目が覚めたらIF世界ドイツ総統(美女)になってたので、少しでもマシな戦後を目指す 作:夜叉烏
夜叉烏です。
今回、ちょっと雑だったかなぁ…って感じです。
実際に某艦隊をこれくしょんするゲームのキャラや某蒼き航路のキャラを見せたらどんな反応するのか…。
各所から送られてくる書類を、凄まじい速度で捌いていく私。
正直、憑依前に大学生やってた身からすれば、その仕事量に絶望しそうなものであるが、傍に控えるヴィリエルの補助、副総統ヘスが私の判断が必要なものとそうでない事案が書かれた書類を正確に分別し、前者を秘書を通じて持ってきているため、総統に向けられる意見書等はこれよりもっと多いのだ。…現時点でも漫画で見るような机上の散らかりようなのだが。
「…総統。午前中のノルマはここまでです。休憩にいたしましょう」
「えぇ…」
しかし、リリアの書類処理速度は異常と言える。これだけの紙の山を見て狼狽えない精神力も素晴らしい。
11時を少し回ったところで、午前中のノルマをこなしてしまった。
書類整理を一時止めた私は、色鉛筆とその辺の壁へ立てかけておいたスケッチブックを取り出すと、そこに描かれている絵の続きを描いていく。
絵心なんてものは持ち合わせていなかった前世の私だが、リリアの絵の上手さはかなりのものであり、自分が描いているとは思えないほど上等な絵を、紙面に描いていく。
…この時代に来て思ったのだが、やっぱり娯楽が少なすぎる。
スマホもパソコンもインターネットもゲーム機もテレビもない――テレビは頑張れば50年代までに全家庭普及できるのでは?――中、娯楽と言えば本を読むか、美術品を眺めるか、少し面倒だが映画を観るか、飲食するか、身体を動かすかである。
個人的に、この時代の本は内容が硬すぎるし、芸術はよく分からんし――貴族出身であるシュライヤー姉妹は一応芸術の知識を叩き込まれたが、憑依した前世大学生の私はそういう絵画に興味はない――、暇すぎだからと食べ過ぎ・飲み過ぎたら身体を壊すし、映画も本と同様硬いし一々映写室に行って準備させるのが面倒くさい。
男性だったら女性とそういうことをするのも、娯楽の1つに入るだろう。
正直、総統職が忙しすぎてそれらに没頭する時間が中々作れないというのもある。
しかし、ここはホワイト企業ナチスドイツ。一日8時間の労働と数回の休憩、適度な休暇が誰にでも適用される国だ。
以前のイタリア訪問のように、私も休暇を取れる…いや、取らねばならない。
しかし、総統という立場上、そこらをホイホイ出歩くわけにもいかず、武装親衛隊総統護衛大隊――大隊規模の護衛とか正直多すぎである――にガチガチに固められながら、史実でも総統大本営の1つとして数えられていたベルクホーフで過ごすしかなかった。
全く、街で買い物とかしてみたいなぁ…。
――さて、私の描いている絵は、正直この時代では受け入れられないかもしれない。
だが、娯楽の少ない現状、労働に精を出す紳士淑女…特に、年若い成年男子や女気の薄い軍人たちの苦労を考えると、これ位のことはしてやりたいと思ったのだ。
「…ねぇヴィリエル、これどう思う?」
「え…?」
黒髪ロングに赤白メッシュ、バンギャル的なアレンジが施された衣装、義手らしい真紅の鉤爪のような手、同色の拳銃らしい武器、何者をも見下すような脚組姿勢と視線、背後に控える鋼鉄の鮫のような生き物(?)とごつい砲塔。
前世にてよくプレイしていた某"蒼き航路のゲーム"に登場するキャラクターだ。
「どう…と言われても…。偉そうだけど可愛い女の子…?いや、でも後ろ…」
見目麗しい少女と後ろの砲塔や鋼鉄の鮫とのギャップに、ヴィリエルは困惑しているようだ。
うん。私の想像通りの反応だ。
「"ある物"を女の子に見立てて表現してみたのだけど、分かるかしら?」
「…ライト氏の真似事?」
擬人化の概念自体は案外古い。1700年代にロマン派のドイツ人画家フィーリプ・ライトがドイツ国家の擬人化像を描いたのがいい例だ。
ただし、私が描いたのは所謂"萌え"擬人化の絵であり、この概念が登場するのは遥か未来の日本なのだ。ヴィリエルが知らないのも無理はない。
「ヒントは海軍よ」
「海軍…?軍艦…?」
段々正解に近づいてきたヴィリエル。
その直後、ノックの音が響いた。
「総統閣下。今年度の建艦状況の報告に参りました」
エーリヒ・レーダーが右手を掲げて入ってきた。確か、日本から艦艇の設計図が届くまで艦艇の本格的な建造は取り止め、LSボートやSボート、Uボート、T級護衛駆逐艦の建造に励んでいるんだったな。
因みに、T級護衛駆逐艦は史実での1924型水雷艇を手直ししたような感じだ。
設計に関しては、私が対空火力と対潜装備の充実化、燃料タンクの容量拡大による航続距離の増大を命じている。こいつで、輸送船団の護衛を担わせのだ。
全長100メートル丁度、排水量1680トンと大型化しており、56口径88ミリ連装高射砲SKC/35を3基、37ミリ連装機銃4基、20ミリ単装機銃 6基――機銃は後で増設予定――、53.3センチ4連装魚雷発射管1基、爆雷40個、爆雷投下軌条2基を装備しており、最高速力33ノット、17ノットで5910海里の航続距離を持つ。
艦様はやや雑然としており、上部構造は箱を積み上げたような感だが、その分量産性に非常に優れ、凌波性も悪くない。
「Sボートは現在までに56艘、Uボート19隻、T級駆逐艦7隻が竣工しております。その他、10000トン級病院船、同クラスの補給船、輸送船がそれぞれ4隻ずつが、今年中に竣工する予定です」
よしよし。シュペーアに軍港の増築を命じてから間もなく2か月といったところだが、組織家としても天才な彼は、その僅かな間に造船所を次々と増設――トート機関も細やかであるが手伝っている――。そこでSボート、Uボート、護衛駆逐艦、その他支援艦艇を建造している。
また、戦艦や空母といった大型艦の建造も可能な、全長300メートル級の幹ドッグを有する造船所の建設も計画中だ。
「10000トン級の大型船の割には、かなり竣工のスパンが早いわね」
「補給船にしろ輸送船にしろ病院船にしろ、基本設計が同じですからね。お陰で、工数やコストの削減に寄与しています」
10000トン級の大型船とはいえ、同型の客船をベースにしているため、新規設計の手間が省けたのが大きいな。
また、現在民間で使用されている客船も、これから建造が開始される客船も、日本海軍の隼鷹型航空母艦と同様に戦時での徴用と、空母への改造が可能になるよう設計を施すことを条件とし、建造費の半分を海軍が負担しているのだ。
「また、ドイッチュラント級3隻の改装準備も予定通り完了しております。後は、日本からの最新タービン技術だけですね」
「えぇ。まだ価値を失った艦とは言い難いものね」
中途半端な性能のドイッチュラント級だが、それでも今のドイツ海軍にとって有力な艦艇なのは確かだ。
そこで海軍は、同級3隻の近代化改装を決定した。
具体的な改装内容は、全長の延長、信頼性の低いディーゼル機関をワグナー高圧缶と艦本式ベースの新型タービンに換装、防御力の強化、燃料搭載量の増大、主砲電動装填機構の改良、対空火力の強化である。
え、条約?知らんわそんなん。再軍備宣言してるしな。それに、ロンドン軍縮条約だってもうすぐ失効するわけだし。
3隻はすぐさまドッグ入り。機関換装に備え、一部上部構造物の撤去、後部上甲板と装甲を引っぺがしている最中である。
それに全長を延長するってことは、いつか艦体をぶった切ることになるな。
改装後は、基準排水量が11700トンから15200トンまで増大するらしい。その重量の殆どが装甲とのこと。
ボルティモア級よりもデカくなってるじゃねぇか。
そんなに装甲を追加して速力は大丈夫なのか心配になったが、全長が伸ばされて縦横比が大きくなること、艦本式ベースの新型タービンと高性能を誇るワグナー高圧缶の搭載、バルバス・バウの採用といった新機軸をふんだんに投入している。
少なくとも、下がることはないだろう。
「航続距離はどうかしら?ドイッチュラント級の数少ない長所と言えるところだけど」
「…ディーゼル機関を降ろすため新造時より落ちるでしょうが、それでも7000海里は保証すると、ブローム・ウント・フォスの技術者が申しております。改装の完了は、最低でも1936年3月まで待っていただきたいとのことです」
ブローム・ウント・フォス…確か、ビスマルク級戦艦も手掛けた造船会社だったか。
まぁ、技術者を信じるしかないな。
来年の夏か…予定通りとして、スペイン内戦の直前に終わることになるな…。
「…ところで総統、そちらの絵は?」
「あぁ…丁度良いわね。レーダーならこの絵が何なのか分かるわ」
「え…いやしかし…。うん…?」
いきなり差し出された美少女の絵に、来年で60になる海軍のトップも流石に狼狽えたが、暫し間を置いて腑に落ちたような声を出す。
「ドイッチュラント…?」
砲塔の形状で判断したのか。やるやん。
「あ、正解。流石海軍の責任者ね。船舶は女性形に例えられるから、擬人化させてみたの」
彼の顔色を伺いながら言う。
軍艦の擬人化なんて単語は、今まで見たことも聞いたことはなかっただろう。この時代の人間に受け入れられるか心配だ。
「…総統、これはウケますよ!」
「え?」
正直、上下関係の差関係なく文句言われると思ってた。
御年59歳の海軍上級大将の顔面は、満面の笑みしかない。
「海軍は、陸空軍に比べて最も女気が少ない軍です。おまけに、将兵は艦内という閉鎖的な空間で長期間過ごさねばなりません」
そう。私がやりたかったのはそれだ。
男ばかりの軍隊に、少しでも彼らが安らぐ要素を作りたかった。分かってるじゃないかレーダー…。
そういえば、陸軍と空軍には女性兵がいる――看護兵・スナイパー・見張り員・空中聴音手等。前線で銃を撃ったりはしない――が、海軍の軍艦に女性が乗るのはタブーとされているんだったか。
女性を乗せると海の女神に嫌われるから…っていうのが理由だったかな?
「…よければ、この娘たちの小説や漫画を描くけど?姉妹艦の他、別の艦の擬人化絵も描くわ」
「是非とも!この娘たちがいれば、我が軍将兵の士気は鰻登り間違いありません!乗員も『絶対沈めてなるものか!』と気概が生まれるでしょう!」
力説しすぎて演説の時のヒトラーみたいになっとるやんけ…。
てか『この娘たち』って…レーダー、その歳でオタクになったのか?元気過ぎん?
まぁ、うちの親父――無論前世の――は57でミリタリー美少女アニメ観てるけどな。具体的にはガ〇パンとかかな。
「…そうだわ。話変わるけどレーダー、軍港の一般公開はどこまでできる?」
「い、一般公開ですか…!?いや、その…機密の問題が…。どこでイギリスやフランス、ソ連のスパイが張っているかわかりませんし…」
現代日本の自衛隊も、基地の敷地内を開放して民間人を招き入れたりしてるからな。
軍隊と聞けば、物々しい雰囲気が漂う、近づき難い組織というイメージが強いだろう。こうやって軍民間にある溝を埋めていくのだ。
そうすれば、若者の志願率も高まる。これから拡大していくドイツ海軍には、とにかく人員が必要だし…。
「機密にならない程度に兵器を見せて軽い説明を、無論周囲には親衛隊を配置させるわ。軍港の警備に関してはヒムラーと話し合ってほしい。できることなら…Uボートの見学ツアーとか」
「う~む。デーニッツ少将とも話し合う必要がありますな。我が海軍の技術の結晶ですからね」
まぁ、そうだよなぁ…。流石にこの時代で一般公開は厳しいか?
「でも、これから拡大していく海軍には、艦艇もそうだけど何よりも人材が必要よ。海軍がどんな組織なのかを国民に対してアピールして、興味を持ってもらうの」
「…重要度の低い護衛駆逐艦や砲艦であれば可能だと思います。Uボートも、記念艦として保存されている旧式中の旧式であれば…」
「海軍内で協議して、どの艦を公開するのかは任せる。…あぁ、この絵を飾るのもいいかもね」
「それは賛成です」
即賛成しやがった…。まぁ、それだけこの時代の海軍軍人は女に飢えてたってことか?
「…一応聞くけど、反対されないかしら?」
「いや、軍艦は女人禁制です。少しでも目の保養になるものがあれば、将兵も頑張ってくれるでしょう」
うん、まぁ…それは分かるけどね。だってマジで反対されると思ってたんだもん。
そういえば、アメリカ海軍はアイスクリーム製造機が将兵の士気に多大な影響を与えていたとか…。後でアメリカの企業に接触して手に入れるか。金さえ払えば貰えるはずだ。
後、アメリカ人の物理学者チェスター・フロイド・カールソンへの接触――可能であれば拉t…招致――を命じている。
1938年、PPC複写機に用いられる複写技法である『ゼログラフィー』の基礎技術を彼が開発することになるが、こちらからその研究費を投資し、史実よりもかなり早い段階でカラーコピー機の開発に漕ぎつけようと考えたのだ。
漫画をはじめ、書籍の大量印刷には、このPPC複写機は欠かせないだろう。
最も、この世界のドイツは現時点で小型事務用湿式ジアゾ式複写機M型を開発しているため、複写機の技術に関しては、史実よりもかなり進んでいた。
今はこれで急場を凌ぐつもりだが、この分だと40年代にはPPC複写機が出てくるかもしれない。
「…分かった。将兵の士気に関わるもので必要なものは、遠慮なく報告すること。可能な限り彼らの要望は容れてやりたい」
「了解しました」
取り敢えず、リッベントロップの出番だな。何としてもアイスクリーム製造機を手に入れるのだ。
私だって食べたいし。
艦船の装甲配置とか厚さの変更って改装で何とかなるもんなの?ゲーム『鋼鉄の咆哮』ならボタン1つで装甲厚変更できるんだけど…。
史実の巡戦『フッド』は防御力強化の改装受けてたらしいけど…。
取り敢えず、ここから枢軸のオタク化が始まる…。
フランスにどうやって攻め込む?
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史実ルート:アルデンヌの森を通る
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マジノ線ルート:マジノ線を正面突破