ヒロインアンケート、もう少しで締め切るかもしれないのでまだ回答なされてない方は活動報告から回答よろしくお願いします!
それはある休日のことであった。
「早坂、光夜に女として意識されるためにはどうすればいいのかしら」
「な、何言ってるんですか? そんな事したら...」
そんな事したら光夜の事を好きだと言ってるようなものですよと言う早坂。これまでも何回か同じような事がありその度に、つい冷静になった時に泣きつかれるのがお決まりのパターンであった。
「だから...そう言ってます」
「えっ?」
しかしかぐやのそれはこれまでと異なる目つきであった。かぐやは既に覚悟を、そして自分の気持ちを固めていた。それは光夜が誰かに告白をしに行くと決めたあの日から...
(私はあの時、すごく胸が苦しかったわ! そして...今なら分かるの...。このまま...このまま変わらなかったら...あの光景がそのまま私の未来になってしまう!)
しかし問題は光夜とかぐやが姉弟であるという事。いや、光夜とかぐやは従姉弟であるので何の問題もないのだが光夜が完全にかぐやの事を姉としてしか見ていないところにある。そしてこのまま無計画に告白してもただ失敗するどころか姉弟としての関係すらも壊れてしまうという最悪の展開まであり得てしまう。
(それでも! もう自分の気持ちに嘘はつけない!)
これはただの恋愛頭脳戦ではない。ただ告白させるという事ではまだ足りない。恋に敗れ、今までの関係全てが崩壊してしまう恐れもあるDEAD or LOVE。しかし賽は投げられた。
(だからっ! まずは! 光夜に身内ではなく他人だと思わせなければ!)
長年の停滞からかぐやは前に進み出した。
──────
「あ! 姉さんおはよう」
計画が始まった事など当然知らない光夜は呑気に朝の挨拶を交わす。それにかぐやの頬は緩みそうになるがしかし、これはあくまで姉弟の愛情のそれ。かぐやはそれよりも深い関係を求めている。肉を斬らせて骨を断つ! ...とは少し違うかもしれないがとにかくかぐやは最後の覚悟を光夜の目の前で固めた。
「光夜。私の事は姉と呼ばないで下さい」
「え?」
「私はあなたの姉ではありません」
「え...」
その後もかぐやは胸が痛くなるのも我慢しながらもこれまでの対応を改めていった。
(ッ! なんて辛いの! でもこれはしなければいけない事なの!)
──────
一方その頃光夜は...
(え...何で? かぐ姉?)
そして光夜が姉の事について相談するなら...一人しかいなかった。
「助けて早えもん!」
「人を青いタヌキみたいに言わないで下さい光夜様」
他の事は一人でできても姉関係では早坂に依存しているのである。
「何か...姉さんを怒らせちゃったかな...?」
(あー...これはかぐや様の思惑が明後日の方向に向かってますね...)
「分かりました。かぐや様にそれっぽく聞いておきます」
「ありがとう早えもん!」
「だからその呼び方やめて下さいって」
──────
「え? 今、何って?」
「ですから、光夜様は酷く落ち込んでいました。あの様子からして他人のように接する、距離を置く事は得策ではないと思います。辛く当たってしまうと姉弟から他人になるのではなく、ただ仲が悪い姉弟になる可能性が高いです」
かぐやは光夜が酷く落ち込んでいたという事を聞いて顔を青くし、更にただ仲の悪い姉弟になるかもしれないと言われ、より顔を青くさせた。
「ならどうしたらいいのよ!」
「簡単です。執拗に距離を空けるのではなくその逆、むしろ距離をこれまで以上に縮め、恋人のような距離感で接すればいいのです」
(せっかく胸を痛くして実行したのにそれが無駄だったなんて! ...でもこれ以上光夜に辛く当たらなくていいのならそっちの方がいいわね!)
「そうするわ。では明日からのため、今日は英気を養うために寝ます」
「分かりました。おやすみなさいませ、かぐや様」
──────
翌日
「お、おはよう...?」
「おはよう光夜。昨日はごめんなさいね」
返ってきた返事は昨日の冷たいものではなかった。
(よかった! 早坂には感謝しないとな!)
光夜は安堵の表情を浮かべる。
(やっぱり光夜は笑顔の方がよく似合うわ!)
出だしは上々である。
「あれ? 今日の朝食」
四宮家では三食の食事は一流の栄養士がバランスを細かく考えて提供される。だが今日は違った。
「ええ。今日は光夜の好きなものを私が作ったわ! でもちゃんと栄養も考えているからそこは安心しなさい」
かぐやはそう言って胸を張った。そして光夜はある事に気づく。
(あれ? 箸がない。かぐ姉にしては珍しいミスだな)
「はい、光夜」
「え?」
かぐやは一体何をしているのか。ハンバーグを一口サイズに分けてから光夜の口元へ箸を近づけている。
「箸がないと食べられないでしょ? だからはい、あーん」
そこで光夜はかぐやの
「光夜! 私の分のデザートも食べていいわよ!」
「えっ...わ、分かった...」
「光夜! 耳掃除してあげるわ!」
「はい...」
「光夜! 先にお風呂入っていいわよ!」
「......」
かぐやにとってはどれも恋人同士がする行為、会話。それを光夜とできる事によってかぐやの脳内ではオキシトシンなどの幸福物質が生まれていた。
(あぁ〜なんて幸せなのかしら! これで光夜も私達の事を姉弟を越えたものだって思ったはずよ!)
──────
一方その頃光夜は...
「助けて早えもん!」
「だから人を青いタヌキみたいに言わないで下さい光夜様」
早坂の部屋であった。
「それで、今日はどうされたんですか?」
「姉さんがおかしいんだ...。いつもよりやけに優しいというか...いつもしないような事をしてて...」
人は知らない事を恐怖に思う生き物である。いつもニコニコしている人はその笑顔の裏に何を飼っているのか分からないで怖い。それは怒鳴り散らかす人よりももっと人間の本能的な部分で相手に恐怖を与える。
「やっぱり姉さんを怒らせちゃったのかな...?」
そしてそれは不気味さとして、昨日よりも光夜は震えていた。
(かぐや様のやる事がことごとく上手くいっていない...)
...これは天才達による恋愛頭脳戦である。
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