目が覚めたらIF世界ドイツ総統(美女)になってたので、少しでもマシな戦後を目指す   作:夜叉烏

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遅れてすみません。夜叉烏です。
今年の四月から社会人なのですが、それの準備等で色々忙しかったのと、『ブルーアーカイブ』のssを書いてたりしてました。
空爆なり対空戦闘なりの描写とか入れたかったのですが、長くなりそうなので次回に持ち込みです。

リリア総統のイメージ(AI絵)です

【挿絵表示】



準備攻撃

 

 総統官邸の大会議室にて、私はスペイン内戦の戦況を聞かされていた。

 

「…分かったわ。くどいようだけど」

 

「捕虜への暴行・虐殺、民間人へ危害を加えることは厳禁…ですな。総統閣下の厳命として、既に義勇軍各部隊に通達させてあります。もしこれらの行為が発覚した場合、厳罰に処すとも」

 

 国防陸軍司令官ヴェルナー・フォン・フリッチュが、私の言葉を先読みして応えた。

 周辺国の対ドイツ感情の悪化を懸念してというのもあるが、やはり人道的な観点からと言うのが大きい。

 それに、私の中身は戦後にのほほんと生まれたミリオタ大学生である。戦闘で双方に死者を出すのはともかく、虐殺や略奪を黙認するなどできなかった。

 

「親衛隊より、内部監査のための人員を軍団内に入り込ませております。総統の仰られた行為が発覚次第、容疑者の拘束に動くでしょう」

 

 親衛隊長官のハインリヒ・ヒムラーが言った。

 史実の彼を踏まえると、少々心配にはなるが、親衛隊らしく私の命令には忠実であるため、大丈夫だと信じたい。

 

「フランコ将軍は、苦戦しているようね」

 

「相手はソ連の支援により、航空機や戦車等が供与されていますから。人民政府軍は統率が取れていないことが、唯一の救いといえましょう」

 

 現在は、1936年12月。

 内戦が始まって4カ月以上経つが、人民戦線政府軍は未だスペインの大半を手中に収めており、当初フランコは速攻で首都マドリードへ進撃する予定だったが、市街地に築いた塹壕や建物を利用した遅滞戦術、ソ連製武器・兵器を用いた激しい抵抗により、反乱軍の進撃は停止。

 また、世界各国の共産主義者が参加者の殆どを占める義勇軍『国際旅団』が、人民戦線政府軍側に立って参戦しており、人的資源も比較的充実していた。

 

 とはいえ、人民戦線政府軍は党派ごとに指揮系統がバラバラであり、党派同士での内ゲバや、前線での命令不服従が散見されるなど足並みが揃わず、装備面での優位を十分に活かせていない。

 ソ連に至っては、人民戦線政府の指揮権掌握を目論み、軍事顧問を装ってNKVDのメンバーを潜り込ませ、スペイン共産党に従わない勢力を排除・処刑させている有様だ。

 反面、反乱軍は軍隊組織としての秩序を保ち、組織的且つ効率的な戦闘を展開、しばしば数や装備に勝る敵軍を各所で撃破しているとのことである。

 だが、それでも兵力の差は如何ともし難い。

 

「フランコはマドリードへの進撃を一時中止し、イベリア半島北部の港湾都市、及び工業地帯の制圧に動いております」

 

「シュペルレもその流れに呼応し、アストゥリアス州に空軍部隊を移動させ、同地域を守る人民戦線政府軍を攻撃するとのことです。イタリア義勇軍も同様の措置を取っているとか」

 

 戦いの基本において、兵糧攻めは基本だ。港湾を抑えれば、ソ連からの援助物資を積んだ輸送船は入港できないし、工業地帯を手中に収めれば、装備や弾薬の生産も配備もままならない。

 それに、工業地帯を無傷のまま接収できれば、そのまま反乱軍への武器製造の拠点として使える。

 

「…あまり内戦には時間を掛けたくないし、被害もなるべく抑えたいわ。そのためには、人民戦線政府軍の戦争遂行能力を奪うのが先決ね」

 

「総統閣下、では…?」

 

 確認を求めるように私へ訊いてきたゲーリング。

 

「フランコ将軍へ最大限の協力をするよう、シュペルレ少将へ伝えて。それと、くれぐれも民間人を狙った無差別攻撃は厳禁するように。仮に市街地への攻撃を要する場合、事前にビラを散布するように…とも。具体的な作戦立案等は、現場の判断に任せるわ」

 

 三度、私は全員を見渡して宣言する。史実の"ゲルニカ爆撃"のような行為をさせるわけにはいかない。

 

「…ところで」

 

 会議に参加していたゲッベルスが、あるメンバーに目線を移しながら話を切り出す。他の者も気になっていたらしく、彼に倣ってその方を一斉に向いた。

 

「「「誰だお前はッ!?」」」

 

「「何回目だ貴様らはッ!?私はゲーリングだッ!!」」

 

 訪日以来、ヘルシーな和食と適度な運動を欠かさなかった結果、史実のニュルンベルク裁判時よりも遥かに痩せ、イケオジへと変貌を遂げた空軍大臣は、何回かも知れないメンバーの誰何に、大声で言い返すのだった。

 

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 リリアの命令は、年明け間もない1937年1月4日に実行された。

 

「さて…初陣だな」

 

 第88戦闘飛行隊(J/88)第3中隊第1小隊長を務めるヘルマン・アダラード大尉は、自機のコクピットで嬉々として呟く。

 新鋭戦闘機Fw159Aを受領、機種転換訓練を受けている最中、スペイン内戦へ義勇軍を送る話を聴かされ、即座に志願した身である。

 戦闘機乗りとしての腕前を発揮できる機会が訪れたことを、誰よりも喜んでいた。

 

 この日、第88戦闘飛行隊と第88爆撃飛行隊(K/88)、及びイタリア義勇軍の第68地上戦闘飛行隊(S/68)第68地上爆撃飛行隊(SB/68)から抽出された航空部隊が、スペイン国民戦線軍航空部隊1個中隊と共に、アストゥリアス州の街オビエドに建設された野戦飛行場から飛び立ち、バスク州ビルバオから西方約14キロ地点にある都市エルコリリョへの空襲へ向かっている。

 バスク州…特にビルバオは、重工業が集中した地域であり、そこを守る人民戦線政府軍の部隊を攻撃し、反乱軍地上部隊の進撃のお膳立てをする…というのが、作戦の趣旨だ。

 特に、エルコリリョはビルバオにとって最終防衛線と言ってもいい都市なのだ。ここを取れば、ビルバオへの街は開かれる。

 

 J/88、K/88の装備機はそれぞれ、新鋭戦闘機のFw159Aが1個中隊12機と、同じく新型の爆撃機Ju88Aが2個小隊8機。いずれも、次世代ドイツ空軍を担う新型機である。

 ソ連製の航空機にどこまで対抗できるかは分からないが、嘗て操縦桿を握っていたHe51とは比べ物にならない愛機の性能を信じ、訓練で培った操縦技術で乗り切るだけだ。

 

『ホストがお出迎えのようだぜ、ドイツ人(ジャーマン)

 

 陽気な声がレシーバーに届く。イタリア義勇軍S/68所属の第1中隊長を務める、アンセルモ・ルーカ少佐の声だっだ。

 アダラードは周囲を見回し、左前方から上昇してくる敵編隊の姿を認めた。此方の上を取るべく、上昇中のようだ。

 人民戦線政府軍も、イベリア半島北部の工業地帯を奪取されれば、装備の生産に支障を来すと分かっているのだろう。地上部隊と共に、航空部隊をも配置していたのだ。

 

『中隊長機より全機、左前方に敵機。上昇しろ!』

 

 J/88第3中隊長アドルフ・ガーランド少佐の命令が飛び込み、アダラードは反射的にスロットルを操作、エンジン出力を上げて上昇へと移った。

 スペイン国民戦線軍のCR.32が爆撃機隊の傍へ陣取り、護衛を継続する。

 

(素晴らしい…)

 

 以前の乗機であるHe51やAr65とは比べ物にならない速度感に、内心で笑みを浮かべる。

 

 Fw159Aは、搭載エンジンこそ試作機と同じだが、排気管を推力式単排気管に改め速度を稼ぎ、武装を強化、細やかではあるが防弾板も増設した量産型だ。

 最高時速524キロと、試作機より速度性能が微妙ながら向上しており、同時期の戦闘機の中でも突出した足の速さを誇る。

 武装はMG131 13.2ミリ機銃を機首・翼内各2丁に変更され、頑丈らしいソ連機にも十分対抗できると思われた。

 

『小隊長。敵はこっちよりも上には上がってこれないようです』

 

 小隊2番機のエーリヒ・ハンツ中尉の声が、電波に乗って飛び込んできた。

 彼の言う通り、30機程度と思われる敵編隊は、何としても独伊航空部隊の上を取ろうとしているが、高度差は逆に開いているようだ。上昇性能は、独伊機の方が上である。

 

「上がってこれないならそれで結構。その分、楽に仕事が終わるからな」

 

『そりゃあ違いない。定時退社といきたいものです』

 

 軽口を交わしながら機体を操っていくうちに敵との距離も詰まり、敵の機種も認識できるまでになった。

 寸詰まりな印象を受ける、太い機首と短めの胴体が特徴的な、単発単葉の戦闘機だ。

 

「1小隊長機より全機へ。敵はI-16」

 

 I-16は、ソ連が開発した単発戦闘機だ。

 人民戦線政府軍への供与機体の一種であり、複葉機のI-15とともに、反乱軍に供与――余っていた旧式機の処分先にした、というのが正しい――されたドイツ製のハインケルHe51、イタリア製のフィアットCR.32に対し、優位に戦っていると伝えられている。

 

『全機、突撃せよ!』

 

突撃(アサリーレ)!』

 

 ガーランドとルーカの命令が前後して飛び込む。

 独伊戦闘機が一斉に散会し、未だ此方を見上げつつ上昇してきているI-16の群れに突進していく。

 早くも、2機のI-16がアダラードとハンツに向かってきた。だが、高度の優位はドイツ側にある。

 

「喰らえ!」

 

 発射ボタンを押し、機首と両翼から4条の火箭が噴き伸びる。

 I-16の機首と両翼にも発射炎が明滅し、7.62ミリ機銃の細い火箭が4条、アダラード機に向かってきた。

 初めて見るFw159Aの機影に驚き、照準がズレたのか、7.62ミリ弾の曵光は上下左右に逸れて行ったが、アダラードが放った13.2ミリ弾は敵の太い機首に突き込まれ、黒っぽい物体が飛び散り、次いで炎と黒煙が噴き出す。

 

 初戦果を上げた達成感に浸る間もなく、敵2番機の射線から逃れるべく機体を横転させ、左に滑らせた。

 残りのI-16は、1番機があっという間にやられたことに動揺したのか、機銃を撃つことなくアダラード機の横を通過。直後、背後で爆炎が踊り、バックミラーにて敵2番機が炎に包まれて墜落していく様が映った。

 小隊2番機のハンツも、戦果を上げたのだ。

 

「よくやった!敵も派手に散ったもんだな」

 

『小隊長が撃った奴も、真っ逆さまに墜ちていきましたよ!』

 

 余裕ができたところで、互いの戦果を称え合う。

 お互いに初陣で、敵機撃墜の戦果を上げたのだ。戦果ゼロで終わることもそれほど珍しくない空戦に於いて、誇るべきことだと言えるだろう。

 

『…お!小隊長、敵機右上方です!』

 

 新たな敵機を見つけたハンツの報告を受け、その方を見る。

 I-16が3機、右上方から降下しつつ向かってきた。どうやら、主戦場を迂回して上昇に徹していたようだ。

 アダラードは咄嗟に操縦桿を倒し、左フットバーを踏み込むことで降下に転じる。

 直後、7.62ミリ弾の細い火箭がアダラード機の真横を通り過ぎる。攻撃を躱すことには成功したが、ハンツと離れてしまった。

 

「チッ!分断されちまったか!」

 

 その直後、1機の味方機――イタリア軍のフィアットG.50が横合いから突っ込み、機銃弾を浴びせる。

 真横からの銃撃が機体を田楽刺しにし、パイロットを射殺されたI-16は機首を下げて墜落していくが、残りの2機は1機ずつに分かれてアダラードとハンツを追い回し始めた。

 速度性能はFw159が上だが、一瞬で時速500キロ越えの速度に達することはできない。後方に張り付いたI-16は、逃げ道を奪うかの如く射弾を放ってくる。

 

(…それなら!)

 

 アダラードは操縦桿を手前に目いっぱい引き、宙返りに転じる。垂直面での格闘戦に引き込み、背後を取るのだ。I-16もそれを追う。

 Gによって視界が狭まるが、何とか気力でそれに耐える。

 

「イケるぞ…!」

 

 彼我が二転、三転と垂直旋回を続けていくが、次第にFw159がI-16の内懐に回り込んでいく。

 I-16に比べて大きく重いFw159だが、動作が軽快であり、旋回性能でも高評価を得ている機体なのだ。

 

 振り切れないと悟ったI-16が旋回を止め、急降下での離脱を試みるが、速度を上がり切る前に――仮にスピードに乗ることができたとしても、優れた急降下性能をも持ち合わせるFw159からは逃げられなかっただろう――、アダラードは発射ボタンを押していた。

 機首と両翼の13.2ミリ機銃から放たれた無数の曳光が、避退を試みるI-16の進路と重なる。

 真後ろからの銃撃は、水平・垂直の両尾翼を瞬く間に穴だらけにし、空気抵抗に抗えなくなったそれらが纏めて吹っ飛んだ。そのままバランスを崩し、真っ逆さまに墜ちていく。

 初陣で2機撃墜。讃えられるべき戦果である。

 

『戦闘機隊、戻ってきてくれ!敵機に取りつかれている!』

 

「おっと…!」

 

 無線から発せられた声に、浮かれていたアダラードは一転、焦りを滲ませた。乱戦の巷から抜け出した機体か、別動隊がいたのかは不明だが、爆撃隊に敵機が取りついたのだ。

 今回の攻撃の要――爆撃隊は、ドイツ軍のJu88Aとイタリア軍のサボイア・マルケッティSM.79、スペイン反乱軍のHe51で構成されている。

 前者2機種は、独伊きっての高速爆撃機であり、爆装状態での最高時速はいずれも400キロ越えだ。I-16、I-15よりも劣速であるが、それでも圧倒的に遅いわけではないため、振り切るのは難しくない。

 

 しかし、今回は爆装した複葉戦闘機He51と歩調を合わせて進撃しているため、容易に補足されたのだ。

 その気になれば独伊機だけで逃げ去ることもできるのだが、それでは取り残されたHe51が犠牲になる。K/88、SB/68指揮官に、自分たちだけさっさと逃げる気はないようだ。

 ハンツを引き連れ、爆撃隊がいるであろう空域へ急行する。小隊の3,4番機は戦闘に集中しているのか、無線で呼びかけても応答はなかった。

 

(国民戦線軍を直掩に付かせたのは失敗だったんじゃないかな…)

 

 アダラードは心中で呟く。

 爆撃機隊を襲っているのがI-16かI-15かは不明だが、いずれも直掩として残したCR.32相手には荷が重い。CR.32は複葉機ながら侮れない性能を持っているが、I-16には速度性能で、I-15には旋回性能で劣っている。

 Fw159かフィアットG.50を1個小隊程度、直掩に付かせるべきだったかもしれない。

 

「…いた!」

 

 小さな機影に纏わり付かれ、しきりに機体を振り、各所から旋回機銃の火箭を放つ味方編隊を発見した。

 敵は複葉機…I-15だ。旋回性能に非常に優れた機体であり、油断すればFw159とて危ない。速度性能を活かして戦うのが定石だ。

 

(今のところ、墜とされたのは国民戦線軍の連中か…)

 

 出撃前と数が減っていない独伊爆撃機を見て内心で呟く。

 頑丈な機体構造と充実した防御火器がいい仕事をしているのか、Ju88とSM.79は今のところ撃墜された機体はない。

 その代わり、He51が何機か戦列から姿を消している。

 ただでさえI-16、I-15よりも速度・運動性能が劣っているというのに、ドイツより供与されたSC50 50キロ爆弾を吊り下げている身だ。敵にとっては、射撃演習の吹き流しよりも簡単に墜とせたかもしれない。

 

「これ以上は好き勝手させん!」

 

 現在進行形で、左主翼付け根付近から白煙を引きずっているJu88に7.62ミリ機銃の火箭を浴びせている2機のI-15へ突進する。

 I-15の武装はShKas 7.62ミリ機銃4丁であり、防弾に配慮されたJu88を瞬時に叩き墜とせるほどではないが、何十発と命中すれば危ない。

 旋回機銃の火箭を掻い潜って射弾を浴びせているI-15の1機を、照準器の環に捉える。

 

(ギリギリまで引き付ける…!)

 

 もう外しようがない…そう確信したところで発射ボタンを押す。軽い振動と共に放たれた13.2ミリ弾の曳光が、背面ががら空きのI-15を捉える。

 羽布張りの機体が穴だらけになり、主翼や胴体の外板が、着発焼夷弾によって火の点いた紙のように燃え上った。その炎は間を置かずに機体全体を包み込み、項垂れたように墜ちていく。

 残った1機は僚機の最期に狼狽えたかのような動きを見せ、隙だらけのところを、ハンツが13.2ミリ弾を叩き込んで撃墜した。

 

「よし次…!」

 

 別のI-15を狙おうと周囲を見回したが、残りはやや遅れて爆撃機隊の援護に来たイタリア軍のフィアットG.50が取りつき、火を噴かせていた。

 G.50は旋回性能に優れた軽戦闘機であるが、今は複葉機のI-15が相手であるため、時速500キロ以上の優速を活かした一撃離脱で戦っている。

 

「…大丈夫そうだな」

 

 狙われていたJu88の主翼や胴体には、所々掻き裂いたような跡が確認できるが、機体の挙動に問題はない。

 敵戦闘機や対空砲火による攻撃を想定された頑丈な機体は、I-15の執拗な攻撃に耐えたのだった。

 

 すると、前触れなく爆装したHe51が機首を下げ、緩やかな角度で降下に移った。

 地上を見ると、やや前方にエルコリリョの市街地が認められた。街路や広場には右往左往する兵士や高射砲らしきものが確認できる。

 街の外殻には戦闘車両と思しき物体が終結し、その後方には砲陣地らしきものが見えた。

 占領しようと進撃してくる国民戦線軍を阻止すべく、配置された地上部隊に間違いない。

 

「小隊集合!」

 

 アダラードが小隊各機へ呼びかけ、集結を促す。

 投弾が終了した機体を狙う敵がいるかもしれない。それに備えるべきだと判断したのだ。

 

 程なくして、下方から断続的な爆発音が響き、黒煙が立ち上り始めた。




・ヘルマン・ゲーリング
 リリアの指示によりモルヒネを禁止され、さらにほとんど毎日欠かさず運動していたこと、そして訪日以降和食にハマったことで激痩せ。なんと、史実におけるニュルンベルク裁判時(91キロ)よりもさらに痩せ、72キロになった。
 嘗ての美形を取り戻し、程よく老けたその姿は、「イケオジ」といって差し支えない。最近、演説等で国民の前に姿を現した際は、絶叫に近い女性たちの歓声がその場を支配していた。
 ただし、いつもの会議メンバーは未だ彼の姿に慣れておらず、会議の度に「誰だお前」と言ってくる始末(本気で誰か分からないわけではなく揶揄っているだけだが)である。
 また、モルヒネを絶った影響か、以前よりも頭が回るようになり、冷静・常識的な思考回路に戻った。よって、史実のような急降下爆撃に対する執着もなくなった。

・Ju88A-1爆撃機
全長:14.36メートル
全幅:20.08メートル
全備重量:12.720トン
エンジン:BMW134A空冷星形14気筒(1175馬力)×2
最高時速:443キロ
航続距離:2450キロ
武装:
・MG131 13.2ミリ機銃×3(ゴンドラ前方機首×1、ゴンドラ下後方×1、ゴンドラ上後方×1)
・爆弾最大1.5トン、F5W 450ミリ魚雷×2

 新生ドイツ空軍の最新鋭双発爆撃機。史実よりも実用的な機体に仕上がっている。
 発動機はFw159Aと同じBMW134B空冷星形14気筒エンジン(1150馬力)を搭載。空力特性に配慮された設計になっているお陰で、最高時速443キロ、巡航320キロの速度性能を発揮する。
 爆弾搭載量は50キロ爆弾28発、250キロ爆弾6発、500キロ爆弾3発、1トン・1.8トン爆弾それぞれ1発だが、今後のエンジン換装や機体構造の強化等で増加していく予定。
 低空での運動性能も優れ、雷撃機としても使用できるが、この世界ではモルヒネを絶ち冷静かつ常識的な思考回路に戻ったゲーリングの横やりがなかったため、史実のような急降下爆撃の機能は持たず、純粋な水平爆撃機として完成。結果として、早期の実用化と製造コスト・工数の削減、拡張性の向上に繋がった。
 コクピット、銃座、エンジン周りには30口径弾に対応した防弾装備を備え、自動防漏燃料タンク・自動消火装置が採用されるなど、生存性が高められ、オリジナルと比べても非常に墜としにくい爆撃機となっている。

・サボイア・マルケッティSM.79-Ⅰ
全長:16.20メートル
全幅:20.20メートル
全備重量:10.50トン
エンジン:アルファロメオ128 R.C.18空冷星形9気筒(860馬力)×3
最高時速:460キロ
航続距離:2600キロ
武装:
・MG131 13.2ミリ機銃(機首×1、胴体上×1、胴体下×1)
・爆弾最大1.2トン、F200/450 450ミリ魚雷×2

 イタリア空軍の三発爆撃機。史実と同様、現時点では1000馬力級エンジンの実用化が容易でなかったため、三発機となった。性能的には、1942年に登場した史実のSM.79-Ⅲ相当。
 オリジナルと同様、頑丈な機体構造と良好な運動性能・速度性能を持ち、爆撃任務以外に雷撃も可能。搭載量は1.2トンだが、大馬力エンジンへの換装等でより増大する予定。防御火器は安心と信頼の高性能なドイツ製MG131を採用している。
 Ju88と同様、自動防漏タンクや自動消火装置を備え、30口径弾に対応した防弾装甲を持ち、非常に墜としにくい爆撃機となっている。

フランスにどうやって攻め込む?

  • 史実ルート:アルデンヌの森を通る
  • マジノ線ルート:マジノ線を正面突破
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