

 

 

「あれ!?」

 

 

戻って来た芽衣は、ましろが居ない事に気づく。

 

 

「副長何所行ったの?」

 

 

「さっきトイレ行くって出て行ったけど…そう言えば遅いね?」

 

 

「(あれ多分、嘘ですけどね…こっそり艦長の帽子持って行ったし…それに虎雄さんの短剣を持っていた…恐らくは…)」 

 

 

幸子は、ましろの艦長姿を想像しながら

 

 

「はっ!?雅か…っ!!」

 

 

ある事に気づく。

 

 

そして

 

 

「『宗谷さん、その帽子と短剣凄く似合ってます!』『そ…そうかな』『やっぱり艦長は、宗谷さんが務めるべきです!』『そうだ…やはり私が艦長を務めるべきなんだ!!…やろう!…艦長が居ない今こそ反旗を翻す時…下克上だー!!』ビシッ『素敵っ、宗谷さんっ!一生ついて行きます!!』『落ち着いて下さい副長!!…反乱は…反乱はいけませんっ!!』」

 

 

片手に短剣を掲げるイメージをしながら一人芝居を始めた。

 

 

「ま~た、始まったよ!」

 

 

「大変な事になってるね…」

 

 

またも一人芝居を始める幸子に2人は、呆れる。

 

 

「そう言えば、虎雄さんですけど…」

 

 

「切り替え早っ!」

 

 

幸子の切り替えの速さに芽衣は、恐怖を感じた。

 

 

「虎雄さんがどうしたのココちゃん…?」 

 

 

「うん、艦長は虎雄さんと関わりがあるみたいです。どことなく、下の名前を読んでいますよ~」

 

 

「あ~…それに自己紹介で『日本海軍』と言ってたよね~日本に海軍があったのはずいぶん昔のことなのに…昔の時代から…別世界から…どうやって艦長と会ったのかな…」

 

 

芽依が虎雄と明乃との関係が気になり、頭を傾げていた。

 

 

「…はっ!まさかっ!!」

 

 

幸子がまた何かを妄想する 

 

 

「また始まるの?」

 

 

芽衣はうんざりした表情をすると幸子は

 

 

「『明乃!』『…虎ちゃん!!』『俺は、君と会うために軍から脱走した!!俺と共に暮らそう!!』『ありがとう虎ちゃん…だけど…わたしは今、武蔵に友達が…!』『なら、俺も手を貸すよ!!君のためなら、例え火の中水の中!!』」

 

 

「長いわ!!まぁ、無くともないな…」

 

 

芽衣が幸子の妄想に突っ込み、艦橋は慌ただしくなる。

そんな中、鈴は軽くあくびをすると 

 

 

「平和って…いいな」

 

 

そう呟くのであった。

 

 

 

 

晴風甲板では機関科と炊飯員、主計科のメンバーによる女子会の様なモノが行われていた。

 

 

「杏仁豆腐作ったから食べて」

 

 

「どうぞ」

 

 

杵﨑姉妹が作って来た杏仁豆腐を皆に振舞う。

 

 

「しかし、あの大賀虎雄って、わりといい男前だね~」

 

 

「それに、艦長も物好きだね〜!シュペーのミーナさんはともかく、あの謎の男性も」

 

 

「虎雄少尉は、なんか色々と訳ありかな…?」

 

 

「へ〜あぁ、そう言えば。少尉さんについて思ったことがあるんだ」

 

 

空がそう言い後甲板に置いてある二式水戦を指さすと麗央も

 

 

「ああ、あれね。あれで空を飛んでいたってほんとかな?」

 

 

「私は見たっすよ!さるしまとシュペー、潜水艦の戦闘のとき、すっごい速さで飛んでいたっす!」

 

 

「うんうん、凄い勢いで水上を走り、巧みな機動力だったよ!」

 

 

「飛行船はともかく、スキッパーより早かったね~!」

 

 

百々とほまれ、あかねがそう証言する。

 

さるしまとシュペー、ガードフィッシュの戦闘時、百々は二式水戦が飛んでいるのをこの目で見ていた。

 

 

「へ~でも飛行船より早い乗り物なんて聞いたことがないよ?」

 

 

「確かに虎雄少尉って何者なんだろうね?」 

 

 

留奈と美海がそう言うと

 

 

「そう言えば自己紹介のとき、日本海軍少尉って名乗っていたよね?」

 

 

「そう言えばそうだね?日本に海軍があったのって随分昔だよね?」

 

 

「少尉も昔の軍隊の階級だよね?確か…士官の一番下だったよね?」 

 

 

「じゃあ、虎君って兵隊で、あれに乗ってダダダッ!!って人を何十人も撃っちゃってたんじゃないの?」

 

 

「「「 っ!? 」」」

 

 

留奈のその言葉に皆は少し驚いた顔をする。

 

二式水上戦闘機には7.7、20ミリ機銃、シュペーの戦闘まで翼の下に爆弾の武装が施されていた。

 

 

「あはは~ま…まさか…考え過ぎだよ留奈……」

 

 

「そうよ…海外に軍隊があっても、日本は軍隊が無くなった引き換えに海上安全整備局が設立したんだから…」

 

 

空が笑いこけ、桜良が留奈に解説しながら頭を撫でた。

 

留奈は右手に顎を付けて傾げた。

 

 

「うーん…夕べ変な夢を見たの…」

 

 

「夢って…どんなの留奈ちゃん…?」

 

 

留奈が見た夢でほまれが反応し、質問した。

 

 

「えっとね……ハワイみたいな南国の島で…富士山みたいな…山の麓に真っ平らな土地に…虎君のようなスキッパーじゃない機体が、何機か陸上に並べてあったよ…」

 

 

「「「 ………… 」」」

 

 

みんなは留奈の言葉に沈黙する。

 

 

「ね…ねぇみんな、せっかくの休憩だから親睦しようよ~!」

 

 

「そ…そうっすよ!せっかくなんで、私は記念に描くっすよ~♪」

 

 

みんなは気分を取り戻して話題を変えた。

 

 

「それにしても…学校に帰ったら私達怒られるのかな?」

 

 

「まさか停学とか退学にならないよね?」

 

 

不安そうな機関科の留奈の嘆きに、同じく機関科の空がどこか悲しそうな顔をする。

 

 

お菓子やお茶が並んでいる女子会なのに、再び空気は重い。

 

 

「学校に着いた途端、捕まったりするのかな‥‥」 

 

 

「ブルマーになれないとか?」

 

 

「ブルマー?」

 

 

「ブルーマーメイド」

 

 

「そうなったら何のためにこの学校に入ったんだって話よね」

 

 

美海がそう言うと周囲の皆が頷いた。

 

あまりにも空気が重かったのを感じたのかそれとも忘れたいのか麗緒が

 

 

「無い無い…だって宗谷さん、校長の娘さん何だって!」

 

 

麗緒は、ましろが真雪の娘だから、ましろがいる限り、処罰が下される事はないと思った。

 

 

「えっ本当…!」

 

 

「あ、校長も宗谷だ!…宗谷真雪!!…宗谷さん、ましろだよね!」

 

 

ましろが真雪の娘だと知って、2人は、驚く。

 

 

そんな時

 

 

「「 ん? 」」

 

 

ミーナに艦内を案内していたましろと洋美が偶然、其処に居合わせて、みんなの会話を聞いてしまう。

 

 

「真雪とましろかぁ…雪は白いもんね…」

 

 

「えーでも校長の娘なのに、うちのクラス?…武蔵とかじゃないんだ?」  

 

 

麗緒は、ましろが真雪の娘なのに何故、成績優秀の武蔵じゃなく、成績不良の晴風に配属されたのか、気になる。

 

 

「っ!!」

 

 

麗緒の言葉を聞いて、ましろは、落ち込む。だが、そんなましろを見て、洋美が

 

 

「余計なお喋りは止めなさい!!」

 

 

余りに余計な一言を言っていた4人を止める様、激怒する。

 

更にミーナも

 

 

「この、噂好きのドグサレ野郎共!修理する箇所がいくらでもあるだろ!…取り掛かれ!!」

 

 

『は、はい!!』

 

 

ミーナの一喝を受け、まるで蜘蛛の子を散らす様に皆は思い思いの方向に散っていく。

 

 

「気にしないでね、宗谷さん…」

 

 

7人が去った後、落ち込むましろに洋美は、慰めようとする。

 

 

「‥‥」

 

 

だが、さっきの7人のお喋りを聞いて、ましろは本当は、晴風じゃなく、武蔵に乗りたかった。

 

入学試験での初歩的なミスで結局、晴風に乗る事になってしまった。

 

 

ましろは以前、義理の兄の沖田新一郎から貰い、肌身離さず所持する金比羅前の御守りを握った。

 

 

「……新一郎義兄さん…私…金比羅前さんから見放されたのかな…?」

 

 

 

 

「あ、アビスの箱だ…!」

 

 

漂流物を拾っていた理都子と果代子が通販会社のロゴが書かれた箱を見つけ、2人は、その箱を引き揚げる。

 

 

「通販の箱なんだから雑誌とか入ってないかな……あれ?」

 

 

 

何が入っているのか、期待しながら蓋を開けると、そこには蓋が開いた飼育箱があり、中からハムスターの様なマウスが飛び出して、甲板を走り去っていった。

 

 

ちょうどその頃、機銃座で昼寝をしていた五十六が、甲板を走るマウスの姿を見つける 

 

 

「ヌン!!」

 

 

猫としての本能が目覚めたのか、いつもまったりとしている五十六の目がギラリと光りそのマウスを追いかけて行った。

 

 

『うん?』

 

 

マウスは、偶々その場にいた、ましろ、洋美、ミーナの足元を通過した。

 

 

「鼠??」

 

 

ミーナが足元を見て、ましろが左を向くと、マウスを追いかけていた五十六が突進してきた。

 

 

「わぁ!?…ひぃ…ひぃ…ぐぼっ!!」

 

 

驚きの余り、尻もちをつくましろ、更に其処に五十六が腹に乗り飛び越えていった。

 

 

「宗谷さん、大丈夫?」

 

 

洋美がましろに駆け寄り心配して声を掛ける。

 

 

「全く、猫なんか乗せるから……はぁ…ついてない」

 

 

ましろは、つくづく自分の運の無さに悔やむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッピングセンター 食品売場

 

 

 

 

 

 

「おぉ~…鹿児島やシンガポールの売店と違い、品揃えが豊富じゃ…厚木隊長が話したアメリカみたいじゃな~」

 

 

虎雄は以前、ラバウルにて隊長であった厚木十三のアメリカ留学経験談を耳にしていたため、海外留学に行きたいと夢見ていた。

 

 

そして、もう一つとしてはドイツに行き、ベルリンで戦死した陸軍の妹、大賀晴香の慰霊をすることだった。

 

 

「……晴香…」

 

 

「あっいたいた、虎ちゃん!」

 

 

虎雄が振り向くと、卵と生クリーム、苺を購入した美甘が赴いてきた。

 

 

「あ…美甘ちゃん」

 

 

「どこに行ったのよ…艦長と合流するよ~!(あっ///)」

 

 

美甘はとっさに虎雄の手を掴み、歩いた。だが彼女は無我夢中で虎雄の手を握り掴んだ時、美甘の心が熱くなった。

 

 

「ねぇ虎ちゃん……」

 

 

「ん…?」

 

 

「虎ちゃんは艦長、…岬さんと付き合っているの?」

 

 

美甘は虎雄に対し、艦長である明乃の彼氏かと質問する。

 

 

「いや、明乃はワシの命の恩人じゃ。その…少しでも恩返ししたいのじゃ…」

 

 

「そうなんだ…元の世界で彼女は…?」

 

 

 

「いない、戦場で死んだら泣かせる訳にはいかんからの…ワシの隊長は去年結婚したばかりじゃ、その後に戦場でとんぼ返りしたまま、フィリピンで戦死した……」

 

 

「そうなんだ…だけど、親しいお友達は…?」

 

 

 

「あ…いるな……」

 

 

 

虎雄にはかつて、ラバウル六勇士で親しい友人がいた。

 

あの世界で残っている桜井洋介と沖田進次郎。そして、この海洋国家にて数ヶ月前に異動した沖田新一郎と金城幸吉がいる。

 

 

「だけど虎ちゃん、そのお友達と再会するまで絶対に死なないでね!…わたしの為にも…」

 

 

「あぁ……ん、美甘ちゃん今なんて…?」

 

 

 

「な…何でもない///…はやく艦長と合流するよ~///」

 

 

 

「わわっ!?」

 

 

美甘は頬が赤くなりながら、虎雄を引っ張って行く。

 

 

 

「お待たせ…!!御免ね…!!」

 

 

材料買いを終えた美甘と虎雄が3人と合流する。

 

 

「材料買えた?」

 

 

「うん!…それでね…」

 

 

美甘は、ある物をポケットから出す。

 

 

 

「じゃ〜ん!…1枚だけだけど抽選券貰っちゃった!!」

 

 

 

材料を買った後に抽選券を貰った。

 

 

 

「これ、一回福引できるんだって」

 

 

「何が当たるんだ?」

 

 

 

何が当たるのか美波は、分からなかった。

 

 

「それは分からないけど…商品券とか当たったらもう豪華なケーキになるね!」

 

 

 

美甘も何が当たるのか、分からなかったが、もし当たるとすれば、商品券でケーキなどを買いたいと願う

 

 

「いや其処は、トイレットペーパーに使うでしょ…」

 

 

確かに其処は、トイレットペーパーを買うのが当たり前。

 

 

「福引きの賞品と言えば豪華旅行券!」

 

 

媛萌は、豪華旅行券が当たれば良いと思っていた。

 

 

「そんなの当てて如何するんだ?」

 

 

美波の言う通り、今はそんな物当てても何の意味もない。

 

 

「金券ショップに売ればお金にできる。」

 

 

如何やら売って、お金にする事を考えていた。

 

 

「うわー夢がない!」

 

 

「それじゃ早速いってみよーっ」

 

 

『おーっ!』

 

 

気を取り直して、5人は、露店のくじ引きに向かう。

 

 

「(虎ちゃんが美甘ちゃんと手を繋いでいる……それに、何だろう…この心は…)」

 

 

虎雄は美甘と手を繋いでいる光景を目の当たりにした明乃は、どことなく複雑になっていた。

 

 

 

 

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