ゲームやってたらつい……

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血染めのユフィ回避ルート

 

「わかった……負けたよ、ユフィ」

 

 明かりが一切落とされたGⅠベースの中、漆黒の衣装に身を包んだゼロ――いや、ルルーシュがそう呟く。

 

「だったら……!」

「おっと、といっても、君の部下になるわけじゃないからな」

 

 その言葉を耳にして、喜色を浮かべたユーフェミアに、ルルーシュがおどけるように言葉を返す。

 そのやり取りには先程までのような険はなく、そこにはゼロではなく、在りし日の思い出のままのルルーシュがいた。

 

 それがなんだかおかしくて、ユーフェミアはおもわず、クスリと笑みを浮かべる。

 

「それにしても、わたしって信用がないのね」

「うん?」

「だって、いくら脅されたからって、私があなたを撃つわけないでしょう。それなのに……心外です」

「いや、違うんだ。俺が本気で命令すれば、誰も逆らえないんだ」

 

 機嫌を損ねた。そんな風を装って、ユーフェミアがルルーシュに話す。

 勿論本気ではない。死んでいたと聞かされていたナナリーと会えて、そしてルルーシュも生きていると知って、そしてこんなやり取りをできることが嬉しくて、つい、昔のように腹違いの兄弟をからかいたくなったのだ。

 

 だというのに、ルルーシュはもっとおかしなことをいいだした。そういえば、昔からルルーシュはこういう自信家だったな、と思い出して、また嬉しさのあまり笑いがこみ上げそうになる。

 

 ルルーシュの言葉は続く。

 

「たとえば、ルルーシュを撃て、スザクを解任しろって言ったら……」

「え……?」

 

 その時だった。

 何の因果だろうか。ルルーシュはその身に秘める超常の能力、絶対順守のギアスの力を暴走させてしまった。

 本来であれば、僅かに先。次に続く言葉「たとえば、日本人を殺せっていったら……」と言った瞬間に暴走したルルーシュのギアスは、蝶の羽ばたきが地球の裏側でサイクロンを起こすように、僅かな積み重ねの結果として、今この瞬間に暴走を起こしたのである。

 

 そう、つまり……。

 

「い、いや……」

「ユフィ?」

 

 急にユーフェミアが身体をすくませ、何かに抵抗するかのような振る舞いを見せる。

 

「わ、わたし……やりたくない」

 

 どうした、何が起きた。医者を呼ぶか……? ルルーシュが逡巡する僅かな瞬間。その間に、ユーフェミアに対する、絶対順守のギアスによる洗脳は完了した。即ち……。

 

「そう……よね。ええ、そうしなきゃ」

「……なに……、まさかっ!」

 

 GⅠベース内、鏡面加工の施された金属の装飾部分を見やれば、そこにはルルーシュの左目がギアス発動時の妖しい輝きを放っていた。

 

 ギアスの暴走か!?

 

 明瞭たるルルーシュの頭脳が僅かな時間に正解を導き出すも、もはやすべては遅かった。

 

「待て! ユフィ!」

「スザク~~~!」

 

 絶対順守のギアスは、一度発動すれば相手の意思をも捻じ曲げる。

 たとえかけられた本人が、命より大切なものでも塵芥のごとく投げ捨てさせ、忠誠を誓った主君にさえ刃を向けさせる。それゆえに、それは回避すること能わぬことだった。

 

 

「スザク!」

「ユーフェミアさま……もうお話は終わりですか ゼロはどこへ」

 

 GⅠベースの中から、ユーフェミアが駆け足で出てくる。

 入口直ぐで待機していたダールトンが、どうしたのかと聞くが、ユーフェミアは一切気に留めることはない。

 そして、いても経ってもいられないという風に、スザクに近寄り、手を取ると、その天真爛漫な笑みを浮かべてこういった。

 

「スザク……あのね」

「はい、ユーフェミアさま」

「あなたは、わたしの騎士を解任します!」

「はい……はい?」

 

「っく……遅かったか」

「ゼロぉ……貴様、ユーフェミア様にいったい何を吹き込んだ!」

 

 こうして、枢木スザクはユーフェミアの騎士と、行政特区日本の代表を解任された。

 スザクの存在を希望の光と信じて行政特区日本に集まってきたイレブンたちは動揺したが、その後に黒の騎士団も行政特区日本への参加を発表し、ゼロを筆頭に黒の騎士団幹部たちが次々と行政特区日本の顔役に着任することで、その動揺も収まっていった。

 

(スザクには悪いことをしたな。まあ……ナナリーとくっつければいいか)




解任皇女ユーフェミア

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