アーネンエルベの兎   作:二ベル

98 / 138
めっちゃ長くなってしもうた。




英雄賛歌⑫

 耳を塞ぎたくなるような雷撃の音が響く。

退避していたフェルズ達の方にまでその雷光は届き、白く染まるほどに眩い。巨大な怪物の悲鳴だか叫喚だかはまるで聞こえない。

 

『~~~~~~~~~ッッ!?』

 

雷の檻に取り込まれて、のたうち藻掻く巨大な怪物。

胸元にある『宝玉』のある場所に剣を刺し込んで取りついてベルは歯を食いしばる。振り落とされないように、魔法を決して解かないように。肉の焼けるような臭いが鼻孔をくすぐり、フェルズ以外の嗅覚の利く者達は鼻を塞いだ。

 

「辛そうだな君達」

 

「「「「随分、余裕そうじゃないか」」」」

 

「ハハ、肉と皮を失ったこの身体では嗅覚などないからネ。しかしベル・クラネル……まさか、我慢比べをしているのか?」

 

歌人鳥(セイレーン)が、妖精が、竜女(ヴィーヴル)、そして彼女に抱きかかえられているカーバンクルが非難めいた目をフェルズへと向ける。その視線をフェルズはハハッと乾いた笑みを浮かべて皮肉なのかジョークなのかを挟んで肩を竦めてみせた。妖精の少女、ローリエが口を開く。

 

「彼は……【探索者(ボイジャー)】は、あの怪物……【暴蛮者(ヘイザー)】を倒せるのか?」

 

「いや……呪詛(カース)を使っているということはその分、なんらかの代償……例えば、【ステイタス】が大幅に下がるとか。しかし、宝玉の胎児に寄生され異形になってしまった今となっては、代償なんてあってないようなものだと考えて良い。ちなみにローリエ嬢、あの宝玉についてはどの程度知っている?」

 

「生憎と私の専門は『野外調査(フィールドワーク)』だ。そこまでのことは」

 

「成程、なら『宝玉』についてはいずれ主神にでも教えてもらうといい。勝手に教えてクレームをつけられても困るからね。さて……Lv.3のベル・クラネルが敵に有効打を与えられなかったことから考えれば、【暴蛮者(ヘイザー)】とベル・クラネルとの間には『レベル差』というものが存在しているのだろう。代償を払っている本来の状態、つまり人間だった【暴蛮者(ヘイザー)】相手だったならば見込みはあっただろうが……」

 

ベルがやっていることはフェルズから見ても自爆攻撃にしか見えなかった。魔法の残滓である『魔素』を利用して雷兵を生み出すという数の暴力は恐ろしい限りだし、属性は雷で破壊なりされれば爆発するというのは滅茶苦茶が過ぎる。その雷兵達が敵を取り囲んで放電を続けているのだ。雷兵はその身を破壊されては生まれ、滅びては生まれる。ベルの魔力が尽きない限りは。

 

「しかし、戦争遊戯では『ホワッド・ジャスティス』、今回は『アイアン』ではなく『トニトルス・メイデン』か……」

 

「? なにか問題が?」

 

「前者は『処刑危惧』の名称だ。『ギロチン』の方が有名かな? 後者の……恐らく元にしただろう『アイアン・メイデン』は『拷問具』の名称だ。女性の形をしていて内側が空洞となった人形で内側に向けて長い釘がある。犠牲者の悲鳴は外には漏れないようになっているそうだ。それを雷に当てはめてみれば、ふむ……雷兵が女性のみというのは、そういう理由か……それでいて取り囲んで内側にいる敵に連続して放電しているのか……顔に似合わず趣味の悪い……一体、【アストレア・ファミリア】はどういう教育をしているのか」

 

やれやれ、と頭を振るフェルズ。

他の異端児達や密猟者達はどうなったのか気になるところだが、近づくこともできない。などと様子を窺っていると、雷光が消えて暗くなっていく。どうやら、終わったらしい。

 

 

 

「ぅ、ぁあああああッ!!」

 

魔力を放出し続ける。

雷の身体の女達は敵の身体に取りついて離れることなく、爆発しては新たに生まれるを繰り返す。ハーレムだぞ泣けよとばかりに取り囲んで、巨大な怪物の叫喚は外部に届かず轟雷にかき消されてしまう。爆発した際に発生する雷撃は直線を描くように敵の外から内へ向かって貫き、肉を焼く。いくら斬っても意味がなかった。ベルにはこの巨大な気味の悪い怪物を倒す光景(ビジョン)が思い描けなかった。敵の足元に縦穴を見つけた時、1つだけ打つ手を見出した。それが、今だった。

 

『ヂ……グ、ショ……ウ………ッ……ッ!!』

 

のたうち回るように蠢く巨体。

轟雷の中で、理性などなく叫喚を上げるだけだった怪物の口からうめき声のようなものが漏れる。

 

『フ……ザケ……! オ、オデニ命令……シ、シシ、シテイイノハ……俺ダケダ……!?』

 

それは、ベルの知らないこと。

千年前から連綿と続く、始祖ダイダロスの執念に、血の呪縛に対する義憤と怨嗟から出た怪物ではない彼自身の自我が言葉を紡がせたものだ。歯を食いしばって振り落とされまいとするベルには聞こえていないのか、それでもなお彼は怨嗟を吐き出すように怒りに満ちた声を漏らす。

 

『俺ハ……間違ッ……ネェ……、俺、ハァ被……ッ、者ダ……ァ!』

 

何度も身体を雷に貫かれ、焼かれる。

己を取り囲むのは雷でできた身体の女達。

のたうち、藻掻き、その度に広間の床や天井、壁に傷が生まれていく。そして、がくり、とバランスが崩れた。

 

『――――――』

 

「もう、ひと押し……!」

 

一瞬、間が空く。

そして次に起きたのは、落下だった。

 

『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!?』

 

 

広間にあった縦穴から巨大な怪物が落ちていく。

それに連なって広間を白く染め上げるほどの光もまた、消え失せた。遅れてフェルズ達が広間へとやってくる。そこに巨大な怪物の姿はなく、床には落ちるのを抵抗したのか掴まっていたような傷痕がある。

 

「異端児達は無事か!?」

 

「生きて……ますね、ただ全員、感電して痺れているみたいです」

 

ローリエが倒れている密猟者達を警戒しつつ言うと、竜女(アーデ)は異端児達に駆け寄って様子を見て答える。敵も味方も男も女も平等にビリビリと身体を痙攣させている。

 

「襲われると面倒だからついでに……か?」

 

「可能性はある」

 

『ベルサンの姿が見えませン』

 

「一緒に落ちたと考えるべきだろう。リド、意識はあるか?」

 

『ウギギ……頬にいい蹴りを貰った気がするぜぇ……』

 

「そうか」

 

頬を摩る蜥蜴人(リド)はまだ痺れる身体のせいで座ったまま答える。羽ばたきの音を立ててホバリングする歌人鳥(レイ)は姿の見えないベルを案じているのか周囲を見渡している。フェルズはまだ動けそうにない異端児達を案じつつも密猟者達を警戒し、男神がどこへ行ったのか思考を巡らせた。

 

「アーデ、あの男神のことは知っているか?」

 

「………私に、生きる術を教えてくださったお方です」

 

「そうか」

 

彼女がいつから、どうやって生きていたのかはわからない。ただ、Lv.4のフェルズから見て皆からアーデと呼ばれている彼女は戦闘能力があるようには見えない。それは、行動を共にしていた異端児達の口からも証言は取れている。しかし、わからない。彼女のことがではなく一瞬とはいえ姿を現した男神エレボスのことがだ。

 

『グ……ラーニェ、リド、ドウナッタ……?』

 

『知らん。頭がおかしくなったことは覚えているが……今は雷に撃たれたように動けそうにない』

 

『実際撃たれたんだよ俺達は……けど、あの神様はいったい、なんだったんだ? 神様が俺達を認めてくれたって気がしけどよ……気づいたらいなくなってたし、何がしたかったんだ?』

 

重く痺れる身体をひきずるように、胡坐なり楽な体勢になる異端児達。密猟者達は身体をビクビクとさせているが動けそうにないようで、狙い時だ。それでもトドメを刺す余裕すらないようだった。リドの言葉にフェルズは眼球さえあれば細めていただろうくらいに顎に手を当てて答えのない思考の迷宮を巡る。

 

(アーデが迷宮を彷徨い続けた、異端児達と出会ったのは暗黒期終了とほぼ同時期だ。ならば、男神エレボスと出会ったのはその後か……? 生きる術を教えてもらったと彼女は言った。『悪』を標榜していた彼が? 何のために? 眷族にするつもりだったのなら、何故、先程助けなかった? いや、それより気になるのは……何故、仲間である【暴蛮者(ヘイザー)】に『宝玉』を寄生させて人ではなく『怪物』に落した?)

 

闇派閥は何も1つの派閥というわけじゃない。

複数の派閥が1つの連合を組んでいると言った方がいい。仲間意識があるのかどうかはわからないが、少なくとも7年前は連携があったはずだ。それにディックスの口ぶりからして闇派閥内でエレボスの評価は落ちているように思えた。

 

<負け(いぬ)が今更しゃしゃり出てくるんじゃねえぞ!>

 

「むぅ……」

 

フェルズは呻る。

広間の奥にある通路の先を見つめる。

あの何がしたいのかわからない男神は、果たしてあの通路の先にいるのだろうか。そう思案していた矢先、ペタペタと足音が通路より聞こえてきた。襤褸を纏う未だ名を持たぬ竜女の娘(ヴィーヴル)だ。

 

「みんな……!」

 

幼声の彼女は瞳を潤ませて駆け寄ってくる。

仲間達は安堵の息を漏らす。

新入りで、幼くて、『竜』種であるにも関わらず右も左も分からない末っ子が故に。

 

「―――――何故、君は無事なんだ?」

 

フェルズがぞわりとした悪寒を感じたのと同時、それは縦穴から()()()

 

 

×   ×   ♪

人造迷宮

 

 

轟雷の檻が消え失せながら落下していく。

巨体は重く、その分落下速度は早い。

それはどれくらいの時間か、あっという間に下の階層へと到達する。ドンッと叩きつけるような音と共に巨体の怪物は背中を叩きつけるように床に落ち、胸に剣を突き刺していたベルは落下する直前で上へ飛ぶことで落下の衝撃を殺した。

 

「ただ落ちただけでも倒せないなんて……」

 

脅威的な再生力を持っているのか、落下で叩きつけられた身体も修復を始めている。雷に撃ち貫かれて肉が焼けてこそいるがそれもすぐに治ってしまうのだろう。巨体を蹴って床に足をつけて、落ちてきた縦穴を見上げる。どういうわけか、修復されるような兆しは見えない。

 

「これは……煙水晶(スモーキークォーツ)眼装(ゴーグル)に……槍?」

 

怪物の身体から床に落ちた装備品。

それは見おぼえるのあるものだった。

格好いいななんて思ったし、スチームパンクというのはこういうことを言うのかもしれないなんて思った。あの眼装の冒険者の持ち主だとベルは拾い上げた。

 

「この眼装の持ち主の冒険者は……こいつにやられた……?」

 

戦って、けれど敵わず破れた。

槍は怪物の身体に突き刺さり、喰われた冒険者の亡骸が体外に排出されたように眼装だけが出てきたのだろう。罅割れて修理しないと使えそうにないし、結局あの冒険者の名を知ることもなかった。ベルは短く黙祷し、眼装を首にかけ、槍を振るって血を掃い、自分が落ちてきた場所を見上げた。

 

「普通なら、縦穴も修復されるんじゃなかったっけ……?」

 

妙に自分の知識と合わない気がして、首をかしげてしまう。

そういえば助言してきた人物達は何者だったんだろうか、リューはどこに行ったんだろうか、ひょっとしてただの見間違いだったのだろうか。思うことはたくさんある。

 

「ゴク、ゴクッ……ひとまず、この怪物も修復されるまで動きそうにないし、さっきの広間(ルーム)に戻ろうかな……あの人達のことも気になるし」

 

小鞄(ポーチ)の中に入れていた精神回復薬(マインドポーション)で魔力を回復させて詠唱を始める。塞がらない縦穴を一直線に上るため【ビューティフルジャーニー】を使おうと考えたのだ。

 

「あの黒衣のヒト、何か知ってそうだし……調べなきゃ……アリーゼさんに怒られる」

 

勝手にどこに行ってたのかなあ~なんて笑顔で背後に炎が燃え盛るアリーゼが浮かぶ。普段は優しいがベルは知っている。祖父と叔父がその目にあっているのを確かに見て記憶に刻んでいる。美人は怒るととても怖いと。せめてこの未開拓領域について情報を持ち帰らないと、アリーゼだけでなくお姉ちゃんズに笑顔で怒られる未来しか予想できないのだ。

 

「よし、もう少しだけ頑張ろう……!」

 

ぴょんっ、と飛び上がる。

1階層分の深さを上昇していると、後ろからベルの横を通って細長い何かが通り過ぎた。それは、巨大な怪物の左腕にあった触手の1つだった。ベルよりも一足先に元居た階層へと到達すると、悲鳴が鳴り、叫喚が鳴った。

 

「……っ」

 

まるであの怪物の最後の悪あがき。

たった1本の触手はベルが元の階層に到達すると広間の奥にある通路で立っていた少女の足元で爆発したように散っていた。ベルよりも少し背丈の低い少女は頭を抱えるようにして俯き、苦しみの声を漏らしていた。そして、人型の姿が異形へと変わっていった。女体の上半身に腰から下は竜を思わせる長い尾、大きな翼に不気味な形相。それはベルが図鑑で見たことのある『竜女(ヴィーヴル)』と同じだった。苦しみ暴れ出した竜女(ヴィーヴル)は通路の奥へ消えていく。

 

 

 

×   ×   ♪

???

 

 

水面に映る光景を覗き込んでいたタナトスは、振り返る。周囲には跪く信者達がいる。彼等のいる広間へとコツコツと音を立ててエレボスが戻ってくる。

 

「エレボス~これって、どういう状況? イケロスの眷族()達もお客さんも諸共じゃん」

 

「死んだか?」

 

「いいや、むしろ大放電で武装したモンスターもイケロスの眷族()達も身動きを封じられているよ。怪物になっちゃったディックスはそのまま9階層に落された」

 

「……Lv.5相手ではレベル差のせいで倒しきれない、か。まあいい……あとは誘導するだけか」

 

「誘導って……どこへ?」

 

付き合いがそれなりにあるタナトスであってしても、エレボスの企みがピンとこない。ディックスは宝玉の胎児を取りつかせたことで呪詛を吐き出す怪物へと成り果てたし、水面に映る光景は滅茶苦茶だ。ベル・クラネルを倒す、侵入者たちも倒す、というのであればディックスをわざわざ怪物にする必要すらなかった。あれでは暴走させ損だ。タナトスが訝し気にエレボスへ問うと、エレボスの背後より女が姿を現した。赤く一本に結わえられた長い髪に、胸、肩を守る軽鎧に手甲を装備し、腰には長剣(ロングソード)を佩いている。緑の色を帯びる瞳は冷たく鋭い。

 

「用意が終わったぞ、エレボス」

 

「……ヴァレッタは?」

 

「既に地上に上がっている」

 

「よろしい、ではタナトスの信者諸君、武装したモンスターと兎の誘導(エスコート)を頼んだぞ」

 

微笑を浮かべ、エレボスはディックスから回収した『手記』と『D』と刻まれたこの人造迷宮を移動する上で必須と言っていい道具を白装束の信者へと手渡した。そしてタナトスの横を2人は通り過ぎていく。去り際、立ち止まったエレボスはタナトスの問いに答える。天井を指差して。

 

「地上への誘導だ」

 

「……………」

 

「さあ諸君、素晴らしい戦績を共に残そうじゃないか」

 

 

×   ×   ♪

地上

 

 

 賑わいを見せる都市は、今日ばかりはその騒がしさを少しばかり変えている。ダンジョン内でモンスターが暴走し宿場街が壊滅したからだ。命からがら逃げてきた冒険者達は至るところに傷を負って、もう一歩も動けないとばかりに座り込み治療師達からの治療を受けている。

 

「【アストレア・ファミリア】と【ガネーシャ・ファミリア】が行ったんだ、大丈夫だろ」

 

とは誰もが思うところ。

都市の秩序を守る派閥に対する信頼からくる言葉だ。

中央広場(セントラルパーク)に避難していた人々でさえ、少しの辛抱をしていれば帰れるのだとそう思っていた。オラリオは少なくとも混乱に包まれていた。ギルド本部には恐慌に駆られた住民が押し寄せ、『鼻』の利く商人は最悪の事態――暴走するモンスターの『地上進出』を危ぶみ、娯楽に飢えた神々だけが取り乱すことなくこれから始まるだろう混沌(カオス)を楽しんでいた。

 

「アリーゼ、みんな……」

 

無事だといいのだけれど。

不安が胸の奥で疼く。

悩ましい胸に手を当て、眷族達のことを思っていた時、事態は動いた。悲鳴が、怒号が、爆発が、あらゆる騒音が『ダイダロス通り』から轟いてきたのだ。

 

「何事だ!?」

 

「わかりません!?」

 

「南東から!? ダイダロス通りか!? すぐに何があったか調べろ!」

 

ギルド職員、地上に残った都市の憲兵達が慌ただしく動き出す。民衆達の顔色は不安に染まっていき、待機状態にあった冒険者達にも緊張が走る。

 

「アストレア様!」

 

「アーディ、何かあった?」

 

「あ、えと、まだわからなくて……アストレア様の姿が見えたので」

 

「心配してくれたのね、ありがとう」

 

齢を20越えても少女を思わせるアーディの頭を優しく撫でる。彼女は照れくさそうに頬を染めた。きっと彼女自身も不安で友人の主神だからこそ声をかけてくれたのだろうとアストレアはそう思って微笑を浮かべた。アーディの頭を撫でながら、アストレアは視線を巡らせる。『ダイダロス通り』で何かが起きた。ならこちらでも何か起きてもおかしくないとそう思ったのだ。

 

「アーディ、『ダイダロス通り』にも【ガネーシャ・ファミリア】が?」

 

「ええっと、私達の派閥は都市全域に班分けして展開させてるんですけど『ダイダロス通り』には【ロキ・ファミリア】が来てくれて……」

 

「【勇者(ブレイバー)】の考えね?」

 

「はい、あの、お耳を」

 

あまり周囲に人のいる所で言えた内容ではない。

アーディに言われ、アストレアは髪を耳にかけるような仕草をしながら彼女へと向ける。その仕草に同じ女性であるアーディでさえドキッとしてしまったがブンブンと頭を振って耳打ちする。

 

闇派閥(イヴィルス)が住処にしている人造迷宮(クノッソス)の入口の1つが『ダイダロス通り』にあるので、拠点で待機しているよりも『ダイダロス通り』を包囲していた方が良い、と」

 

「さっき聞こえたのは、彼等が戦闘を始めたということなのかしら?」

 

周囲には聞こえないような会話。

そして、アストレアの瞳に怪しげな者達が映る。民衆とそう変わらない服装をしていながら、周りをキョロキョロと見渡し、己の胸元を、腰をまさぐる動作。

 

「そこの貴方、何をしているの?」

 

アストレアがそう言うのと同時。

狂気染みた笑みを浮かべた男が、女が、刃を走らせた。

 

「―――――え?」

 

こぽっ、と複数のアマゾネスの首から、腹から、胸から、血液が零れた。そしてすぐに力尽きたように倒れ、動かなくなる。凶刃握る者達は壊れたように笑い、叫んだ。

 

「「「「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!」」」」

 

「皆、その人達を捕まえて!」

 

「タナトス様ぁあああああああああ! 万歳ぃいいいいいいいいいいいい!」

 

「死後の再会、その約束を胸にぃいいいいいいいいい!」

 

「今度こそ滅べ、オラリオおおおおおおおおおおお!」

 

 

×   ×   ♪

人造迷宮

中央広場(セントラルパーク)で騒ぎが起こる少し前。

 

 

縦穴から昇ってきた1本の触手が、竜女の娘(ヴィーヴル)の額を弾く。遅れてベルが戻り、剣で触手を切るが、手遅れ。まるでデコピンでもするような動作、そのせいで額にあった紅石が剥がれ落ちる。戸惑い、時を止める。からんころんと軽い音を奏でて石が転がり、そして触手が破裂する。黒い血液が内側から零れだし、それは竜女の娘(ヴィーヴル)の身体を濡らす。

 

「あ、え………え……?」

 

「まずい……!」

 

「紅石を、戻さなくては!」

 

アーデが、ローリエが、レイが、フェルズが時を戻す。

しかしもう遅い。

最初に走り出したのは、アーデだった。小さな体で、歯を食いしばって、必死に走る。この騒ぎに気付いた異端児達は新しい同胞のカーバンクルを見ていたが、虚をつくような一瞬の出来事に青ざめ、アーデの後を追いかけるように走り出そうとする。

 

『ウ、グァァアアアアアアアアアアアッッ!?』

 

身体が変わっていく。

翼が生え、人相が変わり、小さな体が成長していく。

女体を持つ上半身に両脚は1つにまとまり竜の尾となった。

本来の竜女(ヴィーヴル)の姿だ。

頭を抱えて苦しみ、暴れ出し、のたうちながら通路の奥へと消えていく。

 

「く……っ、ラーニェ、私を投げなさい!」

 

「何っ!?」

 

「その方が早い!」

 

「くそっ!」

 

小さな体に鞭を打って走る少女の珍しい怒声に、人蜘蛛(アラクネ)が一瞬躊躇い、舌打ちをして少女に糸を伸ばす。腰を捻って鞭を振るうような投擲で少女をぶん投げると、少女は床に転がる紅石を掴み取り、勢いそのまま、暴走する竜女の娘(ヴィーヴル)にしがみついた。

 

「ど、どうするんだ!?」

 

「追わないと!」

 

『シカシ……!』

 

「グロス、このまま放っておけないだろう!?」

 

『ワカッテイル……!』

 

怪物達が慌ただしく後を追う。

通路がどこへ通じているのかなどわからないが、追わなくてはいけない、救ってやらなくてはならないと仲間意識がそうさせる。妖精の少女とレイ、フェルズも追いかけようとするが、そんな彼等の前にベルが立ちはだかる。

 

「貴方達は、何者ですか? 未開拓領域(ここ)のことを知っているようですけど、ギルドに報告しないといけないの……知らない訳じゃないですよね?」

 

「ま、待ってくれ! 今はそれどころじゃ!?」

 

「ダンジョン内でモンスターが暴れるなんてよくあることです。追いかけた結果、自分の身が危なくなるかもしれない……そんなことに情報を持ってそうな人を行かせるわけにはいかない。そこらで倒れている冒険者も同じです」

 

だから動けないようにした、とベルが言う。

ローリエは冷ややかなベルの眼差しにローブを摘まみ俯く。フェルズはベルの言葉にぞっとする。何をしていたのか見ることは敵わなかったが、ベルは『ディックスの怪物』を下の階層に落すだけでなく、身動きを取れなくするために周りの密猟者と異端児達にまでその余波を浴びせていたのだ。

 

「ぐ……ま、待ってくれ、【探索者(ボイジャー)】……事情は話す。だから今だけはどうか……!」

 

「全身を外套(ローブ)で纏って……貴方達もあの変なモンスターと同じなんですか? 戦争遊戯の時にも戦ったけど……あれが徒党を組んでたら僕じゃ相手しきれない。去ってくれた今しかないんです」

 

「待て待て待て!? 私達は人間だ! あ、いや、私の場合は『元』がつくが!」

 

「元? 人間に元も何もないでしょう」

 

「そうだが! しかし、元、なんだ!」

 

「…………じゃあ、脱いで」

 

「!?」

 

「!?」

 

「!?」

 

剣を外套のフードへ差し込みながらベルは言う。人間だというなら姿を隠すな、正体を見せろ、そういうことなのだろう。中身を見れば人間かどうかなんてすぐわかる。『元』人間ってなんだ。人間に『元』も『今』もあってたまるか。ベルの言いたいことはなんとなくわかったフェルズ達は驚きと共に羞恥に染まる。

 

「男のヒトっていつもそうですよね!?」

 

「そういうのいいんで」

 

「く………!」

 

<ローリエ、今のは何ですか? 地上で流行っているのですか?>

 

<だいぶ古いぞ>

 

「………そこの歌人鳥(セイレーン)…どこかで、会ったことありますか?」

 

「イ、イエ、ハジメテデス……ワ、ワタシハ善良ナ、セイレーンデス!」

 

<こ、この後に及んで!?>

 

<貴方モ顔を隠して……人のこと、言えますカ!?>

 

<だ、だって!?>

 

言い合いするベル達。

まるで「やっとる場合か」とでもいうかのように、ゴゴゴ、とこれまた音が鳴り響いた。それはベル達の足元を揺らし、立っているのも危うくなりそうなほど。

 

「く……!? 今度は、何……!?」

 

「ベル・クラネル、今は、今だけはどうか! ちゃ、ちゃんと説明しよう! 君の女神に誓おう! だからどうか今だけは、今だけは……!?」

 

「………」

 

『シャァアァァァァァアアアッ!!』

 

乱れた襤褸を直すフェルズは必死に説得する。

ベルも流石に揺れから身の危険を感じて、仕方ないと剣を下ろす。ふぅ、と胸を撫でおろす間も与えられず、今度は後方、自分達が通ってきた通路より水黽の怪物が群を成してやってきたではないか。そのカサカサと動く怪物に少女達はぞっと怖気を催して悲鳴を上げて走り出した。

 

 

「ところで、【疾風】……リュー・リオンさんを見てませんか!?」

 

「「見ていない!!」」

 

フェルズとローリエの声が重なる。

頭上を飛ぶレイがなんとも言えない顔で、仲間達の位置を補足する。そう時間は経っていなかったようで追いつけないほどではなかった。しかしそれよりも後方の怪物が追い付くのが早いだろうか。このままでは前を行く異端児達に追いつく前に追い詰められてしまうと呻くフェルズ。まるで誘導でもしているかのような行軍。

 

「あうっ!?」

 

足をもつれさせて、1人の少女が倒れる。

 

「ローリエ嬢!?」

 

「ローリエ!?」

 

 

じんじんと痛む顔に手を当て、そしてすぐに怪物共の気配を感じて振り返る。不気味で生理的嫌悪を催す怪物の赤い眼球が怪しく輝く。きっと今にも少女へと飛びついて喰らうことだろう。

 

(あぁ、やはりバチが当たった――)

 

怪物どもの爪牙が迫る光景を前に、エルフの少女、ローリエは思った。

そもそもが、エルリアの貴族の屋敷で発見した異端児が事の発端だった。地下の拷問室に鎖で繋がれたモンスター。人の所業とは思えない辱め、仕打ちを受けていたそ怪物はローリエとその仲間達が踏み入った時には既に虫の息だった。死に絶える間際、遺品(ドロップアイテム)を同胞に渡してほしいとそう言われ、受け取り、そして彼等が何なのか知りたくて、そして、義憤に駆られて勝手な独断行動をとった。こんなことが知られれば派閥にとって不利益なのは分かり切っているのに、踏みとどまることができなかった。派閥の集まりにも顔を出さず、きっと今頃、主神のヘルメスも団長のアスフィもこの独断に怒っていることだろう。

 

「くっ……」

 

倒れた拍子に被っていたフードがはがれる。

結わえた金の長髪と濃緑の瞳はこれぞエルフと言わんばかりで、大人に近づきつつある妙齢の顔立ちもあって異性を引き付ける。彼女に微笑まれれば、隣に晩酌に付き合って欲しいという冒険者が後を絶たないだろう。能力はLv.2で立派な上級冒険者。【ヘルメス・ファミリア】において都市外担当をしている彼女の知名度は低い。結局のところどうしたいのか、解決策も何も浮かばず、フェルズが以前指摘したように無能を晒しただけ。地上の話をしたときこそ彼等は幼子のように瞳を輝かせてくれたが、それだけだ。少女には力がなかった。力がない上に独断行動、だから、バチが当たってしまったのだ。

 

『シャアァアアアアアアアアアッ!!』

 

信じられないほどの怪物の大群に、転んでしまった少女は体勢を立て直すなどとてもとても……間に合わない。聞こえる地響きはきっと、崩壊の音。フェルズやレイ達は振り返りこそすれ助け出す余裕はきっとない。たった1人、孤立無援。アスフィ達と比べてダンジョンの探索回数が浅いローリエではこの窮地をくぐり抜けられない。

 

(派閥を裏切るような行為……エルフらしからぬ不誠実な真似、我等が奉ずる大聖樹が許す筈もなかったんだ……申し訳ありません、ヘルメス様)

 

潤む瞳。

消え去る怪物どもとの距離。

眼前に水黽の怪物達の『爪牙』が迫り来る。

諦観とともに主神への謝罪を胸にローリエが運命を受け入れようとした、その時。

 

「【アストラルボルト】ォーーーーッ!」

 

ローリエの背後から()()()()()()()()()()()炎が吹き荒れ、怪物どもを飲み込んだ。

 

「……えっ?」

 

汚い断末魔が星炎の中に閉じ込められ、爆散する。

更にローリエが知覚するよりも早く、その炎の持ち主は『殲滅』を開始した。たった鏡のような剣身を持つ剣を用いて水黽達を解体、背後から飛び掛かろうとする個体を左手をかざして星炎で吹き飛ばす。早すぎる闘舞の中、ローリエの目には鮮烈に光る深紅(ルベライト)の眼光が焼き付いた。無数に舞う不可思議な火の粉を背に、自分よりも年下の少年が振り返る。その深紅(ルベライト)の瞳に見つめられた瞬間、ローリエはこれまで経験がしたことがないほど心臓を高鳴らせた。差し伸ばされた彼の手に自分の手を乗せれば、引き寄せられ抱きかかえられる。

 

「リューさん!?」

 

「ち、違う、私は【疾風】じゃ――――」

 

「いや違う……誰ですか貴方は!?」

 

「私はローリエ! ローリエ・スワルだぁ!」

 

悲鳴にも近い声で名乗るローリエ。

ベルは自分が追っていたのは彼女だったのではないかとここで気づく。リューと似た金髪だ、綺麗だ。綺麗なエルフさんだ。ベルは思う。そういえばアリーゼ達は『闇派閥』なる悪党どもと戦っていたと。奴等は人様の嫌がる事ばかりを嬉々として行う最低最悪糞共だと輝夜達は言っていた気がする。ひょっとすれば【アストレア・ファミリア】に所属しているから、自分の嫌がることをやろうとしている? まさか、僕が金髪エルフに憧れを持っているのを知っていて、リューさんに似ているエルフさんを使って罠を……? なんて奴等だ。許せない。ひょっとして奴らは『リュー・リオン、クローン化計画』を!? おのれ……!!

 

「おのれ闇派閥(イヴィルス)!! 第一、リューさんはこんなに厚着しない! ブルマを履いて出直してください!」

 

「私は闇派閥(イヴィルス)じゃない、信じてくれよぉお!! 私を辱めないでくれぇ!!」

 

ベルにお姫様抱っこをされながら、ローリエは泣きそうになった。勝手に勘違いされて闇派閥扱いである。泣いてもいいまである。

 

「2人とも、危ない!」

 

それはレイとフェルズ、どちらの声であったか。

怪物の大群を殲滅したと思った矢先、ローリエとベルの足元は崩壊し、ほんの一瞬の浮遊感の後、落下していった。キャァァァァというローリエの可愛らしい悲鳴が遠ざかっていく。

 

「く……まさか、崩壊しているのか!? どれくらいの規模だ!?」

 

「ベ、ベルさぁン!」

 

「レイ、追うな! ダメだ、彼ならきっと大丈夫だ!」

 

「うぅー……ベルさぁン!」

 

「私達も崩壊に巻き込まれるぞ!?」

 

フェルズに説得され、レイはフェルズと共に通路を進んでいく。やがて人造迷宮の8階層は崩壊した。

 

 

 

「待って、待ちなさい……止まって!」

 

アーデは叫ぶ。

苦しみ叫ぶ竜女の娘(ヴィーヴル)を助け出そうと、その体にしがみつき、必死に理性を呼び戻そうとする。額に紅石を填め込めば、きっと治るはずだと一縷の望みに縋るが、暴れる怪物相手ではしがみつくのがやっとだった。

 

『ォオオオオオオオオオオオッ!』

 

異端児達が吠え声ながら追いかけてくるのが見えた。

けれどそれよりも早く、眩い光が視界を眩ませた。地上の光だ。アーデが覚えていない、地上の光。

 

『ガァァッ!!』

 

「―――ふぎっ!?」

 

飛び出し、のたうち、しがみついていた身体から振り落とされる。口の中を噛んだか、血の味が広がっていく。触れた地面は冷たい迷宮のそれではなく、温かくて肌を撫でる風さえダンジョンとは違う気がした。空を覆うのは迷宮の天井ではなく空を飛ぼうとも届かないと思うような空。雲に覆われて暗くはあるが、少なくとも人造の迷宮とも天然の迷宮とも違う。どこか懐かしささえ感じた。そして人間の悲鳴を聞いた。

 

「怪物だ!?」

 

「どうしてこんなところに!?」

 

怪物がいることの何がおかしいというのだろうか。

そう思って、だけど、嫌な予感がして少女は痛む体を無視して無理矢理に立ち上がり、竜女の娘(ヴィーヴル)へと駆けだした。すれ違うように、背後から()()()()()が飛来し竜女の娘(ヴィーヴル)を貫く。

 

『ア――アアアアアアアアアアアアッ!?』

 

「あ……」

 

左手を翼ごと貫かれて、建物に磔にされていた。

怪物である自分達を殺す、人間達の武器だ。槍の飛んできた方に振り返ればそこに、金髪碧眼の少年らしき男がいた。周りにも人間が一緒にいたが、その群れの中でも小さく見えた。

 

「まだ住民達の身に被害は及んでいないようだな」

 

竜女(ヴィーヴル)が2体……?」

 

「あのモンスターって18階層と関係あるの? 枷みたいなのはついてるけど、武装してる?」

 

「それはわからないが……ギルドはこれを予想して多くの【ファミリア】に待機命令を出したのかもしれん」

 

「ちッ、だったら先に言っとけっての」

 

「団長、あのモンスターは……」

 

「額の紅石がなくなっている。早急に()()する」

 

あの連中は強い、と少女は感じとった。

長年、人間とも怪物とも逃げて生き延びてきた彼女だからこその勘がそう告げていた。

 

「あ……う……ぁぁ……」

 

心臓の鼓動が五月蠅い。

だけど、動けないでいるのはダメだ。

このままでは殺される。

彼女も、自分も。

どうしてこうまで必死になっているのか彼女でさえわからない。ただこのまま運命に身を委ねてしまうのは、嫌だった。隠れて自分だけが助かろうとすることももっと嫌だった。

 

<目を背けてんじゃねえぞクソガキ! ()()()()()()()()()()()()! 化物共も化物共だ! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!>

 

散々、私を利用し異端児達をいたぶってきたあの男はどうなった?

怪物に成り果ててしまったではないか。お前達と同類だなんて冗談じゃない。それだけが彼女を奮起させる唯一の『怒り』だったのかもしれない。

 

「う、うぅ……!」

 

呻きながら、もがき苦しむ竜女の娘(ヴィーヴル)の身体をよじ登る。額に紅石さえ戻せばきっと救える。あと少し、もう少し。必死になって腕を伸ばして、そしてドスンと小さな体を巻き込んでもう一本、怪物の身体を何かが突き刺さった。

 

「―――ゲハッ」

 

血を吐く。

身体が熱い。

動けない。

竜女の娘(ヴィーヴル)の絶叫が響く。

ゆっくりと何が起きたのか、身体を見下ろしてみれば、鳩尾より少し下の辺りに棒が突き刺さっていた。否、槍だ。

 

 

「いゃぁああああああああああっ!」

 

どこかから、女の声が響いた。

やかましい、どこか芝居めいた悲鳴だ。

力が抜けていく少女は、彼女の額に紅石を嵌めて、身体を伝って落ちていく血溜まりに視線を落した。サラサラと音を立てるように灰のようなものが散っていく。血だまりに少女自身が映っていた。竜女の顔が少しずつ、剥がれ落ちていく。

 

 

「フィンが! 私達の勇者様が! 小人族(パルゥム)の希望が!」

 

音が遠い。

竜女の娘(ヴィーヴル)は意識を失ったのか、虚脱し、人の姿へと戻りつつある。あとはきっと、隠れているだろう異端児達が何とかしてくれるかもしれない。間違いしか犯せずなぁなぁに生きてきた自分の末路としては、まあ、良い方なのかもしれない。薄れゆく意識の中で、少女は僅かに微笑んだ。その微笑みは何も竜女の娘(ヴィーヴル)を救えたからというだけではない。血だまりに映るその姿、本当の自分の顔を見た身体。

 

(………ああ、私、そっか)

 

変身魔法。

それが彼女が持っていた異能。

ずっと、ずっと常用してきた結果、自分の本来の姿さえ忘れてしまった。だけど今、彼女はようやく思い出すことができたのだ。人間に、戻ることができたのだ。そして一番最初、幼かった頃に抱いた『願い』を思い出す。

 

(私はただ、帰りたかっただけだったんだ)

 

瞼が閉じられ、だらりと腕が下がる。

ポタポタと血が流れて、人々の目には怪物と共に串刺しにされた小人族(パルゥム)の少女が映った。

 

 

 

「フィン!?」

 

「―――――」

 

その状況を、彼等は見ていた。

投擲されたのは寸分違わずフィンの得物と似通った偽物(レプリカ)。轟く芝居じみた女の悲鳴は、フィンの名声をあっという間に破壊する。

 

 

「フィンが! 私達の勇者様が! 小人族(パルゥム)の希望が! なんてことなの!? ()()()()()()()()()()()()を殺すなんて!!」

 

落ちぶれた種族などと言われる小人族(パルゥム)達の希望となろうと、いろんな野望を抱えてここまでやってきた。そんなフィンの名声を、その女の声が、言葉が壊していく。いくらでも弁明もできよう、違う、と言えよう。だが、()()()()()()()()()()。フィンの得物と似通った得物は同胞の身体を怪物ごと貫き、その光景を、フィン達以外の人々も見ている。冒険者ではない者達の目にはその言葉こそが真実になってしまう。

 

「フィン、しっかりしろ、フィン!」

 

フィンは、耳鳴りがしているような気がした。

親指の疼きが、彼の心を表すように消えていく。

仲間の声に反応すらできない。

しかしまだ終わらない。

 

 

「きゃぁあああああああああっ!?」

 

「今度は何だ!?」

 

悲鳴が鳴る、轟く、響き渡る。

1つ、2つ、どんどん増える。

黒い影がフィン達のいる高台に昇る。

それは人だった。

黒衣で全身を覆って、目を閉じないように開けた状態で固定され、凶器を握っている。暗殺者だ。彼等は最初から狙っていたようにティオナとティオネへと襲い掛かった。

 

「何なのさ!?」

 

「邪魔くせぇ! てめぇら、団長を嵌めやがったな!?」

 

混乱落ち着く間もなく、まだ起こる。

悲鳴は都市の至る所で鳴り響いた。

アイズやベート、ティオナにティオネが暗殺者へ対処しようと飛び降りた、その時。

ダイダロス通りが、爆発した。

 

「なっ!?」

 

「ぬぅ!?」

 

「ガレス、リヴェリア!?」

 

「くそっ!?」

 

自分達が立っていた場所が崩壊する。

結界を張っていたリヴェリアは言うに及ばず、咄嗟にフィンの腕を掴んだガレスもまた瓦礫と共に落ちていく。

 

「リヴェリア様ぁあああああああ!?」

 

「ガレスさあああああああああん!?」

 

凍り付き、青ざめ、悲鳴を上げる【ロキ・ファミリア】。

暗殺者達に襲われ、悲鳴を上げる女達。アマゾネスの死体が増えていく。

 

「ガレス、リヴェリア、フィン!?」

 

「お前は私だ」

 

「!?」

 

冷ややかな女の声がアイズのうなじを撫でた。

振り返る。

爆炎の中に、彼女はいた。

赤く一本に結わえられた長い髪に、胸、肩を守る軽鎧に手甲を装備し、腰には長剣(ロングソード)を佩いている。緑の色を帯びる瞳は冷たく鋭い。その姿を、その人物を、誰もが知っている。

 

「え、あれ、なんで!?」

 

「18階層にいるはずじゃないのか!?」

 

「【紅の正花(スカーレットハーネル)】……どういうことだ!?」

 

人当たりの良い彼女。

いつも快活に笑うアリーゼのことを知らない者などいない。【ロキ・ファミリア】の仲間達が「クノッソスで何かあったのか?」と口にしながら近づいていく。アイズもまた、現れた彼女がアリーゼだとばかり思っていた。けれど、その目付きに違和感を感じて、戦いに身を置き続けたからこそなのか、勘が警鐘を鳴らし、アイズは叫んだ。

 

「ダメ、ロイド、レミリア、クレア、皆、その人に近付かな――――」

 

「遅い」

 

仲間達が、一瞬で切り分けられた肉にされた。

血飛沫が金の瞳に焼き付く。

いくら最大派閥などと言われようとも、都市の双璧などと言われようとも、今の彼等には対処できるだけの能力はなかった。

 

「やはり都市の破壊者(エニュオ)よりもエレボスの計画(プラン)の方が手を貸す価値があったな」

 

「!?」

 

「アリア、お前は連れていくぞ」

 

「――――ぁ」

 

少女の腹に剣が通っていく。背中を破り、貫通し、口から血を吐く。動揺と混乱を突くようにアイズは敗北した。

 

「てめぇ!」

 

「【紅の正花(スカーレットハーネル)】、なんのつもりだ!?」

 

「アイズから離れろ!」

 

ベートが、ティオネが、ティオナが、アイズを返せと反撃に打って出る。それをアリーゼらしき女は、ただ一言(ワンワード)呟いて終わらせた。

 

「【フェイタリズム】」

 

呟いて血を掃うように剣を振るう。突き刺さっていたアイズは投げ出され、壁に激突し、血を吐き零す。3人の第一級冒険者は足を、腕を切断された。それは、地面に転がる仲間達と同じような切り口だった。

 

「あ……ぐぁ……!?」

 

「な、に……!?」

 

「見え、なかった……!?」

 

地に伏した第一級冒険者を歯牙にもかけず、アリーゼらしき女は動かなくなったアイズの元へと歩み寄っていく。そこへ――。

 

 

『ォオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

『ガァアアアアアアアアッ!』

 

「ちぃ、できそこないどもが……!」

 

怪物が砲声する。

火炎が噴き出し、アリーゼらしき女は舌を打って火炎を避ける。人蜘蛛(アラクネ)が襲い掛かり、さらに後退させる。アイズはぼんやりとした視界で、炎の中にたたずむ蜥蜴人(リザードマン)とアリーゼらしき女を見た。

 

 

×   ×   ♪

人造迷宮 9層

 

 

「その、窮地を救ってもらい、命を拾えた……まずは、あ、貴方に感謝を」

 

「いえ、気にしないでください」

 

2人は暗い通路を進んでいた。

瓦礫を上っては下りてを繰り返して、真っ直ぐ進む。ベルの2つ目の魔法のおかげでお互いの傷も癒せたし、瓦礫に潰されることも回避できた。だが、崩壊のせいで自分達が進むべき道がよくわからずにいた。だからただ真っ直ぐに「進め」と言っているかのような通路を進んでいた。

 

「私は、一時の感情で派閥から目を背けて独断を働いて……それでいて何もできず……だからさっき、天罰が下ったんだ。私は、醜いエルフだ……」

 

歩いている間に一通りの事情は話した。

異端児のこと。

密輸があったこと。

ローリエが彼等と交流を持ったこと。

それが派閥にとって不利益になり得るということ。

ここが、ダンジョンなどではなく人の手によってつくられた迷宮だということ。勝手に教えていいのだろうかと思うところはあるが、隠すことは少女にはできそうになかった。

 

「喋るモンスター……彼等のことは僕にはよくわからないですけど、ローリエさんは醜くなんかないって、僕はそう思います。貴方は、その……誰かのために自分を嫌いになろうとするエルフで、上手く言えないですけど……」

 

「……優しいんだな、君は」

 

助けられたことといい、どうにもさっきからローリエは胸がトゥンクするのを感じていた。初恋も知らない生娘で、颯爽と窮地を救われて、抱きかかえられて、話を最後まで聞いてくれる。石でも投げられてもおかしくない内容だと思っていたのに、自分の行いが許されたような気さえした。まさか彼女自身知らなかった異性に対する『嗜好』が、年下ヒューマン白髪赤眼キタコレ状態のドストライクだったなんて思いもよらない。

 

「う、うぅ……」

 

折れた足もベルが治療してくれた。

本職ではないから、あとで正規の治療師に診てもらったほうがいいと彼は言っていたけれど、それでも治療してくれたことがより胸を跳ねさせる。不謹慎だと己を律しながらも、暗い道で手を引いてくれる年下の男の子に少女は顔が熱くなるのを感じた。

 

「?」

 

「ん、どうしたんだ……ベ、ベル君」

 

「この穴……なんでしょうか……」

 

「中、覗けそうだ……よし、私が見よう」

 

「いいんですか?」

 

斥候(スカウト)の真似事くらいはさせてくれ」

 

立ち止まったベルが指差すところに、ちょうど覗けそうな小さな穴があった。助けられてばかりなローリエは少しくらいは役立ちたいと穴に顔を近づけ、ギョロリとした眼球と目があった。

 

「ひぃいいいいいいいいっ!?」

 

「ロ、ローリエさん!?」

 

悲鳴がぶち上がる。

ベルが覗いてみても眼球と目があって、「ひぇっ」と悲鳴を漏らす。ペタペタと壁を触っていると、音を立てて扉が開く。そこで、ベル達は出会う。

 

「これは……彼女達は、人質か!?」

 

「どうして、こんなところに……【デメテル・ファミリア】が?」

 

 

×   ×   ♪

???

 

 

「どうあっても意見が異なる、いくら話しても納得できない……相容れないそんな相手との決着の付け方を、知っているか?」

 

彼の言葉を聞く者はいない。

 

簡単(シンプル)なのは、力で打ちのめして相手の主張を葬ることだ。こうして、お前達地上の住人(こどもたち)は手っ取り早く繁栄してきた」

 

それでも彼は、語る。

階段を上りながら、語る。

 

「しかし戦いの末に、勝者の願いが優先されることになっても、敗者もまた尊重され、ある種の和解に至ることがある。だがそういう決着にもっていくのは、とても難しい……勝者が敗者を見下さず、憐れまず、敗者が勝者を仇としない。その両方が必要だからだ」

 

コツコツと靴音が鳴る。

地上ではもう既に事が起きている。

男神はなおも語る。

 

「だから基本的には勝者か敗者の2択しか存在しないわけだ。そう、確率。確率として『勝利/敗北』の道がある。ならば全力で足掻くしかない」

 

階段を上り終えて扉を開け、外に出る。

都市の至る所で悲鳴が上がり、ダイダロス通りは爆発の結果炎上している。そして、光の柱が天を貫いた。

 

 

「では、殺し合おう。 君達の得意技だろう?」

 

1本、2本と光が天を貫く。

地上ではきっと今頃、神であろうと時を止めていることだろう。

 

「武装したモンスターは地上へと進出した! ほかならぬ人間達に辱められ続けたが故に!」

 

リヴィラ壊滅及びモンスター達の地上進出(ひとーつ)

 

「『正義』を背負い、戦ってきた娘達はいない!」

 

【アストレア・ファミリア】+α、全滅(ふたーつ)

 

「日々君達の耳に入ってきただろう『不審火騒ぎ』は、ダイダロス通りを爆発させるに至った! 犯人を捕まえなかったが故に!」

 

都市の憲兵は無能を晒す(みーっつ)

 

「一族の復興を成し遂げんがため名声を培ってきた彼は、零落した! 他ならない同胞を穿ったがために!」

 

デマによって【勇者】の道は経たれた(よーっつ)

 

「奉ずる王族を守れず、何もできず、お前達にどれほどの価値があろうか! ああ、同じ神の眷族になったというのに…なんと恥ずかしいことか! もはや君達は都市の双璧などではない!」

 

王族妖精は瓦礫と共に沈んだ(いつーつ)

 

「美の神は誰に看取られることもなく、天へと帰る。暗闇の中、圧殺されたがために!」

 

不穏分子である女神はこの時の為(むーっつ)

 

「美神の娘はその命を終える! アマゾネスであったがために!」

 

暗殺者によるアマゾネス狩り(ななーっつ)

 

「君達が練ってきた敵の攻略は意味を成さない、崩壊してしまったがために!」

 

人造迷宮の崩壊(やーっつ)

 

「日常はここに潰えた、君達が信じたものはありはしない」

 

正義の眷族によって剣を取った少女は倒れた(ここのーつ)

 

では、始めよう。

高台を歩き、両手を開いて男神は高々と告げる。

 

「まことに済まない、平和ボケしていた諸君。俺が、ベル・クラネルを見初めてしまったがためにこんなことになってしまったよ」

 

男神の声を風が運び、誰も彼もの耳朶を震わせる。

立て続けに起こる混乱に処理など追いつくはずもなく、男神エレボスは続けた。

 

 

「さあ、暗黒期を再開しよう」

 

 

 

×   ×   ♪

地上

 

エレボスが宣言する少し前。

 

 

「一体、何が起きているんだ……まさか、エニュオが動いたのか!?」

 

男神ディオニュソスは逃げ遅れた者はいないか、善神といってもいい働きをしていた。混乱の只中で走り回る住民達の胸中など手に取るようにわかる。まさに狂乱の宴(オルギア)と言えよう。

 

「あっ」

 

「おっと、大丈夫かい?」

 

「ええ、ありがとう……ごめんなさいね」

 

女性がぶつかった。

この混乱の中だ、仕方ない。

頭から外套で身を覆ってこそいるが、態度からして神で声からして女だ。布に覆われたシルエットから見て、不躾ではあるが随分と肉付きよく豊満な体をしているように思えた。混乱の中を移動して、ぶつかってしまった女神をとっさに支えてやる。彼女は礼を言って下げた頭をゆっくりと上げて、今度は冷たい声音で言葉を紡いだ。

 

「本当に、ごめんなさいね……でも、許すつもりはないの」

 

「………?」

 

「先に天に帰っていて頂戴? 何年、何十年、何百年になるかわからないけれど……天界でも必ず……」

 

身体に違和感を感じて、ディオニュソスは膝をつく。

胸にはナイフが突き刺さっていた。

女神はぐいっと顔を近づけて、怒りを宿した瞳で告げた。

 

「必ず、貴方の領域が枯れ果てるまで、お仕置きしてあげるんだから!」

 

「ま、待て、待ってくれ……デメテ……!?」

 

急所を貫くナイフ。

女神はすぐに視線の先、混乱する群衆の中に消えていく。

伸ばした手は空を切り、そして男神は地上を去った。

 

 

×   ×   ♪

地上

男神が送還される少し前。

 

「貴様、貴様貴様貴様貴様ァァァァァ!!」

 

仮面をつけ、外套(フーデッドローブ)で身を包む彼女が叫び、エレボスへと迫る。それは男神の行動に対する怒りがあった。

 

(エニュオ)の計画を何故、邪魔をしたぁ!?」

 

「俺がエニュオとやらの傘下だと、お前は都合よく解釈していたのか? 悪いね、生憎俺は顔も知らない相手と組むつもりはないんだ」

 

エレボスの行動によって、エニュオの計画など打ち砕かれたも同然だ。部下である仮面の人物が怒り狂うのも仕方のないことだった。しかし、エレボスは取り合わない。

 

「都合よく善に立ち、都合よく悪に立つ。俺はそんな半端者を認めない」

 

「!?」

 

エレボスは目の前にいる人物にお構いなしに相対する。

 

「悪人を気取ると楽だよなぁ? 何をしても『自分は悪人だから』で済ませられるから」

 

「!」

 

「狂ったフリをするのも楽だぞ? 何しても全部『自分は狂ってるから』で済ませられるから」

 

「な、何を……」

 

エレボスはまるで目の前にいる彼女のことを見透かすように、意地悪く目を細めながら、皮肉の言葉を紡いだ。

 

「ああ、それは正義も一緒だったか? 悪い悪い」

 

「――――」

 

「お前もそうやって今の今まで身内を殺してきたんだろう? じゃあ、主を守れないお前は……無能じゃないか?」

 

「っ!」

 

それだけで彼女はエレボスに背を向け、走り出していた。

あとは全て、先程語った通りに。

彼女が走ったところで手遅れ、辿り着いた頃には男神は既に地上を離れていた。柱が昇り、彼女は無能の烙印を押されるのだ。

 

 

×   ×   ♪

地上

 

 

空は厚い雲に覆われている。

時間がずいぶん経って肌を撫でる風は冷たく、街灯がチラホラと点灯していることから夜なのだということがわかる。

 

「――――ベル、君?」

 

ベルはようやく地上に戻ってきた。

碌に身動きできない者達を運び、後のことをローリエに任せて瓦礫を這い上るようにしてようやく地上に。それに気がついて、ギルド職員の1人が声をかけてきた。

 

「エイナさん?」

 

何があったというのか、エイナの瞳は潤んで、恐怖の色を帯びているように見える。周囲は瓦礫と鎮火こそしているが焦げ臭く、乾いた血の痕がある。エイナはベルの元まで近づいてくる。周囲の冒険者達もまたベルのことを疑いを持った目を向けている。

 

「【アストレア・ファミリア】…【紅の正花(スカーレットハーネル)】がオラリオを裏切ったって、そのせいで18階層に行った冒険者隊が全滅って……本当? 嘘だよね?」

 

「――――え」

 

今、彼女は何と言ったのだろう。

理解できなかった。

オラリオを、裏切る?

何故?

 

「【ロキ・ファミリア】は幹部含めて重症、死亡、多数……リヴェリア様も、治療院に運ばれたけど……」

 

「エ、エイナさん?」

 

今にも泣き出してしまいそうな彼女を今までベルは見たことがない。いつだったか担当していた冒険者が亡くなったと落ち込んでいたことこそあったが、それを越えているようにも思えた。エイナはベルの手を握って、縋るようにして口を開く。お願い、不安なの、信じさせて。そう言うかのように。

 

「こうなったのは君が原因だって……そう、言ってたの。どういうこと……? 君、何をしたの……?」

 

「―――――」

 

「ねえ、お願い、答えて。答えてよ」

 

答えられるわけがない。

だって、ベルは何も知らないから。

ローリエとリューを誤認して、追いかけて、武装した怪物と出くわして、謎の巨大怪物と戦って、崩壊に巻き込まれて、囚われの神の眷族を見つけて、そして今なのだ。地上で何が起きていたのかなんて知る由もない。

 

「………」

 

彼女が望む答えを、ベルは紡げない。

何も知らなくて、わからなくて、ついていけなくて。

だけど、黙っていたのがよくなくて次の瞬間――ぱんっ、と。乾いた音と、痛みが頬から生まれる。目を見張りながら前を見ると、右手で頬を叩いたエイナは、瞳から涙を零していた。

 

「どうして、何も言ってくれないの……!?」

 

泣き出したエイナは、ベルを抱き寄せていた。

温かくて、柔らかい感触がして、アドバイザーじゃないのに結局「アドバイザーしてもらった方が良かったんじゃない?」なんて言われるくらいの関係で、アリーゼ達とはまた別の姉のような人が、不安に耐え切れずにしゃくり上げながら泣き縋る。ベルはただ、寒そうなくらいに震える彼女を抱きしめ返すことしかできなかった。




リリを貫いた人物←ヴァレッタ。
フィン団長、動けなくなるくらい動揺してる。これにはコーマック王もニッコリ。

18階層に行った冒険者達←牛さんにやられて全滅(生きてはいる)。

『ダイダロス通り』の爆発←『不審火騒ぎ』が起きていたのに、憲兵達は何もできなかったね? 何してたの? 守るんじゃないの? 守れてないじゃん。

ダイダロス通りの爆発→炎上→アリーゼに化けたレヴィス登場→リヴェリア達が爆発に巻き込まれて混乱している不意を突かれてアイズ戦闘不能。

ベート、ティオナ、ティオネ←レヴィスの魔法で手足をやられる(戦闘不能)。

イシュタル←閉じ込められたまま、クノッソス(8階層)の崩壊で潰されて送還。

クノッソス崩壊←原作では【ヘルメス・ファミリア】に阻止されたイベント。

ディオニュソス←混乱に乗じたデメテルによる報復(エレボスが仕向けた)。

・アマゾネス狩り←原作でも起きていたイベント。

【アストレア・ファミリア】は18階層で全滅+アリーゼ?がアイズ達を倒す(裏切りと見られた)+エレボスがベルを見初めたからと堂々と発言+18階層にいるはずのベルがクノッソスを経由して地上に出てしまう=【アストレア・ファミリア】がオラリオを裏切ったのはガチ?という疑いが強まる。



何も知らないベル・クラネル。

異端児達←クノッソス崩壊のせいで、帰る道が断たれた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。