不死鳥のヒーローアカデミア   作:ゴマだれ

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今回はUSJ事件です…ただVS脳無は次回になります
書く度に多くなっていく文章量…その内一万代になりそう




迫り来る手

 

 

マスコミ騒動から数日が経ち平穏という言葉を具現化したかのような日々が続き、何事もなく続いた。丸越も自身の不安は勘違いだったのかと思い始めすっかり警戒を解いていた。

 

「さて、今日のヒーロー基礎学だがオールマイトに俺…そしてもう1人のプロヒーローの下行う。内容は昨日までとは一新…人命救助訓練を行う!」

 

人命救助、敵退治に比べて一段劣るように見えるが敵退治よりも重要度が高く、その分ヒーローを志すものとしては無くてはならない技能の一つである。

 

「救助か……今回も大変そうだな」

 

「言ってる場合かよ!救助こそ、ヒーローの本分じゃねえか!腕が鳴るぜ!」

 

「水難に関しては私の独壇場ね、ケロケロ」

 

人を助けるというヒーローの本業に全員より一層気合が入っていた。

 

「今回、戦闘服コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を制限するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるから、バスに乗って移動する。出発は20分後だ。以上、準備開始」

 

その言葉と共に各々が準備を始める。丸越もコスチュームの入ったケースを片手に更衣室へ移動する。

 

 

 

 

 

 

 

各自着替えと準備を終わらせてバス乗り場へと集合する。校内では訓練設備の数ゆえに敷地の大きさは他とは比べ物にならない、その為移動はバスを使うことになっている。

 

「ん?デクくん体操服だ。コスチュームはどうしたの?」

 

「うん、屋内訓練でボロボロになったからサポート会社に修復に出してるんだ」

 

「確かにボロ雑巾みたいになってたからな」

 

緑谷は体操服で訓練に参加するようで、あの特徴的な被り物も今回は出番がないようだ。

 

「葉隠も体操服か?」

 

「うん、流石に丸越くんが言ってた個性に同調するコスチューム作って貰ってるんだ!」

数日前の会話で考え直したようでコスチュームのデザイン案を出し直し、毛髪を編み込むことでコスチュームも透明になるように作り直しており現在完成待ちとのこと

 

「みんな!バスに乗った順に席に座るんだ!」

 

「早速委員長らしい事してるな」

 

皆がバスの前に到着すると、飯田が早速委員長らしく皆を先導するが

 

「くそう…こういうタイプだったか…不覚!」

 

「意味なかったね!」

 

バスの構造がイメージと違ったことで悔しがっている飯田に慰めの言葉をかける芦戸、しかし結果的に傷に塩を塗りたくる事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

「緑谷ちゃん。私って、思ったことはなんでも口に出しちゃうの」

 

訓練場に向かうバスの中で暇潰しに各々が話す中、蛙吹が緑谷に声をかけた

 

「えっと……蛙吹、さん?」

 

「梅雨ちゃんと呼んで?貴方の個性…オールマイトにそっくりだわ」

 

「 そ、そうかな!? どこにでもあるありふれた個性だと思うけど…」

 

「でもパワーは本物だろ?自分の力で体が壊れるのは頂けないが逆を言えば制御が上手く行けばかなりの物だろ?」

 

「そこが1番の鬼門なんだけどね…」

 

「…緑谷はよ、指一本に渾身の力を乗せすぎてるんじゃないか?」

 

「どういう事?」

 

「指に乗せる渾身の力を全身に散らして、体全体に力を巡らす…そうすれば今までみたいな超パワーは無理でも多少マシにはなるだろ」

 

「指一本の力で全身を…なるほど、ありがとう!」

 

緑谷のパワーはオールマイトにも届き得る物である、単純なパワーという面で見れば丸越の『鳳凰印』と互角かそれ以上の可能性すらある。

 

「それにしても増強型は派手でいいよな…俺の硬化は優秀っちゃ優秀なんだが、いかんせん地味なんだよなぁ…」

 

「確かに地味ではあるがシンプルな個性だ、目立った弱点がない分応用もそこそこ効く。何だかんだ単純な能力が一番強いだろ、極めればプロにも通用するだろ」

 

切島が自身の個性にコンプレックスがあることを打ち明けるが丸越がフォローする。能力というのはシンプルな分、弱点が少なかったりあえて弱点をひけらかす事で相手の動きを制限し自身の優位性を保ちやすい。

 

「プロかぁ…でもよ、プロヒーローって人気商売な所あるじゃねぇか。そうすると地味なのは致命傷なんじゃねえかなって思うんだ。」

 

「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み☆」

 

「でもお腹壊すのはよくないよね!」

 

青山の自信をまたもや芦戸が砕いて青山の表情を暗くする。個性の発動に限りがある事は死活問題、反復して使い続ければ発動時間も伸びるがそれでも青山のデメリットはかなりの物だろう

 

「やっぱり強さと派手さを兼ね備えた奴と言えば爆豪に轟、そんでもって丸越だな!」

 

「明確に弱点と呼べるものが無いのは強いよね…」

 

「…個性じゃないけど、俺自身には弱点がひとつあるぞ」

 

「え!?なになに!」

 

「実は大のカナヅチでな…泳げないんだ」

 

「…思ったより普通だね」

 

「水中でも一応個性は使えるんだが…」

 

『泳げない』、そこまで大きな欠点には見えないが救助活動には大きな枷となる。ただ戦闘においては別であり、水中に無理矢理引きずり込むのは丸越のスペックを考えるとかなり難しい。

 

「でも爆豪ちゃんはこの中であまり人気がでなさそうね、すぐにキレるから」

 

「んだとコラ!だすわ!こんな半分野郎や鳥野郎なんかよりも出してやるわ!」

 

「ほらキレた」

 

「この短い期間でクソを下水で煮込んだ様な性格なのが周知されている時点でねぇ……?」

 

「なんだよ!てめぇのその無駄なボキャブラリーは!死ね!」

 

「アレだろ、ステ振りで性格じゃなくて戦闘技能にガン振りしたんだろ」

 

「「「「あぁ…」」」」

 

「黙れや鳥野郎!!」

 

上鳴の的確すぎる表現にブチ切れる爆豪、その背中を連装砲で撃ち抜くが如く丸越が追い討ちし、全員が納得したような声を出した。

 

「おい、そろそろ着くぞ。準備しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バスから降りてドーム状の建物に入るとそこにはテーマパークを彷彿とさせるような光景が広がっており、夢の国にも引けを取らないだろう

 

「これ……USJかよ!?」

 

「はい!これぞ僕が設計した『嘘の災害や事故ルーム』…略して!USJ!」

(((ホントにUSJだった!)))

 

(多方面から怒られそうな名前だな…)

 

かなり際どい名前に反応する生徒達の前にいるのは宇宙服のような戦闘服を纏っている一人の教師でありプロのヒーローでもあるスペースヒーロー『13号』

 

「スペースヒーロー『13号』!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

 

「私好きなの!13号!」

 

13号のファンだという麗日を初めとして他の生徒達も興奮を隠しきれていなかった

 

(13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが…)

 

(先輩…それが、通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで…今は仮眠室で休んでいます)

 

(不合理の極みだな…)

 

相澤と13号はこの場にいないオールマイトのことを話しているが、この会話は二人以外の耳に入ることは無かった

 

「では、えー…始める前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ……」

 

((((増えてる…))))

 

(4つまで行くともはや小言じゃないだろ)

 

内心、13号の増えていく小言に困惑しながらも全員がその言葉に耳を傾ける

 

「ご存知の方もいるかもしれませんが、僕の個性は『ブラックホール』。吸い込んだモノをチリに変えます。」

 

「それで炎や土砂を吸い込んで救助をしているんですよね!」

 

「はい…ですが『人を簡単に殺せる個性』でもあります」

 

「「「!!」」」

 

「今でこそ法律によってヒーロー以外は公共の場での個性の使用は制限されていますが、1歩間違えれば簡単に人殺しにもなってしまうでしょう。皆さんにもそのような個性を持つ人はいるのではないでしょうか?」

 

「「「…」」」

 

「今日の授業では、貴方達の個性チカラが人を助ける為のものだというのを学んで帰ってくださいね?…以上、ご清聴ありがとうございました」

 

「ステキー!!」

 

「ブラボー!!ブラーボー!!」

 

13号の話に生徒達の歓声や拍手が響く、ある意味どんなヒーロー基礎学の授業よりも心に響く話であり例に漏れず、丸越もそうだった。

 

「それじゃあまずは……」

 

相澤が授業を始めようとしたとき、中央の広場から黒い霧のようなものが突然現れ、その中から掻き分けるように人が出てきた

 

ズズズ…

 

「お前ら一固まりになって動くな!13号、生徒を守れ!」

 

「なんだ?もしかして入試の時みたいにもう始まってるパターンか?」

 

「違う!あれは…(ヴィラン)だ!」

 

「どこだよ、オールマイト…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…子どもを殺せば来るのかな?」

 

ぞろぞろと出てくるヴィランの中でも一際禍々しいオーラと殺気を放つ体中に手を着けたヴィランと黒い肌からなる巨体のヴィランによって本物であることを嫌でもわからされる。

 

「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

 

「何にせよセンサーが反応してねぇのなら、向こうにそういう事が出来る個性のヤツがいるって事だな。バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

「…おまけに向こうには何人か強そうな奴がいるな」

 

「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサー対策も頭にあるヴィランだ。電波系の個性が妨害している可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」

 

「っス!」

 

相澤の指示の下、避難が進められる。上鳴も放電を使って外部と連絡を取ろうとするが案の定妨害されてるのか通じない。

 

「先生は1人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すっていっても、イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛で正面戦闘は…」

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、生徒を任せたぞ」

 

相澤はゴーグルを着けて首元に巻いている捕縛武器を構え

て広場に突っ込む、そこから先は相澤の独壇場でありゴーグルで目線を隠し、誰を消しているか悟られないように、そして相手の力を利用した戦闘で次々と敵を薙ぎ倒していく。

 

「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ!」

 

「分析している場合か、早く避難するぞ」

 

そんな相澤を見て興奮する緑谷に丸越も避難を促すが

 

「させませんよ」

 

ワープ系の個性を持つ黒い霧の男に出口を遮られる。

 

「初めまして。我々は敵連合ヴィランれんごう。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは……平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして

 

突然の敵のカミングアウトに生徒達は思考が停止する。何せあのオールマイトを殺すと言ったのだ

 

「…麗日、これ通信機だ。一応渡しとく

 

「!…わかった

 

丸越は冷静に麗日に通信機を渡す、生半可な電波妨害では問題なく働く通信機はこのUSJ内でも使うことは出来るだろう。ワープ持ちという事もありあれば散り散りにされる事を懸念して渡しておく

 

「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが何か変更があったのでしょうか?まぁ…それは関係なく…私の役目はこれ」

 

ドォン!

 

と同時に靄が噴き出そうとするが待ったをかけた生徒がいた。爆豪と切島が先に攻撃を仕掛ける

 

「その前に俺たちにやられる事は考えなかったか!」

 

「危ない危ない…いくら生徒と言えど優秀な金の卵」

 

しかし相手は霧状であり、効果は薄かった

 

ドゴォ!

 

「ウグッ!」

 

「何だ、ちゃんと効くじゃねえか」

 

2人を庇うように出てきた丸越の蹴りがヴィランに突き刺さる。

 

「多分お前の体あれだろ?元の肉体の上から霧みたいなので覆い隠してるから見た目より体が小さいんだろ?」

 

「チッ…貴方のような餓鬼は特に厄介ですからね、私の役割は 散らして嬲り殺す

 

霧を出した瞬間に回避は無理だと判断した丸越は他のクラスメイトを守る為、後ろに飛び退いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧が晴れるとそこはどこかの山岳のような場所の上空であった。取り敢えず同じく飛ばされ落ちている八百万と響香、上鳴を不死鳥化させた足と嘴で掴み、翼を羽ばたかせながら安全に3人を下ろす

 

「全員大丈夫か?」

 

「ありがとうございます、丸越さん」

 

「助かった…アンタが一緒に飛ばされて良かった」

 

「一先ずここはどこだ…?」

 

周囲を見渡してみると山岳地帯のような場所で岩壁が立ち並んでおり身動きが取りずらそうな場所だった。

 

「取り敢えず、急いで13号先生達のところに…!」

 

「そうしたいのは山々だが行かせる気は無いみたいだぞ」

 

「…え?」

 

丸越の言葉にどこからともなくヴィラン達が現れる。おそらく、丸越たちを転送した霧のヴィランが事前にここに送り込んだのだろう。

 

「ハッハー!来たぜガキどもがぁ!」

 

「男が二人、女が二人か。いいねぇ、男はとっとと殺しちまおうか」

 

「だな!んで、女はマワそうぜ!片方は胸もデケェしな!」

 

下卑た会話が周りに響く。4人の周りには二、三十人ほどのヴィランが取り囲んでいた。

 

「ちょっ、何なんだよこれ!?」

 

「これ、ヤバくない!?」

 

「チッ…八百万、響香と上鳴に武器を作ってやってくれ。特に上鳴には金属製のやつを頼む、上鳴はその武器に電気流せば即席の武器になる」

 

「わかりましたわ!」

「何でそんな冷静に戦闘準備できるの!?」

 

四方八方にいるヴィランに対してお互いに背中を合わせながら的確に指示を出していき、その様はとても高校生とは思えず、響香も突っ込む。

 

「兎に角お二人ともこれを!」

 

「おっけい!」

 

「ありがとヤオモモ!」

 

「丸越さんはどういたしますか?」

 

「俺はあいつらを全員潰す、お前らは防御に徹して身を守れ。俺が数をあらかた減らす」

 

「いやいや!流石にお前でもキツイだろ?!」

 

一対多の状況下では流石に無理だと上鳴は言うが丸越はほとんど聞き耳を持っていなかった

 

「大丈夫だ、そこらの雑魚に負けるほど柔な鍛え方はしてないんでなっ!」

 

そう言うと個性を発動させヴィラン達に向かって突撃する、しかしヴィランも当然攻撃する。

 

「ハッ、馬鹿な野郎だ!1人で突っ込んできやがった!」

 

「死ねぇ!!」

 

ドスッ!ドスッ!

 

1人突っ込んでくる丸越を嘲笑いながら岩の棘を撃ち出し、撃ち出された棘は丸越の体を撃ち抜きかなり大きな穴が頭や体の至る所にできる

 

「ハハハハ!死に急ぎ野郎が、舐めてんじゃn「弾幕薄いぞ、何やってんだ!」…は?」

 

「「「「嘘だろぉ!?」」」」

 

普通の人間ではほぼ即死の攻撃だったが普通ではない丸越にとってはかすり傷にすらならない、空いた穴は青い炎が覆いまるで何事も無かったかのような見た目になっている

 

 

 

「お返しだ!」

 

ドゴォ!

 

「ブホォ!」

 

棘を撃ってきたヴィランに膝蹴りを打ち込む、鍛え上げられた攻撃は容易にヴィランを戦闘不能にした。

 

「よし、次!」

 

ドガン!

 

「「「のあああ!」」」

 

所詮は路地裏でコソコソやっているようなチンピラなので丸越の一蹴りで2、3人は宙を舞っていく

 

「丸越強すぎでしょ!?」

 

「寧ろ自分たちの身を守った方が良さそうですわっ!」

 

「俺に任せとけ!」

 

バチバチ!

 

「「「あばばばば!」」」

 

丸越に比べて弱そうだと思ったのか3人に襲い掛かるが仮にもヒーロー志望、そこら辺の学生とは比べ物にならない。特に上鳴は八百万に作って貰った鉄製の竹刀をスタンバトンのように使うことで周りを気にせず個性を使えるので3人で連携しながら戦うことができた。

 

(数が多いな…)

 

どうやら見た目以上に隠れていたようで既に20人近く倒しているにも関わらず周りにいるヴィランの数が減ったような感じがしていない、そうなると減ったそばから補充されているのが妥当だろう

 

「仕方ねぇ、まとめて潰してやるよ」

 

そう呟くと丸越は高度を上げ、助走をつける。そして翼を巨大化させながら回転し、地面に激突する瞬間に炎を発生させる

 

不死渦!

 

ドォン

 

「「「うわあああ!!」」」

 

翼から放たれた風圧と青い炎に回転を乗せて蒼炎の竜巻を生み出す、丸越が持つ最大にして唯一の広範囲攻撃である。それによって丸越の近くにいた20を超えるヴィランは全員吹き飛ばされ、中には犬神家よろしく頭から突き刺さっている者までいる

 

「よし、後は3人の近くにいる奴らだけだな」

 

少し離れた3人の元へ向かう。そこには大きなシートと上鳴、そしてヴィラン達がいた

 

「え!?丸越、お前の方もう終わったのか!?」

 

「ああ、これどういう状況だ?」

 

「丸越さん!取り敢えずこの中入ってください!」

 

シートの中から響香の声が聞こえる、瞬時に丸越は状況を理解する

 

「なるほど…上鳴!思いっきりやれ!俺は大丈夫だ!」

 

「お、おう!」

 

ドシャァン!

 

大丈夫と言われながらも少し躊躇しつつ上鳴は個性を発動させる、そしてまるで落雷が落ちたかのような音が響く

 

「ま、丸越大丈夫!?」

 

「心配するな、不死鳥舐めんなよ?」

 

シートに包まれていた響香はともかく、丸越には傷ひとつ無かった。というのも丸越は放電の直前に翼で自身を覆い隠して電撃を防いでいたのだ

 

「そっちは大丈夫か?」

 

「あ、ちょ、見るなああ!」

 

ドスッ!

 

「あああ!目があああ!」

 

「耳郎さん!?」

 

シートの中を覗こうとした丸越の目に響香のイヤホンジャックが突き刺さる、いくら再生できるとはいえ痛いものはちゃんと痛いので丸越は目の痛みに転げ回った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それで何か弁明は?」

 

「ホントごめんて…」

 

「多分今日一のダメージだぞ?」

 

「丸越さん、その辺にしてあげては…」

 

周りのヴィランを片付けた丸越は響香に説教をしていた、幾ら八百万の為とはいえ丸越じゃなければやばかっただろう

 

「まったく…気をつけてくれよ?」

 

「はい…」

 

「うェ〜い…」

 

「お前も目を覚ませ!」

 

「いった!…あれ?もうヴィラン倒したのか?」

 

「何も叩くこと無くても…」

 

「知ってるか?アホは斜め45度の角度で叩けば治るんだぜ?」

 

「そうですか…!」

 

「間違った知識を植え付けるな!昭和のテレビか!」

 

頭を叩いて無理矢理治すという荒治療ではあるが実は個性を使ってキャパオーバーのデメリットを治していたのは別の話

 

「…でもってお前はバレてんだよ!」

 

ドゴォ!

 

「あブァ!?」

 

「「「!?」」」

 

響香の後ろで地中から頭と片腕だけを出していたヴィランをサッカーボールの様に蹴っ飛ばした

 

「い、いつの間に…」

 

「地中で放電をやり過ごしてたんだろ、大人しくしとけば痛い目に遭わずに済んだものを」

 

「完全にヴィラン側のセリフなんだよな…」

 

「一先ず入口に向かいましょう、ここからならそんなに距離も無いはずですわ」

 

「そうか、お前らは先に行っててくれ。俺は相澤先生のところに加勢する」

 

「「「え?!」」」

 

まさかの一人行動宣言に全員固まる

 

「相澤先生の加勢って大丈夫だろ!?」

 

「…そうとも言えない、奴らがハナからオールマイトを殺す事を目的としている以上それが出来る手立てがあるってことだ」

 

「…まさか」

 

「もしかしたらその対オールマイト要員と戦ってるかもしれない。いくら個性を消せるとはいえ限界がある筈だ」

 

「だからって加勢は…!」

 

「正直、今動ける生徒の中なら俺が1番戦えると自負している。だからこそ見捨てられない」

 

丸越の戦いっぷりを見ていた3人だからこそ大丈夫だと思うがここで止めるべきだとも考えてしまう

 

「響香、通信機を渡しておく。入口に着いたら連絡してくれ」

 

「丸越!」

 

「何だ?止めても俺は…」

 

「絶対帰ってきてね」

 

「…おう!」

 

止めても無駄だと察した響香は丸越に帰ってくるように言い、丸越は相澤のいる広場に向かった。その光景は入試の時を彷彿とさせるものだった

 

 

 





いやぁ…更新が遅くなって本当に申し訳ない
構想は膨らんでるんですが如何せん執筆意欲が…
失踪しない程度に投稿するので暖かい目で見守っていただけると幸いです

■おまけ

『不死渦(しなずうず)』
本小説のオリジナル技
回転しながら落下し、地面に着く瞬間に青い炎を出して蒼炎の竜巻を発生させる技。正直、原作のマルコもこれくらい出来そうなのでオリジナル技として出してみました。


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