アーネンエルベの兎   作:二ベル

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めっちゃ時間かかったあ……


水天日光③

 

 

「春姫、ここにヒューマンのガキが降ってこなかったかい!?」

 

 

ずかずかと館の廊下を進んで、一つの部屋の襖をアイシャは勢いよく開いた。春姫なる妹分とも言えるような小娘の悲鳴を少年が墜落していった先から聞こえてきたからだ。ご立派にも娼婦などできもしない男の裸を見ただけで気を失ってしまうへっぽことはいえ、女神念願というべきか、大事な日が近付きつつある。何かあってはと駆け付けたのだ。

 

 

「――――っ、ふ、んっ」

 

 

くぐもったような声音がアイシャの耳朶を震わせる。

視界のその先では、遊郭の…というよりは、極東由来の慎まし気に敷かれた布団があり、さらにその布団には膨らみが出来上がっていた。人が1人、2人か重なって被ったような膨らみだ。それがもぞもぞと動いては少女の途切れ途切れの息継ぎが聞こえてきたとなれば、度々面倒を見てやっているアイシャとしては目を剥く事態である。

 

 

(ついに……ヤったのか?)

 

 

もう既に何人もの男と一夜を共にしていると思い込んでいる残念狐娘さんは毎度のことながら気絶するため、商売にもなりやしない。男の悦ばせ方だとかあれやこれやと遊郭内の太夫達や先輩娼婦に教えられても張見世では隅っこに座しているばかりであり、もっぱら性に奔放なアマゾネス達には春姫の気持ちなど理解してやることもできず呆れられるばかり。だというのに、そんな少女はついに、ようやく、客を手に入れたのだ……そう思えば自然と口元に笑みが浮かび上がってくるのは致し方ないこと。

 

「邪魔したね、ごゆっくり」

 

行為の最中に割り込んで邪魔をするなど無粋。ましてや女としてランクアップしたかもしれないのだ。余計に邪魔などできるはずもない。

アイシャは短く言って、後退り、そっと襖を閉じた。壁が盛大に破壊され街の夜景が見えたり、夜風が入り込んでいたりするが、それはそれでちょっとした野外プレイだとか火照った体を冷やしてくれたりだとか、趣があってよろしい。もっとも、少女は流石に…と考えたのか、被害にあっていない部屋の最奥へと移動していたため、関係のないことではあるが。アイシャはようやっと冷えた頭で、1人の小僧相手に何やってんだと頭を掻きむしって姿を消していった。

 

 

 

廊下から足音が完全に消えるのを待って、布団の膨らみは動き出した。暗がりの中、金の長髪と獣の耳を持った少女がゆっくりとした動きで起き上がり、布団がするりとずり落ちる。彼女の身姿を淡く照らすのは、室内に置かれた提灯のような魔石灯であり、外からの灯りなどではない。

 

「―――ぉ、お客様? もう大丈夫ですよ」

 

顔を紅潮させ、翠の瞳を右に左に揺らす春姫。彼女はベルが墜落してきた後、()()()()()()()()()()()()()のを察し、奥の部屋へと誘導。その際に足をもつれさせたか、布団に2人仲良く倒れ込み、アイシャ到来を感じ取るやいなや咄嗟にベルを下敷きに布団をかぶり込んだのだ。春姫自身今までにない俊敏な動きをしたことに戸惑いもあるが、吐息がかかるほどの距離……いや、彼を覆い隠そうなどとしてしまったせいで彼の顔に胸を押し付けるような形になってしまい、アイシャがいなくなるまでの短い時間、布団の中にて籠る2人の吐息が顔を赤くさせるには十分すぎるほどの要因になっていた。春姫は少年に声をかけるが、彼の腰のあたりに跨ったままであり、見下ろした視線の先の少年もまた操を狙う狩猟者(アイシャ)にバレるかバレないかというハラハラと春姫の胸が顔に乗っかっていたことに対する羞恥からか、顔が赤い。

 

「えと、その……」

 

「………」

 

気まずい。

そろそろと少年の上から降りて、ちょこんと畳の上で正座する春姫。息でも止めていたか、ぷはっと呼吸を取り戻すベル。倒れてしまった際に乱れたシャツを正そうとする際、チラリと見えた彼の身体にドキリとする春姫。僅かに見えた腹部の傷からして、冒険者なのだろうことはなんとなく想像できる。どうしたものかと春姫は視線を彷徨わせ、部屋の隅、机の上に置いていた水差しに気がつく。身体が熱い。顔も熱い。そうだ、お水でも飲んで冷やしましょう。そんなことを思ったか、立ち上がりグラスも合わせて取りに行く。その所作一つ一つが生まれの良さを思わせるもので、ベルはそんな彼女の所作から、ふと輝夜が被って見えた。

 

「どうぞ、お飲みください」

 

「……ありがとう、ございます」

 

グラスに入れられた水を差しだされ、ぐいっと呷る。喉から通って身体をじんわりと冷やしていくそれに、先程までの逃走劇の疲労が気休めではあるが薄らいでいくのを感じる。唇を離し、視線を感じて、そちらへ向くと春姫がチラチラと視線を送ってきていた。

 

「えっと……」

 

さてどうしたものか。

完全に巻き込んでしまった気がする。建物を破壊してしまったこともそうだけれど、たまたま部屋にいた彼女に匿ってもらったとはいえ、巻き込んでしまっている。とっとと逃げるべきか、いやまた跳んでいれば見つかって撃ち落されるかもしれない。そうなると動くに動けない。困ったなあと頭を悩ませるベルに、春姫は咳払いを一つ。

 

 

「あ、改めまして」

 

「?」

 

春姫は正座したまま畳の上に三つの指をついて、頭を下げゆっくりと顔を上げた。金の長い髪がはらりと揺れ動く。彼女は美しく、儚げ。化粧は一切しておらず、ベルが目にしてきた娼婦達のような艶っぽさや卑猥さとは無縁な位置にいる、清純の雰囲気があった。

 

(わたくし)、サンジョウノ・春姫と申します」

 

旦那様は今宵、初めて娼館をご利用になられるのですか? お望みとあらば今宵、夜伽をさせて頂きます。 ぽつりぽつりと春姫は首を傾げつつも、上目遣いにベルに言ってくる。外からあのようなダイレクト入店は今までにない。先輩娼婦達に聞いたってきっと「いやいやいや」「春姫、アンタ疲れてるのよ」とか言われるに決まっている。実際に「これが証拠なのです!」と破壊痕を見せたところで先輩娼婦達は「春姫……激しくしすぎて股間からスプラッシュしすぎちゃった?」とか「春姫、あんた……見かけによらず……」とか言われるに違いない。よって、彼はお客様ではない! とは言っても、春姫は娼館にて働く娼婦の1人だ。何人もの男性と一夜を過ごしている。過ごしまくっている。やりまくっている。そう、プロなのだ。心の内は別としても経験人数はえげつないのだ。ましてや娼館にやってきた男性相手に何もしないとあれば、上から売り上げだとかなんだとか言われかねない。営業活動、大変なのである。つまるところ、プロで、立派な、娼婦である、春姫ちゃんは、少年から一夜を買ってもらわなくてはと一応は営業活動を行ったのだ。

 

最も、彼女はプロだと思っているだけで。

さらに、立派に娼婦していると思っているだけで。

実際問題、彼女は、生娘であるが。

 

 

「確かに……『歓楽街(ここ)』を利用しには来たことに……違いはないんですけど……」

 

歯切れ悪く、ベルは頬を掻きながら言う。娼館を利用しにきたわけではないのだと。姉に誘われて一夜を過ごしに来ただけなのだと。春姫は歓楽街全てを知っているわけではないが、なるほど、場所を考えれば必ずしも娼館しかないわけではない。『ちょっとご休憩ができる宿』もあるはずだと合点がいく。しかし彼は今、1人だ。姉……オラリオでは近親相姦という禁断の繋がりも許されるのかと思わないでもないが、彼は1人だ。あっれれぇ、おっかしいぞぉ?

 

「その、お姉様はどちらに?」

 

「それが、逸れちゃって…」

 

「大丈夫なのですか?」

 

「うーん……多分、大丈夫だと思うんですけど」

 

まさか追われる身になるとは思わなかった。蟇蛙(モンスター)は放し飼いにされているし、アマゾネスはしつこいし、【ファミリア(あね)】に迫られることはあってもここまで恐怖を感じるとはなかった。溜息交じりに漏らすベルは春姫からもう一度水を貰い喉を潤す。先ほどアイシャが来たことから、彼がアイシャに追われていたのはわかる。アマゾネスは気に入った雄の種を得ようと連れ去るまですると言われるほどだ、成る程、しつこいのだろう。春姫は少し申し訳なさそうに、けれど裏表なく微笑んだ。彼も彼で姉とはぐれて困っているようだが身動きが取れない以上帰ることも難しい。となれば、いっそ部屋にいたほうがいいのかもしれないと春姫は考えた。

 

「では、時間になりましたら、(わたくし)が抜け道まで案内いたします。娼館の営業時間寸前までここに隠れていれば、きっと見つかりません」

 

「えっ……いいんですか? 巻き込んじゃったのに」

 

「はい。一夜限りの出会いでございましょうが……春姫は、旦那様のお力になりとうございます」

 

アイシャさんが追い回してしまったお詫びもかねて、と口にするが、彼女の優しい笑みには純粋な善意と、献身があった。その温かで透明な笑みに、ベルは見惚れてしまう。撃ち落されたことも考えて、見つかりたくないベルとしては願ったりかなったりな提案。輝夜の身を案じないわけではないが、彼女はベルよりも強いし猫かぶりを止めてしまえば男だって裸足で逃げていくだろう。そんな若干失礼ではあるが信頼から、あとは女神や他の姉達に対する申し訳なさを覚えつつも、どちらにせよ、ごっそりと減った精神力(マインド)の回復を待つのも必要だし、動くに動けないのだからと春姫に助けてもらうことにベルは決めた。

 

「じゃあ、その…よろしくお願いします」

 

「はい、喜んで。しかし約束のお時間が来るまで……手持無沙汰でしょうし……(わたくし)と、お話しませんか?」

 

頬を染め、まるで勇気を振り絞ったかのように春姫はいじらしく尋ねてくる。ベルのような存在、客でもない来訪者は珍しいのか、それこそ壁を破壊して現れた(あんな出会い方)をしたのだ、御伽噺の住人を見るかのような眼差しを向けてくることは仕方のないことで、そんな眼差しに対し、ベルは苦笑を作り、快諾した。春姫は「ありがとうございます!」と破顔して、尻尾を嬉しそうに揺らす。窓辺の障子を小さく開け、蒼然とした夜空、そして星々に見下ろされながら、2人でささやかな会話を始める。

 

「旦那様のご出身は、どちらなのですか?」

 

「僕は大陸の…えと、このオラリオの北の方にある遠い山奥で……」

 

春姫はベルの出身地、自分の知らない場所のことをよく聞きたがった。都市北方、山間部にあって、地図に名前も載っていない小さな村……答える度にころころと彼女の表情が変わる。北はヒューマンの方が多いのか、どんな景色が広がっているのか、なんてことのない事柄を尋ねてくる。

 

「振り返ったら、綺麗な人がいて……名前を聞かれて、頬に手を添えられて、抱きしめられて……それがお義母さん……正確には僕を産んだお母さんじゃないんですけど、お義母さんとの出会いで。今でも夕方になったりすると、ふと思い出すんです」

 

こういうのもまた酒の肴、というのだろう。

グラスに注がれるのは酒ではなく水だけれど、目を細めて、思い出に浸って、こくりと喉を鳴らして水を呷る。眩しいものをみるような眼差しを向けてくる春姫に、ベルは2人の英雄との出会いの話を、山奥での暮らしを昨日のように語る。そしてまたグラスに唇をつける。

 

ベルの話を聞いては喜ぶ彼女は、いわゆる世間を知らない娘なのだろう。手入れされた金の髪、そして高価な着物姿もあって、『箱入り娘』なんて言葉が当てはまる。となると、どうして春姫のような娘が歓楽街に身を置いているのか、疑問が浮かぶ。アイシャ達のような娼婦がひしめく『夜の街』において、彼女という存在は全くそぐわない。世間知らずな春姫は、歓楽街において異質だとベルは思った。

 

「それでは、旦那様はこのオラリオには冒険者になるために来られたのですか?」

 

「うーん、というよりはお義母さん達が僕が独りぼっちになるのを心配して…っていうのが正しいです」

 

冒険者になったのは、結局は成り行きだ。

怪物祭で巨猿(シルバーバック)と戦って、猛牛(ミノタウロス)と戦って、ランクアップして、なんとなく冒険者に。アルフィアと出会わなければ、ゆくゆくは何か夢を抱いて冒険者になっていたかもしれないが、そんな『もしも』のことは超越存在ではないベルには当然わからないことだ。ベルがオラリオに来たのも、アルフィア達が『自分達がいなくなった後』のことを考えて、オラリオに興味を示していたベルに応えてくれただけなのだ。

 

「こんなところに来てしまっては、お義母様に怒られませんか?」

 

「…………」

 

春姫に意図はないのだろう。心配するように問うてきて、ベルが黙りこくって、「まずい…かなあ」と畳の目をなぞって乾いた笑みを零して溜息を吐く。

 

「大丈夫、じゃないんですけど……大丈夫です。お義母さんに怒られること、もう、ないですし……」

 

「あ……も、申し訳ありませんっ」

 

勘がいいのだろう。

ベルに見えた寂しさのようなものを感じて、言葉の意味を反芻して、その人がもうこの世にはいないのだと察した春姫は慌てて深く頭を下げる。座ったままの姿勢で、その様は自然と土下座になってしまって、けれどしなっと垂れ落ちた尻尾と耳が彼女の感情を映しているのが見て取れて、ベルは眉を下げて笑みを浮かべて「気にしないでください」と頭を振った。

 

「ええっと……春姫さんは、()()()()極東の出身なんですか?」

 

頭を下げたままの彼女に、ベルはグラスの水を揺らしながら質問を行った。尋ねられた春姫は申し訳なさを残しつつも姿勢を正し、天井を軽く見上げる。

 

「はい、仰る通り、(わたくし)の生まれは……極東でございます」

 

狐人(ルナール)の分布地域と、春姫という独特の名前、雰囲気からベルは「やっぱり」と胸の中で零す。彼女は自分の故郷の憧憬を思い出すように、言葉を続ける。

 

「海に囲まれた島国で、このオラリオより四季がはっきりとありました。春には満開の桜が咲き、夏には蝉が鳴いて、秋には鮮やかな紅葉が……冬には白い雪が積もります」

 

懐かしそうに、また郷愁を感じさせながら彼女は語った。天井から窓の外に視線を移し、開いた障子の向こうにある星空を見つめる。どこか浮世離れした横顔に、ベルは思ったことを尋ねた。

 

「春姫さんは…貴族、だったりするんですか?」

 

「何故、おわかりになられたのですか!?」

 

ベルの言葉に驚く春姫。

 

「旦那様のおっしゃる通り、(わたくし)の家は何代も続く高貴な家系です。母はおらず、父は国のお役人で……幼い(わたくし)は、沢山のお手伝いの方々にお世話になりました」

 

住まいである広い屋敷以外の世界は知らず、貴族として立ち振る舞いを身に付ける日々……蝶よ花よと育てられる生活は、寂しさはあったけれど、少ない友達もいた、不自由のない暮らしであった、と春姫は語って、唐突に顔を曇らせた。

 

「ですが、5年前……11歳の時、(わたくし)は家を勘当されました」

 

 

その発言に、ベルは言葉を失う。

勘当――それは、親子の縁をきられたということ。

 

 

「『家の恥だから決して口外するな』と言われておりますので詳細は話せませんが、仕える大神様に対して大変な不始末を働いてしまったのです」

 

勘当された春姫は屋敷に訪れていた客人に連れられ外の世界に出たものの、道中で(オウガ)の群れに襲われた。(オウガ)の群れにその客人は、足手纏いである春姫を置いてさっさと逃げ出し殺されかけたところを、盗賊に助けられ生娘であることを確認された後に()()()()()()。春姫は狐人(ルナール)という珍しい種族と美しい容姿を買われ、『世界の中心』であるオラリオの商人――力と財力のある商人達――に娼婦として高額で買い取られたのだ。その末にイシュタルの目にとまり、【ファミリア】の一員となった。

 

 

『春姫、お前の生に、意味をくれてやろう』

 

その時何を思って都市の門をくぐったのかなど、最早わからない。いくつ夜を越えたのか定かではない。ただ、春姫のことを『必要』とした女神の言葉が胸の内でトクンと響いた。

 

 

「あっ……で、でもっ、島国育ちの(わたくし)は大陸には興味がございました。叶うなら、ぜひ来てみたかったのです」

 

口を噤んでいるベルを見て、慌てて取り繕う春姫。「こんな形になってしまいましたが、アイシャさんや遊女(おねえさん)達も優しくしてくださいます」と彼女は健気に振舞い、変わらない調子で言葉を紡ぎ続ける。

 

「それに……極東にも沢山の物語が伝わっている、このオラリオには憧れていました」

 

瞳を細める彼女のその言葉に、ベルは無意識に反応してしまった。

 

「『迷宮神聖譚(ダンジョン・オラトリア)』?」

 

「はいっ」

 

迷宮神聖譚(ダンジョン・オラトリア)』。

このオラリオで紡がれた英雄達の物語は、登場人物など情報が詳しく載った原典は少ないが、それをもとにした童話や御伽噺は世界中に広まっている。ベルの口から出た本の名前に、春姫は嬉しそうに頷いた。

 

 

 

×   ×   ×

星屑の庭

 

 

「まず、【イシュタル・ファミリア】についておさらいといこうじゃねーか」

 

卓の上で頬杖をついて、小人族(パルゥム)のライラが口を開く。卓の上には【アストレア・ファミリア】がこれまでの活動から得た情報を記した、管理機関(ギルド)のものとはまた違った書類が置かれている。緊張した面持ちでそんなライラへと視線を注いでいるのは、『パパ活疑惑』をかけられた千草と(みこと)だ。なお、事情については話し終えているため勘違いに関しては解決している。

 

「コホンッ、等級はA、本拠地は『女主の神娼殿(ベーレト・バビリ)』。到達階層は45階層と、迷宮攻略でも高い戦果を誇る大派閥よ」

 

「主戦力は『戦闘娼婦(バーベラ)』と呼ばれるアマゾネスの団員達。その多くがLv.3以上の冒険者。ああそうそう、アマゾネスが目立つけれど、男性陣もちゃんといる。比率だとたぶん……1:9くらいか?」

 

「【麗傑(アンティアネイラ)】、アイシャ・ベルカはLv.4間近で、その上に【男殺し(アンドロクノソス)】、フリュネ・ジャミールがいて彼女はLv.5の冒険者……あちらでは唯一の第一級冒険者かな」

 

「ちなみに【男殺し(アンドロクノソス)】は過去に【剣姫】、アイズ・ヴァレンシュタインに何度も喧嘩を売って戦い合ってたことがある」

 

「間違っても好敵手とか、そういう関係ではないわ」

 

「一方的なやつだよねえ」

 

アリーゼからネーゼ、ノイン、アスタ、マリュー、イスカと順に情報が流れ、2人の少女は喉を鳴らし汗を滴らせた。正義の戦乙女(おねえさん)達は口にはしないが、(みこと)達の行動は派閥へ探りを入れられていると取られかねない。団員総数や資金力などの規模も考えてみても【タケミカヅチ・ファミリア】には勝ち目がない、迂闊な真似はしないほうがいいと言っているようだった。

 

「輝夜、貴方からしてその『サンジョウノ・春姫』という娘について何かないのですか?」

 

リューが問い、輝夜は着物の袖で口元を隠して頭の中を整理しているのか、間を置いて口を開く。

 

「私が極東を去ったのは12の時だ。私が覚えている限り………」

 

眉間を摘まむようにして、思い出したくもない過去を何とか絞る輝夜。

 

「三条家の奥方は子を産んだ後に死しているはず……確か娘が1人、息子はおらず」

 

つまりそれは三条家の血筋を継承する新たな命が生まれる機会がないということ。

 

「極東を出た後のことなぞ知らんが、仮に一人娘を捨てたとなれば、三条家に後はないだろうな。何せ後継者がおらんのだから」

 

これで九家も2つ、欠番となったか…。と最後の呟きは誰の耳に入ることもなく、けれど春姫なる少女の御家がどうなったかの想像をしてしまっては2人の少女は膝の上に乗せた手を握り締め沈黙する。

 

「……は、春姫殿はそれでも高貴な生まれのお方。そのような方が歓楽街に身を置いているなど」

 

「自らの意思でなかったのなら、人身売買しかありえんだろう。無い話じゃない」

 

(みこと)の言葉をぴしゃりと斬って捨てる輝夜の声音は冷たい。不当な賭け事の末に娘を奪われたとか、返しきれない借金の末に身売りする羽目になったとか、右も左もわからぬ新参者を上手いこと言って攫っては売る輩だとか、いない訳ではない。いくら【ガネーシャ・ファミリア】や【アストレア・ファミリア】のような都市の秩序を守っている派閥がいたとしても、全てに目を向けられるわけではない。

 

「あの…人身売買された人を助けることって、できないんですか?」

 

千草のおずおずとした問いに面倒くさそうに頭を掻いたライラが、やはり面倒くさそうに口を開く。

 

管理機関(ギルド)は静観の構えだな」

 

ライラは言う。

過去に敵対していた複数の派閥が()()()()()()()()として【イシュタル・ファミリア】を糾弾したことがある。派閥の訴えに応じてギルドは調査を入れた。結果は、『白』だったのだという。

 

「その後って訴えてきた派閥とギルド相手に『言いがかりを押し付けられた』って訴え返して罰則(ペナルティ)と罰金を要求したんだっけ。それもかなりの額」

 

「―――とまあ、そんなことがあってギルドは【イシュタル・ファミリア】に強くでれねえ」

 

「歓楽街があるおかげで犯罪の増加を抑えられているっていうのもあるとは思うんだけどね」

 

屈強な冒険者が集う迷宮都市(オラリオ)は、性の営みが盛んという裏事情を持つ。荒々しい冒険者、男達の欲望は、発散されなければ犯罪の増加に繋がりうる。歓楽街はそんな荒くれ者達の獣欲のはけ口。管理機関たるギルドも市民の安全のため、冒険者の鬱憤(ストレス)が都市に向わないようにするため、歓楽街の動向は容認している節がある。つまり、迷宮都市にとって歓楽街は非常に肝要なのだ。例え都市の秩序に貢献している派閥であろうとも、全てに目を回すことなどできず、春姫と似たような境遇で人身売買によってオラリオに身を置くことになった者は少なからずいるのだろう。

 

知りたくもなかった事実に、打ちのめされ、思い知らされる少女達。派閥の規模も、眷族の強さも、あまりに違う。ちらりと(みこと)が輝夜の顔を見てみれば、彼女は視線に気づいたか肩を竦めた。

 

「ごめんなさい、【アストレア・ファミリア(わたしたち)】でも全てのことに手を回せるわけじゃないの。()()()()()()()()()()()もしているからっていう事情もあるし、【ガネーシャ・ファミリア】でも防げていないものを、防ぐのは難しい。【イシュタル・ファミリア】に対して()()()()()()()()()けど……アストレア様が送還されたり、私達がいなくなって、ベルが独りぼっちになってしまうことになるような事態を招くわけにもいかない」

 

悲し気に瞼を下げるアリーゼ。

協力できることはするが、そもそも春姫なる少女の事情もわからないのだ、勝手に踏み込むようなこともできない。下げられた頭に(みこと)達は何も言い返せなかった。

 

 

「暗くなってしまったけれど、イシュタルは決して娼婦達を杜撰に扱っているわけではないわ」

 

そこでずっと静かに眷族達の会話を耳にしていたアストレアが言う。

『娼婦』は確かに過酷だ。

朝は遅く、夜も遅い。かと言って惰眠を貪れるわけでもない。

日付が変わった夜半過ぎまで客に侍り、相手をする。そして夜が明ける前後に客を送り出す。二度寝が許されるのは正午より前で、瞼の重みを感じる間もなく昼の営業を始めなければならない。1日のうちに2人以上の男をもてなすのもしょっちゅうだ。そんな過酷を耐えられるのは単に主神(イシュタル)から『神の恩恵(ファルナ)』を授かっているためだ。もしそれがなかったら、身体を壊すことなど分かりきっている。

 

村娘のままなら口にできなかった食事、着れなかった衣装、何より教養を身に付けることができる。娼婦をする上でこれ以上の贅沢はないとそこで働く娼婦はきっと言うだろう。イシュタルは豊穣の営みを推奨し、彼女の派閥の傘下の『遊郭』は『娼館』は総じて待遇が良いのだ。

 

 

「―――それに、イシュタルは愛を司る女神でもあるから、娼婦が望むなら身請けも、許してくれるわ」

 

しんっと、また、静かになる。

そして、少女達の顔にぱぁっと明るい色が灯った。

 

直後。

 

「「それだぁ!!」」

 

 

×   ×   ×

遊郭

 

 

迷宮神聖譚(ダンジョン・オラトリア)も好きですが……(わたくし)は異国の騎士様が、聖杯を求めて迷宮を探検するお話もよく覚えています」

 

「……『ガラードの冒険』ですか? 確か、不治の王女様を癒すために、聖杯を探しに行くっていう話でしたよね?」

 

「ご存知なのですか!? では、ランプに封じられた精霊を助けに迷宮に向かう、魔導士様のお話は――」

 

「えっと……『魔法使いアラディン』?」

 

「わぁ!」

 

興奮した少女の声が部屋に響く。

それは先程までの自らの『オラリオに来るに至るお話』によって重くなっていた空気などなかったかのようだ。英雄譚の題名(タイトル)を全て答えたベルに、春姫は翠の瞳を輝かせる。それは彼女が御伽噺や童話が好きだということを物語っていた。共通の話題、いや子供っぽくもある趣味を持っていたことが余程嬉しいのか、狐耳をぴん! と立てる春姫。そこから彼女は饒舌に話し始め、ベルはそれに相槌を打った。

 

『迷えるディラルド』、『わがエノーの歌』、『ジェルジオ聖伝説』……出るわ出るわ、割と有名じゃない物語を良く知っているなと自分のことを棚にあげてベルは感心する。娼婦の中には物語を知る人も少なく、今まで取り合ってもらえなかったか、いい年して御伽噺や英雄譚の話で盛り上がるというのも珍しかったのか、2人の話は盛り上がり、その内に笑い合っていた。ともすれば現実から目を背けるように、2人は綺麗な物語の世界に浸る。

 

 

「それじゃあ、春姫さんは何の物語が一番好きですか?」

 

「一番、と決めるのは難しいですが……鬼に襲われる娘を、小さき身でありながら助けた武士(もののふ)様のお話……極東に古くから伝わる物語が、今でも心に残っています」

 

箱入り娘であった春姫らしい、と言うべきか彼女は『救済型の英雄譚』を好んでいるようだった。かけがえのない宝物のように御伽噺を口にしていた春姫は、やがて、瞼を閉じた。

 

「……(わたくし)も本の世界のように、英雄様に手を引かれ、憧れた世界に連れ出されてみたい……そう思っていた時もありました」

 

それは所詮、はしたない夢物語なのだと少女は言う。

連れ出してもらう資格は、ないのだと春姫は言う。

悟ったように彼女は言う。

ベルは片膝を付き、声を荒げて返す。

 

「そんなこと、ないっ! 英雄は、春姫さんみたいな人を見捨てない! 資格がないなんて、あるわけない!!」

 

女神も義母も救えなかった出来損ない(ベル・クラネル)みたいなやつが、彼女の現実を否定することはできないかもしれない。けれど、ベルが憧れた英雄は、祖父が聞かせてくれたあの人達は、一緒にいてくれたあの2人は、決して裏切らない。増長かもしれないし、誇張かもしれない。それでも、ベルの知っている英雄なら、きっと、春姫を救ってくれるはずだと、言葉になっているのかわからない訴えに春姫は瞠目して、目を細めて、そして微笑んだ。

 

「きっと貴方様の大切な英雄様も、貴方のようにお優しいのでしょう……けれど(わたくし)は、可憐な王女でもなければ、怪物の生贄に捧げられた憐れな聖女でもありません」

 

天井を見上げ、穏やかな声で突き放すような響きをもって告げてた。

 

(わたくし)は、()()です。 未熟ではありますが、(わたくし)は多くの殿方に身体を委ね、床をともにしています。意志をもって貞淑を守るわけでもなく、お金を頂くために春をひさいできました」

 

自分のものとに訪れた男に身体を重ね、一夜限りの夢を見せる(春をひさぐ)。娼婦とは、つまり、そういうものだ。

 

「そんな卑しい(わたくし)を……どうして、英雄(かれら)が救い出してくれるでしょうか?」

 

男達はいつも笑みを浮かべていた。

肩を抱かれ、腹を撫でられた。

狐の尾を指で何度も弄られ、着物の上から尻を揉まれた。

襦袢(したぎ)の上から何度も胸を鷲掴みにされた。

服を脱げと、高圧的に命じられた。

魅惑的な線を描く臀部、着物の上からでもわかる肉の詰まった胸、そして月明りに映える儚げな美貌。娘と女の間を揺れ動く身体が、異性をこの上なく欲情させ、押し倒される。その全ての行為を受け入れていた汚らわしい娼婦を英雄がどうして救うのか。

 

「旦那様、娼婦は英雄にとって()()の象徴なのです……貴方様も知っている筈でしょう?」

 

自然と握りこぶしになっていたベルの手にそっと指を添えて諭すように言ってくる。

 

「汚れていると自覚したあの日から、(わたくし)にあの美しい物語を読む資格はございません。憧れを抱くことは、許されません」

 

「……」

 

(わたくし)は、ただの娼婦なのです。救われるべきではない…何かを望んでよい存在ではないのです」

 

悲しみに暮れるわけでもなく、笑みを浮かべ、ただ淡々と、彼女は全てを受け入れていた。いや、全てを諦めているのだろう。その細い首にはめられた黒い首輪が、枷のように鈍い光を放つ。

 

「……もう、刻限ですね」

 

煮え切らず、春姫に言い返せる言葉もなく、悔しそうに唇を噛むベル。春姫はそんな少年の前でそっと横を向き、窓の外を見る。歓楽街からは人気が少なくなり、灯りは減っていた。遊郭の賑やかな喧騒も今は遠い。ベルが落ちてきたことで穴の開いた壁からは少し冷たい風が部屋を冷やしてくれる。現実を忘れ御伽噺に思い馳せた楽しい時間はこれにてお終い。約束の時間だと少年へと告げ、春姫はその場から立ち上がる。

 

「とても、楽しい時間でございました……ありがとうございます」

 

お礼を告げてきた彼女に、ベルは何も返せなかった。

音を立てず、しずしずと歩く春姫に伴われて部屋を出る。はしたなく壊れた壁から出るようなことはしない。導かれるまま、あっさりと娼館を後にする。裏口から館の外に出て、遊郭も抜け、人の記憶から忘れ去られたような路地裏に入る。春姫が持つ行燈(あんどん)型の魔石灯が、暗い細道で揺らめく。

 

「この先は、『ダイダロス通り』に繋がっています。大通りに戻らずこの道を利用すれば、アイシャさん達に見つからない筈です」

 

足を止めた春姫の魔石灯が、先に見える複雑な路地の光景を照らし出した。

 

道標(アリアドネ)はわかりますか?」

 

「………大丈夫です。いざとなったら、跳べば何とか…なりますから」

 

「……そうですか」

 

言って春姫は魔石灯をベルに渡してくる。受け取って立ち尽くしたままの少年は、少女に「さぁ早く」と促され、迷宮街の入り口をくぐった。恐らくは自分の知らない迷宮都市の顔でも知ったか、自分には何もできないとでも思ったか、黙り、俯き、全てを諦めたような笑みを浮かべる少女を瞼の裏に浮かべて言い表せない何かが胸の中でモヤモヤとして、魔法を紡ぎながら、振り返る。

 

「【天空を駆けるがごとく、この大地に星の足跡を綴る】」

 

その場から動いていなかった春姫は、微笑みながら頭を下げた。小さな唇が、告げている「どうぞお気をつけて」と。まるで2人の間に境界線があるかのように、春姫は決してベルに付いてこようとはしない。

 

「【前へ(エンゲージ)】」

 

娼婦の少女に見送られながら、ベルは一歩、また一歩、進みながら、彼女から離れながら歌う。

 

「【恐れずして(リフト)】」

 

楽しかった。

楽しかったのだ。彼女と話す時間は。ティオナやアーディと同じく英雄譚や冒険譚、或いは御伽噺好きといった同じ趣味を持つ人物に出会えたことはかけがえなく嬉しいことだったのだ。それでも、住む世界が違うのだと現実は冷たくベルに突き刺さる。

 

「――――【前へ(テイクオフ)】っ」

 

最後の一節のあと、完成した魔法を解放する。【ビューティフルジャーニー】と。

淡い光が裏路地を一瞬、優しく照らし少女の瞳にそれが映る。石畳を軽く蹴って、ふわりと浮かんで、少女との別れを惜しむ少年の姿が。跳べば何とかなると彼は言ったが、成る程、魔法のことであったのかと少女は瞠目して、けれどすぐにクスリと笑みを浮かべた。その御姿がまるで御伽噺の住人のようであったからだ。

 

 

「……おさらばえ。おさらばえ」

 

嬉しかった。

ほんとうに、春姫は嬉しかったのだ。

彼と視線を交わした時。

獣欲でも肉欲でもない、ましてや『憐憫』など欠片も含まれていない、あの深紅(ルベライト)の瞳と出会った時、春姫がどれほど救われたか。

 

――春姫さんはどんな英雄譚が好きですか?

 

――『護人べリアス』? 僕もよく読んでました!

 

――それじゃあ、迷宮神聖譚(ダンジョン・オラトリア)とは違いますけど、『道化の物語(アルゴノゥト)』は……

 

純粋に輝く瞳は、年相応の無邪気な笑みが、春姫と喜びを分かち合うその弾んだ声が。何より、嬉しかった。いつもだったら客に『お話しよう』なんて決して持ちかけないのに。ましてや自分の境遇など絶対に語らない。男達から身の上話をせがまれ、嘘を交えて己の不幸を語れば、彼等は無意識的にせよ『同情』と『優越』を抱く。彼は―ベルは決してそんなものを抱かなかった。本当はそこに憐憫があったのかもしれないが、彼が顔を歪める理由は、己に対しての『無力感』だった。まるで()()()()()()()()のような、恐れがあった。彼に何があったのか春姫は知らない。けれど―――。

 

 

――そんなこと、ないっ! 英雄は、春姫さんみたいな人を見捨てない! 資格がないなんて、あるわけない!!

 

 

春姫にだってわかる。苦しそうに顔を歪める彼の身に、一体どうして何もなかったなどと言えるのか。英雄に対する絶対たる信頼や羨望があって、それに対するどうしようもない『劣等感』。だから言葉に詰まって、最後には何も言えなくなる。前に出すための足を、踏みとどめてしまう。

 

 

「……おさらばえ(さようなら)おさらばえ(さようなら)

 

部屋に戻り、彼が座っていた畳の上を、指でそっと撫でる。

まだ温もりが残っている気がした。

春姫はそれだけで幸せになれた気がした。

遊女の姐さんに教えてもらった言葉を口ずさむ。

客を見送る際に告げる、別れの挨拶。

普段は作りものの笑みを纏い、無感情に告げる筈のその言葉が、春姫の耳にはとても名残惜しそうに聞こえた。

 

もう一度、逢いたい。

もう一度、話をしたい。

あの御伽噺の住人のような彼と。

せめて、彼の真名()を聞いておくべきだった。

その想いを自覚しながら、別れの言葉を口にし続ける矛盾に、春姫はいつの間にか笑って、笑って、その頬から、静かに一筋の雫を落とすのだった。

 

 

『知っているぞ、淫蕩(いんとう)のバビロン! 貴様が犯した悪行の数々を! 一体何人の男を誘惑し、陥れ、悲惨な末路へと導いた!? 恥を知るがいい、妖婦め!』

 

英雄譚の住人、ビルガメスが怒りの声を上げていた。

 

『お前は生まれたその瞬間から不幸を振りまく存在だった。妻を…お前の母を死に至らしめ、三条家の血筋を継承する新たな命が生まれる機会を奪い去った! もう私から…この三条家から何も奪わせはせん!』

 

父親の怒声が、今もなお瞼を閉じた少女の中で木霊する。

ならば真実、サンジョウノ・春姫とは『破滅の象徴』なのだろう。

もう既に傷ついている彼を破滅させるなど、できるものか。

久しぶりに楽しい時間を過ごさせてくれただけで、十分ではないか。何より、春姫は知っている。そもそも、御伽噺の中の住人と一緒になるなどできるわけがないのだと。御伽噺は所詮、御伽噺なのだ。

 

 

 




アストレアレコード2巻、電子特典から輝夜が極東を離れた(ゴジョウを抜けた)のは12歳の頃と判断しています。

現在(正史で生きていたら)の輝夜の年齢は24歳。
春姫は16歳のため、2人の年齢差は8歳。

そこから、輝夜が極東を離れた頃、春姫は4歳なのでは?と。
九家の一つである『ゴジョウ』の娘であった輝夜が春姫個人を知らなくとも『サンジョウ』家の大まかなことをだいたい知っていてもおかしくはないだろう……としています。
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