いやほんとまじで。
至らない点や日本語の可怪しい部分が間違いなくあるので助けて下さいお願いします!
誤字報告いつもありがとうございます
翌日、俺は目を擦りながら起き上がった。勿論、部屋には誰もいない。だが、気配はする。まぁ応援に来た存在とは言え、監視もつけないとあらばそれは不用心がすぎるというもの。恐らく、影が言っていた『終末番』だろう。だが…なんというか、全く動かないし、もしかして寝てるんじゃないのか?確認しようかとも思ったが、寝ているのであれば邪魔をしたくない。そっとしておこう。天井裏にいる忍者は無視して、だ。
普段の服装に着替え、備え付けられた台所と置いてある食材で軽く料理をする。キャベツにリンゴ、卵にジャガイモが置いてあったので軽く満足サラダを作ってみた。結構いい出来だと思う。
それと、稲妻で最も食べられているであろう、白米。そう、炊いただけの白米である。炊きあがりはふっくらしており、ほんのり甘い香りが漂ってくる。誰がどう見てもこの米は旨いだろう。食べてみると案の定、死ぬほど旨かった。今度白米を炊くコツを料理人に教えてもらおう。さて、準備はできた。
「よし、行くか」
今日は取り敢えず稲妻を見て回ろうと思っている。500年前とどう変わったのか、それが気になるからだ。というわけで入り口の扉を開いたのだが…。
「…えーっと?」
「む、これはアガレス殿、如何なされた?」
いや如何もクソもねえよ…なんかむさ苦しいおっさん二人にめっちゃ厳重に護られてんだけど。
俺は動揺を無理矢理押し込めて言った。
「い、いや…その、君達は?」
余り押し込められていなかったが、一先ず会話を繋げることには成功した。武士達は俺の問いに答えてくれた。
「我等は将軍様の命により、この部屋を死守するため参った次第。とても大切な賓客への夜襲を警戒されてのことでしょうな」
影、お前かやっぱり。思わず頭を抱えたくなるのを我慢して、俺は努めて笑顔で言った。
「不要だ」
「しかし、将軍様の命令で…」
「だから、不必要だ。何ならその将軍様に直談判してやろうか?」
武士達は困ったように唸った。ま、立場もあるだろうし、命令に従わなきゃならないのはわかるんだが、どうせならこう、むさ苦しいおっさんは嫌だった。気持ち的に。
ふぅ、と俺は溜息を吐くと、微笑んで言った。
「まぁいい。だが、俺よりも将軍様を護れ。何よりも、民を護れ。俺のことなど護る必要はない。所詮は他国の人間だ、と斬り捨ててもらっても構わんぞ」
まぁ、人間ではないけれども。武士達は俺の言葉に納得はしたが、どうしようもないだろうな。それに、彼等は俺への監視の役割もあるのだろう。俺は最初の主張とは打って変わって真逆の事を言った。
「だが命令だと言うのなら仕方がない…外出したいのだが、君達も連れて行ったほうがいいのか?」
俺の言葉に若干困惑気味の武士達だったが、首肯いた。やはり、監視は必要だと考えたのか。影が、ではなく、幕府以下三奉行の何処かだろうな。もしかしたら彼等も武士ではなく諜報部員なのかもしれないな。確か…こっちでは『忍者』と言ったか。
別にやましいことをするわけでもないので、別に彼等の同行を気にする必要もない、か。俺は二人を連れて外に出て雷神像のある辺りから稲妻城城下町を見やる。戦時中であるのにも関わらず、活気に満ち満ちているようだった。
「稲妻人は豪胆だな。戦時中なのにここまで活気があるとは」
俺の独り言のような呟きに、背後の武士の内の一人が反応した。
「稲妻人は皆、誇りを持って生きております。そして稲妻人は皆、将軍様を信じているのです。だからこそ、このように明るく振る舞うことができます」
武士の言葉に俺はなるほど、と一つ返した。しかし、そうか…多分、将軍様ならなんとかしてくれる、と皆思っているのだろう。神同士の戦いを避けるために影は参戦できず、結局三年も膠着状態だというのに。かなりの忠誠心がある、というべきか、現実を直視していないというべきか…。
「おっ」
思わず、声を上げる。俺の視線の先には屋台。そしてそこには面白いものが置いてあった。
「旦那、いらっしゃい!」
店主は智樹という名前で、特筆すべき特徴はない。だが、彼の凄さは恐らくその発想力だ。
「これは?」
「ああ、これは僕のオリジナルで、『団子牛乳』というものなんです。良ければ試食致しますか?」
「貰おう」
俺は団子牛乳を試食し、そして目を思わず見開いた。団子牛乳、なるほど…奥行きのある味だ。やはり発想力に関しては…そう、万民堂の香菱と似たようなものを感じる。
「これ、幾らだ?幾つか買いたいんだが…」
「そ、そんなに気に入って下さるだなんて…!本来の価格は1500モラですが…今回限り、5つで5000モラでどうでしょう!」
「よし…これで足りるはずだ」
かなり負けられた。まぁ、材料費やらを考えるとそんなにかからないんだろう。値引きしても、恐らく彼も得をしているはずだ。それにしたって、得をしていなければ商売にはならないのだろうが。
俺は5000モラを支払うと、団子牛乳の入った麻袋を貰い、店主に礼を言って再び歩き始める。二個程、影へのお土産として持って帰り、後は自分用だ。モンドや璃月に帰れるときには救民団の皆に買っていってやろう。
「八重堂…か、娯楽小説なるものが置いてあるわけか…」
遠目から軽く見てみると『転生ヒルチャール、夕暮れの実を食べ続けたら最強になった件について』、とか『俺の青春ラブコメがカオスな件について』とか…なんというか、こういうのが最近の若い子の流行りなのか…あんまりついていけないな。
ってか、『雷電将軍に転生したら、天下無敵になった』だと…?民衆から見た影や眞がどのように見えているのかは気になるな…だが、この本を持っているのを万が一影や眞に見つかったら…なんというか気まずくなる。この本を買うのはやめておこう。
俺は一冊、前者の『転生ヒルチャール、夕暮れの実を食べ続けたら最強になった件について』を手に取った。少し読んで、元の位置に戻し、次の『俺の青春ラブコメがカオスな件について』を手に取った。この小説を見て、俺はとあることを思い出した。
「…そういえば影、神子と眞からの強い推薦で恋愛系統の娯楽小説に手を出した、とか言ってたっけ…」
と言っても、10年前の話だそうだし、昔の娯楽小説は恐らく現存していないだろう。少し興味があったが、この、『俺の青春ラブコメがカオスな件について』で我慢しようか…。
「店主、この本を全巻貰おう───」
さて、戻ったら全巻読み漁ろう。大丈夫だ、モラなら腐るほどある。結構な出費ではあったが、問題ないレベルだ。見たいものは一通り見たが…俺は後ろの武士達を見やる。
「よし、少し早いが飯にしよう。お前達も勿論食べるんだろう?」
「じ、自分達は別に…」
「いいからいいから、俺の奢りだよ」
稲妻城にあとは帰るだけだし、志村屋に寄っていこう。俺はそのまま武士達を連れて志村屋に寄るのだった。そのまま、何事もなく食事を終えようかという時だった。
「───ご一緒しても?」
同じ髪色…色的には白だろうか。重雲とか、申鶴に似てる髪色の男女が志村屋に入ってきた。顔立ちが若干似ている辺り、兄妹だな。それに身なりも高貴そうだ。いいとこ出の兄妹と言ったところか…。
俺は彼等の考察を程々にして首肯いた。
「ありがとうございます」
ニッコリと人のいい笑みを浮かべた彼は俺の隣に腰掛けた。妹と思われる方は一礼してからその兄の隣に腰掛けていた。俺は周囲の音を拾うため、聞き耳を立てた。
…なるほど。
「社奉行の当主、そして白鷺の姫君ともあろう方がしがない私に何の御用でしょうか?」
まぁ、武士達の反応でも察していたが、社奉行の人間だった。それも、当主である。堂々と接触してきたのだから目立っていないわけがない。高貴な身なりだと考えたため、周囲がそれとなく見たことある人物であればその正体を勝手に囁いてくれると思って聞き耳を立てて正解だったわけだな。
当主はふぅ、と溜息を吐くと目を細めて笑った。
「では、改めまして…貴方のことは、将軍様と神里家に残る文献にて耳に、或いは目にしておりました。神里家当主、神里綾人、以後お見知りおきを。そして、こちらは妹の綾華です」
「神里家当主の妹、神里綾華と申します。以後、お見知りおきを」
俺は丁寧に挨拶をされたので、俺も挨拶を帰すことにした。どうやら、二人共俺のことを知っているようなので、ちゃんと自己紹介しても問題はないだろう。
「じゃあ知っているようだけど一応。俺は昔『元神』と呼ばれていた神、アガレスだ。それで、何の用件かな?」
神里綾人は意味深な笑みを浮かべた後、俺の事情を説明すべく口を開こうとして、俺の後ろにいる武士達に気が付いた。
「貴方達は下がりなさい」
「は、はっ…!では、アガレス殿、我等は先に稲妻城へ向かっております」
「ああ、ここまでご苦労」
神里綾人はどうやら内密に話がしたいらしい。俺は少し身構えつつ、穏やかな微笑を携える神里綾人の話に耳を傾けるのだった。
危ない…食材が『贖罪』になって置いてある贖罪になるところだった…