数学)いや、出来るわけねえだろこちとら概念だぞ。というか数学という概念にシェイクスピアを求めるんじゃねえよ。良いから勉強しろ。
今の私の状況を簡単に説明するとこうです。よって執筆がちょびちょびしかできません。えへへ。
ただし、月曜日が休日だということを知らなかったことは秘密だ。だから執筆が早いとかはもっと秘密なのだ。
その日の夜。
「───この俺様をこんなとこに呼び出すたぁいい度胸じゃねぇか」
仄暗い洞窟のような場所だがすぐ側から潮騒が響いてくる。ここは稲妻城の地下にある空間だ。勿論、夜であるため暗いのだが、周囲には灯りの一つもないため兎に角真っ暗である。そんな中、身長2mはあろうかという角を生やした男が大剣を肩に担ぎ上げた。
対する男は無言のまま、禍々しいオーラを放つ刀を抜き放った。大剣を持つ男は首を傾げつつ、
「ま、細かいことはいいか!俺様に喧嘩を売ったこと、後悔させてやるぜ!!」
男はそのまま四股を踏むように片足を大きく上げて振り下ろし、大地を踏みしめて不敵な笑みを浮かべた。
「荒瀧・天下第一・一斗、ここに参上!!カーッハッハッハッ…ゴホッゴホゴホ…」
などとやっている間に男───荒瀧一斗の対面で刀を構える男は大地を踏みしめ、ぐんと加速し荒瀧一斗に肉薄した。余裕をぶっこいていた荒瀧一斗は驚きつつも、大剣を横にして刀を防いだ。
「てめぇ!!名乗りの最中だろうが!攻撃してくんなよ!!」
荒瀧一斗はそう言いつつ、大剣を近付けさせないように横薙ぎに振るう。お構いなし、とばかりに男は大剣を受け流し、更に距離を詰める。荒瀧一斗は大きく後ろへ下がると左手に大剣を持つと右手を大きく振り被った。
「砕きやがれ!!」
荒瀧一斗から岩元素の塊───のように見える丑が飛ばされた。男は一瞬、そっちに気を取られ、警戒感を顕にしてしまう。荒瀧一斗はそのまま大剣を振り被りながら接近した。
「───止まれ!!」
突如響いた声に驚き、荒瀧一斗は反射的に足を止める。直後、荒瀧一斗の眼前を何かが通り過ぎた。若干間に合わなかった頭髪がはらりと落ちる。
「間に合ってよかったぜ全く。時間に関して考慮するのをすっかり忘れていたからまぁ、これは俺の落ち度ではあるんだが…」
荒瀧一斗は背後に何者かが降り立つのを感じていたが、不思議と動くことが出来ずにいた。背後に降り立った男が何処にいるのかは2つの赤く光る瞳でわかる。その視線が荒瀧一斗の更に奥にいる男の手元に向いた。
「うん、予想通りだな」
一言、男はそう呟いた。
〜〜〜〜
とはいえ呼び出されていたのが鬼族の末裔だというのは驚きだったがな。
「って、おい!誰だお前!?」
鬼族の末裔───名前は確か荒瀧一斗と言ったはずだ───その彼が彼より前へ出ようとした俺の肩を掴む。
「一応、稲妻ではそれなりに名のある地位を貰ってる存在だよ。一騎打ちしてるところ申し訳ないが、このまま行くとお前死ぬぞ?」
「ふん!俺は男の喧嘩をしてるだけだぜ!!売られた喧嘩を買うのも、最強の役目ってもんだろ?」
なんというか、小学生みたいな感じだな。その癖戦いになると結構冷静に戦うようだ。兎に角、悪いやつでは少なくともないのだろう。
「へーへー、だったらこの程度の敵を相手するのはどうなんだ?」
「おっ…お前、わかってるじゃねぇか。だがよ、男ってのは一度挑まれた勝負を途中で投げ出したり───」
荒瀧一斗が何やら語り始めた間に、俺はわざと奴に近づく。案の定、彼は手に持つ刀を振るってくる。俺は身を捩ってその攻撃を躱すと地を蹴ってその場から離れる。すると奴も追ってきた。
「───っておい!聞けよ!!」
「すまんが今は時間がないんでな!!あっ、回収頼む!!」
俺はそれだけ言い残してそのまま奴の攻撃をいなしながら少し明るい場所まで移動した。明るい、と言っても月明かりがある程度だが、ないよかマシだ。
さて。
「荒瀧一斗は天領奉行がなんとかしてくれるはずだし、俺はお前の相手に集中できるな」
俺が刀を抜き放ちながらそう告げると、奴はおもむろに口を開いた。
「…何故、貴様がここにいる。そして何故、あそこがわかった」
疑問は2つ、か。口ぶりから察するに俺のことも知ってるらしいな。まぁ、それなりに武功を立てたわけだからな。知られていなかったら二分くらいヘコんでいたかもしれないな。
さて、それにしてもどうして俺がここにいるのか、そして何故場所がわかったのか、か。俺は少し考えてから、
「ではまず2つ目の質問から答えよう。俺は稲妻でもそれなりの地位を持っているから、当然、辻斬りに関する相談も受ける」
「それが、どうした」
「簡単に言えば、人が死んでいた場所にはなんの共通点もない。だが、それこそが共通点だったというわけだ」
再び場所を挙げるとするなら鎮守の森の中、離島と稲妻城の間の平原、海岸、崖上、そして離島の中。この7つで今日が8人目が殺される日なわけだ。眞と影に言ったように、一日一日人間が殺されているのなら、無傷で相手を殺している、ということになる。そして7日目に死んでいたのは、実力は然程なかったものの戦で偶々手柄を挙げた男だったようだ。さて、となれば自ずと本日も辻斬りが出ることになるだろう。
前提はこれくらいにして俺が何を言いたいのか、というと人が殺されている場所に何らかの共通点があった場合、次の場所がわからないとしても候補はそれなりに絞り込めるのだ。例えば死体が必ず水辺に放置されている場合、その場で殺されたか、或いは水辺に打ち捨てられていたことになる。だが、後者の場合夜道を人一人背負って移動することになるわけで、まぁそれはもう目立ちまくる。つまり前者が大多数、というわけだ。だから一箇所、とは行かずとも水辺付近を警護していれば運良く遭遇できるかもしれないのである。
説明が長くなるが、では共通点がない場合は?という話になる。今回のケースの場合は共通点が全くと言っていいほど存在しない。7つの内幾つかは共通点を持つものもあるが、それも一つか二つ、と言ったところで決定打にはなり得ない。つまり、共通点がないことが共通点、というわけだ。
俺は長々と時間稼ぎ…もとい説明をしてから、尚も続けた。
「さて、お前が今まで辻斬りを行ってきた鎮守の森、離島と稲妻城の間の平原、海岸、崖上、そして離島の中。この7つに共通点は確かにない。だが、共通点がないことが共通点だ、というように考えた場合」
場所としては何の変哲もない。水辺とか、人のいない場所、とか広い場所、とか別にそういった共通点はなにもない。だが一つだけあるとするならば。
一人一人と戦っているので一騎打ちだ、と仮定すると、奴の戦う場所は全てバラバラだ。森などの足場が悪い場所での戦い、視界を遮るもののない場所での戦い、砂浜という足場の悪い場所での戦い、落ちれば死が確定する場所での戦い、そして町中での戦い。
これから言えることは、戦う上で最も戦いやすい場所を探す、だとか、戦う上でどのような場所でも戦えるようにする、だとか、後はまぁ興味本位、とかだな。
さて、そうなると候補は二つに絞り込める。その二つとは、考えうる限りでは斜面での戦い、そして暗がりでの戦いだ。後は密室とかもあったのだが、それ相応にリスクも高い。恐らく最後に持ってくるだろうと考え俺はこれを今は候補から除外していたのだ。
「まぁつまり、お前がバラバラな場所で戦ってくれたお陰で候補地が二つに絞り込めたから、影向山付近には天領奉行を、そしてこっちには俺が来た、というわけだ。二分の一の確率だったが、当たってくれて何よりだ」
面白いものも見られたしな、とばかりに俺は彼が手に持つ刀を見た。
「さて、じゃ、1つ目の質問に関しては…って、これはさっき言ったな。一応言っておくと何故俺がここにいるのかはお前を止めるためだ」
これ以上やられたら本当にイベントとかが中止になるかもしれないし、何より稲妻の民にも不安が広がるだろう。
「ま、そういうわけですまなかったな、説明が長くなって。お陰で時間は十分稼げた。付き合ってくれてありがとな」
今いる場所は稲妻城のすぐ横の崖下だ。勿論、月明かりに照らされてそれなりに明るい。今まで石のように動かなかった奴の表情がピクリと動く。
「鬼族の末裔こと、荒瀧一斗は既に回収し終わったんだろうな?」
俺がそう呟くと背後から破裂音が一回聞こえた。どうやら、ここにいるのは俺達だけなようだ。
「それじゃあ、包囲を頼む。そのうち影向山からも天領奉行の武士が応援に来るはずだ。それまでは今いる人員でなんとかしてくれ」
再び小さな破裂音が一回聞こえたかと思うと、気配が離れていく。俺は小さく笑みを浮かべると、ピクピクと表情が動いている様子の彼を見る。
「さってと。それじゃあ始めようか。お前もいい加減イライラしてるだろ?」
俺は刀を抜き放つとだらりと下げ自然体になる。少しして小さな破裂音が三回聞こえた。俺は更に笑みを深めた。
準備は整ったみたいだ。
「さて、正々堂々勝負しようか」
俺のその一言で堰を切ったように奴の刀から禍々しいオーラが噴出され、奴は一挙に地を蹴った。俺もそれに合わせて地を蹴る。
さて、と。時間稼ぎ、精々頑張りますかね。
あ、前書きのはただの近況報告みたいなもんです。特段気にする必要はないです。ただ数学が無理なだけなので。
楽しいのに…出来ないのだ。私ってやつは…。