【巡ヶ丘市役所生存者名簿】(五十音順)
・秋口 あゆか 女 福祉課職員
特徴:『あがり症』『引っ込み思案』
・臼井 義武 男 市民課主任
特徴:『ダンディー』『喫煙者』
・海馬 紗代子 女 議会事務局職員
特徴:『酒豪』『デュエリスト』
・朽木 紅葉 女 総合窓口課職員
特徴:『武士』『力持ち』
・不知火 美咲 女 副市長
特徴:『指揮官』『冷静』
・龍山 士郎 男 警備員
特徴:『クレーマー対応』『冷たい目』
・十津 芳樹 男 危機管理防災課職員
特徴:『人懐っこい』『社会人1年目』
・湯沢 理衣 女 危機管理防災課主任
特徴:『物腰柔らか』『不撓不屈』
スキル:『合気道』『射撃術Lv.2』『バリケード補強』
『急所攻撃』
オッハー!!!オッハー!!!
3日目です。
前回は、陸上自衛隊巡ヶ丘駐屯地からぞんぞん二曹(名前確定)の最後の仕事の成果を持ち帰ったところまで進みました。
現在はナニをしているかといいますと、昨日と同じように朝飯をもぐもぐしながら今日の動きを相談し合っています。口いっぱいに乾パン詰め込んでる姿がまるでリスみたいで草生えるんですよね。
「とりあえず、昨日1日で生活インフラはどうにか最低限のところまでは修理できた。湯沢達の持ち帰ってきた物資のおかげで余裕もある。まあ、あの量から見てこの人数でも向こう1ヶ月は大丈夫だろうな」
「じゃあ、決めるのはこれからの行動方針ってェ訳ですか?」
「勘がいいな臼井主任。そういう事だ。だがその前に……湯沢」
ん?なんです?(乾パンをもぐもぐしながら)
「この巡ヶ丘市の災害広域避難場所はどこだ?」
……あっ(看破)、はい、分かりました。
副市長が「広域避難場所を説明して差し上げろ」と無言の圧力をかけてきているので、この市の災害マップをホワイトボードに貼り付けて持ってきます。ホントこのゲーム細かい操作凄いですね‥‥
ホワイトボードどーーーん!!!
巡ヶ丘市内の広域避難場所について、お話しします。
「そもそも広域避難場所ってなんだよ」という読者兄貴姉貴達のために軽く説明しますと、【地方自治体が指定した大人数収容できる避難場所のことで、地震などの大きな災害時に使用される】。はい、wikiの説明丸パクリですがつまりはこういう事です。
で、我らが巡ヶ丘市が災害広域避難場所に指定している施設は主に『私立巡ヶ丘学院高等学校』『市立靼河小学校』『陸上自衛隊巡ヶ丘駐屯地』の3つになります。
あと何個かあると言えばあるのですが、その殆どは動画進行上関係ない場所なので割愛です。
悲しいけどこれゲームなのよね。
「そう、この3ヶ所……いや、駐屯地は昨日確認が取れたから2ヶ所だな。今日はこの2ヶ所の様子を見に行く」
「目的は、生存者がそこにいるか、といったところか?」
「そういうことだ海馬。便宜上、この避難所に限らず生存者が集まっている場所を『生存者コミュニティ』と呼ばせてもらうが、まあ3日目ともなれば体制が整い始めている生存者コミュニティもあるだろう。支援計画を組むにあたっては、その辺りの情報も欲しいからな。……最も、生存者がいれば、の話だが」
最後の小声の部分がなんとも言えないですね。
悲しいなぁ。
「とりあえずこの2ヶ所に人を送る。自分らの命最優先で、最低限、生存者がいるかどうかだけでも確認してきてくれ。コミュニティがあったら万々歳だが」
「副市長、市民から保護を頼まれた場合は?」
「……高齢者や乳児など、自力での生活が困難だと判断された者のみ、保護を許可する」
「……そこは、まあ仕方ないですか。了解です」
そういうことで、第1回壁外調査のお時間です。*1
メンバーも副市長が決めたので、2人が『鞣河小学校』、追加で別の2人が、避難場所じゃないけど生存者いそうじゃない?という施設筆頭のデパート『リバーシティ・トロン』、百合姉貴は、みんな大好き『私立巡ヶ丘学院高等学校』に回されました。ぼっちです(王者の風格)
主人公はどうやら確定で高校に回されるようなので(wiki情報)仕方ないですが、駐屯地遠征組がお休みで百合姉貴が続投なの納得いかない……いかなくない?
図ったなァぬいぬい!!!オラッ、抗議コマンド!*2
「すまない……現状、お前が我々の中で1番の戦力なんだ。今は堪えてくれ」
しょうがねえなぁ(扱いやすい社畜)
「まあ、なんだ。無理はしなくていいぞ」
あんたが無理させようとしてんでしょうがオォン⁉︎
……いつまでも怒っていても仕方がないのでさっさと行きましょう。命拾いしたな、ケッ(小悪党)
学園生活部への手土産ついでに食料と無線機を背嚢に詰め込みます。持ち物の中の無線機は、巡ヶ丘駐屯地からパクっ……頂いてきた物ですね。市内だったら余裕で繋がります。余裕の通信範囲だ、出力が違いますよ。
これを各コミュニティに設置して、連絡を容易にしようという考えなんですね(微メガトン)
あ、投稿者は免許いらない系の小型トランシーバーしか使った事ないのでアレなんですが、現実だと軍用携帯無線機の通信範囲ってどれぐらいなんですかね。教えてエロい人!(露骨なコメ稼ぎ)
コメ稼ぎも早々に、今言った物資を背嚢に詰め込み終わりましたら、いざ鎌倉。
前回は公用車を使いましたが、今回は単独行軍なので駐輪場に放置されていた自転車を使います。時代は自転車だよ兄貴!
この駐輪場に放置されている自転車はランダム。
つまりは、『自転車ガチャ』の始まりです。
何が出るかな♪何が出るかな♪(ウキウキ)
この孤独な
『パンクしないタイヤverのママチャリ』……ノーパンクニキ⁉︎ノーパンクニキじゃないか‼︎(狂喜乱舞)
たまげたなぁ……ママチャリというだけでも当たりの部類ですが、この『ママチャリ パンクしないタイヤver』は、つまるところママチャリの上位互換です。文字通り、パンクしないタイヤ───ノーパンクタイヤに換装されています。
そのクソクソ出現率という点に目を瞑れば完全無欠の最強自転車です。Foo↑これは是非愛車にしなければ。これだけで大学編まで走り抜けられる優れ物ですからね。
これは幸先が良いですよぉ!
逆に言うと揺り戻しが怖いとも言いますが、ここは流れを掴んでおきたいところ。
さっさと高校に行って学園生活部の面々とアイサツしましょう。アイサツは大事、古事記にもそう書いてある。
あ、ちなみに装備は前回とほぼ同じです。テッパチと89とけん銃です。銀輪部隊かな?(旧軍並感)
(社畜遠征中)
やってきましたァ!!!Foo↑↑
時刻は10:00。市役所を08:30に出たので、まあ予想通りといえば予想通り。道路事情は最悪だし、通れないところを迂回しながらだし、多少はね?
この時間になれば校門と校庭付近のぞんぞんの数は少ないです。つまりは少ない分が校内にいるという事なのですが、まあなんとかなるやろ、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に行きましょう。
ただし人はそれを行き当たりばったりと呼ぶ。
では、正面玄関前にママチャリを停めまして───
「おーーい!!!」
おや?
「おーい!!!ここだよここー!!!」
おやおやおやおや(BNDRD)、みんな大好き“ゆきちゃん”こと丈槍ゆきが屋上から手を振ってくれていますね。
好都合です、こちらも手をふり返してから校内に入りましょう。これは高校外に拠点を構えるプレイヤーが初めて高校を訪れた際に確率で発生するイベント?フラグ?の様なものでして。学園生活部の誰かが気づいてそれが学園生活部内で共有されるんですね。
こうする事で、シャベルゴリラこと恵飛須沢胡桃に話が通って、バリケードに迎えにきてくれることになります。
これ、このイベントが発生せずにそのままバリケードを超えますと、不審者と間違えられてシャベルゴリラの必殺⭐︎角待ちスコップを食らうことになるのでやめておきましょう。
R-18G版の難易度ルナティックだと、研ぎ澄まされた一撃がテッパチを貫通して脳漿炸裂ガール(物理)……どうしてシャベルがテッパチを貫通するんですか?(5敗)
(…姉貴移動中…)
玄関からお邪魔しまーす。
チラホラと制服ぞんぞんがいますが無視だよ無視。ベテランのプレイヤーであれば戦闘せずに通過する事など朝飯前です。
さっさと玄関脇の中央階段から3階まで駆け上がり───ません!一度2階に寄り道します。
そしてそのまま女子トイレへ。
別にお花を摘みたいわけではありません。まあ、プロのがっこうぐらし!RTA走者兄貴姉貴ならもうお分かりでしょう。
そう、チョーカー姉貴こと柚村貴江チャンの救出です。
通常プレイなら2日目早朝に3階仮制圧のついでに助け出されることの多い彼女ですが、がっこうぐらしRTAのパイオニア、アサルトゲーマー兄貴によって確率で3日目ごろまでは生存していることが判明しています。
そして、今日が期限の3日目。
半分運試しみたいなもんですがまあ当たればみんな嬉しいですし、外れても本動画はRTAではないので問題はありません。
次は、彼女はどのトイレにいるのか‥という話になってくるのでしょうが、実はここに裏がありまして。
このPC版『がっこうぐらし!』と『巡ヶ丘市役所MOD』は一部のプログラムが干渉しているのか知りませんが、チョーカー姉貴の隠れ場所の乱数が2階女子トイレの1番奥で固定されてしまうのです。やったね。
しかし、こうやってプレイヤーが見に来れるならむしろ有難い話なのですが、プレイヤーが指揮役になったりして市役所から出れなくなってしまうと、まずチョーカー姉貴は助かりません。原作組が3日目までに2階を制圧するのは期待できないし、公務員NPCを送り込んだとして、普通の公務員が高校の女子トイレに直行するだろうか?いやしない(反語)
今回は運良く有能副市長が引けたので、ここぞとばかりに助けに来た次第です。学園生活部ちゃんと(生存者)咥え入れろ〜?
そういうわけで2階女子トイレの1番奥の個室にノックしてもしもーし。
「ひぅ……だ、だれ…?」
巡ヶ丘市役所の者なんですけども〜、大丈夫ですか?生きてますか?
ていうか通常時と比べて随分声が弱々しいんですけどこれギリギリでしたかね。あっぶね。
「…・た、すけに、きて、くれたの…?」
おうそうだよ(ヒーローの風格)
なのでこの扉開けて欲しいんですけど、なんか、3階の方に、生存者、いるらしいんですよ。じゃけん今すぐ行きましょうね(ホモはせっかち)
「あ、あ、りが、と、う……」
……あのー?ちょっとー?あの、開けて、開けて貰えないですか?
ちょ、ちょっとー?(ガチャガチャ)
……これやっべえぞ!!!
なんかマジでギリギリだったみたいです。あっぶね。
とはいえ鍵がかかったままでは治療もできません。
ならさっさとこじ開けろという話ですが、この学校のトイレの鍵無駄に頑丈なんです。バールのようなものじゃびくともしません。なんでや。
加えて、中にチョーカー姉貴がいる状態ではみんな大好きマスターキー()も使えません。まあ持ってすらいませんが。89では貫通力過多ですしお寿司。
なので、ここはこう、うまいこと壁と扉を使ってよじよじしましょう。気分はSASUKEのジャンピングスパイダー、百合姉貴のSTRとCONなら可能です。本当にこいつ女か?(偏見)
うまいこと扉を乗り越えると、便器に座りつつ壁にもたれかかって、肩で息をしているのが一眼でわかるチョーカー姉貴の姿が。
おっ大丈夫か大丈夫か?(一市民を気遣う公務員の鑑)
「う……ん……」
はい、明らかに大丈夫じゃないですね。とにかくここから出しましょう。ああもう狭えんだよこのトイレ。
個室の中に体をねじ込んでオープン・ザ・キー。
扉を開けてから、チョーカー姉貴の体を───────
──────なぁんか体熱くなぁい???
えっ、いや、めちゃくちゃ体熱いんですけど。え、大丈夫?
額に手を当てて見てみます。
『体温予想:38〜39?』
こうやって額に手を当てる事でその人の体温を予想することができます。予想の正確さは直感ステ依存ですが、百合姉貴はそんなに高くないので誤差が±1℃生じてしまいます。筋力と持久力にスキルポイント振ったからね、しょうがないね。
ですが、それを考慮してもチョーカー姉貴の体温は異常です。つまりは37℃〜40℃って事ですからね。普通に発熱の部類です。病院行ったらお薬もらえます。
え、大丈夫?(2回目)
うーん、ステータスを見た感じ感染してるとかではなさそうなんですけどね。
空気感染ガチャが始まるのは高校編が終わってからだし、接触感染は、KRM姉貴が返り血しこたま浴びてるのを見るとなさそうだし。
(逡巡)
ただの高熱か!なら安心だな!()
ぞんぞん化ではなさそうな可能性が出てきたので、チョーカー姉貴をファイヤーマンズキャリーと呼ばれる方法で運びましょう。いわゆるお米様抱っこですね。
その状態のまま中央階段をわっせ、わっせ。
89式小銃+詰め詰め背嚢+女子高生を持って階段ダッシュする一般女性がいるってマ?やっぱ百合姉貴ゴリラだわ。
そういうわけで3階に上がってきました。
学園生活部が作ったと思われるバリケードが姿を表しました。はえーおっきい……
「あっ、めぐねえー!来たよー!」
あら、バリケードの向こうにゆきちゃんがいるようです。
インターホン代わりかな?
「……ゆ、き?」
そうだぞ!お前の親友のゆきちゃんだぞ!だからお前頑張って熱下げろ!(無茶振り)
中途半端ですが、尺が危ないので今回はここまで。
次回は学園生活部と接触していきます。
ご視聴ありがとうございました。
───
──────
あつい。
さむい。
くるしい。
しんどい。
つらい。
柚村貴江にとって、その感覚はあまりにも苦しすぎた。
いつも通りの放課後、日常。
しかし、一つの悲鳴を皮切りに、それは脆くも崩れ去っていく。
柚村は逃げた。
生存本能の叫ぶままに。
そして逃げ込んだのは、小さな小さな個室トイレ。
その端っこで、柚村は震えていた。
どれぐらい経ってからか分からないが、柚村の体調に異変が生じた。
まるで、インフルエンザとノロウィルスをかき混ぜたカオスを何倍にも濃縮してぶつけられた感覚。
思考が纏まらず、後ろ向きなことしか考えられない。
体は熱いのに、背筋は凍るように冷たいという違和感。
しかし、そこには体温を保ってくれる暖かい布団も、優しい声をかけてくれる母親もいない。
「だれか……たすけて……」
小さく小さく呟いた声が、彼女の運命を変えた。
コンコン、と個室の扉をノックする音。あいつらがするような乱暴な叩き方ではない。優しい、気遣うような叩き方。
それでも、思わず、ひぅ、と小さな声が出る。
「もしもし〜……?誰かいるんですか?巡ヶ丘市役所の者ですが〜」
優しい声だった。
誰かが助けに来てくれた。
視界は霞み、頭は働かないが、誰かが助けに来てくれたというただ一つの事だけは理解できた。
それからの事は、柚村もよく覚えていない。
腹に加わる圧迫感と、なにかあんしんできるようないい匂い。
「(……ああ、このひとなら、だいじょうぶ……)」
柚村の意識は、暗闇へと落ちて行った。
なんか書いてたらチョーカー姉貴が熱出してました(支離滅裂な思考・発言)