「そういえばぼく?名前は?」
やっと起きてくれた、聞くの忘れてたけどやっと聞けた。
そしたら男の子はしゃがみ、指で庭の地面に文字を書き始めたの。
「せな」
そしてその隣に「星菜」
「いい名前ね、羨ましいわ」
と褒めてあげた。でも男の子は嬉しそうじゃなかった。
「おう霊夢!遊びに来たぜ!」
「...霊夢、この男の子誰だ?」
「昨日の夜、帰ってきたら庭に倒れてたの」
魔理沙は動揺してこう言った。
「それは大変だ」
「坊や、腹減ってるだろ?何か食うか?」
確かに何か食べさせたいな、食欲を満たすことで心を開いてくれるかもしれないし。
「そんなの失礼ですよ...人の家のものを食べるなんて...」
「ボクの物じゃないですし」
「人の家のものを食べるな!」
これは少年がホームレスになる前に母親から言われたことである。
少年はネットで誹謗中傷して逮捕された、そのとき以来家族から気持ち悪い部外者として認識されるようになったのである。
そのとき以来、口にしたことのあるものは、
雨水とアリと自分のおしっこだけである。
「これはお前の物じゃねぇんだよ!」
少年が小学生の頃、ゲーム機を万引きした。
他の友達が持っているのに、うちだけ「教育に悪い」と偏見を蹴散らかし買ってくれなかったのだ。
これはそのときに店長と警察、そして親からそろって言われたことだ。
「ううん、ちがう」
「これは私達の物であってお前のものでもあるんだよ」
「腹減ってるから倒れてたんだろ?食べたいんじゃないのか?」
魔理沙は普段の性格とは違う優しい顔でそう話しかけた。
男の子は、
「ほんとに?」
と、ほんの少し疑いながらも嬉しそうな表情も浮かべた。
私は23枚ほど美味しめの煎餅とかを持ってる。
もし男の子がそれを食べれば心を開くきっかけになってくれるかも。
「上がって」
私は魔理沙を家に上げた。
そして袋から煎餅とお餅を出して三人で分けた。
「いただきます」
私たちが1枚ずつ食べ始めると、男の子も少しずつ食べ始めた。
「...美味しい、美味しいよー」
と男の子は笑顔で涙を流した。
「やっと笑ってくれたわね」
「そうだな」
私はあることが気になっていた、だからこう尋ねてみた。
「ところで、どうやってここまで来たの?」
こういうと、魔理沙も
「私も気になるぜ、幻想郷では見ない服装だけど、どうやって来たんだ?」
男の子はこう答えた
「げんそうきょう....ですか、ここは」
「ここは天国ですか?お姉さん達は天使ですか?」
ここは天国ですかってことは、この男の子は外の世界で死んでここに来たってことかな?
「ここは天国じゃなくて幻想郷よ」
「私たちは天使じゃないわ、私はこの神社の巫女よ」
「ところで、ここは天国ですかって言ったけど、死んだらここにいたってこと?」
そう聞くと男の子は涙を流し声を荒げながら、自分が外の世界で自殺したことを伝えた。
「そんな...どうして自殺なんてしちゃったの?」
「苦しくないか?私も相談に乗るぞ?」
私と魔理沙がこう言っても、男の子は自分がなぜ自殺したのかを答えなかった。
「お前は弱いんだよ!」
これは少年の従妹のお姉さんに嫌われて泣き崩れたときに、そのお姉さんの父親から言われたことである。
「もう中学生でしょ!甘えないで!」
これは、従妹のお姉さんに言われた同じような意味のことである。
トラウマって怖いですね。