対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい+ 作:槍刀拳
『お昼のニュース』
今朝、群馬県まえさき市の誰にも使用されていない倉庫からドラム缶詰めされバラバラになった6人の人間と思われる惨殺死体が発見されました。
被害者はいずれも1年前、都心部のビルを不法占拠し、突入した特殊部隊によって大半を殲滅された東雲革命派の残党であり、警察は倉庫に弾痕がいくつも残されていることから東雲革命派の残党と何者かがこの倉庫で衝突したのちに、東雲革命派をバラバラにしたとの見解を示しています。
事件は昨夜深夜3時ごろ近隣の住民から、だれも使っていない筈の倉庫から銃声が聞こえるとの通報を受け、特殊部隊が調査したところ発覚したようです。
また魔族の関与も想定されており、周辺の住民の皆様は十分にお気を付けください。
『警察の書類』 筆:青空 源太
本事件にはニュース報道の直後、魔族の死体も倉庫の地下から発見されることとなる。
魔族の死体は、東雲革命派の残党の死体の損傷よりも凄惨な状態であり、死亡するまでの間。何者かに“拷問”を受けたと思わしい傷がいくつも残されているのを科学捜査研究所の捜査員が死体の損傷具合から発見した。
また一部は、完全な“白骨化”を遂げている魔族の死体があり、鑑識の結果ではその魔族は1週間前には存命していたことが科学検証結果で判明している。
以上のデータより、本事件には高位から中位魔族の関与も推定される。
さらに監視カメラの解析結果により、死亡したテロリストは6人であると報道がされているが正確にはこの現場にいたと思わしいテロリストの数は12人であり、6名はいまだ行方不明のままである。但し、行方不明となっている6名も無事で済んではいないだろう。彼等の武器や装備と思わしい備品と指紋が、6人の惨殺死体現場で同様に発見されている。
……しかし、この事件。何よりも奇妙で気がかりなのは、東雲革命派の残党と対峙した何者かの痕跡が一切残っていないことだ。弾痕の数や、周囲へ落ちた薬莢の数から推察するに、彼等はそれなりの銃弾を市街地付近の倉庫でもあるにも関わらず、サプレッサーも遠慮もせずに弾丸をばら撒いたことが現場検証から分かっている。
また壁や床、天井に残された弾痕の数と床へ落下した薬莢の数が合わないことから、いくつかの弾丸は確実に直撃しているはずなのだ。だが、対峙した存在の血痕もなければ、死体一つすら上がってこないのは明らかに異常すぎる。
高位、中位魔族の仕業と仮定するのであれば何も不審な点は見受けられないが、その過程を立てる場合。その高位、中位魔族は体に弾丸を食い込ませたままであることになる。例え、ゾンビのような死霊の類でも何かしら証拠が残るものなのだが……。
さらにこの地域は特別な土地にも隣接しており、地元の高位官僚の話曰く 目前に“天敵がいる”ような場所で、魔都 東京に存在するヨミハラや大阪湾上のアダミハラを拠点とする魔族が表沙汰に騒ぎを引き起こしたというのは非常に考え難く、本件はその他から流れてきた魔族の流れ者の仕業であると考えているようだ。
本捜査には、残虐性の高い魔族絡みの事件ということもあってか、『対魔忍』なる特殊部隊も出動するそうであり、ここへの選出された特殊部隊は学生のようであるが、腐っても特殊部隊の卵。今回の事件の犯人の尻尾を掴んでくれる……もしくはこの残虐な殺人鬼の抹殺を済ませてくれることを祈ろう。
『青空 源太のメモ書き』
夜が明けたら日葵にメール →『まえさき市には近づかないように』