カイドウ♀になった話   作:ぼほの

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Q.毎日投稿とか……なさらないんですか?

A.駄文を頭から捻り出すのに時間がかかるから無理です。

 
 


3話

 熱息(ボロブレス)!!」

 

 

 天上の火(ヘブンリーフォイア)アァ〜〜!!!!!」

 

 

 遥か上空にて。

 街を飲み込みそうなほど巨大な熱光線を放つ青龍と、空を焼き焦がすような激しい太陽を持つ女がいた。

 その者達が放った技は凄まじい速度で衝突しあい爆ぜると、身を焦がすような熱が、このホールケーキアイランドの首都であるスイートシティにまで届くようだ。

 

 その影響で建材であるチョコ等が溶け出し、建物の倒壊が所々で起こっていく。

 

 「逃げろー!!」

 「ここは安全じゃねぇ!!」

 「こっちだー!!」

 

 ホーミーズや幹部達を含むビッグマム海賊団は、まだ逃げ切れていない住人達の避難誘導を行い、少しでも被害を減らそうと尽力している。

 しかし―――

 

 

 「威国!!!」

 

 

 「雷鳴八卦!!!」

 

 

 そんなこと知るかと言わんばかりに、巨大な斬撃と莫大な打撃が激突し、衝撃音が雷鳴の如く轟いた。

 その衝撃波は――高空で発生したからか、空を覆う雲を吹き飛ばし、距離が離れていようともスイートシティを揺るがせた。

 それによって、建材の一部が溶けようとも何とか立ち続けていた建造物も次々と崩れ落ちていく。

 

 いずれ崩れるものが無くなり舞い上がった粉塵が晴れていくと、そこには昨日まで賑やかだった街は原型を留めておらず、後に残ったのはホールケーキ城と、ドロドロに溶けた建材と瓦礫だけ。

 

 そんな破滅的な光景を見て―――

 

 

 「話と違うじゃねぇか……」

 

 

 ―――と、カタクリは一人呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 街の残骸の上で海の皇帝達の戦いを眺めながら、キングは思う。

 

 どうしてこうなった、と。

 

 事は鬼ヶ島で騒ぎが起きたことから始まる。

 

 別に鬼ヶ島で騒動が起こることなど珍しい事ではない。

 酒を飲みすぎてバカになった部下達が、いきすぎたお巫山戯をする事など多々あるし、その他にも時折おでん関連の侍が攻めて来る事もある。

 そのため騒ぎが起こるなど日常茶飯事――とまではいかなくとも、皆が迷うことなく対処出来るほどには頻度が高い。

 

 しかし今回ばかりは特別な事例で、皆慌てふためいていた。

 

 何故なら騒ぎを起こしたのがカイドウの娘、ヤマトだったからだ。

 

 何故彼女が騒ぎを起こしたのか。聞けば彼女は「僕はおでんだ」と主張しながら暴れているらしい。

 その事について、「親の考えはよく分からないが、まさか娘がそれを上回るレベルの意味不明さとは…」、と後に大看板のクイーンは語っている。

 

 当然対応に困った。

 

 これは別に暴れた理由が“自身がおでんだから”という理解し難いものだからではなく――少なからずそれもあるかもしれないが、頭首の娘であるヤマトを傷付けるわけにはいかなかったからだ。

 もし暴れているのが部下や侍であれば再起不能か死で対処するのだが、相手はトップの娘。しかも様子を見るに彼女はカイドウに溺愛されているようである。

 そんなものに手を上げたら、一体どんな地獄を味わわされるのか想像もしたくない。殺すなんて論外だ。

 

 さらに厄介な事に、彼女は四皇の血を受け継いでいるからか、齢8歳にしてその力は成人男性を超えている上に、報告では彼女を抑えに行った者達がガクリと泡を吹いて倒れたらしい。

 そう、なんと彼女は覇王色の覇気を覚醒させていたのだ。

 

 並の者では触れることすら出来ず、強者であっては傷付ける恐れがある。

 

 これはカイドウに任せるしかない。

 

 そう判断したキングは彼女の部屋に向かうが、まさかの不在。

 訓練場に居るのではと思い行ってみるも、居ない。次に武器庫に行ってみるも、居ない。次にヤマトの部屋に、次に、次に………。

 そこまで探してもしやと思い、貯酒庫に行ってみるも、居ない。

 しかし収穫はあった。酒が幾つか無くなっていたのだ。

 

 どうやら彼女は、酒を持って何処かへ行ってしまったらしい。

 

 その事実にキングは溜め息を吐いた。それは諦めから来るものだった。

 

 彼女はいつも自由奔放で傍若無人、やりたいと思った事は我慢せずにやる主義だ。たとえそれが無茶苦茶な事でも、彼女の力と行動力なら成し遂げてしまう。

 一応組織のトップとして重要な場面ではそれらしく振る舞うが、その他についてはほぼ部下に投げ、自分のやりたい事にしか手を付けない。

 そしてそのやりたい事は、誰にも見られない場所ですることがある。実際、彼女は不規則的にこの鬼ヶ島含めワノ国から姿を消す。

 その際に彼女は大量の酒を持って行くのだ。

 

 そして今、彼女はこの鬼ヶ島から姿を消し、酒が幾つか無くなっている。

 こうなっては彼女の行方を探すのは困難を極めるだろう。

 

 このまま彼女が戻ってくるまで、それかヤマトの体力が尽きるまで、この騒ぎは止められないのだろうか。

 そう皆が諦めかけたその時、花の都上空にて青龍を見たという目撃情報が発生した。

 

 キングはその情報を耳にすると直ぐにそこへ直行し、ベロベロに酔っ払った頭首の姿を目にする事に成功。

 すぐさま鬼ヶ島に戻るよう説得を試みるが、彼女は全く聞く耳を持ってくれず「ホールケーキアイランドに行ってきます」と行ってワノ国中を回りだしてしまう。

 

 結局彼女の酔いが醒めるまで、彼の言葉が彼女の耳に届く事は無かった。

 いや、醒めた後も届いていないようなものだった。

 

 

 「カイドウさん、あんたの娘が今鬼ヶ島で暴れてるんだ。戻って対処してくれないか?」

 「ん?(やば、聞いてなかった)あー、そんなことより今から私は万国に行ってきますので、クイーン達にそのことを伝えてくれませんか?」

 「………いいのか?」

 「?……何かいけなかったでしょうか??」

 「いや、あんたがそういうのなら」

 

 

 

 意外にも放置を選択したカイドウにキングは戸惑いつつ、万国に向かう彼女を追う。

 それは、何でもない適当な島に行くのならまだしも、同じ四皇であるビッグマムの国なら最低でも一人や二人、傘下はついて行くべきだろうと判断しての事だった。

 

 そして万国に着き、気が付けばそこでビックマムの食いわずらいを止めるための頂上決戦が始まっていた。

 

 それはカイドウが気分でなのか、昔の(よしみ)でなのか分からないが、食いわずらいによるスイートシティの被害を抑えるべくして始めたものだった。

―――まぁ、その肝心のスイートシティは()()()()()()()()()()()で壊滅状態なのだが。

 

 

 しかし、キングには疑問があった。

 

 それは一体何のためにビッグマムのもとに行くのか、というもの。

 カタクリとカイドウの会話を聞く限り、どうやら相談をしにきたらしいのだが、一体それは何なのだろうか。

 

 ワノ国に関わることである可能性は低い。

 彼女とビッグマムの仲は四皇同士にしては良好な方だが、それでも自身が支配する国について相談するほどではないし、そもそもそれについて無関係の人に相談するような性格ではない。

 

 であれば一体何なのだろうか。

 四皇ビッグマムとわざわざ相談しに行く事といえば?

 あの果てしない武力を持つ彼女でさえも、後先考えず行動しがちな彼女でさえも相談を選択するものとは?

 

 キングはそこまで考え、ハッとする。

 

 

 まさかとは思うが―――『世界を巻き込むレベル』の()()()なのだろうか? 

 

 あの時、彼女が溺愛している娘が暴れていても放置を選んだのは、この相談事があったからなのでは…?

 彼女があの時「何かいけなかったのか」と聞いてきたのは、「海賊が世界を巻き込む事件を起こしては駄目なのか」という意味だったのでは…?

 

 もし本当にそうであるのなら、なるほど娘が暴れた事など()()()()()呼ばわりするはずだ。

 “世界を巻き込む”か“娘が暴れる”か。どちらの方が優先順位が低いのかは明白だ。

 

 一時期は酒を飲んで酔っ払った勢いでまた突拍子もない事を言い出したかと思ったが、全くあの人はとんでもないことを平然と言うものだなと感服する。

 

 より一層彼女へついていく事を決意したキングは、天高くで繰り広げられる人知を超えた戦いを見つめ―――

 

 

 「カイドウさん、やはりあんたこそ海賊王になる女だ」

 

 

 ―――と言葉を漏らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この後カイドウ視点に移ろうと考えましたが、1話に内容がギチギチになりそうだったのでやめました。
あとその色が濃くなってきたので勘違いタグを追加しました。


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