「あら、光夜じゃない」
「あ、眞妃さんじゃないですかこんにちは」
「それで...こんなところで何やってるの?」
それは学校のない日曜日。東京のある街で光夜は四条眞妃に話しかけられた。
「ボランティア部が募金活動をするようで、生徒会としてその手伝いですね。御行先輩と一緒に。眞妃さんは?」
「...私もボランティア部なのよ...」
「こんなところで何をやってるんですか...」
眞妃は木陰に隠れて募金活動の様子を見ていた。そんな眞妃を光夜はジト目で見てから田沼、柏木がいる方に眞妃を連れて行こうとするが...
「ま、待って! 心の準備が...! もうちょっとここで待たせて...」
「言ってる意味が分かりませんが...まあ分かりました。じゃあ自分は先に行ってますね」
「待って! もうちょっとここにいてくれないかしら? ...一人だと何をしてしまうか分からないから...」
「本当に言ってる意味が分かりません...」
(この人相変わらずよく分からないんだよね...。四宮と四条は仲が悪いけどこの人に敵意を持たれてるかどうかすら分からないし)
「もういいわ! 心の準備はできたわ! 待たせたわね光夜!」
「...本当ですよ。なんで一時間も待たされたんですか。ていうか素直に一時間待った自分も馬鹿だ...」
それから残り少ない募金活動を行なった。
「さっきは助かったわ光夜。この後お礼するから少し付き合いなさい!」
「えっ...いや別に...」
「何? せっかく四条のこの私が施しをさせてあげようと言うのに断るというの? この不調法者!」
募金が終わり、光夜は眞妃にそう誘われる。そこまで強い口調で言われ、特段光夜に断る理由もなかったので首を縦に振る。そして二人は気づかない。
田沼と柏木を反社会勢力にしたのかと不安に思ったかぐやが丁度様子を見に来ており青い顔で、そしてすごい目つきで二人を睨んでいる事に光夜達は気づかなかった。
──────
四条眞妃という人間は四宮憎しの四条家の人間ではあるが周りの人間ほどその傾向はない。それに加えて四宮家の奥深くの事情まで知らない彼女にとっては光夜は自らの家、四宮家から追い出されて可哀想、不憫な存在なのである。
そして血の繋がった親戚。光夜が四宮の苗字を捨てた事で四条家の人間も光夜に対してはそこまでの嫌悪感はない。
かぐやが光夜に向ける感情とは違うが、眞妃も親戚として光夜の事を思っている。
「だから哀れなあなたに施しをさせてあげようって言ってるのよ」
「いや...自分の分は自分で払えますから...」
「何? 私の施しは受けられないって言うの?」
が、四条眞妃という女は超がつくほどのツンデレであり、天邪鬼なのである。結果...
(やっぱりこの人何がしたいのか分からないで苦手だ...)
光夜に対して100%善意を持って接しているがその気持ちが光夜に届いた事はない。
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