ハイスクール・フリート   ~空を翔る鳶と海虎~   作:鷹と狼

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第5話 聴衆と初陣前夜

 

 

 

 

横須賀 ブルーマーメイド基地 桟橋

 

 

 

 

「トチロー!鹿児島の鹿屋航空基地以来の再会だな!」

 

 

トチローがまるで、幽霊を見たかの様に驚愕して腰を抜かした。

 

 

「あわわわわ………新一郎……幸吉……幽霊か……」

 

 

「トチローさん!この通り足はありますよ~!」

 

 

「馬鹿な……お前らは……長崎のピカ……原子爆弾で死んだ筈じゃ……」

 

 

「そっか………やはりオラたちは戦死扱いか……」

 

 

「トチロー、俺たちが長崎の特殊爆弾で行方を眩ましたあと、日本はどうなった?」

 

 

幸吉はあの戦時の飛行にて戦死扱いと聞いて染々し、新一郎はあの後、祖国がどうなったかを覚悟してトチローに尋ねた。

 

 

「……お前らが戦死した6日後、……8月15日、戦争が終結……日本は……敗れた!」

 

 

「っ!?……そうか……やはり、日本は負けた……のか……」

 

 

トチローの報告を聞いた新一郎は敗戦を聞いてショックを受けた。

 

彼は初陣の日華上海事変以来、東南アジア攻略やソロモン海戦、マリアナ沖海戦とフィリピン決戦、沖縄戦。そして本土防衛まで嫌という程に敵と戦った熟練パイロット。

 

お国を何の為に戦ってきたのか分からず、朝日が昇る太陽の海を眺めた。

 

 

「…新一郎……幾つか辛く気の毒な事を伝えっが、終戦の3日後に洋介は対ロシア戦で北方の戦火の中、おめぇの弟、進次郎を生かす為に犠牲になり、戦死したってんでぃ……そして、俺っちの妹のトチコも、復員輸送の任務で殉職した………」

 

 

「……あの桜井とトチコさんが戦死したんだと...!……7月に桜井の娘が産まれたばかりなのに妻子を置いて逝くとは……あの馬鹿野郎!!……………洋介……トチコさん……済まない……進次郎を……うぅ……」

 

 

自身と虎雄、幸吉があの戦争で苦楽を共にした戦友の厚木十三に続き部下であり、仲間だった桜井洋介とトチローの妹だった秋山敏子=トチコも殉職した。新一郎は海面を見つめ、涙を流した。

 

そして、真霜がそっと新一郎の後ろに近づいて背中を優しく撫でた。

 

 

「……新一郎……あなたの仲間が、戦争で犠牲になったのは非情に残念…だけど…」

 

 

「……真霜……」

 

 

「……決して、自ら命を絶たないで……これは私自身からのお願い……」

 

 

何とか落ち着いた状態で、次の事を伝えるためブルーマーメイドの基地に移動、事情徴収を行う為に会議室に急遽予定を変更した、横須賀女子海洋学校の校長である宗谷真雪と真霜真冬の親子姉妹。平賀倫子と福内典子の4人、参考人として新一郎と幸吉の出席による事情徴収が始まった。

 

彼らウィリアムたちのグループは、新一郎たちペアと同様あの異世界、70年前の戦争から異動した兵士であった。

 

リーダー格のウィリアム・J・スパロウ。アメリカ海軍少佐、水上飛行機のパイロット、PBY-5Aカタリナの機長。

 

トム・K・五十嵐。アメリカ海軍少尉、日系の元戦闘機パイロット。沖縄の戦いで撃墜されて、本人の転属希望でカタリナの副機長に就任。

 

シャルロット・F・トライン。アメリカ赤十字の従軍看護婦。

民間人のキャサリン・スパロウと双子のエミリーとエマ。ウィリアムの家族。ハワイのオアフ島で生活していた。

 

ウィリアムの愛機アメリカ海軍のPBY-5Aカタリナ。長距離飛行が可能な双発輸送=哨戒機であった。

 

秋山俊郎。元日本海軍の整備兵曹長、復員輸送艦の葛城乗員。終戦から1年後に海難した。

 

 

「……信じられねぇ……日本が……」

 

 

「……あなたたちの世界の戦争で……日本が攻撃されて焦土に……」

 

 

「……アメリカ、イギリスなど連合国に降伏………」

 

 

「……やはり……彼の国に対向した……結果があったのね………」

 

 

真冬は腕を組みながら顔を青ざめ、平賀は口を開いたままで、福内は両手で口元を抑えて震え、平然しつつも真雪は冷や汗を掻きながら目を閉じていた。

 

100年前の日露戦争終結以降、アメリカを仮想敵と想定して、戦争を経験していない真雪たちにすれば物量の差で分かっていたのであった。

 

 

「……あなたたち、これからどうするのですか……?」

 

 

「…っ!?」

 

 

「「…………………」」

 

 

真雪の一言でハッとしたウィリアムはトムとシャルロット、キャサリンは彼を見つめた。

 

 

「そうだ、今の我々は母国があっても生きる世界が違う。70年も離れていればここはもはや外国です!」

 

 

「そりゃそうだな、少佐の言い分に一理ある。俺たちとあの飛行機が存在するだけで、ここの世界の警備組織、海洋安全整備局が揺れていることは承知、俺たちは厄介者だ」

 

 

参考人の新一郎が言及する時

 

 

「………そうでしょうか……わたくしは……」

 

 

シャルロットの一言で皆は注視、そして

 

 

「自然界がわたくしたちに異世界の介入をさせないなら、仮に介入させても最小限度にとどめるのではないでしょうか…?さもなければオーディンはわたくしたちをここへ漂流させ、放置したため大きな傷を負うことになります……この世界が狂うからですわ……」

 

 

「世界が俺たちのために狂うか……確かにそう言う観点もある。俺もシャルロット嬢の意見に従いたい。しかし、筋は通らんが俺にはこの世界に留まれない予感がある。」

 

 

「不吉な予感は全員がもっているんじゃありませんこと……?このメンバーに関してかつての敵味方……わたくしたちはオーディンの神の力から異世界の介入を許されています……しかし、世界のバランスが発動されるにはわたくしたちの与えた傷は大きくないかも知れませんわ……」

 

 

「……………」

 

 

「するとシャルロットさんは………さらに大きく介入すれば、あなたたちを送らせた神様があなたたちに何かの試練を与えた……と言うのね。」

 

 

「はい、平賀さん……」

 

 

「……試練だかどうか知らないが僕は運命だと思うんだ!」

 

 

「「「 運命だと!? 」」」

 

 

トムの一言で皆は口を開けて注視する。

 

 

「沖田大尉のメンバーの愛機は先にピート(零観)で飛行したとのことで悪い気分ではなかったはずですよ。」

 

 

それもそうだった。ウィリアムたちがこの世界に来る以前に、新一郎が真霜に零観を搭乗して横須賀への飛行と小笠原諸島の試験飛行も決して悪い気分ではなかった。

 

 

「考えて下さい、この航空機が存在しない世界と水没した日本、艦艇と商船を襲う海賊が出没する世の中、これだけの航空機とパイロット、敏腕のメカニックマンを揃えて乗り込んだんだ。誰にも遠慮なく飛行機を飛ばせればやりようによっちゃこの9人でこの世界を変えていくのは可能です!!男として、飛行機のパイロットになって気にならないことはない!」

 

 

「そうだな、ちょっくら横須賀の人魚たちに聞いたが、この世界の連中は海洋国の商船が海賊に襲撃されて困っている!俺っちたちの協力がブルーマーメイドとホワイトドルフィンに貢献すれば海洋国家の連中が安心する!やろうぜ、これも運命と思って、あの世界で戦った俺っちたちの罪滅ぼしだ!なぁ、新一郎!ウィリアム!」

 

 

トムの言葉でトチローも口車に乗り込んだ。

 

 

「……これが日本の江戸っ子か…面白い。なぁ新一郎、共にこの世界でライト兄弟になって翼を羽ばたいて往こう。」

 

 

「ウィリアム……そうだな、トチローの言う通りだ。もし、十三なら真っ先にこの世の中に最善を尽くすな~」

 

 

パイプ椅子に座っていた新一郎とウィリアムが立ち上がった。

 

 

「いやぁ~すげぇ~こと言うなトチローさん~あんたは男だぜ!」

 

 

真冬はトチローに感激した。

 

 

「あなたたちは決心したそうですね。」

 

 

「………………」

 

 

真雪の言葉に4人のパイロットと一人の整備兵、医療従事者は無言で頷いた。

 

 

「あなたたちの決断に感謝します。それまで私はあなた方の部隊を支援します。ブルーマーメイド横須賀基地で指示が出るまでゆっくりして下さい。」

 

 

「「「 はい!! 」」」

 

 

沖田新一郎と金城幸吉、ウィリアム・J・スパロウとトム・K・五十嵐、シャルロット・F・トライン、秋山俊朗は宗谷真雪に対して敬礼した。

 

3日後ー 横須賀ブルーマーメイド基地、寒い中で2機の零観とカタリナを収納する不使用の格納庫2ヶ所でパイロットたちは内部の不要物処分と草刈り、格納庫の補修作業。

 

 

「…はぁ~平和だな~」

 

 

「しかし、寒い中の作業は堪えるな」

 

 

「確かに、零観組みとカタリナ組みは季節外れに異動したから身体が……」

 

 

「おーいトムさん!トチローさんとシャルロットさん、キャサリンさんはどこに…?」

 

 

「あぁ、トチローさんは僕たちの愛機の整備、シャルロットは医療施設の従事、キャサリンさんは食堂の給士。」

 

 

「そうか、今日からだったな~あいつが働くのは~♪」

 

 

シャルロットは医療従事者として医学を学びながら従事、キャサリンは本日から横須賀基地の食堂給士として働くことになった。

 

 

「そう言えば、双子のチビッ子たちは?」

 

 

「ふふっ~♪あそこだ。」

 

 

ウィリアムの愛娘、エミリーとエマは遊びながら荷物を格納庫に運んで行った。格納庫内部のウィリアムの愛機カタリナを修復する中でトチローは部品の調達を待っていた。

 

 

「「 トチローおじちゃ~ん!!にもつもってきたよぉ~!! 」」

 

「おぅっエミリー、エマ、ありがとう!!…この世界のタブレット…これで……MADが造れるなぁ~♪」

 

 

正午のラッパが鳴り響き、ブルーマーメイドの隊員は次々と食堂に向かった。

 

 

「ブルマーが食堂に集まっている」

 

 

「……そろそろ飯の時刻だ、食堂に行くぞぉ~♪」

 

 

「「 りょーかい! 」」

 

 

「トチロー、飯だ!エミリーとエマも行くぞぉ~!」

 

 

「今、手が離せねぇ〜!後で俺っちの分も頼む~!」

 

 

「「 うん! 」」

 

 

トチローを除く、新一郎たちは食堂に向かった。

 

 

 

基地食堂ー

 

 

 

シャルロットも合流して、給士のキャサリンを除き、7人が食堂のテーブルを囲んで食事を摂った。

 

 

「相変わらず、異世界未来の食事は美味いなぁ~♪」

 

 

「ははっ♪」

 

 

「そう言えばウィリアム、君の愛機はどうだ?」

 

 

「エンジン以外、修復されている。流石は江戸っ子のトチロー!いい腕だ!」

 

 

「あいつは暇がある時、敵機の墜落機さえ調査して、修復する手腕だからな。それに愛機を大事にしとけ、機体のどこかを壊したらあいつのスパナに殴られるから気をつけろ!…しかし…虎雄はどうしているのやら……」

 

 

「沖田さん、虎雄って…?」

 

 

トムは新一郎の言葉が気になり、質問した。

 

 

「俺と幸吉は水上機部隊の仲間だ。あの地獄のラバウルで死と隣り合わせで戦ったニ式水上戦闘機のパイロットだ!」

 

 

「あぁ、宗谷校長から聞いたが私たちがこの世界に飛来する9年前に、横須賀上空で飛んで消えたんだってな…」

 

 

「あぁ、それが俺と幸吉が探すついでながらこのブルーマーメイドに協力するのが条件だ!」

 

 

「……………そうだったんだ……沖田さんと幸吉たちも苦労してるなぁ~」

 

 

「皆さん…食事を楽しむことはいいのですが……他のブルーマー隊員に注目の的になっていますわよ…」

 

 

「「 ……あ…っ!? 」」

 

食堂では新一郎たち飛行隊はブルーマーメイドの隊員たちに注目を浴びていた。特に新一郎を見つめたかったのであった。すると平賀倫子が訪れた。

 

 

「沖田さーん!」

 

 

「ん…?平賀さん。どうしたんだ?」

 

 

「私の部署の務めが終えたら、沖田さんたちの格納庫の作業に手伝ってもいいですか?」

 

 

「ん…そうだな」

 

 

「いいじゃないですか沖田さん、今は猫の手も借りたいくらいです。もし、緊急時に航空機が必要になりますよ!」

 

 

「えっ!?いいのトム君!」

 

 

平賀の言葉に新一郎は悩み気味だったがトムが即答した。

 

 

「倫ちゃん飛行機を見に行くの?」

 

 

「はいはーい!私も行きまーす!」

 

 

「私もアメリカ製の飛行機が見てみたい!」

 

 

平賀の背後から福内と岸間菫、鈴留のブルーマーメイドの隊員4名が飛行隊に集った。

 

 

 

航空機格納庫ー

 

 

 

「へぇ~これが異世界のアメリカの飛行機、PBYカタリナ…水上機なのに陸上の車輪が着いている!」

 

 

「こらこら、ブルマーのねぇちゃんども!あまり機体に触るな、錆びるぞぉ!」

 

 

「「 あぁっ!すいません… 」」

 

 

平賀と福内が触ろうとした時、昼食を摂っているトチローに注意を受けた。

 

 

「飛行船と同様に大きい機体……これなら隊員と荷物の運搬、遭難者の救助もできる……」

 

 

「その通りだ!」

 

 

「スパロウ機長…!?」

 

 

平賀と福内、鈴留が見とれる時、搭乗パイロットのウィリアムがやってきた。

 

 

「こいつは哨戒機と同様、海上で漂流する遭難者を救助が可能な機体だ。開戦以来、私は南太平洋のソロモン諸島の戦いやマリアナ、フィリピン諸島を訪れた。そして沖縄で多くの傷病兵を運搬してきた。」

 

 

「……ソロモン諸島から……」

 

 

ウィリアムの経緯を聴いて彼女達は息を呑んだ。

 

 

「機長、…いずれまた、沖田さんと…異世界の経験話しを聞かせて下さい。」

 

 

「えぇ、…あれ?……もう一人は…?」

 

 

「あ、菫ちゃんなら隣の格納庫で…」

 

 

零観が待機する格納庫で、零観の操縦席に岸間菫が座り、本機の側を新一郎が見張っていた。

 

 

「岸間さん、どうだ?零観の座り心地は。」

 

 

「はい!スキッパーと違って少し窮屈ですが、悪くないです。この格納庫ですが、隣の大型機はわかりますが、小型の零観1機だけでは寂しくないですか…?」

 

 

岸間は零観から降りて、その言葉で新一郎は述べた。

 

 

「……それは俺達のもう一人の仲間、大賀虎雄とその愛機、ニ式水上戦闘機が駐機するスペースだ。いつでもあいつが留れるようにな。」

 

 

「へぇ〜見てみたいです。10人目の異世界人のパイロットと3番目の飛行機を…!」

 

 

「さて約束通り、格納庫から海までの間の雑草を処理の手伝いを……」

 

 

「沖田さん!いつか、飛行機のパイロット育成学校を創ったら私は入りたいです!!」

 

 

「…なに…?」

 

 

その言葉で新一郎は振り向き、沈黙した。航空機を拠点とする格納庫周囲の作業は夕暮れになって終結する。そして同時にトチローはカタリナのエンジン整備を終えた。

 

 

「ふぅ~…やっと終えたか……」

 

 

「トチローさん、愛機カタリナの整備ありがとうございます!」

 

 

「礼を言うのは、テスト飛行を終えた後に言え。それに整備を手伝い、早く終わらせた鈴留の嬢ちゃんにも言っとけ!」

 

 

「平賀さん、福内さん、岸間さん、鈴留さん!我々の拠点の整備、手伝いを大変感謝しています!!」

 

 

「ふふっ、困った時はお互い様よトム君!」

 

 

トムは新一郎とウィリアムに代わり、作業で顔が汚れた平賀達に感謝の意をを述べた。

 

 

「このあと食事ですが僕が…」

 

 

「あいにくですけどトム、幸吉さん。食堂は満員ですわよ~!!」

 

 

トムの後ろから食堂で給士のキャサリンとシャルロットがやってきた。

 

 

「えぇ〜!また食事するまで時間が掛かるなぁ……」

 

 

トムと幸吉が嘆く時、キャサリンは笑みを浮かばせた。

 

 

「ふふっ♪そんなことあると思って、皆の分も作って持って来たよ!」

 

 

「おぉ~♪流石は我が妻キャサリン!それじゃ、ピート(零観)の格納庫で皆で夕食だ!当然、平賀さん達のお礼を兼ねて。」

 

 

「「「 はい! 」」」

 

 

格納庫のドラム缶に蒔を入れて火を起こし、火を囲みながら飛行隊とブルーマーメイド隊員の交流会が始まった。

 

「へぇ〜、シャルロットちゃんは戦火の中、わざわざフランスからアメリカへ亡命…!?」

 

 

「倫子さんはスキッパーの国際大会に出場した経験があるんだね~!」

 

 

「ウィリアム機長とキャサリンはオシドリ夫婦な関係、良いなぁ~♪…私もいい男を見つけたい…!」

 

 

「このステーキ、美味いなぁ~♪流石は本場アメリカのキャサリンさん!」

 

 

「このお握り、塩が効いて美味いなぁ~♪」

 

 

「皆、楽しんでいるなぁ~」

 

 

新一郎が一時、席を外した時にある女性がやってきた。

 

 

「はぁい、新一郎!」

 

 

「…!?真霜か…?」

 

 

「私も参加してもいいかしら?」

 

 

「あぁ、この場では男女も上下、年齢も関係なく参加してもいいぞ!」

 

 

「まぁ、うれしい!」

 

 

真霜も参加して格納庫は一段と賑やかになった。

 

 

「なぁ真霜、君の母親の真雪さんと妹の真冬、ましろちゃんも参加すればよかったな。」

 

 

「お母さんは海洋学校で忙しく、真冬の2日前からブルーマーメイドとしての海上勤務。あの娘は宴会に五月蝿いからいなくてよかったわ!」

 

 

「ははっ違いないな!」

 

 

横須賀から離れた太平洋、「べんてん」にて艦長の宗谷真冬はくしゃみをした。

 

 

「そして、ましろも明後日は入試の日で忙しいわ。」

 

 

「そうか、……ましろちゃんにそんな時期か……ましろちゃんが横須賀女子海洋学校に合格したら、祝杯を挙げねばな。」

 

 

「そうねぇ〜。ねぇ新一郎、今度私が休暇を取ったら横須賀でデー…」

 

 

ゥゥゥウウゥーゥゥゥウウゥー

 

 

 

「警報のサイレンだ!!」

 

 

基地内にけたたましいサイレンが鳴り響く、新一郎とウィリアム達にも忘れられない敵を報せる警報だ。

 

 

「総員、搭乗衣服着用、搭乗機点検、配置に点け!!」

 

 

「「「 了解!! 」」」

 

 

 

 

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