私は星菜にこう尋ねたんだが...
「お前は、得意なこととかないのか?」
「ない」
それは即答だった。
「どうして何もないんだ?」
「だって、誰も褒めてくれないもん」
「お前は、褒められたことがないのか?」
「そう」
人に認められない人生って、辛いんだな。
私だったら暴れたくなりそうだ。
そこで私はこうする
「そうだ!君の思い通りでいいから、絵を描こうぜ!」
「下手なので結構です」
「そんなこと言うなよー、芸術に画力は関係ないんだから!
芸術は爆発だぜ!お前の心の中で起きた爆発を絵として具現化するんだ!」
「お前、辛いこと沢山あっただろ?そんな心の中で起きた爆発を、絵として表すんだ!鉛筆と画用紙はあるぜ、描いてみようぜ!」
そう私が言うと、霊夢もこう言った
「そうよ!書いてみようよ!」
「芸術に画力は関係ないの、心の中で起きた爆発を具現化するだけなのよ!」
すると星菜は、急に何かを書き始めたんだ。
力強く握られた鉛筆が縦横無尽に彷徨う。
結構時間がたって、やっと出来上がった。
出来上がった絵を見て、私たちは心を打たれた。
ウインクしていて少し涙を流し、優しく微笑んでいる霊夢だった。しかもとてもうまい、可愛く描けている。
あまりにも優しい笑顔と、普段目にしない露出した肩と脇、そして大きな胸に凄まじい母性を感じる。
そして横には「ママ」と書かれていた。
本当は、ママにしたいほど霊夢のことが好きなんだろう。
「これが僕の爆発ですが、いいのですか?こんなエッチなの描いちゃダメですよね?」
「こんなエッチな絵を描いて!」
「教育に悪いし、次こんなエロい絵を描いたら3日間飯抜きだからな!!!」
「...この絵のどこがエッチなんだ!」
星菜には隠れた才能があった。
可愛くて凄まじい母性を感じる、エロいと言ってもいいくらいの絵を描けた。
彼はこの絵の描き方を、幻想入りする前の小学5年生だった頃に、仲良くなったボーイッシュな女の子に教えてもらった。
しかし、その女の子とは別れたという。
そしてこの絵を描いていることが毒親にばれ、この台詞と一緒に女の子の絵を描くことを禁止された。
私はこう言った。
「この絵のどこがエッチなのか疑問に思うが...いいんだぜ、エッチでも」
霊夢も口を開いた。
「なかなか良く描けてるじゃないの!でも、そんなに私のことママにしたいなら最初から言えばいいのに」
星菜はちょっとだけ明るい顔になった。
「まさか星菜にこんな才能があるとはな!」
「私をこんなに上手に描ける人なんてあまりいないわよ!」
「僕、こんな絵で認めてもらえるの?」
星菜は半信半疑な気持ちで聞いてきた。
「あぁ、君は天才だぜ!」
「うんっ、きっと幻想郷のみんなにも褒められるわよ!」
私と霊夢は順番にこう言った。
「ママぁ!!!」
星菜は初めて自分から霊夢に抱き着いた。
「ひゃっ!??」
霊夢は少し動揺した、しかし同時に嬉し涙がこみ上げた。
霊夢の愛情は本物だった。
「スネーク、本当にうまくいくのかね?この調子で幻想郷をかっこよくできるか疑問に思うが」
「ああ、うまくいくさ」
「実は私も古神道が好きな中二病さ」
「星菜から中二病の才能を引き出すには無償の愛が必要不可欠だ、私の家庭はどの家庭よりも子供の意思を尊重してきた」
「私の友人は皆、とても厳しい家庭だと思ったらしい」
「このことについてどう思うかねルーメン?」
「お前も中二病だったのか、私も中二病こそが人間本来の姿だと思う」
「ああ、中二病は出る杭を打たれがちだが、それは隔たれし人類の救世主なのだ」
「幻想郷でも外の世界でも、人類の分断は加速度的に進んでいる」
「幻想郷は非常識がすべてだ」
「ここに中二病スペースを作れば、出る杭を打たれていた仲間たちが集まってくれるだろう」
「ここに中二病の居場所を作ることはわかる」
「でも、作ったとして居場所を求める仲間が博麗の結界を超えられるのか?」
「博麗の結界は、常識と非常識を隔てる」
「しかし非常識な人など沢山いる」
「かのアインシュタインは『常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない』と言葉を残している」
「所詮幻想郷は、天才の仲間達が創造した妄想の世界に過ぎないのだから」