白い墟からのびる道   作:鷲生

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驍李前提シリーズの一つですが、今回はほぼ驍李ではありません。スミマセン。
驍宗様があの沙包の少女の行方を、李斎に命じて探させたら……という想像です。

↓なお、「十二国記の戴国メンバーの物語を、日本の平安時代でやってみたらどうなるだろう?」と思ってオリジナル小説を書きました。カクヨムで連載中です。是非お読みいただければ幸いです!!!
「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393




李斎、沙包の少女に会いに行く。

 青葉茂る山間の街道を抜けると、轍囲に近い農村を見下ろせる場所に出た。

 草木の枝が切れ、初夏の陽光が心地よい高台から、李斎は村の光景を見下ろした。

 

 田圃には水が張られ、その水面に青空と周囲の山影を映している。水田ではない畑では、大人たちが土を耕したり、畝の手入れをしていたりしていた。家々から外れた空地では、まだ農作業には加われない、年端のいかぬ子供たちが十人ほど遊んでいる。

 

 ただそれだけの平和な光景が、李斎の心に沁みた。たったこれだけのささやかな日常すら奪われた月日があり、その苦節を耐え忍んで今がある。一人旅で誰にも気兼ねの要らない彼女は立ち止まり、その村の全体の様子をしばらく目で楽しんでいた。

 

 一息入れて、彼女は村に向かう坂道を下り始めた。轍囲からの移住者でできたこの村に、泰王驍宗から言いつかった用事があった。

 ──叶うなら、沙包の少女を探して欲しい、と。

 

 驍宗が縦穴から脱出することを可能とした天の配剤。見知らぬ少女が手擦れのするほど愛用し、にもかかわらず供物としてささげたはずのものだった。救い出された驍宗が、その祈りへの返礼として、かつての里木の祭壇に鈴を戻しておいたあの沙包。

 

 どのような少女が使っており、そしてその後どうなったのか。会えるのならその少女に謝意を伝えたい。それが李斎の主公の望みだった。

 

 李斎は空き地で遊んでいる子どもたちに近づいて行った。その後ろから軽い足音と共に十歳ほどの男の子が追い抜いていき、他の子どもの遊びに加わる。その子の背丈が李斎の胸にも届かないのを見て、李斎は子どもとは小さいものだと思い出した。そういえば、台輔がお小さい頃は、視線を合わせるのに跪いていたものだった……。

 

 子どもたちの群れの隅に、沙包で遊んでいる女の子がいた。二つの手のひらで三つの沙包を同時にくるくると回そうとして苦戦している。少女の小さな努力を邪魔したくなくて、李斎はしばらく離れたところで眺めていた。けれども、視線に気づいた少女が手を止めて、李斎を見返した。

 

 李斎は少女に近寄り、腰をかがめて問うた。

「少し、いいかな? 以前、川にお供えした沙包の鈴が里木の祭壇に戻ってきたということはなかったか?」

 少女はしばらく何かを思い出そうとする顔をした後、少し怯えた顔で李斎に答えた。

「……取り戻しにきたの?」

 探し人はこの村にいたのだとホッとすると同時に、李斎は自分が相手を困らせてしまったことに苦笑した。

「いや、お礼に来たのだ。私の主公が沙包のおかげで助かったから。主公が使わなかった分を里木の脇に返したんだ」

「……もう要らないの?」

 この少女は、李斎の主公はいたいけな女の子と思っているのかもしれなかった。

「もう使わない。では、貴女が川に供えてくださったのか?」

 この国の王を救った沙包の少女、と思えば李斎の言葉もおのずと丁寧になる。

「ううん、私じゃない。あっちの家のお姉ちゃん」

「ああ……そうか」

 阿選の乱から、ここまで平和な暮らしが戻るには何年かかかっている。確かに、自分が探している相手は沙包遊びを卒業している年齢だろう。

「その鈴をつけた沙包はここよ」

 少女はそういいながら、手元のかごの底の方から別の沙包を取り出した。

「お姉ちゃんはね、お供えしたはずのものが戻ってきたのが心配だったんだって。何か悪いことの先触れかもしれないって」

 でも、と少女は微笑んだ。

「行方知れずだった王様と麒麟とが見つかって国が幸せになったから、悪いことも起こらなくて。それなら縁起が悪いものでもないようだからって、私にくれたの」

 本当にもう要らない? と尋ねる少女に、構わないのだと断って、李斎は少女が指さした家に向かった。

 

 真新しい家屋の軒先で、年若い娘が芋の皮をむいていた。沙包で遊ぶには年齢が確かに高く、かといって誰かに嫁ぐにはまだ遠い年頃の娘だった。

「失礼する。昔、小川に沙包を流したのは貴女だろうか。鈴の一つは里木の祭壇に戻ってきたはずだが……」

 娘は、突然現れた大柄の女性と、その唐突な問いにかなり驚いた顔を見せた。

「え……ええ、そんなこともありました。ですが、あの……?」

 家の戸口には父親がいたらしい。初老の男性が家の中から出てきて、不審そうな面持ちで李斎と娘の傍に立った。李斎は両方に向かって自身の立場を紹介した。

「私は、鴻基である方にお仕えしている。主公は、こちらの娘さんが川に供えた沙包で命拾いすることができた。私は主公に代わってお礼を申し上げに来た」

 父親の方が尋ねた。

「はて、沙包が何の助けになったのやら……」

 初老に見えるが、声は少し若い。苦難の時期のせいで、年齢より老けて見えるらしい。

「主公は函養山の廃坑に閉じ込められていた。小川から流れ着いた沙包の、その鈴のおかげで脱出できた」

 李斎は事実をかなり約めて説明した。

 父親は何かを考え込んでいるようだったが、娘の方は無邪気に言った。

「ああ、鈴の音が助けに。それじゃ、使わなかった分を里木にお返しくださったんですね」

「そうです」

 李斎は笑んだ。そして、懐に手を入れる。

「主公が礼を渡して欲しいとのことで、私が預かって参りました」

 

 しかし、その李斎の手を父親の声が押しとどめた。

「お礼などと……。そのようなものは受け取れません」

 李斎はそれでも続けた。

「貴方にとって大したことではなかったのかもしれないが、受取った方には命を左右するほど重要だった」

 私の主公は地位の高い人物で……と、そう李斎は説明した。

「主公を助けた貴方がたは、この戴を救ったのも同然なのだ」

 娘は怪訝そうに何かを問いかけたが、父親の決然とした声がそれを遮った。

「我々家族にとっても、新月の供え物は特別でした」

 娘も父の声を聞いて、神妙な面持ちとなった。

「うん……。あのお供えをしなければお姉ちゃんは生きてられたかもって、父さんを恨む気持ちもちょっとあったし……」

 李斎は、その供物の重みを知り、慌てて言った。

「いや、食べるものにも着るものにも事欠いたあの荒廃の時期なら、どんな供え物も重要だっただろう。上の娘さんには申し訳ないことをした。貴方の供物を軽く考えていたつもりはない。そのように聞こえたなら私の言いようが悪かった。済まない」

 父親は首を振った。

「いえ、こちらもそういうつもりではなく……。確かに供物を用意するのもたやすくはありませんでしたが……。ただ、それでも、その供物が特別なものだから続けることができたのです」

 

 そう、特別だったんです、と父親は繰り返した・

「轍囲にゆかりある者にとって、間違った朝に屈しないため、行方知れずとされた驍宗様に供えることは特別でした」

「確かに。主上と轍囲には特別な誼がある」

 父親は、ですから──と笑った。

「誰かから礼など受け取ると、それでその特別さが失われてしまうような気がするのです……。礼を受け取ってしまうと、礼が目的の行いとなってしまいますから」

 李斎は即座に否定した。

「貴方がたの為人を見れば、礼が欲しくてというわけでないことは分かる」

「その通りです。礼などが欲しくてやっていたわけではありません。望んでいたことは、正しい王が正しい政を行って下さること。今や、我々の祈りは聞き届けられました。本当に良かった……それだけで十分なのです」

 父親は心底満足そうに笑んだ。しかし……と納得いかない様子の李斎に対しては、こう言った。

「そうですな……もしこれ以上何を望むかと問われれば……。この娘が嫁に行き、その子どもが生まれ、その子が大きくなり……その間ずっとこの平和が保たれることが願いです。どうか、貴女の主公にもそのようにお伝えください」

 李斎は、ひょっとしたら、この父親は、供物が正しく王を助け出したことを知っているのではないかと思った。

「分かった。必ず貴方の言葉を主公にお伝え申し上げよう」

 そして、苦笑を浮かべて続けた。

「実は、私の主公も、貴方のような人は礼を受け取らないかもしれないとも予想されていらした……」

 

 驍宗は言っていた。礼を伝えるのは難しい、と。正しく褒めることは、正しく叱ることと同じくらい難しいことなのだ、と。

「李斎も恩義に生きる人間だから分かるだろう。一度、恩をやりとりした仲というのは、何かモノを褒美にして区切りをつけることはできない。いつまでも気持ちがつながっているものだ。今回、下界に下りる李斎に、沙包の少女への礼の金品を用意して持たせはするが……。あのように供物を流してくれるような人物が、礼を受け取って終わりとするようにも思えない」

 李斎もそれは分かるような気がした。けれども……。

「主上のおっしゃる通りかもしれません。それでも、話を聞いた我々麾下としては何か礼をしたい……。主上もそうではありませんか? さきほど、恩の遣り取りをしたものは気持ちがつながっていたいものだと主上も仰いました。何か、気持ちを伝えることはしたいと思いませんか?」

 驍宗は少し考えた。そして、李斎に天官長に話を付けるように命じたのだった。

 

 李斎は、沙包の少女と父親に向かって、こう切り出した。

「今回、用意した礼も受け取ってもらえないのに、こう言うのもなんだが……。主公は今一度お願いしたいことがあると仰っていた」

「なんでしょう?」

 礼を受け取るよりも、頼みごとを引き受ける方が嬉しいことであるように父親は答えた。

「この沙包を……」

 李斎は懐から、金子とは別のものを取り出した。

 

 父親は首を傾げる。

「これは……沙包ですか?」

「形からしてそうだし、実際そう使われていたそうだ」

 確かにそれは奇妙なものだった。形は確かに沙包なのだが、とうてい沙包などには使われそうにもない、厚手の豪華な布地で出来ている。つけられた鈴も、金銀の凝った意匠のものだ。つまり、あまりにも贅沢過ぎる沙包なのだった。

「実は、これは驕王の後宮にあったものだ」

 

 なぜ沙包が後宮に? 

 驍宗から聞かされて真っ先に李斎が問うた。思いつくまま驍宗に尋ねる。

「子連れの寡婦が後宮に召された……とか?」

 違う、と驍宗は苦々しげに吐き捨てた。

「沙包で遊ぶような子どもが後宮におさめられた」

 李斎も何か飲み込みづらいものを口に押し込められたような気がした。自分は地方にいたが、鴻基の王宮はかくも腐敗していたのか。

「禁軍将軍だった私が、後宮の女性がたをお見かけする機会はあまりなかった。ただ、その姫は外に出て遊んでいらっしゃることが多かった」

「それはそうでしょう……」

「その姫のために驕王は冬官に新たに沙包を作らせた。その姫は沙包遊びがお好きだったようで、三つの沙包を両手で器用に回転させて遊んでいらした。その沙包が御物として後宮に残っているはずだ。天官長に聞けば在り処は分かるだろう」

 

 その沙包を外に出してやりたい、と驍宗は言った。

「その女性は先王崩御とともに故郷に戻られた。もう沙包で遊ぶ齢ではなかった。やたら豪華な沙包だけが残され、今も白圭宮のどこかに眠っている。その沙包を下界の少女に渡したい」

「その後宮の沙包が、下界の沙包への礼ですか……」

「礼として受け取ってもらえるならそれで構わない。ただ、私は、あの後宮の沙包が、子どもたちの遊びの中で自由に宙を舞う日が来て欲しいと願っていた。だから、礼として受け取ってもらえないなら、私からの願い事、ということになるな」

 

 驍宗は深紅の目を優しく細めた。

「子どもたちが子どもの玩具で子どもらしく遊んで過ごしてくれる世の中であれば、治世を任された王として喜ばしいものだ」

 この驍宗の言葉も印象深かったが、李斎の胸により響いたのは、次の言葉だった。

「蒿里がいとけない頃からそのように思えていたら良かった。蒿里が子どもらしい玩具で存分に遊び、遊び厭いてから大人になる過程を見届けてやりたかった」

 ──何しろ、今の蒿里はなまじの大人より分別くさいから、「じいや」の正頼が退屈して困る。

 驍宗は、笑えない軽口で話をしめくくった。

 

 王の代わりに下界に下りた際、どのように振る舞うか李斎の裁量に任せられていた。褒美として受け取ってくれるなら褒美としてでいいし、そうでない方が受け取りやすいのならそのようで構わないと主公は言っていた。

 それで李斎は主公からの新たな頼み事として伝えてみたのだが、確かに、この方が親子には受け入れやすいもののようだった。

 娘の方が、李斎の話が終わるやいなや、気の毒な話だと声を上げた。

「沙包で遊ぶような女の子が、後宮に閉じ込められるなんて……かわいそう。確かに沙包だけでもお外で遊ばせてあげたいわ」

 その娘の声に促されて、父親は後宮の沙包を受け取った。

 

 しかし、父親は実際に沙包を手にすると怪訝そうな顔をした。片手で沙包を握ったまま、片手で腰元の農作業用の小刀を取り出し、そして、沙包の縫い目を切る。中から零れたのは宝玉の粒だった。

 李斎はうめいた。

「なんと……」

 困惑した顔の父と娘に、李斎は苦笑いして見せた。

「いや、この玉を礼にしようとしていたわけではない。私も主公も中に玉が入っているとは思いもよらなかった」

 李斎は息を吐いた。

「主公は男性であられる。もしかしたら姉妹などいらっしゃったかもしれないが、ご本人はとうてい沙包で遊んだ経験があるようなお方ではない。それから、私も。遠い昔に遊んだ記憶はないでもないが……。私はあまり女の子らしい遊びをする性質ではなかった。こうして見れば、沙包にしては重かったと思うが、貴方が見せてくれるまで気づかなかった」

 父親もそれは素直に信じてくれたようだった。ただし、中身の玉は返すと言った。

「外側の布地だけ頂きましょう。中には草の実でも詰めておきます。……それが子どもの沙包というものです」

 そうだな、と納得して、李斎は父親から玉の粒を受け取った。

 

 李斎には左の手のひらしかない。父親からその手のひらに載せられた玉の粒を、李斎は少しの間思案気に見つめた。それから李斎は、親指で何粒かを指先により分けた。

「この二、三粒は受け取ってもらえないか?」

「いや……それは……」

「娘さんの婚礼衣装の費用にでも充てて欲しい。それから、頼みがある──頼み事ばかりで済まないが」

 相手は穏やかに笑んだ。このような為人の人物というのはは頼み事は断れないのだ。

「これからもたびたび、私が貴方がた親子を訪れるのを許してもらえないだろうか。娘さんが健やかに成長し、誰かに嫁ぎ、子を育てる様子を見届けたいと思う」

 さきほど主公は身分が高いと言ったから、仙であることは伝わっているだろう。

「主公にも、私にも子どもがいない。また、今後も望めない」

 李斎については可能ではあるかもしれないが、そんな人生など考えられもしなかった。

「主公のお傍にかつて愛らしい子供がいらした。私もそのいとけないご様子を微笑ましく拝見していた……」

 ここまで話を聞いた娘が悲しそうな顔を見せたので、李斎は慌てて言い添えた。

「いや、幸い命はあったんだ。今もいつでもお会いできる。ただ、その方が子どもから大人になるまでの間を離れて過ごしていたので、成長のご様子を見ることは叶わなかったんだ」

 父親が言った。

「それはお寂しかったことでしょうな」

「そう、そうだな……。私もそうだが、主公もさぞ惜しんでいらっしゃるだろう」

 だから、と李斎は笑みを作った。

「貴方がたと私が誼を結び、私が娘さんの成長ぶりをご報告申し上げれば、主公もお喜びになると思う。私の報告を、実の娘がお出来になったのと同様に、楽しみになさるだろう」

 

 李斎は、もしここに驍宗がいたら──と思った。きっと笑って是とすることだろう。

 恩義で結ばれた仲は、何か謝礼で一区切りつけることはできない。新たに縁が深まり、続いていくことが喜びととなる。李斎はあらためて驍宗の考えが理解できた気がした。

 ──そう、これでいい。

 そして、いかに驍宗とはいえ、自分に年頃の「娘」ができるとは予想できなかっただろうと思う。自分の報告が、驍宗を良い意味で驚かせるだろうと思うと、李斎は愉快な気がした。

 

 初老の父親は言った。

「親以外にも、この娘の行く末を見守っていただける方がいるのは心強いものです」

 その後、一瞬言葉に詰まった後、感慨を込めた声音で続けた。

「どうか……この娘も、その次の子も、そのまた次の子も、子々孫々までご照覧いただければ幸いに存じます」

 やはり、この父親は主公が王その人だと分かっているのではないかと李斎は思った。

「さきほど貴方は、もし望みがあるなら、それは孫子の代まで平和が続くことだとおっしゃった。主公はその願いに応えなければなるまい。私の話を聞けば、きっとその決意をあらたにしてくださるだろう」

 

 父親は頭を下げる前に、娘にやや早口で言った。

「この綺麗な沙包をあっちの子どもたちに見せておやり。草の実を入れて遊ぶのは明日からかもしれないが。目新しいものを早く見れば喜ぶだろう」

 娘は素直に、家並みの外れの子どもたちの群れに向かった。生き残った方の娘が立ち去ったのを見届けた後、父親が改めて李斎に向かって深く腰を折って頭を下げた。

 

 初老の男の声は、涙に掠れていた。

「どうか……あなたの主公に願いを……今再び祈りを届けていただきたい……」

 父親の頭は、自分の膝ほどにまで下げられ、動かなかった。李斎の目に、項垂れた先の地面へ、ぽたぽたと水滴がこぼれ落ちるのが見えた。

 李斎は痛ましい思いとともに膝をつき、男の顔に声をかけた。

「貴方の上の娘さんの分も、貴方の願いを叶えよう。これで、償いと礼になるだろうか?」

 男は絞り出すように答えた。

「轍囲と主上には特別な絆がある……。私や娘の命数が尽きても……その絆が続いてくれれば嬉しゅう存じます」

 李斎は男の肩に手を置いた。そして、これまで何人もの同輩や麾下にそうしてきたように、男の震える肩をさすり続けてやった。

 

 

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