転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します 作:フィークス2号
銃の悪魔が死んだ。
アキとか他の銃の悪魔恨んでた奴らは最初の方はすげぇ嬉しそうにしてたけど、途中から静かになった。
俺達は銃の悪魔討伐の祝いで色々ウマイもん食ったりした。初めてウナギを食ったけどかなり気に入った。
仕事以外の時はゲームとか映画とか見て過ごしたかったけど、流石にアキに怒られた。
「アイス買ってくるけどなんかいる?」
「肉系のおにぎり!」
「デンジ、買い物行くのか?だったら酢昆布を頼む」
俺はパワーとアキ二人の注文を聞いたあと、コンビニへ買い物に行った。
俺はゴリゴリくんのアイスを買って、公園のベンチで食べた。アイスの棒にはあたりと書かれていた。
銃の悪魔との戦いでマキマさんも死んだ。
俺は思わずそのことを思い出してアイスを吐き出した。
「……もったいねぇ……」
起きてから寝るまでずっと頭がゴチャゴチャしてる。アキとかパワー、姫野先輩に荒井なんかは俺に気を使ってくれるけどそれでも全部糞に感じる。
ウマイもん食ってもウマくねぇ。きっと脳みそが糞になってんだ。
俺はそのままベンチに横になった。
「ぐーぐー」
横になって寝ていると、近くから声がした。
「ぐーぐー」
顔だけ動かして見てみると、そこには黒髪の小さなガキんちょがいた。
「ガキんちょ……。俺はお前に構う気分じゃねえんだ。あっち行っててくれないか。」
そう言って俺はしっしっと手で払った。
だが目の前のガキンチョはそんなのをものともせずに近寄り、俺の指に噛みついてきた。
「……いてー。!?この痛み!?まさかマキマさん!?」
俺はハッとなって目の前のガキんちょ、いやお嬢ちゃんをみる。
「?」
不思議そうな顔でおれを見返す目の前のガキんちょ。側から見たら間抜けな光景だったろう。
そんな状態で静止してると近くから声が聞こえた。
「その子は私じゃないよ。その子は新しい支配の悪魔なんだ」
俺はゆっくりとゆっくりと顔を動かして声の主を見た。
そこにいたのは今度こそマキマさんだった。
「マキマさん!?」
私はもうすぐ冬なのに、夜の公園でアイスを食べながら寝ているデンジ君に、自分の上着をかけた。
「はい、デンジ君。そのままじゃ風邪ひいちゃうよ?」
「え?え?え?なんで生きて……いや!生きてるのはめっちゃ嬉しいんすけど!」
デンジ君はとても困惑している。そりゃそうだ、私は死んだと伝えられたのに、こうしてこの場に私がいるんだからね。
「いやー、あの時一応死んだんだけどね……。転生したんだ。」
「転生……。そういえば死んだ悪魔は転生するって……それじゃあマキマさんは生まれ変わったんすか!」
「いや……一応生まれ変わったんだけど微妙に変な感じで生まれ変わっちゃって……。私は二人の悪魔に分離して生まれ変わったんだ。
私の名前だった支配の名を持つ、新しい支配の悪魔はこの子なんだ。ほら、自己紹介してあげて。」
「……ナユタ」
デンジ君はポカンとしている。まぁ……よくわかんないよね。私も何が起こってるのかいまいち把握してないし。私が理解している内容をデンジ君に頑張って伝えることにした。
「あの銃の悪魔との戦いの時にさ、最後私は死んだよね?
その時に支配の力を使って、死んだ後も自分の記憶を覚え続けられるようにしてみたんだ。そしてその思惑はうまく行った。
でも……なんでかわからないけど、支配の悪魔としては転生しなかったんだ。」
「マキマさんって支配の悪魔だったんすか」
「うん、実は言ってなかったけどね。私は支配じゃなくて別の悪魔として転生して、記憶とかそういうの諸々を前の支配の悪魔の力で受け継いだんだ。ちょっとややこしいね。」
「別の悪魔……?それじゃあ今はマキマさんって、なんの悪魔なんですか?」
「『公安対魔特異4課の悪魔』だよ。」
私は笑顔で答えた。
「『公安対魔特異4課』……」
「うん!銃の悪魔との戦いでさ、うちって結構有名になったから、悪魔とか外国から恐れられるようになってね。その結果公安対魔特異4課の悪魔が生まれたんだ。
特異課といえばマキマ!ってイメージがあるらしくてさ、それが原因で私が支配の悪魔じゃなくて特異課の悪魔に転生したんじゃないかって言われてる。
実際のところはまだまだ調べてみなきゃわからないけどね。」
私が支配じゃなくて特異課の悪魔に転生した理由って、本当にわからないんだよね。私の前世、いや前前世が人間だったのと関係してるのかな。
「うーん。よくわかんねえっすけど、とりあえずマキマさんも生きてて、なんの問題もなくハッピーエンドってことっすね!」
デンジ君が明るく笑顔で言う。
「ううん……問題はあるよ。とても大きい問題が……」
「え?なんすか?」
「銃の悪魔を倒したから!復讐を果たしたってことで!公安を辞める職員が!多すぎるの!」
私は頭を抱えて叫んだ。
「ううう……みんな銃の悪魔打倒をモチベにしてたから、その目的を果たして公安で無理している意味が無くなっちゃってさ。
どんどん退職者が出てきてて人手不足。しかも岸辺先生が言うには、『マキマが生きてることを知ったら、安心して公安を辞める奴がもっと増える』って言うし……。
これじゃあ公安が回らないよぉ……。」
私は悲嘆の声を上げる。
「ええ〜!それじゃあ、江ノ島旅行の代わりの、銃の悪魔討伐祝いのデートは!?」
「ごめん……めっちゃ忙しくてできそうにない。本当にごめんよぉ……。」
私は項垂れながら言った。
「よしよし」
そんな私をナユタちゃんはなでなでしながら、慰めてくれた。ナユタちゃんめっちゃいい子。
「そういえばマキマさん……その子、ナユタでしたっけ?なんでこの子を連れてきたんすか?」
デンジ君が尋ねてきたので私はようやくここにきた本来の目的を思い出す。
「ああそうだった!デンジ君にとても大切なお願いがあるんだ。この子に関することなんだけど聞いてもらってもいいかな?」
「ええ!勿論っすよ!デンジ君なんでも聞いちゃいますから!」
「ありがとう……実はなんだけど、デンジ君にはこの子の面倒を見て欲しいんだ。本当に急な話なんだけどさ。」
「俺がこの子の面倒を……ってえええええ〜〜!?」
デンジ君は困惑している。
「支配の悪魔だった頃の私はね、日本政府に育てられたんだけど、とても辛い日々だったんだ。
それもデンジ君、君に出会えることを知らなければすごい怖い人になっちゃうくらいにね。
もしこの子がどこかの国家や政府に育てられたら、今度こそ怖い人になっちゃうと思うんだ。」
私は原作の真マキマさんを思い出しながら言う。
「だからデンジ君、この子を育てて、愛してあげて欲しいんだ。」
「でも……マキマさん。俺、この子とどう接すればいいかなんてわかんないっすよ?」
「大丈夫だよ!きっと……ポチタがどうすればいいか教えてくれるから。」
私は満面の笑みで、デンジ君に微笑んだ。
「またチェンソーマンが悪魔を倒したのか!?」
「確か銃の悪魔を殺すまでは公安に所属してたんだよな?」
「あのマキマの相棒だったとか聞いたぞ」
「俺の聞いた話だと上司と部下の関係だとか」
「ねぇ知ってる?チェンソーマンって今は高校生って噂だよ!」
ブゥゥゥン………
第一部 公安編 完
今までご愛読有り難うございました。
ここまで投稿できたのは皆様のおかげです。本当にありがとうございました。