ハイスクール・フリート   ~空を翔る鳶と海虎~   作:鷹と狼

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では、どうぞ


第29話 感傷するパイロット

四国沖

 

 

 

四国沖に停泊している晴風と搭載している二式水上戦闘機は、明石、間宮から修理と補給を受けていた。

 

 

 

真霜からの報告で出されていた晴風の撃沈命令は撤回され、これで晴風の生徒は、無事に横須賀へと寄港できる。

 

 

そして、虎雄とトム達、新一郎が無実である事が証明されたので、此方も無事に横須賀へ帰れる。

 

 

だが現在、晴風は、主砲の取り換え作業と各部の補強作業中、二式水戦の方は、浦賀鈴留たちメカニックメンバーによって、整備を受けているので、それぞれ今日中に終わる予定。

 

 

その為、出港は、明日となった。

 

 

晴風、教室

 

 

「では改めて、私達を助けてくれた人達を紹介します。」

 

 

明乃は、自分達を助けてくれたトムを皆に紹介した。

 

 

「僕は、日系アメリカ人の海軍少尉、トム・K・五十嵐です。ライジングイーグルのパイロットです!」

 

 

自己紹介をする時

 

 

「あの人は!学校で試験や入学式で会ったイケメン警備員だね~!」

 

 

「何でブルマーに男が居るんだろう?」

 

 

「知らない…」

 

 

「そもそも、ライジングイーグルってなに…?」

 

 

トムを見て、皆は、驚愕する。特に機関員四人衆が噂をしていた。

 

 

「僕の所属はブルマーではなく、空から支援する組織だ」

 

 

「空から…!?あの…虎さん…みたいな飛行機械で~!?」 

 

 

「トムさんも、あの空飛ぶスキッパーを扱えるの…!?」

 

 

「トムさん、あの横須賀のショッピングで同行した二人は元気ぞな~?」

 

 

晴風の生徒はトムに対して、飛行機のパイロットであり、あるいは飛行機に関して、聡子は同行した幸吉とシャルロットに質問した。

 

 

「あ…あぁ…まぁな……」 

 

 

「…意外と震えているんだね…?」

 

 

トムの印象は、扱えることを聞いてやや震え、見ていた鈴は、どことなく小さな違和感を感じた。

 

 

「……」

 

 

「ん?ましろさんじゃないですか!?」

 

 

トムは、側にいたましろに気づく。

 

 

「ましろさんはこの晴風で頑張っているそうですね!」

 

 

「いや、それは、その…」

 

 

「あぁ…シロちゃんは、うちの副長なんです。」

 

 

「そうですけど…何か悪いのですかトムさん?」

 

 

自分が副長で何か悪いか、ましろは不機嫌になる。

 

 

「似合ってますよ。大変ですが副長でも、大事なポジションですよ!」

 

 

トムから似合うじゃないのかと言われ、ましろは赤くなり、虎雄が注意した。

 

 

「おいトム、女学生を口説くのは如何かと思うがの…」

 

 

「く、口説くなんて誤解だ…そもそも俺は…シャル…///」

 

 

「シャル…?」

 

 

「まあ、そう言う事だ!…皆さん、よろしくお願いします。」

 

 

「アメリカ育ちってのは、こんなフレンドリーかな…?」

 

 

「しかしあの二人は知り合いかな…?」

 

 

「ん~だけど、四国のショッピングモールでは初対面だったんだよ…」

 

 

トムはある人物の名前を誤魔化し、晴風の生徒たちからはまるで、昔から仲良しの様子に見えた。

 

虎雄とトムは晴風の左デッキに立ち、潮風に当たりながら明石が本艦を修理する光景を目にした。

 

 

「なぁ、虎雄…」

 

 

「なんじゃ…」

 

 

「…すまん…お前がいない状況で、沖田さんが拘束され…幸吉とトチローさんがアメリカ海軍のカタリナに機上したまま行方不明…」

 

 

トムが虎雄に謝罪した。

虎雄が小笠原諸島に飛来する以前に、飛行機が存在しない世界で敵同士だった日米海軍のパイロットと整備士、家族と航空機が、神の悪戯に異動され、互いに手を組み、新たなる組織を創った。

 

そして、航空機が主要の組織に白羽の矢が放たれた先に、メンバーがバラバラに成りかねない状況に立たされていた。

 

 

「…あ…いいんじゃそれは…その、わしも訳がわからん状況で、爆弾を落としてしまった……あの戦争でもじゃ…」

 

 

虎雄自身もあの教官艦さるしまとドイツのシュペーの件で、罪悪感を生んでしまった。

 

しかしトムから聞いた話では、虎雄が戦った戦争で8月15日、日本は降伏。そのことを聞いて、嘆き落ち込んだ。

 

虎雄は何のために海軍に志願し、戦闘機のパイロットになって、南方で地獄のような戦場で国のため戦い、大空で幾人の敵を殺し、妹の晴香も陸軍の戦車兵としてドイツに留学、ベルリン攻防で命を落としたことを電報を受け、嘆き悲しんだ。

 

 

「わしは…この世界に送られたことは罰なのか…それとも、もう一度与えられたチャンスかな…?」

 

 

「そうなのかも知れん、僕も元は戦闘機パイロットだ、マリアナとフィリピンで多くの日本人を殺めた…僕は罪を滅ぼすなら、この世界の海は、海賊が出没し、海路を妨害してくる。僕たちが使用する航空機で死力を尽くすしかない!」

 

 

「そうか……」

 

 

ブルーマーメイドの浦賀たちメカニックたちが虎雄の愛機を修理改装を施していた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

横須賀総合中央病院

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、新一郎は病院にて長期による緊急手術を終え、病室のベッドで眠りながら夢を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……うん…青い空と海…久しぶりの静かな景色だ……」

 

 

 

無限に広がる空と大海原で、操縦する愛機零観と飛行してるときー

 

 

「……て、敵機っ!?幸吉…緊急電を…幸吉!!」

 

 

新一郎の目の前で、星の国籍マークのアメリカ戦闘機が多数襲来、彼は伝声管で後部複座の幸吉に敵機襲来の電信を頼むも、彼の姿が無かった。

 

 

「くそっ…俺1人でやるしかねぇな…」

 

 

ギュイィィン

 

 

新一郎は操縦桿を握り、空戦の態勢を整えた。

敵機の背後に取り付き、照準を捉え、機銃の引き金を絞ろうとした時、指が動かなかった。

 

 

「……なぜだ…なぜ…指が動かん……しまった……ここまでか……」

 

 

別の米軍機が新一郎の背後に取り付かれた時ー

 

 

「……あれは…零戦…!?」

 

 

 

突如、二機の零戦52型と64型が飛来、米軍機の機銃掃射を受けながら楯になり、新一郎と零観を護った。

 

翼に装備している機銃を撃たず、ぶつかる覚悟で米軍機を追い払ったあと、新一郎機の左右を飛行していた。

 

 

「……なぜ…零戦が俺を…!?…はっ…」

 

 

被弾した零戦のパイロットは、フィリピンで戦死した厚木十三と占守島で戦死した桜井洋介だった。

 

 

「…十三…洋介…っ!?」

 

 

十三と洋介は新一郎に対して、微笑ながら敬礼し、二機は海原を照らす太陽に向かって飛行した。

 

 

「…十三…洋介…どこに……どこに行くんだ!!…俺も……俺も連れて往かせてくれ…頼む!!俺を置いて行かないでくれ~!!」

 

 

「『新一郎!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ…!?夢か……」

 

 

「新一郎…!!」

 

 

「真霜……」

 

 

真霜の声で目覚めた新一郎は、冷や汗を掻いていた。

頭部と身体に絆創膏と包帯が巻かれ、左腕には栄養の点滴を打っていた。

 

 

「…ま…しも……真霜……」

 

 

「なに…新一郎…?」

 

 

「ここは…日本だよな!…俺は日本に帰ってきたんだよな!?」

 

 

「し、新一郎…落ち着いて…!」

 

 

ガッシャアアァン

 

 

「…はぁ…はぁ…真霜…ごめん…真霜……ごめん……」

 

 

「…ごめんなさい…新一郎……」

 

 

新一郎は両手で真霜の肩を強く掴み、痛みを感じた真霜は新一郎を両手で強く押し倒した。

 

倒れた新一郎は正気に戻り、真霜に謝罪した。

 

 

新一郎は真霜から倒れた経緯を知りながら、車椅子に乗りながら、病院の屋上で横須賀の景色と潮風に当たった。

 

 

「そうか…真霜…ありがとう……」

 

 

「えぇ…あなたは私の支えとなる人よ…絶対に死んではダメ…」

 

 

その言葉を聞いた新一郎は

 

 

「なあ!」

 

 

そして、ある事を真霜に聞く。

 

 

「何?」

 

 

「なぁ、真霜…君の横須賀学校時代の海洋実習はどうだったんだ…?」

 

 

「なんでそんなこと聞くの…?そうねぇ…当然座学や艦での技術は高度なものになっていくけれど、元からある程度出来る人たちが集まっているもの、そこはあんまりないの。もちろん学ぶことは多いけどね。やっぱり人間関係ね、人が集まればそれだけ衝突も増える。規律や孤立が生まれれば艦は動かない、技術以前の問題だもの」

 

 

「上手くなかったことは…?」

 

 

「ざーんねん、うちのクラスはみんな仲良しよ。それでも小さな揉め事が起こる時は起こるもの、その時はどうするかは艦長の腕の見せどころかもね」

 

 

「ふーん…真霜は大変そうだなー」

 

 

「な?」

 

 

「外じゃずーっと猫かぶってるからな、疲れないか?」

 

 

「失礼ね!猫かぶってないわよ!」

 

 

新一郎の言葉に焦りを感じた。

 

 

「家ではずいぶんズボラなのにな」

 

 

「いいでしょ家くらい、オンオフが大事なの」

 

 

真霜が家に帰宅してから、彼女の自室は至るところに散乱。

そして、新一郎の部屋にも真霜の私物が置かれ、海軍出身の新一郎が真霜の私物を整理する羽目になるのであった。

 

母親の真雪は、嫁の貰い手がいるのか心配になるほどだった。

 

 

「ねぇ、新一郎はどんな学生時代だったの…?」

 

 

「そうだな、俺は…高知の貧しい漁村出身って聞いたよな…」

 

 

「えぇ…」

 

 

新一郎は少しでも貧しさを脱するために、家業の漁師を手伝いながら学校で学び、中学を卒業し、家族の反対を押し切って海軍に入隊。

 

海兵団で良い成績を得たが飛行機に興味を抱き、航空学校に入学。

 

腕を磨き操縦技術はピカ一になり、偵察、観測パイロットに志願。

 

1939年、初陣の日華上海事変に参加。

 

1941年12月の開戦後、当時最新鋭の零式水上観測機を受領。米英艦隊上空で味方の砲雷撃を観測した。

 

また、この時初めて敵戦闘機と空戦し、撃墜した。

 

その後ラバウルに派遣、ソロモン海戦で巡洋艦鳥海、戦艦金剛、霧島に乗艦。観測任務をこなしつつも後部座席の観測員を四人も交代するも死なし、味方から死神と称された。

 

1943年初頭に、本国から補充要員として金城幸吉とペアになり同期の厚木十三と、弟の沖田進次郎と再会。 したがー

 

 

 

ラバウル 酒保

 

 

 

「金城、てめぇ……恩を仇で返すとは!!」

 

 

「へっへっへ!オラも混ぜて!!」

 

 

転属したばかりの幸吉は洋介、虎雄と進次郎は酒保室で乱闘が発生した。

 

 

「馬鹿野郎!!乱闘をやめいっ」 バシッ 

「ぐはっ!」

 

 

騒動に感づいた新一郎は酒保に向かい、ある人物が入って、跳ばされた士官のパイロットとぶつかった。

 

 

「いって~…」

 

 

「それはこっちの台詞だ!!」 

 

 

バキッ

 

 

「何を!?……ん、お前は新一郎!?」

 

 

新一郎が殴り跳ばした相手が、戦友の厚木十三であった。

 

 

「十三っ!?面白い...! 前の続きだ!!」

 

 

「何を~!?」

 

 

「……っ!?兄ちゃん!!」

 

 

「お前は……進次郎!?」

 

 

 

偶然にも十三は友人であり、新一郎の愚弟である沖田進次郎と再会した挙げ句、ラバウルの酒保区域で6人のパイロットが乱闘、約1時間も続いた。

 

 

 

「ばっかもーん!!」

 

 

ラバウルの司令室にて、天沼俊介海軍司令が六人の顔に絆創膏を貼ったパイロットに怒号を入れていた。

 

 

「エリート組の空母パイロットが喧嘩を吹っ掛けるとは情けない!」

 

 

「司令、申し訳ありません!!」

 

 

「謝るなら軍法会議は要らん!!指示がでるまで貴様たち六人兵舎で共同生活だ!!」

 

 

「「「「「「 え〜!? 」」」」」」

 

 

「…これ以上、意義を唱える者は飛行停止するぞ!」

 

 

 

「「「「「「 はっはい!! 」」」」」」

 

 

 

新一郎たち6人のパイロットは天沼司令の指示で、構築したばかりの兵宿舎の屋根の下で暮らすこととなった。共同になったばかりで特に4人は未だに歪み合っていた。

 

 

 

3日後、夕食ー

 

 

 

「あっ、俺の刺身!よくも食ったな!!」

 

 

 

「へっ!ワシを殴った恨みじゃ!」

 

 

 

「あっ、オラの筍のお浸しを食ったな!!」

 

 

 

互いに人の副食をつまみ食いや個人トレーニングで妨害しがちな行動をしたりの衝突が免れ兼ねない事態で日に日ににらみ合いが続いた時―

 

 

 

パカァァン

 

 

 

「「「「 痛ってえぇ~!! 」」」」

 

 

 

「あんた達!いつまで喧嘩しているの!!」

 

 

 

「「と……トチコさん…」」

 

 

 

進次郎たちをお玉で殴ったのは秋山敏子、通称トチコ。秋山敏郎兵曹長の双子の妹。彼女は給仕と整備の仕事も兼ねている。

 

 

 

「こんなところで仲間同士争っていたら得するのは敵さんだ!」

 

 

 

「「「っ…!?」」」

 

 

 

トチコの言葉で進次郎たちは固まった。

 

それからダンピール海峡で、互いに助け合い、意気投合した。 

 

彼の部下に実弟も含め、4月にラバウル六勇士を結成した。

 

 

「まぁ…そんなことが…」

 

 

「あの時の喧嘩が無ければ、十三や洋介と同じ部隊にならなかったかもな~」

 

 

「(……男の子は…喧嘩っ早いのね…)」

 

 

新一郎の昔の行動に呆れつつ、息を吐いた。 

 

 

「沖田大尉、夕食のお粥をお持ちしました。」

 

 

「おっ…待ってました」

 

 

看護婦が持って来てくれたのは、5つのミニサイズの土鍋。

蓋を開けたら、赤と緑、黄色と白、茶の5色の粥だった。

 

 

「お粥…?」

 

 

新一郎は土鍋の粥を器に移し、スプーンを掬い口に入れた。

 

 

「…かぁ~旨い~♪︎…身体の毒素が抜かれるゼ~♪︎」

 

 

真霜の視点で、新一郎の身体から何処と無く毒々しいオーラが放たれた。

 

 

「ねぇ新一郎…このお粥はどうしたの…?」

 

 

「ちょっと昔、上海に半舷上陸してな、料理屋である馬賊と銃撃、その撃ちあった馬賊と仲良くなった…ハハッ」

 

 

「ハハッじゃない!ねぇ、その馬賊と何が…」

 

 

「よくは分からんが、四川出身であり腕のいい料理人。身体に良いレシピをくれた。もとい、俺は中国語は分からんが…この世界にきて、この内容のレシピが読めるようになった♪︎」

 

 

新一郎はレシピを頂くも中国語は分からず、肌身離さず持っていた。

この世界に転移して、言語理解を習得する。英語はもちろん、ドイツ語も喋れるだけじゃなく中国語のレシピも読めた。

 

その能力を持つことに、真霜は心の中でやや羨ましく思っていた。

そして、あることを述べた。

 

 

「……新一郎…退院しても少しの間、飛行機に乗らないで…」

 

 

「わかっておる…医者に止められている以上は、本部で勤務だな…///…俺は君と結婚して…必ず幸せな家庭を築くことを約束する!あの戦争で結婚し、戦場で戦死した戦友の分もだ…!」

 

 

新一郎は、照れながら本心を答える。

 

 

「そうなんだ…嬉しいわ…そして、この子のためにも…」

 

 

「…………」 

 

 

新一郎は無言で涙を流しながら真霜の腹部を撫で、真霜は嬉しくなり、心が一杯になった。

 

 

「そう言えば、トムは、無事か?」

 

 

新一郎は、トムの安否を聞く。

 

 

「大丈夫よ!…少々危険な目に遭ったけど…」

 

 

「危険な目だと!?」

 

 

「海賊に生徒を人質に取られ銃で脅されたのよ!」

 

 

真霜は、トムが無事だと言う。

 

 

 

ついでにオーシャンモール四国沖店での事を話す。

 

「…俺のせいだ!!…俺が奴の脅しに屈したから、トムを危険な目に…」

 

 

新一郎は、トムが銃で脅された事は、自分のせいだと悔やむ。

 

 

「生徒を人質に取られたのですもの、仕方がないわ!…でも安心して!この世界に来た大賀虎雄さんも生徒を守ってくれたから、怪我もなく無事保護されたわ」

 

 

「虎雄の奴が!?…あいつが助けに来てくれたのか!?…そうか…うぅ……」

 

 

虎雄が助けに来てくれた事を聞いて、新一郎は、ホッとする。

 

 

「そう言えば武蔵は?カタリナの方は?」

 

 

 

「現在捜索中よ…まだ行方が掴めないけど…」

 

 

「そうか…無事でいてほしいが…」

 

 

龍之介は、行方不明のシャルロットとウィル達の無事を祈った。

 

 

「それでね…補給が終わり次第、晴風と虎雄さんを調査と事情聴衆の為、横須賀に寄港させるんだけど…貴方にも協力して欲しいの?」

 

 

 

真霜は、今回の事件の真相を調べる為、晴風と二式水上戦闘機とパイロットの大賀虎雄を調査と事情聴衆の為に横須賀に寄港させる事を新一郎に告げる。

 

 

更にその時には、新一郎にも協力して貰うと言う。

 

 

「分かってるよ…俺達の疑いを晴らさなければならないからな…!」

 

 

 

新一郎は、自分達の疑いを晴らす為、戦闘以外で真霜に協力する事を約束した。

 

 

 

 

その後、新一郎が病室に戻るとイーグルのウィルの家族が見舞いに赴いた。

 

 

「新一郎おじさん!」

 

 

「おじさん、大丈夫!?あっ真霜おばさん、こんにちは!」

 

 

「おば…」

 

 

真霜は双子の言葉を聞いて、やや怒り気味だった。

 

(双子の実年齢、約80歳の歳)

 

 

「(う…)エマ、エミリー!あぁ、おじさんは大丈夫だよ~!はっはっは~!」

 

 

真霜の怒りのオーラにより、二人を綾かしながら頭を撫でた。

 

 

「新一郎さん!」

 

 

「キャサリンさん!心配かけてすまない……」

 

 

「いえ、謝るのはあたしたちの方です!みんなの代わりに新一郎さんが犠牲に…」

 

 

キャサリンは、エマとエミリーと共にブルーマーメイドに保護を受け、この場にいない旦那のウィルの代わりに頭を下げて謝罪した。

 

 

「構わない、俺はライジングイーグルの指揮官としての立場だ…」

 

 

「ねぇ…おじさん…パパは…?…パパはどこにいるの…?」

 

 

エマとエミリーが父親の安否を尋ねる中、病室に気まずい空気が漂う時、新一郎は二人の頭を撫でた。

 

 

「今はわからない…だが、怪我がなおったら…おじさんが、飛行機と共にパパとお友達を探しにいくよ!」

 

 

「本当に!?」

 

 

「本当だ、約束する」

 

 

新一郎は微笑みながら、エマとエミリーの手を繋ぎながら約束した。

 

 

夕食の前に親子3人はブルーマーメイドの寮に帰った。

 

そして、福内が新一郎と真霜にウィルたちのPBY-5カタリナと学生艦の報告を聞き、険しい顔になった。

 

 

「そうか…俺が拘束している間…カタリナの消息が…しかし学生艦はおろか、民間の船からの一切の確認がない…」

 

 

「…おかしいわね…横須賀女子学生艦が次々と行方不明…」

 

 

「宗谷校長の要請で、東舞校の教員艦も出動して探索しています。」

 

 

「うん…ありがとう福内さん、トムが横須賀に帰還次第に俺も零観で捜索を…」

 

 

「新一郎は退院するまで、休みなさい!」

 

 

「俺もパイロットだ。ウィルは勿論、幸吉とトチローが気がかりだ!一刻も…」

 

 

「休みなさい…」

 

 

「は…はい…!」

 

 

真霜の顔は、口が笑っても目が暗く、笑っていない顔立ちをして、ベテランパイロットの新一郎すら震え恐怖した。

 

 

 

4月15日

 

 

 

修理中だった晴風も修理が完了した。

 

 

主砲も新しく長10センチ高角砲に全部取り換えられた。

 

 

射撃指揮所も94式方位盤照準装置から94式高射装置に更新された。

 

 

「明石に長10センチ砲のストックがあったんだって」

 

 

『うわぁ…』

 

 

幸子、光、順子が取り換えられた長10センチ高角砲を見て、嬉しくなる。

 

 

「凄い!…前の主砲よりも射程が増えて、発射速度も初速も向上しています!」

 

 

 

幸子はタブレットで性能を比較しながら驚いていた。

 

 

「もう戦闘にはならないと思うが、安心だな…」

 

  

「晴風艦長…」

 

 

「!?」

 

 

取り換えられた長10㎝砲を見ていると珊瑚が来て

 

 

「此処に修理した箇所を記載しておいた」

 

 

明乃に晴風の補修箇所のデータが入ったUSBを渡す。

 

 

「ありがとう!」

 

 

「それじゃ我々はこれで…これから武蔵の補給に向かう」

 

 

 

珊瑚は、武蔵補給に向かう事を明乃に告げる。

 

 

「武蔵!?…」

 

 

珊瑚の発言の中の武蔵に驚く明乃。

 

 

「武蔵もビーコン切ってて位置が分からないんで調査を兼ねてなんだけど…」

 

 

「武蔵も…」

 

 

明乃は、武蔵からのSOSの事は知っていたが、晴風単艦では、救援には行けないし、ましろの反対もあって、武蔵の事は、学校に任せる事にしたが、珊瑚から武蔵の状況を聞いて、武蔵に居るもえかの事が心配になる。

 

 

武蔵の事を案じているのは、虎雄とトムだけでは、無かった。

明乃ももえかの安否が気になり、トムもシャルロットも気になっていた。

 

 

 

晴風の修理と補給を終えた明石と間宮は、武蔵の補給、捜索に向けて出航した。

 

 

 

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