活動報告のところにヒロインアンケートを載せています。よろしくお願いします!
文体を修正しました(8/28)。
入学式が終わって数日経ち、校内も様々な変化に慣れて落ち着いてきた。そして生徒会もある活動を始める。
新入生スカウト!
まあ一年生なのでスカウトに足る人材が0になる年も存在するらしいが。そして白銀御行も過去にそのスカウトを受けた人間である。そしてそれは...
「そういえば御行先輩と知り合ったのもこれくらいの時期でしたね」
「そうだったな」
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伏見光夜は秀知院学園中等部の3年生であった。彼は1年次と2年次はほぼ学校にはいなかったがその知名度は群を抜けている。
なぜなら秀知院学園は幼等部(幼稚園)からある。初等部(小学校)からの生え抜きを純院と呼び、中等部以降から入学してきた人間を混院と呼び差別する風潮があるくらいだ。
初等部の頃から光夜は有名な人間であったため中等部の2年間、秀知院にいなくてもその知名度はやはり群を抜けていたのである。
「全く、どいつもこいつも純院だ混院だ、って差別しやがって...」
「本当、くだらないですよね」
昼休み。彼はやはり注目を集めるのである。そして大半の生徒は彼に萎縮し、同級生であっても敬語を使われる。初等部までは光夜は四宮光夜であったため、それが理由だろうと納得していたのだがもう光夜は四宮ではない。それなのにこの様は何だと。
勿論全員が全員光夜に対してそのような態度をとる訳ではない。特にキーキー吠える犬のような同級生にはそのような態度を取られた事はただの一度もない。それでも大多数がそうであり、光夜も嫌なのだ。だからこそ決まって光夜は昼休みはこの誰も通らない学園の端のスペースで過ごすのだ。
知っているかは分からないが秀知院学園の高等部と中等部は隣接している。そして光夜がいる側の学園の端は高等部と隣接している側である。こうして光夜は高等部側にいる一人の男子高校生と出会ったのである。
「先輩、ですね。高等部の制服着てるし。やっぱり高等部でもまだそんなくだらない事やってるんですね」
話としては聞いていたが光夜は高等部に通った事などない。中等部にも途中で入学できる事から中等部にも純院、混院差別というものはある。光夜は常にしょーもない事だな、と思っていた。
「親の七光りなんて本当にくだらない。いや、周りの人間が益を得ようとどこかの御子息や御令嬢にヘコヘコするのはまだ分かります。けれどそれを鵜呑みにしてまるで自分自身が偉くなったかのように錯覚するのは見てて滑稽です。先輩もそう思っているんでしょ?」
その男子高校生、まあ名前を白銀御行と言うのだが、(自己紹介などしてないので当然お互いの名前は知らない)別に彼はそこまで考えていなかった。自分が混院である。その一点だけを抜き出して自分の他の部分など見もせずに自分を評価する。その事に不満を抱いて親の七光りはくだらない、などと言っていた。言うのなら彼は無意識の内に純院の人間に劣等感を抱いており、自分の方が下だと考えていた。だから彼らがしょうもない、滑稽だなどと本気で考える事などなかった。
「お前は混院の生徒か?」
「いえ、違います。ですが別に自分を純院だと名乗りたいとは思いません。」
白銀はこの男子中学生を混院の人間であると考えていた。
「まあ自分も小さい時は彼らと同じような下らない優越感を抱いていたので、彼らを見てみると自分の黒歴史を思い出してしまって嫌悪感を抱いているってのもあるんですけどね」
これは光夜がまだ小学一年生の時の話である。しかしそんな事は当然知らない白銀はこの男子中学生がつい最近、中学生にまでなってこんな考えを抱いていたなんて恥ずかしい!と考えているのだと納得した。要するに厨二病と同じように解釈したのである。白銀も中二であった時代があり、彼も人に見せれない黒歴史がある。それをよく他人に話せるな、と白銀はその男子中学生に対し、すげぇという感想を持った。
「普通に考えて分かると思うんですが、内部進学の平均点数より入試の最低点数の方が高いんですよね。勿論勉学だけが全てではありませんが一つでも優っている相手にどうしてあんな態度をとれるのかと」
そしてこれは白銀にとっての転換点であった。全てを磨く事が理想だがそうでなければ何か一点だけでも誰にも負けないように磨けばいいのだと。その一点さえ伸ばした後で他のところも磨いていこう、と。彼のそれは勉学であり、後日四宮かぐやに対して定期テストの挑戦を叩きつける事になるのはまた別の話である。そして昼休みの終了を示す予鈴が鳴る。
「お前と話すのは中々有意義であった。また話そう。」
「自分も先輩と話すのは中々楽しかったです。こちらこそ、喜んで。」
こうして後の生徒会長、広報となる二人の対面はお互いの名前を知らずに終わったのである。
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そんな彼との昼休みの交流は幾度となく行われた。いつしかお互いの名前も知るようになり、無機質な『先輩』は『御行先輩』と変わり、『お前』というぶっきらぼうな呼び名は『光夜』へと変わった。
「っていうかやけに久しぶりだな。数ヶ月ぶりだろ」
「まあ、中学は義務教育で留年はありませんので」
「そういう事ではない。...まあ決してズル休みじゃないし外部の俺がどうこう言う事ではないな」
「そう言って貰えると助かります。」
事実、ここ最近はとある企業との闘争によって常に気を張っていなければならなかった。向こうが余計な手出しをしてきたのを見過ごす光夜ではない。それなりに大きい企業だったので数ヶ月と、彼にとってはかなり時間がかかったが無事に先日、手出しをしてきた首謀者たちに
「まあ俺も休みたい時はあるからな」
「それ、生徒会長が言ったらダメでしょう...」
「お、俺は高等部の会長だからな...。中等部の生徒に聞かれても問題はない」
「もうすぐ自分も高等部に進学するんですが...」
「じゃ...じゃあ留年してくれ」
「だからできないんですって」
そんな下らない事を言い合えるくらいには仲が良くなったのだ。
「あ、予鈴鳴りましたね。それでは」
「ああ。また今度な」
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「お前は十五になってごめんなさいの一言も言えんのか!」
教室に戻る際、生徒指導室から怒鳴り声がし、気になった光夜はいけない事だと分かっていながら聞き耳を立てた。
「い、いや...。僕にもまずい点があったのは分かっていますし反省しています...。でも...謝罪だけは死んでもできません」
「舐めるのもいい加減にしろ!荻野はよぉ、チャラチャラしてるが性根の悪いやつじゃない。お前がきちんと謝るのなら許すって言ってくれてるんだぞ。優しい奴じゃないか」
「許す...そうですか......」
反省しているのになんで謝らないんだろう。謝るだけで許されるというのに。光夜はその会話の中でそこが引っかかった。
気になった事を放置する光夜ではない。しかし光夜はつい最近まで学校にまるで来ておらずその事件も、そして怒られている男子生徒の名も知らなかった。唯一分かったのは荻野、という名前。おそらくあの男子生徒から何かされた被害者なのだろう。当然光夜は荻野、という名前の生徒にも心当たりがなかった。それなら知っている奴に聞けばいい。それも公平な視点に立てるやつの。
「という訳で聞きにきた」
「わざわざ呼び出したと思ったら...。何で石上の事を...」
伊井野ミコ、キーキー吠える犬のような同級生である。裁判官を目指しているし風紀委員としての取り締まりも誰かれ構わず取り締まっている。四宮時代のときの光夜を取り締まった実績もある事からその説得力は十分だろう。だがしかし、
「え?お前ってその石上君の事好きなの?」
荻野という名前を出しただけでさっきの生徒の名前が石上という事は分かった。石上という名前が出てくるまであまりに早かった事から少し揶揄うと...
「何で私があんな奴!石上なんて大嫌いよ!そもそもあいつは.................」
「(こうなってしまった...。ガミガミとうるさい...)」
どれくらい伊井野は話し続けていただろうか。光夜は途中気絶しそうになったがそうするとまた一から言われる事もありえると考え意識を手放さないように強く、そう強く握りしめた。
「分かったから。お前がその石上君の事が嫌いなのは分かったから」
「わ、分かればいいのよ」
一気に捲し立てたからか、客観的に大声で叫んだ事実を振り返って恥ずかしくなったからか伊井野は顔を赤くさせながらもこうして第一次石上事変は終わった。
「で、じゃあ石上君が起こしたその事件について教えてもらってもいいか?」
「石上が大友さんにストーカーしてその彼氏の荻野君を殴った...」
っていうのがひとまず知れ渡っている事実って事だな。伊井野は石上君の事嫌ってるしこれに間違いがないかを調べてみるか。
「けどっ!石上は風紀を破ってゲームばかりするろくでなしだけどっ!本当に人が傷つく事はしない!」
「伊井野...」
「(お前やっぱり石上君の事を...なんて言葉を喉から出す直前に消しとばした事をまず褒めたい。停戦直後に第二次、なんて洒落にならない。主に自分の鼓膜が)」
「ありがとな、伊井野」
「(大まかな事件が起こった概要と関係者の名前。それさえ分かれば後は大丈夫。自分が気づいた点なんて石上君のたった一言と些細なことでみんなが言ってる事が真実なのかもしれないけどね)」
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「あの時、些細な事だと切り捨てなくてよかった」
事件はなんと初手で大方分かってしまった。荻野コウがどういう人物なのか、荻野コウの正体さえ知れば真実の扉が開かれる。荻野を殴った時石上が言った言葉も意味がまるで変わってしまう。
「さて、石上君にはなんて伝えよう」
光夜は石上の家の前でそう考えていた。
「光夜の思いをそのまま伝えたらどうだ」
「御行先輩!」
「光夜が何か動いてる。そう誰かからタレコミがあってな。調べてみたら色々なものが出てきた。ここにお前がいるって事は俺達とお前の調査結論は同じだという事だ」
「姉さん、ですか?」
「否定はしない」
「(やっぱりかぐ姉だったか)」
「それでは行くぞ!」
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「ふざけんな...」
告発文だ。全部ぶちまけてやる。荻野がキレて大友を殴ろうが、リベンジポルノかまそうが僕には関係ない。一刻も早く解放されたい。
「書いてやる。書いてやる書いてやる書いてやる書いてやる書いてやる!」
...結局僕は何も書けなかった。媚びるような謝罪。僕はイタくて迷惑な、おかしな奴でした。そんなとき、二人の男が訪れた。
「お前は大友京子を守るために何の反論もしなかった」
「石上君が起こした事件の数日後、荻野と大友さんは破局したらしい。今では会って会話をする事もないらしいよ」
「荻野は相当お前を警戒していたようだ。まあ反省文だけ出さずに自分から数ヶ月も停学している奴なんて怖すぎるしな」
「勿論石上君がやった行動が全て最善だったか、と言われれば分からない。けれど...大友さんは石上君によって助けられた」
「だったら!お前が書くべき反省文は...こうだろ!」
そう言ってその人はうるせぇバーカと反省文に大きくマーカーで書いて僕に突き出した。
「ウッ...ううっ..」
僕はおかしくなんてない。僕は二人に助けられた。
「おい光夜、どこに行くんだ?」
「まあ、ちょっと最後のシメですよ。御行先輩は石上君をお願いします」
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「全く、俺がせっかく時間をとってやってるのに何だあの目は」
「(目的の人物はまだ何も知らずふんぞり返っているな)」
「ん?なんだ。入る時はノックをしろ」
「こんにちは。生徒指導の先生ですよね」
「そうだが」
「本日は秀知院学園の生徒としてではなく、
その一言で男の顔つきが変わる。腐っても秀知院の教師。上流階級の事は知っているらしい。
「石上優の事を教えてください。」
それからは酷かった。目の前の男は石上優という男をいかに悪くておかしな人間だ、という事を力説した。
「そうですか。ところで、荻野コウという人間が徒党を組んで性犯罪を行なっていた事はご存知ありますか?」
「は?」
「既に徒党を組んだ相手も調べがついています。流石秀知院学園ですね。親は名が通った方みたいです。荻野君の親の話をするとすぐに白状してくれました。」
実際には荻野も光夜の事を知っており、もう自分が逃げきれないという事を悟り、できる事なら傷を浅くと思って全てを白状したのだが。
「そして彼らの次のターゲットは大友京子さんだったらしいです。」
「え?」
「分かりますか?今回の事件で被害者の荻野君の彼女と言われた大友さんです。あ、石上君が大友さんをストーカーしていたというのは真っ赤なデマですよ。実際に事件が起こる数ヶ月前から彼の行動を遡って調べましたがそんな事実はない。
そういえば、ストーカーなどしていない石上君が荻野君に対して『お前は金輪際、大友には近づけさせない』って言ったらしいですよ。石上君が荻野君を殴った理由、そろそろあなたにも分かったんじゃないんですか?単なる暴力事件よりも更に大きな、被害者は一体どちらなのか。加害者は一体誰なのか」
「それは...」
「しかし周りの学生が勘違いするのも無理はない。石上君は真実を叫ばなかった。いや、仮に叫んでも無駄だったでしょう。荻野君の立ち振る舞いは完璧でした。まあその後、何の疑問も持たずに与えられた話だけでそう思い込んでる事は恥ずべき事ですが。彼らに対する落ち度は、彼らに対する非難は噂に疑問を挟めなかった事。単なる能力不足です」
彼らと違って伊井野は情報が少ないながらも言われた事に、噂に疑問を持っていた。
「しかしあなたは違う」
「ッ!」
「あなたを含めた教職員は生徒指導として生徒を裁く立場だ。あなたは噂を鵜呑みにして最初から石上君が悪者だと一方的に決めつけていた」
「しかしそれは石上が真実を言わなかったからだ!」
「あなたはそもそも石上君の言い分など聞かずにただ怒鳴りつけていただけだ。私も昨日、その場面を目撃しました。それを、生徒指導とは呼ばない。そして...
「何?」
「真実が明るみになれば大友が悪い男に捕まった事もバレてしまう。そうなればある事実にも気がつく人間は出てくるでしょう」
「ある事実、だと?」
「荻野たちは性犯罪のグループを結成していた。そしてグループ全員で暴行をする次のターゲットが大友京子だった。荻野と彼女は既に身体を重ねている」
「じゃあまさか、次の事実って...」
「そういう事には気づくの早いんですね。そうです、大友さんの動画はネットにあげられていました。男にはモザイクがかけられていましたが。ですから今更あなた達に真実を話す機会など与えない。石上君の言葉を聞かなかった人間が石上君がやろうとした事を台無しにする事など許さない。まあ、もうそんな事できる状態にはないですけど」
見つかる限りの動画は強制的に削除した。だがインターネットとは恐ろしいもので削除しても完全に消える訳ではない。一度アップロードされてしまえば完全に消せる事などないのだ。
「何だと!」
「石上君は彼女の名誉を守るために沈黙したんです。ですがあなたはその沈黙をいい事に石上君を悪者だと決めつけた。一通りの石上君の弁明さえ聞かずに。あなたは、あなた達は無実で純粋な一人の若者の未来を消しかける事をしたんです。それを教育者とは呼ばない。あなたに教育者を名乗る資格はない」
「...脅しか?」
「脅し?あなたはまだ何も分かってないようですね。脅し、とは恐怖でもって何かを要求する行為です。あなたから得なければならないものなど何もない。それに...脅しで収める訳がないでしょう?」
「...ッ!」
「そうですね...明日までに少しでもスワヒリ語を話せるように今からでも勉強しておく事をお勧めしておきます」
──────
翌日、教職員達がどうなったのか、それは私立学校では珍しい人事異動が突然行われて数人が秀知院学園を去った、とだけ言っておこう。荻野コウも姿を消したという。
それから石上は学校への復帰が認められた。本人の要望により事件の真実は一般生徒には伏せられたが伏見光夜と高等部の生徒会までもが石上のために動き、またこれらが険悪ではない事から一般生徒もあの事件には何か裏があった、という事を察したようだ。そして人間の空気というものは集団の中で感染し、大きくなっていく。依然、石上はあまり周りに友達がいる訳ではないが彼に対する視線は嫌悪ではなく困惑へと変わっていった。石上のあの事件を話題に出す事自体が
──────
「御行先輩!」
「ああ。誘う人物なら既に決まっている!」
なんか思いの外長くなってしまったな...ま、いっか。
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