ハイスクール・フリート   ~空を翔る鳶と海虎~   作:鷹と狼

34 / 34
第31話 武蔵とカタリナでピンチ 後編

 

 

晴風、前部甲板

 

 

 

一方、武蔵と東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊の戦闘している頃

 

 

晴風

 

 

『ええ…艦長の岬です…クラス全員急いで艦首付近の前甲板に集まって下さい以上…』

 

 

明乃は、突然、生徒達を艦首の前甲板に集合するよう放送を掛ける。

 

 

『ん…?』

 

 

「何ですかね…」

 

 

突然の召集に何だろうと思い、前甲板に集合する。

 

 

「ん?」

 

 

「何だ、急に召集かけたりして?」

 

 

ましろは、何故、急に召集掛けたか、明乃を問い質すと明乃は、

 

 

「あのね皆!!…今から…ミーちゃんと虎ちゃんの歓迎会を始めま~す!!」

 

 

虎雄とミーナの歓迎会を宣言した。

 

 

『わぁ…!!』

 

 

ミーナの歓迎会で皆は、虎雄とミーナを歓迎の拍手で迎える。

 

 

「な…!?…なんじゃと~」 

 

 

「えっ!?ワ、ワシの?」

 

 

突然、自分の歓迎会で虎雄とミーナは、驚く。

 

 

「そう言えば、まだだったわね!」

 

 

「お~い!!お~い!!、やちまえってんでぇい!!」

 

 

今まで、戦闘が多かったので歓迎会を開く余裕が無かった。

 

 

皆拍手しながら、美甘と杵崎姉妹が歓迎用のケーキを運んでやって来た。

 

 

「今火を付けるからね…」

 

 

美甘がケーキのロウソクに火を付ける。

 

 

「そうじゃったのか…」

 

 

「さぁさぁ虎ちゃん!」

 

 

「も、もしかして、コソコソしてたのは!?」

 

 

「良いから、良いから…」

 

 

虎雄とミーナは、杵崎姉妹が何故、自分を避けていたのかようやく分かり、留奈と桜良、麻侖と麗緒にケーキの前へと連行される。

 

ミーナがケーキの前に立つ

 

 

「じゃあ、まず私達の新しい仲間のミーちゃんから、何か一言!」

 

 

「んっ?」

 

 

明乃からミーナに何か一言言う様に言われ、戸惑うミーナ。

 

 

「…え…晴風乗員諸君!…全くこの晴風というのは変な艦じゃ、上下関係は、だらしない、規律は、いい加減、艦長は、全然艦長らしくない!」

 

 

「やっぱり?」

 

 

「異議なし!」

 

 

「わしは、良いと思うが…」

 

 

ミーナの言葉にましろは、その通りだと言うと虎雄は、そうじゃないと言う答えを出す。

 

 

「…こんな如何ゆるい艦、見たこと無い…だが…へ、へペンハイムのシュタルケンブルク城みたいで小さいが風情がある」

 

 

「あのう~、例えが分かりずらいです。」

 

 

幸子は、ミーナの例えが理解できなかった。

 

 

「じゃ、ニュルンベルクのソーセージじゃ」

 

 

ミーナの例えに皆笑ってしまう。

 

 

「それに、こんな風にワシを歓迎してくれるとは…晴風乗員諸君‥‥ワシは、この手厚い歓迎にド感謝する!!」

 

 

「次に虎ちゃんの一言!」

 

 

「な…なんじゃと…///」

 

 

明乃の指示で、虎雄は戸惑いながらケーキの前に立った。

 

 

「駆逐艦…いや、航洋艦…晴風はミーナさんの言葉通りじゃが、皆さんと会ったばかりのワシに温かく接して感謝しています。どことなくワシが配属していた部隊でも、軋み合うことがありましたが、生死を誓う愉快な仲間で、どこか懐かしく感じます。この艦で厄介になりますが、よろしくお願いします!」

 

 

虎雄とミーナは感謝の言葉を述べてケーキの上に立つロウソクの火を消す。

 

 

火を消した途端、皆は、拍手する。

 

 

その中で並んでいた百々は、スケッチブックでスケッチしていた。

 

 

「おお~!!この光景は二人の結婚式みたいっす~!///」

 

 

「…っ!?ぐ…誰じゃ!?」

 

 

「…結婚式って///」

 

 

「「「「 あははははは~ 」」」」

 

 

虎雄とミーナは赤面、晴風の乗組員たちは笑いに溢れていた。

 

 

「はい、じゃあ皆でケーキを食べようね!」

 

 

『異議なし!!』

 

 

晴風艦長、岬明乃はその言葉を聞いてどこか複雑な気持ちだった。

 

晴風の女生徒たちも、相手になる男性が虎雄でありたいと想っていた。

 

 

美甘は、ナイフを取り、皆にケーキを配り、配られたケーキを皆は、それぞれ食べる。

 

 

「ミーナちゃん、何で自分の事を『わし』っていうの?」

 

 

媛萌がミーナに何故、自分の事をワシと言うのか、気になっていたので、ミーナに問うと

 

 

「可笑しいか…?日本の映画を見て覚えたんじゃが?」

 

 

「ああ、仁義がない感じの映画ですね…『あんたは儂らが漕いどる船じゃないの…船が勝手に進める言うなら進んでみぃや!!』」

 

 

ヤクザ映画を見て覚えたらしく、それに釣られて、幸子が何処からかサングラスを取り出し、例の一人芝居をする。

 

 

すると

 

 

「『ささらもさらにしちゃれ…!』じゃな」

 

 

ミーナも流れに乗る。

 

 

「しかし、上手いなぁこのケーキ!」

 

 

ミーナが再びケーキに口を着けていると

 

 

「これ記念品」

 

 

「貰って」

 

 

杵﨑あかねとほまれの姉妹が、紅白の達磨をミーナにプレゼントする。

 

 

「お、おぅ…ダンケシェーン 」

 

 

 

プレゼントされた紅白の達磨にミーナは、驚きながら、杵﨑姉妹から、その紅白の達磨を受け取った。

 

 

「あの映画シリーズ全部見たんですか?」

 

 

「見たぞ!」

 

 

「私、四作目が好きで!!」

 

 

「兆件作戦か、あれはええのう」

 

 

 

幸子もミーナと同じヤクザ映画が好きなようで、2人は、意気投合する。

 

 

 

「虎ちゃんはそう言うの興味ありますか?」

 

 

幸子は虎雄にそう訊くと

 

 

「ワシは興味は無く知らんな、仁義切りとかはやったな…」

 

 

「仁義切り?」

 

 

虎雄の言葉に皆は首をかしげる。

 

 

「ああ、映画のヤクザが「お控えなすって」とかいうあれ?」

 

 

「そうじゃ、あれ」

 

 

姫媛の質問で、虎雄が答える。

 

 

 

「虎ちゃん、それヤクザ的なことをやったの…?」

 

 

「あぁ、わが海軍のGF司令長官が敵の襲撃を受けて戦死した…その時、ワシら戦闘機パイロットたちは大いに悔やんだ……」

 

 

 

 

1943年 4月 ラバウル

 

 

 

大賀虎雄がまだ下士官時代、隊長の厚木十三、副官の沖田新一郎。

 

戦友の桜井洋介、沖田進次郎、金城幸吉は上官である、天沼俊介大佐から、亡き連合艦隊司令長官山本五十六長官より短剣を賜った。

 

結成した記念として秋山俊郎整備兵、秋山聡子給仕から手製の盃を受け取った。

 

 

「それでは、一息に飲み干してください。」

 

 

 

クイっ

 

 

 

この場で盃を交わし、ラバウル六勇士が結成された。

 

山本五十六連合艦隊司令長官が戦死したブーゲンビル島方向に向けて黙祷し、敬礼した。

 

そして、六人のパイロットたちはラバウル周囲で敵機と空中戦を繰り広げ、大いに活躍した。

 

だが戦局が悪化し、ラバウル基地からトラック諸島に撤退。二度の空襲でトラックを防空した後、ラバウル六勇士は解散した。

 

隊長の厚木十三と桜井洋介、沖田進次郎、整備員のトチローは内地に帰還。

 

零式水上観測機の沖田新一郎と金城幸吉は戦艦大和に配属された。

 

大賀虎雄、秋山聡子はシンガポール海軍基地に配属された。

 

 

 

 

 

そんな中、明乃は、ポケットから懐中時計を出して、中に貼ってある写真を見る。

 

 

 

「可愛い」

 

 

 

「んっ?」

 

 

 

隣から鈴がそれに気づき。

 

 

「それって、艦長…岬さんの子供の頃?」

 

 

「んん、卒業式の写真…ずっと一緒だったの…」

 

 

「武蔵の艦長さん?」

 

 

 

鈴が写真に写っているもえかに注目する。

 

 

「んそう、武蔵の…」

 

 

「ねぇ…岬さんは虎ちゃんとどんな経緯で会ったの…?」

 

 

「わたしとモカちゃんが大和を眺めている時、海に溺れている虎ちゃんを助けたんだ」

 

 

明乃は今でも覚えている。

幼少の時、もえかと共に虎雄を助けた。将来のブルーマーメイドになる一歩を踏み出した。

 

虎雄と3人で遊び、別れ間際に将来を約束していた。

 

明乃ともえかはブルーマーメイドの隊員、虎雄は飛行機のパイロットになることを誓った。

 

 

晴風 後部甲板

 

 

「おぉ~修復して貰ったな、愛機よ。…しかも、操縦席のうしろに座席とは…ブルーマーさん、余計な改装を施しやがって…これじゃ、零式水偵か零観みたいじゃな…」

 

 

虎雄の愛機、二式水上戦闘機はブルーマーメイドの浦賀鈴留たち敏腕メカニック隊員により、被弾した箇所を修復して貰った。

 

隊員のサービスなのか、二式水戦の操縦席のすぐうしろに座席が設置、複座式に改装されていた。

 

 

 

その時

 

 

 

ピィーン

 

 

『艦長!!学校から緊急電です!!』

 

 

 

鶫が学校からの緊急伝を伝える。

 

 

「如何したのか!?」

 

 

「何事だ!?」

 

 

「総員、直ちに配置について!!」

 

 

何事かと思い、明乃は、直ちに総員配置の号令を出す。

 

 

歓迎会から一転、生徒達は、急いで配置に着く。

 

 

 

晴風 艦橋

 

 

 

「電文の内容は?」

 

 

 

ましろが艦内電話で鶫に学校からの電文内容を尋ねる。

 

 

 

『北緯19度41分東経145度0分地点で武蔵を捜索していた東舞校教員艦との連絡が途絶えた…周辺で最も近い位置にある晴風は現地に向かい状況を報告せよ…なお戦闘は禁止。自らの安全を最優先する事……以上』

 

 

 

「武蔵がこの近くに…」

 

 

『追伸、本艦が搭載する航空機の僚援を求む…』

 

 

明乃は、武蔵の方を聞いて驚く。

 

探していた武蔵がこんな近くに居たとは予想外だった。

 

横須賀への帰還命令から武蔵が居る海域へと向かうように、さらに虎雄の二式水上戦闘機の護衛命令が指事を受けた。

 

 

「命令はあくまで状況報告だぞ!」

 

 

ましろは、あくまで状況を報告するのみだと明乃に再認識させる。

 

 

「そうだね……出航用意!錨を上げ!!…両舷前進強速ヨーソロー!!見張りを厳に!!」

 

 

「大賀虎雄、二式水戦。行きます!!」 

 

 

晴風、二式水戦は出動し、武蔵が居る海域へと向かう。

 

 

 

 

 

4月15日

 

 

 

17:00

 

 

 

アスンシオン島沖

 

 

「増援の8隻到着!…陣形、整いました!!そして、イーグルの航空機が飛来してきました!!」

 

 

あれから、武蔵と東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊の戦闘は、熾烈さをきし、流石の教員艦隊も不利だと認識し、直ぐに増援を呼んだ。

 

 

こうして、教員艦隊は、増援8隻を得て、残存艦6隻合わせて、その数14隻と二式水上戦闘機が飛来、武蔵を取り囲む様に陣形を整える。

 

 

「晴風より早く飛来したが………武蔵…」

 

 

虎雄は呟いた。

 

戦艦武蔵、大和型二番艦にて、虎雄の戦時1944年の主力艦隊の上空護衛を担いつつも、フィリピンのレイテ沖海戦で戦沈した。

 

武蔵を見た虎雄は、異世界でありながら武蔵と再会した。航空機のない世界、兵装は両減に15センチ三連装砲搭載の就役時の姿であった。

 

 

「武蔵…カタリナ…!!」

 

 

虎雄は武蔵の周囲を飛行するカタリナと空中戦に突入した。

 

だが、武蔵の砲撃、カタリナの機銃掃射の前に全く歯が立たず苦戦、晴風が到着した頃には、戦闘は、膠着状態になっていた。

 

 

 

晴風、艦橋

 

 

 

「凄い!?…凄すぎます!?…」

 

 

幸子が震える声で目の前の光景の感想を口にした。

 

両艦の戦闘、本機を見て、艦橋に居る者は、息を詰める。

 

 

「夾叉も無しに行き成り命中させる何て…あんなのに狙われたら……」

 

 

芽衣が夾叉もしないで、目標に命中させる武蔵の砲術の凄さに驚いていた。

 

 

「操艦もあんなに大きな艦があっという間に針路を変えている…」

 

 

鈴も武蔵の操艦能力を褒める。

 

やはり、横須賀女子海洋学校の中でも成績優秀者を乗せているだけの事はある。

 

 

「どうして!?……何でこんな事に…」

 

 

明乃は、何故、こんな事になっているのか驚愕しながら、双眼鏡を見る。

 

 

「虎雄機が、別の航空機械と交戦中です!」

 

 

まゆみの報告で、虎雄が交戦している機体を生徒たちが目の当たりにした。

 

 

「なにあれ!?」

 

 

「あ…あんな…大きい機体、見たことがない…」

 

 

「うぃ…」

 

 

「…あれが、ウィリアムさんの航空機…」

 

 

芽依と志摩が二式水上戦闘機より倍以上の大型航空機である、PBY-5カタリナの大きさに圧倒される。

 

ましろも別の航空機、さらに国籍マークが星だったとあることを、今まで謎めいた違和感がはっきりした。

 

すると

 

 

「虎ちゃん…モカちゃん…!!」

 

 

明乃が声を上げた。

 

 

『はっ…』

 

 

ましろたちが声を上げた明乃を見る。

 

 

そして

 

 

「シロちゃん…悪いけど…後は任せて良い?…私…行ってくる。」

 

 

 

突然、明乃は、ましろに艦を任せ、何処かへ行くと言い出した。

 

 

「行くって何所にだ!?」

 

 

行き成り何所に行くのか問うましろ。

 

 

「武蔵と虎ちゃんのところへ」

 

 

向かう先は、二式水戦と武蔵が戦闘中の海域だった。

 

 

「…ば、馬鹿を言うな!…状況は、既に把握した確認した報告が最優先だ…」

 

 

ましろは、武蔵に向かう明乃を止めようとするが、明乃は、ましろの言葉を聞かずに行こうとする

 

それに対して、思わずましろは、明乃の肩を掴み

 

 

「い、いい加減にしろ!!…毎度毎度、自分の艦をほったらかしにして飛び出す艦長が何処の世界に居る!!…海の仲間は家族じゃないのか!!…この艦の仲間は、家族じゃないのか!!…如何なんだ答えろ!!」

 

 

遂に勝手な行動を取る明乃に切れ、明乃に怒鳴る。

 

ちょうど艦内放送の無線が入ってて、ましろの怒鳴り声は、艦に響き渡ってしまう。

 

 

それを聞いた生徒は、唖然としながら聞く。

 

 

「あっ…」

 

 

「…此処は…守るべき家じゃないのか?」

 

 

ましろは、必死に止める

 

 

「モカちゃんと虎ちゃんが…私の幼馴染があそこに居るの…大事な親友なの…」

 

 

そう言った瞬間、ましろは、肩から手を放し、艦橋は静まり変わる。

 

 

「晴風は速やかに武蔵の射程外に出て!!」

 

 

明乃は、そう指示を下し、艦橋から飛び出して行った。

 

 

「…岬さん」

 

 

艦橋の皆が飛び出した明乃に注目していると

 

 

晴風、前部甲板

 

 

明乃はスキッパーに搭乗し、武蔵と虎雄へと向かう。

 

これは最早、命令違反に等しい行動だ。

 

 

晴風、艦橋

 

 

 

明乃が武蔵に行った後、ましろは

 

 

「……えー!!もう~!!取り舵一杯!!」

 

 

 

遂に自暴自棄になり

 

 

「取り舵一杯!!」

 

 

「武蔵との距離はこのままを維持し、スキッパーの動きを追う。」

 

 

明乃の後を追う。

 

 

「艦長を回収しなきゃいけませんからね!」

 

 

「でなきゃ、とっくに反転して、逃げてる!!…応急委員は、即応体勢、手が足りなかったら主計科の子にも手伝ってもらって!!…以上各班に通達!!」

 

 

ましろの指揮の元、明乃の後を追いながら、晴風は、武蔵と東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊との戦闘の中に入る。

 

 

一方、武蔵と戦闘を続けている東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊は、既に14隻のうち既に残存艦は、4隻になっていた。

 

 

だが、一歩も引かず武蔵の前に立ちはだかる。

 

 

あおつき、艦橋

 

 

「何としても足だけでも止めなければ…噴進魚雷攻撃始め!」

 

 

最早4隻だけでは、武蔵を止める事は出来ない、しかし、せめて航行不能にするだけでも、武蔵の行動を制限する事だけはできる。

 

 

教頭は、噴進魚雷で武蔵のスクリューシャフトを攻撃しようと発射するが

 

 

「何!?」

 

 

発射された噴進魚雷は、誘導装置が故障したせいか、殆んどが作動不良を起こし、空中をフラフラ飛び、海上に着弾した。

 

 

そして

 

 

「教頭!?…増援艦隊との通信が途絶しました!!…データリンクも止まっています!!」

 

 

今度は、通信機器や艦隊ネットワークが機能を停止し、麻痺状態に陥った。

 

 

「バカな!?そんな…」

 

 

突然の事態に教頭達は、驚愕する。

 

 

更にそれに追い打ちを掛ける様に

 

 

「着弾します!!」

 

 

武蔵の砲弾が旗艦あおつきに命中、航行不能になる。

 

 

 

残りの3隻も旗艦が被弾や通信機器と艦隊ネットワークが機能を停止している為、混乱する。

 

 

 

その最中に武蔵の砲撃を浴び、航行不能になる。

 

 

これにより、東舞鶴男子海洋学校が壊滅状態に陥った。

 

 

 

 

上空

 

 

 

「艦隊が…おのれ…」

 

 

虎雄は復讐を燃やしながら操縦桿を握りしめ、愛機を急上昇。

 

 

「あいつも沖田さんやトムとこの世界に…落としてやる…!!」

 

 

背面飛行に移り、急降下しながら照準をカタリナに入れ、引き金を絞ろうとした時だった。

 

 

「…っ!?…なんじゃと!?(…幸吉…トチローさん…)」

 

 

ダダダダダダダダ

 

 

虎雄が見た光景は、カタリナの機銃座にラバウル六勇士の戦友、金城幸吉と、機体の整備員、トチローこと秋山敏郎が居座り、更に機体の機銃が虎雄に向けて掃射された。

 

 

「ぐっ……そんな…なんてとこじゃ…なんてとこじゃ…!!…幸吉…トチローさん!!」

 

 

機体を回転、機銃掃射を回避して急降下、海上スレスレに飛行した。

 

 

武蔵 艦橋

 

 

「艦長、シャルさん、救援です!!しかも空から別の飛行機が!」

 

 

「なんですって!?」

 

 

艦長の知名もえかと、艦医のシャルロットが双眼鏡を覗いた。

 

 

「あれは日本海軍の、二式水上戦闘機…沖田さんと幸吉さんが探していたお仲間…」

 

 

「シャル先生、あれが日本のひこうき!?」

 

 

「えぇ、そうですわ!」

 

 

「だけど…助かるのね…」

 

 

シャルロットの言葉で、親子と夏美は僅かな希望を取り戻した。

 

 

「…虎…ちゃん…虎ちゃん!!……」

 

 

もえかは二式水戦の操縦席に居座るパイロット、大賀虎雄を目の当たりにした。

 

 

 

「…も…もえか……!!」

 

 

彼女にとって、初めて友達になった男の子。この状況下で、飛行機の操縦席と艦橋を隔てながら、9年振りの再会になってしまった。

 

 

晴風、見張り台

 

 

 

「武蔵の主砲、此方に施行中!!」

 

 

東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊を全滅させた武蔵は、次に接近中の晴風へとその主砲の照準を向けた。

 

 

晴風、艦橋

 

 

『っ!?』

 

 

「え…!?」

 

 

マチコの報告を聞いて、驚愕する。

 

 

「面舵一杯ヨーソロ!!武蔵と反航にして…」

 

 

即座にましろが鈴に退避指示を出す。

 

 

「はい!!」

 

 

鈴は、即座に舵を切り退避行動に移る。

 

 

「よく逃げずに頑張っているね、今日は!?」

 

 

「うぃ!?」

 

 

芽衣と志摩が鈴にいつもとは違うと言う。

 

 

確かに普段の鈴であれば、「逃げようよぉ~!!」と騒ぐ筈だが

 

 

「艦長が岬さんと虎ちゃんが戻ってこれる様にしないと!!」

 

 

昼間、明乃に褒められ、虎雄の言葉でちょっとは前向きに取り組む姿勢が芽生えてきた鈴。

 

 

それでも目は、涙目だった。

 

 

晴風、電探室

 

 

「感あり……主砲弾3、こちらに向かっています!!…10秒後艦首右前方に着弾!!」

 

 

彗の報告で晴風のレーダーが武蔵の砲撃を捉えた。

 

 

晴風、艦橋

 

 

「な、何故だ!?」

 

 

慧からの報告を聞きましろは、驚愕する。

 

 

そんな中、志摩は、ましろが驚愕しているうちに

 

 

「120の60」

 

 

志摩が伝声管で射撃指揮所に指示を出す。

 

 

「撃つんだ…!?やっぱり撃っちゃうんだ!!」

 

 

主砲を撃つ事に芽衣は、やや興奮する。

 

 

 

「弾で…弾を撃つ!!」

 

 

 

志摩は、晴風の主砲で武蔵の砲弾を迎撃するつもりだ。

 

 

晴風の主砲は、対空用の長10センチ高角砲に換装、航空機を迎撃する為の砲なので武蔵の砲弾も迎撃が可能な筈だ。

 

しかし、正確な照準と射撃指示が必要不可欠だ。

 

全ては、志摩と射撃指揮所の光、順子、美千留の4人に掛かっている。

 

 

 

晴風、射撃指揮所

 

 

「120度、高角60度に備え!!」

 

 

「砲塔回す…はい回した!!120度」

 

 

志摩の指示の元、光が目標の距離を測り、美千留が砲塔を回す。

 

 

「バキュンと行くよ…!!」

 

 

そして、順子が引き金を引き、目標に向かって、連続的に発射する。

 

 

 

晴風、艦橋

 

 

「流石、長10センチ砲!…発射速度が速い…!!ガンガン撃てる…!!」

 

 

 

芽衣が長10㎝高角砲の砲撃速度に興奮する。

 

 

晴風、電探室

 

 

「砲弾まっすぐ、此方に来ます!!」

 

 

芽衣が興奮する中、更に武蔵の砲弾が晴風に迫る。

 

 

 

晴風、艦橋

 

 

「面舵一杯、内側に入って!!」

 

 

「はっ」

 

 

 

砲弾を回避する為、武蔵の内側に入ろうとするが、双眼鏡で覗いていた秀子が報告する。

 

 

「ダメです!!間に合いません!!」

 

 

 

間に合わず、武蔵の砲弾が晴風に迫る。最早、駄目なのかと思った途端

 

 

「110度発射!!」

 

 

晴風の主砲が武蔵の砲弾に至近で命中した。

 

 

「向こうの見越し射撃に、此方の見越し射撃が当たりました。」

 

 

武蔵の見越し射撃に晴風の見越し射撃が命中した事に驚く。

 

 

 

雅に危機一髪とは、雅にこの事、志摩と砲術科の3人のお陰で艦は、救われた。

 

 

武蔵の見越し射撃に晴風の見越し射撃が命中した事に驚く。

 

 

雅に危機一髪とは、雅にこの事、志摩と砲術科の3人のお陰で艦は、救われた。

 

 

「やった…!!やった…!!」

 

 

「うぃ!!」

 

 

「イエーイ!!」

 

 

「うぃ!!」

 

 

命中した芽衣と志摩は、大喜びし、ハイタッチをする。

 

 

 

晴風が危機を脱している頃、武蔵に向かった明乃は

 

 

『んっ』

 

 

晴風の無事を確認しながら、武蔵に接近していた。

 

 

 

「あっ!?」

 

 

 

そんな時、明乃が艦橋から手を振る人影を視認する。

 

 

 

「もかちゃーん!!!!」

 

 

明乃は、大声でもえかの名前を叫ぶ。

 

 

「あっ!?」

 

 

目の前に小さな岩礁が有るのに気づくのが遅すぎて、岩礁と衝突してしまう。

 

 

「…」

 

 

明乃は、海へと投げ出され、急いで海面に顔を出す。

 

明乃が顔を出すと目の前には、武蔵がその巨体を見せていた。

 

 

「はぁ…はぁ…あっ!?」

 

 

だが明乃は、直ぐに武蔵の方向を見て

 

「もかちゃーーん!!!!」

 

 

思わず叫ぶ。

 

 

しかし、カタリナが明乃に向かって飛行、機首の機銃座の機銃が掃射された。

 

 

「あぁ…」

 

 

その光景で明乃は青ざめた。

 

 

「明乃ーっ!!」

 

 

虎雄は機体ごと明乃を守るために楯となり、被弾した。

 

 

「虎ちゃん!!…もかちゃん…」

 

 

カタリナは北東に向かい、武蔵は行ってしまうのだった。

 

こうして、武蔵は、反乱艦として、その姿を消す。

 

 

果たして、武蔵に何が起きているのか

 

そして、武蔵に立て籠もっているもえかとシャルロット達の運命は…

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。